だれも書かない世界基準の「上座」 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

みなさま、こんにちは。

お待たせをしました。
今日は、ニューヨークでも絶滅の危機に瀕しているといっていい「上座」についてのお話です。


日本には存在する上座。
実は旧大陸ヨーロッパやそれらの国と関係の深い国々にはまだまだ存在するんです。
ただ、日本とはちょっとちがった形で。
日本でなら、簡単にいえば、入り口から遠いほど上座、
または、床の間に近いほど上座ということになります。

では、西洋のマナーではどうなんでしょう。
これ、あまり書かれることがないんですが、国際的な場所で接待をしたり、おもてなしをする機会があるビジネスマンの方がた、またはご主人さまの接待のおつきあいをする機会の多い奥様がた、知っていると何かと便利ですよ。

ぜひシェアしたいです。


テーブルセッティングについて教えてくれる場所はやまほどありますけれど。


わたしも、実はカジュアルなニューヨーク生活が長くなっちゃって、すっかり忘れていました。

だけど、先日、イタリアを夫婦で旅行した際、あの、夏はパナマ帽、冬はボルサリーノ帽の似合う、イタリア紳士でオーガニックワイン作りの名手、セルジオ・モトゥーラ家にお招きを受けて、はたと思い出したのよ。

ヨーロッパにはまだ日常に生きている上座のルールを。


これ、お食事をするときの席次というわけじゃないのよね。
ビジネスの際、接待するほうが座るお席でも同じルールが適用されます。


そう、一番大切なことは、
その日、ご接待をする側のホスト(男主人)とホステス(女主人)は、その晩おもてなしをする顔ぶれのうち、一番大切な人には自分の右側に座っていただく、というもの。

しかも夫婦でお招きをしていれば、ホステスの右となりは男性、ホストの右となりは女性です。


そして、男と女のゲストでは、基本男性が首位ということになるので、その場合は、ホステスが座るのは、部屋の入り口から一番遠いお席。

長い楕円のダイニングテーブルなら、ホストとホステスは端と端に座ることが多いですね。


それぞれの右となりに一番大切なゲストを。その次に大切なゲストを左となりに。
こうすれば、たとえテーブルが大きくても、身内や若輩者たちで席次が低い人たちでも、主人たちからは離れるけれど、テーブルの真ん中あたりに座ることができます。

なかなかよく考えられているなと思うんですよね。


映画「Io sono Amore」より拝借しました。
このシーンはテキスタイル事業を代々営んで来たイタリアの一族が、外部にパートナーをもつ話をすすめるための晩餐。
女主人の右側のターバン巻いたおじさんがメインゲスト。
この映画の晩餐シーン、席次もちゃんと考えられ破綻なしです。


これ、ビジネスの接待の場でももちろん、使えますよ。

たとえば、銀座あたりに接待に行くときも、もし、国際感覚あるホステスさんなら、大切なお客様を自分の右に座らせて接待するはず。


ビジネスのミーティングがあれば、プレゼンするほうは、聞いていただく人には右側にすわっていただきましょう。

これをわたしは忘れないように「右のルール」と呼んでいます。

右のルールは給仕する人にも適用されます。
向かって右側に並ぶワインやお水を給仕する場合は、かならず右側からつぎましょう。
よくニューヨークでは、一流レストランの給仕でも、座っている人の左側から手を伸ばしてワインをついだりするんだけど、あれはやめてほしいといつも思ってしまいます。(だまってますけれど)


セルジオさんが作られるワインは、イタリアで数々の輝かしい賞を受賞してらっしゃいます。
こだわりのオーガニックであるというだけではなく、その生き方もカッコよすぎ。
こちらはモトゥーラ家が経営するウンブリアのブティックホテルです。
由緒あるおうちの方ほど、おうちの中はいい具合に古いというか、笑
新しく改装されていてもきんきらしてませんよね。そこがほっとするっていうか。La Tana dell'Istrice




世界基準でご活躍されているみなさま、
今はまだでも将来はと考えてらっしゃる方、
お子さんはぜひ世界舞台で自由に活躍してほしいと考えてらっしゃる方、
今日からこのルール頭の大切な引き出しにしまっておいてね♪



国境を超えて感動した男のプリンシパル





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