Reframe2019の最終曲。いったん下りた幕が再び上がり、3人の姿が現れる。それまでマネキンのように終始無表情だった3人が、この日初めて満面の笑顔で歌い踊っている。どんなテクノロジーもかなわない、血の通った3人の“生還”に心を打たれ涙がこぼれた。

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《Perfumeにとってのテクノロジーとは、常にPerfumeの魅力を増すための道具でなければならない。Perfumeをテクノロジーの道具にしてはならない。》

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かつてはライブハウスで観客のすぐ近くで歌い踊っていた3人が、ホール、アリーナ、ドームへと活動の場を広げるにつれて、距離の離れた観客との一体感を保つために取り入れた創意工夫がレーザーであり、CGであり、プロジェクションマッピングであった。こうした道具立てについては、一部で「ライゾマがやりたいことをやってるだけ」などといった批判的な声もあったが、多くのファン(私を含む)はおおむね好意的に受け入れてきたように思われる。

そんな私がテクノロジーの活用に対して明確な違和感を持ったのが、ちょうど2年前(2017年11月8日)のPerfume×docomo『FUTURE-EXPERIMENT VOL.1 距離をなくせ。』だった。東京、ロンドン、ニューヨークに分かれてFUSIONを同時に踊る3人の映像をdocomoの伝送技術で遅延なく合成中継するというアレだ。

広大なライブ会場でテクノロジーを駆使してステージと観客の間の「距離をなくす」ことには相応の必要性が認められる。一方、FUTURE-EXPERIMENT VOL.1は、必然性のない距離を恣意的に作った後にテクノロジー側が自分勝手に「距離をなくせ」と叫んでいるだけではないか。それってまさにテクノロジーがPerfumeを道具にしているということではないか…(そんな憤りも結局、終演後のあ~ちゃんの涙でたやすく昇華されたのだが)。

今回のReframe2019も、ややもするとテクノロジーがPerfumeを振り回す構図に陥るところだった。そうした構図を、私の側はステージ上の3人だけに意識を集中することで半ば意図的にブロックしていたわけだが、最終曲Challengerの3人はそんな構図とは無縁の次元に存在しているように見えて、この日の懊悩が一瞬で氷解した思いがしたのだった。

Reframe2019を見た人から「後ろの人に迷惑なので、客席での前傾姿勢禁止」といった書き込みが目立つ。私も1日目に行ったが、前列のお客さんが普通に座っているのに、頭がステージを隠してしまってストレスがたまった。これまで訪れたいろいろな劇場やホールと比べても、あんなにヒドいのは初めて。設計ミスではないか。

陶酔感に頭がしびれたまま家に帰った。ライブで騒ぎまくりたい派としては、着席観覧の公演に対してさほどの期待をしていなかったのだが、普段のライブでは経験したことのない種類の感動(もしかしたら7年半前にPerfumeライブを初めて見たときのような感動)を味わった。

1階4列目センターブロック上手寄りという座席は、ステージに近すぎて演出の全容が視界に収まりきらない。しかし、そんなことはすぐにどうでもよくなった。テクノロジーを駆使した様々な仕掛けが意識の背後へと退いていき、3人の姿を間近に見守ることだけに神経が向かい始める。

あるセクションでは、私の席の真向かいに立ったのっちの所作を呆けたように見つめ続け、パフォーマンスに区切りがついたところでふと我に返った。小籔兄さんの名言「Perfumeと暖炉の火は、いつまででも見ていられる」を心底実感した。

本当はラストの曲について一番書きたいのだが、厳密にいうとネタバレになるのでやめておく。あの光景を思い返すだけで今も目に涙がにじむ。

会場が小さめなこともあり、音響はPerfumeライブ観覧史上トップ。ステージ両脇の巨大スピーカーが放射する爆音が体を貫きつつも一切の歪みが感じられない。客席の傾斜が緩いため、前方席の観客の頭がステージを隠すことだけがストレスだった。

