陶酔感に頭がしびれたまま家に帰った。ライブで騒ぎまくりたい派としては、着席観覧の公演に対してさほどの期待をしていなかったのだが、普段のライブでは経験したことのない種類の感動(もしかしたら7年半前にPerfumeライブを初めて見たときのような感動)を味わった。

1階4列目センターブロック上手寄りという座席は、ステージに近すぎて演出の全容が視界に収まりきらない。しかし、そんなことはすぐにどうでもよくなった。テクノロジーを駆使した様々な仕掛けが意識の背後へと退いていき、3人の姿を間近に見守ることだけに神経が向かい始める。

あるセクションでは、私の席の真向かいに立ったのっちの所作を呆けたように見つめ続け、パフォーマンスに区切りがついたところでふと我に返った。小籔兄さんの名言「Perfumeと暖炉の火は、いつまででも見ていられる」を心底実感した。

本当はラストの曲について一番書きたいのだが、厳密にいうとネタバレになるのでやめておく。あの光景を思い返すだけで今も目に涙がにじむ。

会場が小さめなこともあり、音響はPerfumeライブ観覧史上トップ。ステージ両脇の巨大スピーカーが放射する爆音が体を貫きつつも一切の歪みが感じられない。客席の傾斜が緩いため、前方席の観客の頭がステージを隠すことだけがストレスだった。

来年2月のドームツアーで今回ほどの満足感が得られるものか、今から変な心配が生まれた。まあ、この日の感動も2月までにはいい具合に和らいでいてくれるとは思うが。

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