久々にやってしまった。
今日の昼食は職場から少し離れた和食店で摂ることにした。1人なのでカウンター席に通され、すぐに注文を済ませた。
待つ間、キンドルでジェフリー・アーチャーの小説を読む。午後1時すぎだが、後から来店客が何組か続く。
しばらくしても料理が出てこない。スマホで時刻を見る。いつもより明らかに遅いが、今日はちょっと込んでいるせいかも。「あと5分待って来なかったら店員に声を掛けよう」と思い、小説に戻る。
切りのいいところまで読み終えて、改めて時刻を確かめると、いつの間にか15分以上たっている。でもまだ料理は来ない。しまった。入店から30分は軽く超えた。
振り返って、近くの店員に「すみません」と告げて、言葉に詰まる。結局、テーブルを指さしながら「まだ料理が来てない」と、尋ねるでも頼むでもなく、ただ事実を伝える。
最初に注文を伝えた店員(たぶん新入り)が近寄ってきて、気まずそうな顔で謝る。ああ、注文を調理場に伝えるのを忘れたんだな。
「いいです、帰ります」と、さすがに不機嫌さが混じった声で言い残し、店を出る。調理場から「ありがとうございましたぁ」というお決まりの挨拶が響く。ありがとう、じゃねえよ。
しかし、これじゃ私も言葉を発しない人々の仲間入りだ。店員にもっと早くアピールすべきであった。気まずいので、あの店の敷居はしばらくまたげないな。
店を出た後、近くの別の店に入り直そうかと思ったが、時間が遅くなったし、ちょっと腹を立てたら空腹も収まったので、昼食は抜きにした。