横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道 -55ページ目
●今月のお稽古
「源氏合わせ」は終了です
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
昨日、日中は暑かったのですが
雨も降らず、外出日和でした。
予想通り、渋谷は大勢の人が行き来し
江ノ島や鎌倉などの観光地も
人出が増しましたね。
比例するように、感染者も増加でした。
東京都の緊急事態宣言が解除され
今月はお稽古をいたしました。

入り口でアルコール消毒をお願いし
お稽古中は十分な換気をし
お一人お一人にパーテンションを置き
アルコールも一つ一つのテーブルに備えました
精一杯の努力をしてお稽古に臨みました
3カ月振りのお稽古再開でした。
皆様お元気そうで何より
今年の6月は
「源氏合わせ」で「花散里」でした
今回はとても短い帖でしたので
読み易く皆様の薫物にかける時間も
短時間だったのではないでしょうか。
たちばなの
香をなつかしみほととぎす
花散る里を尋ねてぞとふ
この歌から薫物を想起なさるのでは
そのように考え
私も薫物を創って奏香いたしました。
橘の花もほととぎすもございませんが
我が家の庭に咲いていた
金柑の花枝をお持ちいたしました。
キンカンはヒメタチバナとも申します。
橘も金柑も柑橘系のお花ですので・・・

皆様思い思いの薫物を創られました。
それぞれの
薫物に込めた思いを述べられるのに
集中し過ぎてしまい
撮ることをすっかり忘れてしまいました。

毎回お稽古が
終了するころ
時には終ってから
「写真撮るの忘れてしまいました」
となっております。
気をつけているのですが
今回も終了間際となってしました。
調度を片づけ終ると
小さなお稽古場に
一つ一つの薫物が混じり合って
窓を全開して換気するには惜しい
とても芳しい香りが漂っておりました。
コロナ禍の中
県を超えてお越しになった方も
皆様心癒せる時をお持ちになれたのでは
と思っております。
皆様の薫物で
最も癒して頂いたのは私なのです

●香りの聞香中に
可愛いお花を下さった訪問者
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
突然
曇ったり
雷雨になったり
激しい雨が降るのですが
少しも蒸し暑さのない梅雨です
とても助かります。
一昨日のこと
お稽古のための準備で

今回の「源氏合わせ」で使用する
薫物を焚いて聞香していると
近くに住む孫が
お友達を連れてやって来ました。
「はい、これ!」
と
差し出されたのが
小さな黄色いお花でした。
(一日経ってから写したので少し萎れています)
「私のおばあちゃんお花が大好きなの
」
とでも言ったのでしょうか?
お友達がおばあちゃんにと
下さったのだそうです

直径3㎝ほどの小さなお花です
小さくてもその黄色は
目に飛び込むように鮮やか
何のお花でしょう?
思わず香りを調べてしまいました。
微かに甘く優しい香りがしました。
このコロナ禍の中
子供たちも思うように遊べないようです。
宿題をして日が暮れる前に
サヨナラしました。
子供たちはコロナを
どのようにとらえているのでしょうか?
どこへ行っても手洗にうがい
マスクをしての交流が当たり前
なんと窮屈なことか・・・
百年に一度とはいえ
何も令和にこのようなことが
起きなくても良いのに
などと考えながら
「花散里」の薫物を聞きました。
源氏の君の心が癒えるように
願いを込めて創った薫物は
自身を癒す香りでした
二人の訪問者
可愛いお花をありがとう
黄色いお花から元気を頂きました。
制限なく飛び回って遊べる日が
早く来ますように
●今週は「源氏合わせ・げんじあわせ」で
「花散里・はなちるさと」です
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
梅雨入りして雨の日が多くなっています
でも例年のようにムシムシ感がありません
例年なら5月からエアコンがフル活動
今年はまだ1、2回しか使っていません
朝晩は涼しいし
ひょっとして冷夏なのでしょうか?
それはそれで私的には歓迎です
酷暑よりは良いのです。
昨年の「源氏合わせ」の課題でしたが
ちょうど半年延ばしたのです。
若者ではございませんから
もったいない何年かになりますが
それほど急がなくてもいいじゃない
なのです。

「花散里」は五月雨(さみだれ)の季節で
新暦では梅雨の時季でのお話です
「花散里」の薫物を聞くには
肌で感じられる季節となりました。
ところで「源氏合わせ」って?
平安朝香道では、毎年季節ごとに「源氏合わせ」
と呼ばれる「香合わせ」を行っております。
「香合わせ」とは
平安時代に貴族の間で日常的に行われた遊びです。
出席者が予め創作しておいた香を持ち寄って
判者(判定者)がその香の優劣を決めるもの。
その「香合わせ」になぞらえて
「源氏物語」の一帖から五十四帖の帖ごとに
各人が創作した香を披露し、お互いに聞き比べる
遊びです。
年に3回「源氏物語」の1帖より順に
皆様独自の香を創作して頂いております。
これまでのお稽古の
小さな集大成と言えるでしょう。
縛られることなく
思い思いの薫物が作れるのですから
これほど嬉しいことは・・・
(でも一定の法則はございます)
「源氏合わせ」は
頭と心の運動とも言えるのではないでしょうか。
皆様、創意工夫なさって創作され
薫物をご持参くださいます。
コロナ禍のため6月に延ばしましたので
何としても行なわなくてはなりません。
湿気があって薫物を聞くには最良の季節です。
どうかまた緊急事態宣言が
発せられませんように
今月のお稽古
6月23日(水)午後3時30分より
6月25日(金)午後5時より
6月26日(土)午後1時30分より
お稽古を行います
お稽古場
東急東横線日吉駅下車徒歩3分
詳しくはお問い合わせ下さい。
※こちらからどうぞ。

