Ready Steady Go! -30ページ目

Ready Steady Go!

Season Concept
   ~ London Eye ~

これまでにすでに何度かご紹介してはいるが、毎回 ANAの国際線に搭乗すると必ず観るANA MEETS ARTS SHORT FILM COLLECTIONが、わたしの空の旅のお気に入りとなっている。

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今回の作品3本のうち、日本作1本を除きアメリカとイギリス作品の2本をご紹介。

タイトル 『 The Light of Darkness /闇の光 』は、Michael Cargile / マイケル・カーガイル監督による9分間のショートドラマ。

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ガス欠でスローダウンする車。

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止まった場所は、ガソリンスタンドもない田舎道。途方にくれ、仕方なく車の中で一夜を過ごす決心をした女性。

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が、やがてその車に、黒人の男が近づいてきて、、、、、、

恐怖におののく女性と何かしら大声を上げ、車のまわりで暴れる黒人男性。

そして遂に大きな石で車のガラスをたたき割り、大声で抵抗する女性を車から引きずり出した次の瞬間、彼女の車に走って来た列車が激突する。

その情況を見て、やっと黒人男性の行為の意図がのみ込めて、ことなきを得た放心状態の彼女の頬に涙がこぼれる。

黒人男性は、彼女の車が線路上?に止められ、その後列車が通過することを知っていた彼の善意が彼女の命を救った。

日頃起こりがちな男&女の勘違い ( どちらかといえば女性の自意識過剰と損な立場の男性 )と、ヒトは見かけによらないことの正当性のひとつの例えであった気がする。

タイトル 『 Vagabond Shoes / 乞食の靴 』は、英国ロンドンを舞台にした Jackie Oudney / ジャッキー・オウドニー監督の18分のドラマ

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ロンドンの夜、華やかに盛り上がるパーティーの様子を眺めているホームレスのアレック。もし彼がパーティーに参加出来たら、、、、、、、

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ここからはドリーミングの空想のはなしとなる。

道に座り込みしけもくをくすぶらしていたアレックの前に、ひとりの男性が駐車していた車に戻って来て、クリーニング上がりのタキシードをひとまず後ろのトランクの上におき、手に持っていた荷物を助手席に置いて、そのまま発車してしまう。

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トランクの上に置いた事を忘れ、ドライバーはそのまま車を走らせるが、当然タキシードは道に落ちてしまう。

アレックはそれを拾い、ボロボロのシューズにタキシードで極め込み、パーティー会場の列に加わり、運良く会場に入る。

フォーマルな衣装に身を包んだ人たちで賑わっている豪華なパーティー会場で、シャンパンを次から次へとがぶ飲み、食べ物も次から次へと口にほお張り、当然浮いた感じのアレックだが、生バンド演奏途中で特別ゲストとして紹介され、ステージに上がり、歌とダンスを披露して会場は大いに盛り上がる。

ひとり会場から出て来たアレックだったが、ここまでの話は空想映像で、現実に戻れば彼はさっきと同じく、道ばたに座り込んだままで、タキシードも道に置かれたたままだった。

つかの間の空想の世界に満足したかのようにアレックは、今度は本当にタキシードを拾い、どこかに行ってしまう。

一瞬の違いで、先ほどのタキシードを忘れたドライバーが現場に戻って来るが、見つからない。

ロンドンの街でよく見かける着飾った社交族と、通りを行き交うひとにチェンジ プリーズといって、小銭をせがむホームレスの対極的な人生感が垣間みれた。

切ない気持ちにさせられた18分間だったが、最後の歌詞もまた泣かせてくれる。

まだ私が3歳半の頃、ママが教えてくれた。

人生いろいろあるけれど、これだけは覚えてて

何をやるかよりも、そのやり方が問題よ。

それを大切にすれば、結果は自然とついてくる。

何をやるかよりも、その次期が問題よ。

それを大切にすれば、結果はついてくる。

頑張りすぎても、空回りするだけ。

何をやるかよりも、その場所が問題よ。

それを大切にすれば、結果は自然とついてくる。

今は亡き映画評論家、チャーミングなおじいちゃまだった淀川長治の長寿テレビ番組日曜洋画劇場でのエンディング、個性的な名言『 さよなら、さよなら、さよなら 』と、水野晴雄の『 映画って本当にすばらしいですね。』の言葉がふと思い出された。