来年2月のドームツアーで今回ほどの満足感が得られるものか、今から変な心配が生まれた。まあ、この日の感動も2月までにはいい具合に和らいでいてくれるとは思うが。

LINE CUBE SHIBUYAの「おとこ」用トイレ入り口

エコパスタジアムに入るのは初めてだが、隣のエコパアリーナにはPerfumeのライブを見るために3度来たことがある。そういえば、前に来たとき最寄りの愛野駅からアリーナに向かう道の途中にラグビーワールドカップの看板が立っていたっけ。そのときはラグビーを見るためにここに戻って来るとは思っていなかったが。

座席はバックスタンド2階席だが、通路のすぐ後ろの列で視界はよい。22メートルラインとゴールポストのちょうど真ん中くらいの位置で、最初はちょっと見づらいかと思ったものの、試合が始まるとアタックライン、ディフェンスラインに並ぶ選手たちの配置がよく見えた。

キックオフは18:45。昼間は随分暑かったが、夕方になると気温がかなり下がった。加えて2階席はやけに風が強い。ビール販売員が落とした空のプラスチックカップが通路を飛ぶように転がっていく。ただ、グラウンドレベルはそれほど風がないのか、キックで上がったボールがあまり流されているように見えなかったのが意外だった。

左側の隣の隣の席のおじさんはイタリア生まれだが今は日本に住んでいるらしい。右側の隣の隣の席の日本人は南アフリカファンらしく、「ポラード~~」とか叫んでいた。ゴールポスト裏の小旗を持った揃いの服の大集団は、現地では正体がよくわからなかったが、家に帰って試合のテレビ放送の録画を見ると、どこかの中学生くらいの生徒たちのようだった。

最初のスクラムを組む前に、南アのスクラムハーフ、デクラークがボールを片手の指先で器用にくるくる回す。テレビ中継でよく見た仕草だ。

その後、イタリアのプロップ3人がケガや反則で相次いでいなくなる。「果たして大丈夫なのか」と思っていたが、これも家でテレビ録画を見ると、やはり全然大丈夫ではなく、前半の途中からスクラムがノーコンテストになっていた。現地で見ると、そのあたりもよくわからないんだよな。

試合終了後、宿泊地の浜松に戻る。色とりどりのレプリカジャージを着た外国人が駅から次々と出てくる。こんなに多くの南アフリカ人が浜松に来たことはあっただろうか。イタリアやらウェールズやらニュージーランドからの来訪者がこの地に一斉に集まったことはあっただろうか。東京在住者としては試合開催地が東京近辺に集中したほうが観戦に行きやすいのだが、社会的インパクトを考えると各地で分散開催してよかったなと納得したのであった。

その1~スペシャルパッケージから歌詞カード、フォトブックの順で取り出し、再び収めようとするも全然入らないので、歌詞カードだけパッケージの上に載せておく。

その2~特製アクリルフォトキューブの外箱を開けて中身を確認した後、キューブに指紋を付けるのが怖いのでそのままそっと元に戻す。

その3~P Cubed一式がRelax In The City (完全生産限定盤)の立方体BOXにそのまま入るかどうか念のため試してみる。

そういえば、Relax In The City のときは、「立方体BOXの底面を念のため覗き込む」というあるあるもありましたね。

切なくも懐かしいイントロに期待が膨らむも、歌い出しから早々に興がそがれる。Eテレかテレ東のアニメ番組の主題歌にしか聞こえない。ナナナナナイロに続いて(というか、その前のイフワナ、無限未来、Let Me Knowのときもだが)、またもや「これじゃないんだよな~」と溜息が出る。コンべス(実態はこっちが「初のベストアルバム」だが、慣例として初のオリジナルアルバム扱い)の1曲目にして唯一の新曲だったPSPSと比べるほうが間違いなんだろうな。

かつては南半球を中心に海外ラグビーの試合をスカパーのJ SPORTSで見ていたが、4年前のワールドカップ後にスカパー契約自体をやめてしまった。その程度の不熱心なラグビーファンでも、ワールドカップ、しかも日本開催とあっては自ずと血が騒ぎ、しまい込んでいたスカパーチューナーを引っ張り出してJ SPORTSパックを再契約したのであった。