お問い合わせ
※ご入会希望の場合は下記からどうぞ

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●雨の匂い
雨の香りがして来ませんか?
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です

雨が突然激しく降って来て
大雨になるのかしら?
と思っていると
降り止み
降っては止みを繰り返して
静かに静かに降り続いています
降り続いているのを忘れたころ
また雨足が強くなる

雷の轟く音が
微かに聞こえて来ると
我が家のニャン子
スクッと立ち上がり
眼を見開いてウロウロし始めるのです
正体の分からないものにおびえるのです。
(余談ですが)

一昨日未明にも聞こえていた雷
今日も空が突然曇り
やがて雷鳴が響きました。
どこか遠くで
激しい雨が降っているのでしょう。

青空も見えています
雨続きではない
まだ湿気がそれほど感じられない時季
そう、梅雨入り前後の日でしょうか
雨が降る前に
「雨が降って来そう」
そのように感じられたことはありませんか?
いつからともなく
少し湿気を帯びた
冷た~い風が吹いてきて
ヒンヤリとした空気で肌を覆われたような
「あら?何だか涼しくなったみたい」
「雨の匂いがする」
私はこの感覚と
雨の匂いが好きです。
特にこの梅雨のころには
誰でもその感覚を肌で感じ
匂いを感じるのではないでしょうか。
この「雨の匂い」を
ペトリコールと呼ぶそうです
雨が降って、乾いた土や岩に当たる時
エアロゾル(小さな気泡)を放出します
土や岩に特定の植物から出た油が付着していると
その成分をエアロゾルが取り込み
それが「雨の匂い」となるそうです。
それほど遠くないどこかで雨が降っていると
エアロゾルが風に乗って運ばれ
私たちは「雨の匂い」と感じるのです。
あの雨の降る前に感じる匂いは
植物由来の香りだったのですね~
今日も突然の雨でしたが
ペトリコールは感じられませんでした。
これから梅雨明けまで
雨続きになるのでしょうか?
●樹木から香料作り
幻の香
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
関東地方は、やっと梅雨入りしました。
もっとムシムシしてもよさそうですが
その心配はこれからなのでしょう。
先週の土曜日から日曜日は
良いお天気でもなく悪いお天気でもなく
香料を作るには2日とも良い日でした。
5月の雨の晴れ間に作るはず、
だったのですが逃してしまい
6月になってしまいました。
まだまだ小さい樹ですが
少しでも採取出来ればと始めました。
先代宗師も十数年に渡って
この作業を毎年行ないました。
今までは幻の香とされていた
占唐の作製に先代宗師長谷川景光が
着手いたしました
平安朝香道の手本となる書は
勅撰『薫集類抄』です。
その中で
六種の薫物に使われている香は
沈、丁子、甲香、白檀、薫陸、占唐(薝糖香)、
麝香、鬱金、甘松、藿香、安息の11種
占唐は25の諸香の6番目に掲げられています。
六種の薫物(空薫物)は
これらの11種の香のみで作られています。
それぞれの香の組み合わせと
その分量で全く異なった薫物が生まれるのです。
とっても不思議
当たり前といえば当たり前なのです。
ですから一つでも入手できない香があれば
平安時代の薫物の復元は不可能なのです。
麝香がワシントン条約による規制から
手に入りにくくなっています。
占唐については
全く手に入れることができなかったのです。
室町初期に後小松院御撰となる
『むくさのたね』(1412~33頃)にある
六種の薫物の方(調合法)には
占唐は存在しません。
なぜなら
室町初期以前に
手に入らなくなっていたからです
南北朝時代を境にその入手方法や
伝来がなくなっていたと考えられます。
そして六百年を経た平成の時代に
日本で占唐は復元されたのです。
(占唐の解釈は研究者により異なっています。
中国でも一時期消えていました。
なぜ消えたかはまたの機会に。
いつからかはわかりませんが
現在は存在するとのこと。
それがどの樹木からなのか?)
先代宗師と同じように
私も占唐を作製
土、日を使って
2日にわたって作製しました。
たった一人での作業
いえいえスタッフが一人おりました
それにしても
クタクタとなりました。

スポーツクラブで筋トレしても
ボクササイズしても泳いでも
快い疲れでしたのに
今回は
失敗を恐れての緊張と
けっこう力仕事なので
クタクタで~す。
まあまあの出来
以前作った占唐と
早速比べてみました。
先生の香のほうが良い香り
と感じるのは気のせい?
しばらく時間を置いてから
また聞くことといたしましょう。
来年はもう少し早い時季に
作るようにしなければ。
今月のお稽古の準備が
終っていないので
休憩してばかりはいられません
次へ進みましょう