次回のプログラムも期待十分、心待ちにしております。

cheers





新しい年を迎え、誰しもが願う事は良い年でありますように、と。

昨年それなりに良かった人はさらにもっと、良くなかった人は今年こそはと、人間ならあたり前の欲の深さが垣間みれる。

おそらく私は標準値よりかなりどん欲であることは間違いなく、今年こそはと毎年願掛けをして新年を迎えている。

すでに2週間が過ぎた15日の夜、翌日のロンドン行きのため旅仕度に追われ、いつものごとく部屋を散らかしながら準備に追われる。

現在、部屋に私のスーツケースは4個もある。

お恥ずかしい話ではあるが正直にお伝えすれば、そのうちのひとつに昨年の11月のブラジル出張の夏服がスーツケースに入ったままで、簡単に言うとこれもファッション職業病の一種、てんこ盛りの洋服の状態で、どこに何が有るかさえ把握出来ない冬服の中から引っ張り出して持参するアイテムを決めなくてはならず、当然いつもより時間が掛かってしまう。

午前2時頃に就寝して翌朝?7時過ぎにお目覚めだが、完璧に終わらせていなかった為、慌ただしい朝となる。

時間進行はすこぶる早くあっという間に9時を過ぎ、11時35分の出発時間を考えれば、そろそろ家を出なくてはならないが、結局9時25分にやっと出発して成田に車を走らせる。

想像していた通り週末なので高速道路は空いていて、快晴の冬空のもと成田に向かうが、途中習志野で運悪く事故渋滞にはまり気が焦り始める。

遅くとも1時間前には到着したいが、余裕を持たない時は得てしてこういうアクシデントが待ち受けているものだ。

急がねばならぬ情況から、警察の取り締まりを気にしながらもスピードを上げる。

1時間前に無事に成田に到着して、チェックインカウンターで搭乗券をもらい、今年の初フライトまでラウンジでしばし時間をつぶす。

搭乗後の機内で、ANA機内誌翼の王国をペラペラとめくると、風水と算命学を用いて干支別に占う風水歴十二支占いによる2010年の私の干支、戌の運勢は、干支中、今年のベスト3のひとつとある。

色々と書いてはいるが、気分的にはこれだけで十分。

機内食のお昼ご飯中、軽めのANA SKY CHANNEL のヒーリング・オルゴールの心にサプリメントで心を癒し、懐かしの愛唱歌を聞きながら窓からの陽射しと眼下のロシアの雪積もる山の風景をおかずに、哀愁たっぷりの時間が過ぎて行く。

すでにお疲れ気味の自分には演出効果十分で、最近まったく耳にしていない故郷 ( ふるさと )、浜辺の歌、七つの子、ペチカ、ゆりかごの歌、夕焼け小焼け、ねむの木の子守歌、続いて最新のヒット曲、原由子の夢をありがとう、TOKIO太陽と砂漠のバラ、mihimaru GTのアン・ロック、ユニコーンの半世紀少年、一青 窃のユア・メディスン、柴崎コウのラバソー、スキマスイッチのゴールデンタイムラバー、Superflyの愛に抱かれて、V6のGUILTYのオルゴールバージョン。

元来が単純な思考回路、都合がいい事はそのまま受け入れ、離陸後も気分良くワインの酔いも手伝ってか、現状デフレで消費が厳しい市場であれ、やっぱり誰にも真似出来ない先駆けるマイスタイルでやってやろうではないかと、元来の負けず嫌いの性格から、ギアーチェンジをして気合い十分に更にアクセルを踏み込む自分を空想している。

離陸から2時間半後、一気に睡魔に襲われてしばしお休みタイムへと、、、、、

この続きは目覚めた後から。

cheers





正月につい気が緩み、調子に乗ってしまった暴飲暴食のお陰?なのか

並木橋のなかむらで、見渡せば回りはほとんどカップルの熱きムーディーな雰囲気に反して、おそらく浮いた存在的だったミドルエイジ美男氏?3人による新年会で飲み過ぎた焼酎のせいなのか?