さらに、せっかくなのでチケットを数試合分取ってスタジアムに足を運ぶことにした。誰かがリセールに出したと思われる開幕戦のチケットも運よくゲット(ただし、一番安いカテゴリーD)。その翌々日のアイルランド×スコットランド戦はカテゴリーAのチケットが買えた。

スタジアムで再認識したのは、プレー内容はテレビのほうがよほど見やすいという当たり前の事実。そして、これも事前に薄々気付いてはいたのだが、座席の見やすさ・楽しみやすさがチケット価格と必ずしも連動しないということだ。

開幕戦の座席はゴールポスト裏の2階席だが何と最前列。前方の視界が大きく開かれ、反対側のスタンドに設置された大モニターも自然に視野に入る。一方、IRL×SCO戦はメインスタンド1階席ではあるが、ゴールポストよりさらにサイド寄りで最後列のひとつ前。屋根が覆いかぶさって圧迫感があるし、屋根から吊られた小さなモニターもちょっと見づらい位置だ。雨に濡れる心配がないのは幸いだったが。

もちろん、会場の雰囲気を直接味わうライブ感は得難い経験ではある。日本戦以外の試合もスタンドが埋まり、いろいろな国の観客がそろって歓声を上げる場に居合わせるだけで身震いする。ビール片手に野太い声で一斉に歌うアイルランドサポーター。タータン柄のキルトを穿いたスコットランドの男たち。どこかからバグパイプの音色が聞こえる。

アイルランド人なんかと比べると日本人は総じておとなしいが、ラグビーに詳しい人が多いので、プレーに対していちいち感想やら論評やらが口から出がちだ。「ショートサイドに回せ」とか「低く当たれ」とか「そこはキックじゃないだろう」とか。開幕戦では隣の男性が連れの女性にこまめにプレーの解説をしていて、それがいちいち的確なので、私も実況中継代わりにずっと盗み聞きしていた。

IRL×SCO戦では、横の席も前の席も乳児を連れた若い夫婦だった。前の席の赤ちゃんは試合中に哺乳瓶からミルクをごくごく飲んでいた。そのお姉ちゃん(推定3歳)は、通路に立って頭の上で拍手をしたり、ビール売りの女性に声を掛けたりしていたが、そのうちお母さんに寄りかかって熟睡してしまった。

そういえば、開幕戦の日本の4本目のトライの後、会場にレーザービームが流れた。ラグビーにもっと似合うPerfumeの曲がある気がするのだが、それが何なのかいまだに探り当たっていない。

ロキノン、サマソニ、ラブシャと夏フェス観覧を立て続けに見送った後、我慢が限界に達し、真夏のように暑い大阪まで出掛けてしまった。

午後6時15分ごろ会場入り。ステージのセッティングが続くなか、小籔さんと女性(宇都宮まきさん?)が場つなぎのトークをしていた。

客席の中ほどから後方は床に座り込んだお客さんばかりというユルさ。前方の立ち見客の中央最後列あたりに混じる。すぐ近くにパフュT着用の男子3名を確認。

10分ほどしてホフディランの演奏が始まる~~(中略)~~30分ほどで終了。

小籔さんが出てきて、私の知らない男性と再びステージ転換の場つなぎトーク。といっても、間もなくDream Fighterのインストがガンガン流れ始めたので、ほとんどパントマイム状態だったが。

インターバル10分ほどで、思いのほか早くPerfumeのステージがスタート。Start-UpからDream Fighterまで、P.T.A.のコーナーを挟んで30分ほどと、思いのほか早く終了。FAKE ITのお蔭で一定の発汗量には達した。観客のノリがいまひとつというツイートを見かけたが、なんとなく同感だ。

パフォーマンス終了後は、メンバー3人がくっきーさんらと悪ふざけ。暫くは笑いながら見ていたが、そのうちどうにも馬鹿らしくなってきた。後ろに予定を入れていたので、7時50分ごろ退場。

