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ふりかえってみると、わたしも30歳のとき、今では絶対できないかけがえのない「経験」をしました。
パリ=ニューヨーク間を超音速ジェットコンコルドに乗ったことです。
もう35年近く前のことです。
遡ること45年前、大学4年生の時、
まだまだ本格的なバブル期が始まる前のことです。
ラッキーなことに大好きで毎号購読し隅々まで読んでいたファッション誌でライターを始められました。
当時、大学の単位はほぼ取っていたのであとは卒論だけ。
なんとかできる。
そう思って飛び込んで行き、いきなり連載ページまで担当させていただきました。
夢のようなオーファーでした。
こうして一見、華やかな身分に身を置くことになりました。
が、やがてそれは同時にとても苦しい時代への突入でもあると知りました。
それからは迷いばかりの10年、
あちこちに頭をぶつけ
相当に迷走し、
ジェットコースター人生を送りました。
楽しかったことは
もう天にも昇る楽しさでも
苦しいことは地を這いながら
落ちるところまで墜ちる感じ。
そんな20代でした。
(20代についてはまたいつかじっくり書くとして)
30歳になる頃、そんな20代の集大成として自分へのご褒美を渡すことにしました。
何十年もそのことは忘れていたのですが、今思えば、すごいことをしたなと思います。
まず憧れでしかなかった正社員のファッション誌の仕事を辞めて、とりあえずニューヨークに2年ほど住むと決めたのです。
ただ、すぐにニューヨークにはいかず、ビザなどの準備も兼ねて半年間は思いっきり遊ぶことにしました。
この半年間で当時あった貯金の半分近くを使い切りました。
そのタイミングで、ビジネスクラス世界一周一人旅というのをしました。
今も似たような航空券が買えるそうで、今だと円で60万円だそうです。
これは、同じ方向にしか進めませんが、わたしは香港、チューリッヒ、パリ、ニューヨーク、LA, ハワイ、東京のルートを回りました。
当時は確か40万円だったと記憶しています。
そしてパリとニューヨーク間はすごいおまけをつけるオプションがありました。
さらに5万円足せば、コンコルドに乗れるというものでした。
迷わず、5万円足しました。
今は廃止になってしまったコンコルドは、ブリティッシュエアウエイズとエールフランスが共同開発した超音速ジェット機で、最高速度は音速より速いというのが売りでした。
今見てもカッコいい機体です。
機内の内装もめちゃくちゃオシャレ。
(と言ってもあまり覚えていませんが)
有名デザイナーの絨毯や食器を使用していたようです。
ただ、空港を出発し、マッハのスピードに達するタイミングで、ものすごい爆発音を発します。
これが隣人には大きな迷惑となりました。
機体は小さめなのに燃料も尋常でない消費量です。
どんどん機体が古くなっていったタイミングで、ドゴール空港で大きな事故を起こしました。
それからすぐに2001年の同時多発テロ。
世界は省エネに向かい、コストがかかりすぎることもあり、結局廃止となってしまったのです。
今思えば、一回だけど乗ってよかったと思います。
パリ=ニューヨーク間にコンコルドに乗る人たちの多くは、この路線は慣れていて、いつもコンコルドに乗っているという感じでした。
乗客を観察しているだけで楽しかったです。
まだ多くの男性は高級そうなスーツ、女性もかなりオシャレをして飛行機に乗った時代です。
それまで知らなかったある特定のクラスの人が存在することを知りました。
後にその人たちを取材したり、近くに住むようになり、中にはママ友になる人も出てくるのですが。。。
あの時のコンコルドに乗った、たった3時間半の経験のおかげなのか、彼女たちと一緒にいても、臆するということがなくなりました。
今、私の手元に残っているのは機内でいただいたポーチとその中身だけ。
飛行機に乗ると機内でいただく毎回違うポーチ。
最初は集めていたのですが、数がどんどんたまるため、最近では処分しています。
が、これだけは捨てられず、ずっと大切にしていました。
単なるノスタルジーなんですけれど。。。
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