いずれにしても、このところウエストあたりが重たく感じて、ファッション人間としてお恥ずかしい話である。

久しぶりに23時までに帰宅した11日の夜、23年目を迎え、8130回目の放送となる長寿番組世界の車窓からにチャンネルを合わせると、まさに英国学生の街オックスフォード駅での列車の旅途中。

今月に入り番組は、鉄道発祥の地イングランド編でロンドン・パディントン駅から田園風景を眺めながら北へ、最終目的地スコットランドに向かっている。

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最高時速200キロにもなる高速列車スーパー・ボイジャーに乗り、ここから更に北に313キロ、イングランド北の街ヨークを目指す光景は、これまでに何度か英国で列車の旅を体験しているだけにやはり親近感がわく。

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次の到着駅ヨークは、長年仲良くしてもらっていたハットブランド Fred Bare / フレッド・ベアのデザイナーキャロラインとアニタのふたりが、4、5年前からロンドンから移り住んだ街で、懐かしさがよみがえる。

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人口19万人ほどの英国らしい田舎町

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これまでに訪れたことがある最北端はLeeds / リーズの町ですが、そこからもう少し北東に40キロほどの所にヨークの町はある。

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ロンドン市内、ポートベロー・マーケットなども紹介されたようで、早速、今週末から雪積もる寒波に見舞われているロンドンに行き、月曜日には列車で3時間の旅 ( 仕事 )が予定されている。

cheers

正月気分に浸っていたのもつかの間、あっという間にいつもの仕事ペースの日常に戻り、1月、2月、3月の3ヶ月分の海外展示会スケジュールに併せて、フライト&ホテル予約に勤しんでいる今日この頃で、忙しい日々が続いている。

ニュースによるとヨーロッパ各国も大寒波が襲来してかなり気温は低く、出掛ける気分もひまひとつ消極的。

されど行かねばならぬ現実からは逃避する事などあり得なく、いかなる理由があろうとも前進あるのみ。

こういう時だからこそ、ひょっとして我が輩にチャンスが舞い降りて来るかもと、本音でいうと普段よりも期待感が大きく、頭を悩ませながらも心しなやかに思案してる毎日なのでした。

普段から他人への意識は低く、バイイングに情報やデータの必要性はなく、頼るは自分の直感と感性のみで、今年も衰える事なくあくまでもまっすぐな直球勝負で挑みます。

こうやってうたうことで気持ちを奮い立たせ、義務感と責任感とそのプレッシャーを正面から感じとる。

以前からファッションは10年サイクルで動くとも言われ、先の事など誰にも分からないが、2010年は良い風が吹きそうな予感がしている。

まずは、来週から今年の一番機でロンドンに飛びます。

そういえば、昨日ロンドンではマイナス気温で雪も降り、夏には芝生が蒼蒼としているプリムローズヒルにも積雪で、学校が臨時休校のロンドン子たちの歓声で賑わっていたそうです。


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プリティーガールズの微笑ましいスマイルを見ながら、今晩はこのへんで。

cheers


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大晦日から正月2日までの3日間は、とにかく掃除に明け暮れ、やれどやれど思いのほか片付かない現状に嫌気がさして、ご機嫌はそれほどよろしくない。

綺麗になっているところもあるが、長年の汚れと公私ごちゃまぜの書類と洋服の山盛りに、出るのはため息ばかりで何とも情けない。

目をつぶり山盛り全部を気にしないで捨てれば一瞬で片付くが、どこに何が入っているかも把握していない現実に整理すら追いつかず、途方にくれ憔悴してしまう。

2日の夕方5時を過ぎて日が落ちてから、気分転換に赤坂日枝神社に初詣に出掛ける。

6時の閉門前ギリギリであれば、無駄な待ち時間も削れて人も少なくスムーズにお参り出来ると思ったが、やはり都心の人気がある神社、思いのほか人出が有り、参拝の列に加わり順番を待つ。