公式に載ったフェス終了後の写真について、かしゆかが全然笑っていないというツイートが複数あったが、たぶんわざと澄ました表情を作っていたのでしょう。ただ、ひょっとすると心中の不快感を本当に隠しきれなかったのかもしれぬ。ああいうお下品な悪ふざけを3人のなかで最も嫌うのはゆかちゃんのような気がして、それはそれで好ましく感じるのであった。

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宿泊先は会場間近のハイアットリージェンシーにした。総じて期待に届かず。特に日本料理のレストランはコスパに疑問。3月に泊まったニューオータニにしておけばよかったかな。

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10月の関ジャムFESは観覧を見送ることにした。同日のラグビーWカップのチケットを早々に取ってしまっていたので。それに、テレ朝ドリームフェスはこれまでもタイムテーブルを事前に発表していないため、Perfumeだけを目当てに行くと長時間拘束されることになりそうだし。

というわけで、次のPerfume観覧はReframe2019初日。いつの間にかあと1カ月に迫っている。

久々にやってしまった。

今日の昼食は職場から少し離れた和食店で摂ることにした。1人なのでカウンター席に通され、すぐに注文を済ませた。

待つ間、キンドルでジェフリー・アーチャーの小説を読む。午後1時すぎだが、後から来店客が何組か続く。

しばらくしても料理が出てこない。スマホで時刻を見る。いつもより明らかに遅いが、今日はちょっと込んでいるせいかも。「あと5分待って来なかったら店員に声を掛けよう」と思い、小説に戻る。

切りのいいところまで読み終えて、改めて時刻を確かめると、いつの間にか15分以上たっている。でもまだ料理は来ない。しまった。入店から30分は軽く超えた。

振り返って、近くの店員に「すみません」と告げて、言葉に詰まる。結局、テーブルを指さしながら「まだ料理が来てない」と、尋ねるでも頼むでもなく、ただ事実を伝える。

最初に注文を伝えた店員(たぶん新入り)が近寄ってきて、気まずそうな顔で謝る。ああ、注文を調理場に伝えるのを忘れたんだな。

「いいです、帰ります」と、さすがに不機嫌さが混じった声で言い残し、店を出る。調理場から「ありがとうございましたぁ」というお決まりの挨拶が響く。ありがとう、じゃねえよ。

しかし、これじゃ私も言葉を発しない人々の仲間入りだ。店員にもっと早くアピールすべきであった。気まずいので、あの店の敷居はしばらくまたげないな。

店を出た後、近くの別の店に入り直そうかと思ったが、時間が遅くなったし、ちょっと腹を立てたら空腹も収まったので、昼食は抜きにした。

ナナナナナイロのシングル発売の告知にしては事前に盛り上げすぎだと思っていた。しかし、オリジナルアルバムを全部持っているファンにとって、ベストアルバムを買う理由って何なんだろう。特典は別として。新曲2曲も別として。リマスタリングも別として。

いっそ3枚組のうちの1枚は、シングルのカップリングでアルバムには入っていない曲だけ集めたCDならいいのに。すなわち、仮称「裏Perfume」の収録曲は以下のとおり。

①OMAJINAI★ペロリ②彼氏募集中③シークレットメッセージ④エレベーター⑤おいしいレシピ⑥SEVENTH HEAVEN⑦23:30⑧FAKE IT⑨コミュニケーション⑩Hurly Burly⑪恋は前傾姿勢⑫DISPLAY⑬イミテーションワールド⑭カウンターアトラクション(ボーナストラック)

⑥と⑧はGlobal Compilationに入っているが、私は持っていないので。⑬はSTAR TRAINのカップリングとして再録したものを想定しているが、オリジナルの音源であればなおよい。ついでに⑭の音源があればぜひ。

ところで、新しいアーティスト写真だが、あ~ちゃんはいいとして、かしゆかとのっちの写真はあまり好きでない。特にのっち。もっといいの、なかったのかな。

あと、いつも思うのだが、完全生産限定盤って、完全限定生産盤のほうがよくないか。単語のつながり方を分解すると、完全+(限定+生産)+盤なので。