かつては南半球を中心に海外ラグビーの試合をスカパーのJ SPORTSで見ていたが、4年前のワールドカップ後にスカパー契約自体をやめてしまった。その程度の不熱心なラグビーファンでも、ワールドカップ、しかも日本開催とあっては自ずと血が騒ぎ、しまい込んでいたスカパーチューナーを引っ張り出してJ SPORTSパックを再契約したのであった。

さらに、せっかくなのでチケットを数試合分取ってスタジアムに足を運ぶことにした。誰かがリセールに出したと思われる開幕戦のチケットも運よくゲット(ただし、一番安いカテゴリーD)。その翌々日のアイルランド×スコットランド戦はカテゴリーAのチケットが買えた。

スタジアムで再認識したのは、プレー内容はテレビのほうがよほど見やすいという当たり前の事実。そして、これも事前に薄々気付いてはいたのだが、座席の見やすさ・楽しみやすさがチケット価格と必ずしも連動しないということだ。

開幕戦の座席はゴールポスト裏の2階席だが何と最前列。前方の視界が大きく開かれ、反対側のスタンドに設置された大モニターも自然に視野に入る。一方、IRL×SCO戦はメインスタンド1階席ではあるが、ゴールポストよりさらにサイド寄りで最後列のひとつ前。屋根が覆いかぶさって圧迫感があるし、屋根から吊られた小さなモニターもちょっと見づらい位置だ。雨に濡れる心配がないのは幸いだったが。

もちろん、会場の雰囲気を直接味わうライブ感は得難い経験ではある。日本戦以外の試合もスタンドが埋まり、いろいろな国の観客がそろって歓声を上げる場に居合わせるだけで身震いする。ビール片手に野太い声で一斉に歌うアイルランドサポーター。タータン柄のキルトを穿いたスコットランドの男たち。どこかからバグパイプの音色が聞こえる。

アイルランド人なんかと比べると日本人は総じておとなしいが、ラグビーに詳しい人が多いので、プレーに対していちいち感想やら論評やらが口から出がちだ。「ショートサイドに回せ」とか「低く当たれ」とか「そこはキックじゃないだろう」とか。開幕戦では隣の男性が連れの女性にこまめにプレーの解説をしていて、それがいちいち的確なので、私も実況中継代わりにずっと盗み聞きしていた。

IRL×SCO戦では、横の席も前の席も乳児を連れた若い夫婦だった。前の席の赤ちゃんは試合中に哺乳瓶からミルクをごくごく飲んでいた。そのお姉ちゃん(推定3歳)は、通路に立って頭の上で拍手をしたり、ビール売りの女性に声を掛けたりしていたが、そのうちお母さんに寄りかかって熟睡してしまった。

そういえば、開幕戦の日本の4本目のトライの後、会場にレーザービームが流れた。ラグビーにもっと似合うPerfumeの曲がある気がするのだが、それが何なのかいまだに探り当たっていない。