特別深い意味はないが、五百円、百円、五十円、十円、五円、一円それぞれのコイン1枚づつをお賽銭箱へ。

2010年の祈願の中身はもちろん秘密ですが、後ろで待っている人を気にしながら、心の気合いを神様にお伝えする。

その後、巫女さんからお神酒を振る舞ってもらい、感謝の念を深めた後、護符を購入、そしておみくじを引いて、今年の運勢を見届ける。

以前は、初詣のハシゴが良いのか良くないのかが分からなかったが、神様同士は決して喧嘩しないので、気にしないで複数の神社に参拝して良いとの事で、日枝神社からそう遠くない次の神社虎ノ門の金毘羅宮に移動する。

本音の事実をお伝えすると日枝神社で末吉だったおみくじに満足出来ず、いやしくもそれ以上の吉を求めて、再挑戦のチャンスを自らに与えて、2回目のおみくじはニンマリの大吉で2010年の初詣も滞りなく無事に終了。

金比羅宮の金をまるで囲ったマル金の紋章?は、初春の縁起担ぎのお気に入り。


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合掌



1年で唯一人も車も少なく、東京の街が静寂に包まれるキィーンと冷えきった空気感が、何よりも元旦を迎えた気分にしてくれる。

快晴に恵まれた東京の空は、新年を祝うかのごとく雲ひとつない真っ青な空と冬の太陽が眩しい。

多種多様化している現代は、以前のような正月行事も少なくなり、日本古来からの正月祝い事文化も薄れて来て寂しい気もするが、これも時代の流れか?

正月三ヶ日はほとんどのお店が閉店していた昔と違い、365日24時間営業のコンビニを始め、営業しているお店も多くあり、こと食事に関しては困ることもなく、重箱に詰められたおせち料理にも以前ほどこだわる必要がなくなってきているように思う。

アメリカ文化が生み出した何でもが FAST /ファストでは、モノの価値すら伝えることが出来ない。

人と人とのコミュニケーションが希薄になり、人間としての礼儀までもがおざなりになって来てしまっている。

音楽を聴きながら入店するひと、断りなく試着するひとが随分と増えているのも、あたり前の会話/言葉が苦手な人が多いせいだと思う。

日本人の控え目で謙虚なことは良い事だけれども、消極的な腰を引いた遠慮は要らない気がする。

最近は通信販売やネット販売で会話なくともモノが容易に購入出来るが、オシャレでカッコ良くなっていただく為に、販売員が店頭に立っているはず。

プロ意識に欠けているお店もあるが、ファッションが心底好きで、心意気熱く語れるお店も当然ある。

誰でもが出来ること、やっていることは普通 ( 平均的レベル) であって、それでは十分にお客さまに伝わりきらない。

誰でもがやっていないこと出来ないことに目を向る思慮が必要で、センスをみがきオシャレになることには、世間が騒ぐブランドもファストも要らない。

消費者目線では欲しいモノがないと言われているが、いいモノを見つけるセンスが備わっていないのも事実のはずです。

今年の抱負を語ると、一般的には言いづらいことでも先頭に立って、現状のファッションの倦怠感を取り拭いたい。

25年間海外との仕事としてのふれあいの中で学び体得した、本来ファッション( オシャレ) が持つ個性重視の価値観を惜しまず伝授?することといたします。


All the best



今年も365日を間違いなく過ごして来たが、大晦日を迎えると1年間の時の経つ早さにいつも驚かされる。

2009年を振り返れば、毎年元旦に今年こそはとなみなみ山盛りの気合いを入れるが、残念ながら理想&希望と現実とのギャップに、やはり苦慮したセカセカした1年だったような気がする。

世界中が想像を絶する目覚ましいスピードで変動して行く現在、これまでの経験や常識だけでは通用しなくなった。

アメリカ主導型の資本主義社会の行き詰まりにより、先行きがまったく見えない今、日本はデフレスパイラルに陥り、貧富の差は一段と広がり、格差社会となりかねない。

ここまで景気が悪くなると動き鈍く流動性に欠け、消費者心理からすると買い控えが顕著に現れてしまう。

収入を得る労働より効率がいい金儲け、汗をかかないマネーゲームに意識が随分と動いたが、昨今の世界的不況がすべてを物語っているのではないだろうか。

今年もあまり具体的にファッションについては語って来なかったが、ひと言で言わせてもらうと自分のスタイルにこだわり続け、志に一切ぶれはない。

モノの価値観が情報だけに左右されてしまっている。

経験がなくとも、情報収集だけでさも分かったような気になるのかもしれないが、本物に触れていない希薄さはごまかすことが出来ない。

モノ作りには、作り手の手間ひまかけたこだわりと思い入れがあり、大量生産とは根本があまりに違う。

良いモノが出来上がるまでの過程に敬意を払い、それを選び抜ける感性を磨くことである。

過去のバブル期にはブランドものに走り、デフレの今、ファストファッションに列をなし群がる。

日本人にはモノに対する理性が欠けているように思う。

最近新聞の片隅にコム デ ギャルソンの川久保怜女史の記事がこう書かれていた。

『 若い人たちが考えたり作ったりする楽しみや必要性を忘れていくのが心配なのです。たとえば、ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しいのです。』

現在のファッションのあり方に賛否両論あっていいが、本物&いい物はそれなりのプライスがあたり前なのです。

2010年こそは、いい物でオシャレを楽しんでいただきたいものです。

今年最後となる通算116回目のマイブログにお付き合いいただきまして、御礼申し上げます。

May the New Year turn out to be the happiest and the best for you.


シカゴタイム午前11時、ほぼ定刻に成田に向けて離陸。

これから約13時間ほどのまったく気が乗らない空の旅となるが、唯一の救いはプレミアエコノミーの真ん中4シートを独占使用出来る事で、左右隣りに誰もいない空間は開放感が有り、気分的にまったり緩めて有り難いことこの上ない。

翌日の午後3時に到着予定で、機内食ランチでワインをいただき、アルコールと軽めのスリーピングピルで、しばしここから夢の中へと、、、、、、

13時間ほどの機内での模様は、信じられない事だが最近物忘れが激しくなった私の記憶力ゆえ完全カット。

言わずとも疲労困憊の成田到着後は、わずか30数時間前のあの眩しかったブラジルの夏が懐かしく思い出され、降り立った日本の冬を目の前に現実に戻され、些かぼんやりとした記憶の中、預けていた車をピックアップして会社に向けて車を走らせる。

無事に帰国出来た喜びも早々に、明日から久しぶりの国内大阪出張が予定されており、体力的に無茶は承知で自分で組んでおきながら、このタイト&ハードスケジュールには改めて驚く始末、

心身ともに余力が一滴も残っていないほど完璧にグロッキーのはずだが、襲って来る強烈な時差ボケでほとんど眠れず、翌朝、パンパンに膨れ上がったスーツケースからブラジル土産を引っ張りだし、空いたスペースに急ピッチで大阪3泊分の荷物を詰め込む旅仕度で、部屋は散らかりすでに汗だく。

そのまま慣れぬ JR駅の改札で新幹線切符を購入して、品川からのぞみに乗り込み、いざ大阪へ。

随分と久しぶりの新幹線車内は飛行機より開放感があり、空の旅とひと味違った2時半ほど列車の旅となる。

途中静岡駅で人身事故が発生とのことで、予定より50分ほど遅れて新大阪に到着。

3日間開催されるミニ展示会に出展の為にやって来たわけだが、予約していたホテルにチェックイン後、もらった地図を片手に、慣れぬ大阪の街にと惑いながらも会場を目指す。

ふらつきながらも会場で終了時間19時まで何とか持ちこたえ、その後、ホテルのベッドに急行して大阪ファーストナイトは、記憶なくひたすら爆睡へと。

少し体力が回復した翌々日の夜、展示会後に大阪の人に案内してもらったこれぞ大阪食べ歩きの夜となり、リクエストしたローカル色満載の天神橋筋商店街にあるソース二度付け禁止の名店 『 串カツ七福神』のカウンターで大阪の味を軽く堪能。

その後、斜向かいの『 寿司屋 春駒 』へハシゴするが、ここはグルメ大阪の寿司屋の激戦区、北区天神橋5丁目( 通称天5/ てんご )で一番古い老舗とかで、とにかく安いと評判との事でした。

2軒の大阪味に満足して、最後の締めの一杯を求めてうろついた時に見かけた赤いのれんとお客さんの足元は、大阪なのになぜに関東煮?


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滞在中、東京とはひと味もふた味もそれ以上に違った大阪文化に触れた中、これぞ大阪らしいと思って撮ったこの写真で、本日はフィナーレ。

約1ヶ月遅れの録画的進行でお届けしたブラジル&おおさか旅道中。

時が経つのは本当に早いもので、すでに師走というか、今年も暮れようとしている。

明日の大晦日、今年最後の1ページで2009年を締めくくりたいと思います。

cheers に代わり、今回だけは特別に、ちょっと無理して、まったく似合わない、不慣れなことば、おおきに?

ユナイティッド航空のラウンジで搭乗までのあの長かった待ち時間の間に、機内誌 HEMISPHERESを暇つぶしにペラペラとめくっていた時に、目に留まった記事がある。

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国土も人口も巨大なこの国は、これまでに多くの移民が住み着き、多民族多文化国家としてその存在は世界に知られている。




新興国としてここ数年、中国、インドとともに経済発展を遂げるブラジルの内情として、富裕層との格差は広がるばかりで、まだまだ生活水準が低い低所得層と収入がない貧困層が住む場所がある。


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毎回ブラジル滞在中、一瞬車窓から目にするスラム街/ファベイラの光景は、世界的にも治安のいい日本で暮らす日本人として非日常的な光景で、いつも感慨深い気持ちにさせられる。


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以前にもお伝えした東京現代美術館で開催されていた『ネオ・トロピカリア ブラジルの創造力』で観た出展作品のひとり日系人建築家ルイ・オオタケがブラジルに3000以上あるといわれるスラム街の中で、サンパウロのスラム街エリオポリスのファザードにアーティストが住民とともに、鮮やかな色にペインティングして、雰囲気を変え、住民のひとたちに希望を与える企画があった。


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様々なアートが住民たちの意識改革となり、麻薬や銃などの犯罪問題に直面している現状打開に少しでも役立てばと、何人かのアーティストが活動している。

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今回の記事も、彼らの家屋にアーティストがペイントした企画で、いくつかの写真は随分と雰囲気が変わり、イメージも良くなった。

もともとが感性豊かな国民性で、環境次第で人は変わる。

アーティストたちの取りかかった心意気と小さな積み重ねの後に、必ず花が咲くはずだと信じたい。

自分がこれといって何かが出来るわけではないが、忘れてはならないのは世界中で今現在、安全な水が飲めない、十分な食料がない、十分な医療が受けられない、十分な教育が受けられないなど、最低限の生活すら保証されていない多くの人たちの存在を、、、、、、

決して忘れてはならない世界の現実を、頭の片隅に留めておく必要はある。

cheers



ほぼ眠りに落ちそうな状態でシカゴ行きの最後尾のシートに座り離陸となるが、これからまずは成田までの飛行時間の約半分の12時間のフライトが待ち受けている。

ご存知のように朝目覚めてから離陸のこの時間までで、すでに体力をかなり消耗しているわけで、遅い晩ご飯の機内食後、到着までどれくらい気持ち良く眠れるかが勝負?、正直乗り換えた後半の成田行きのフライトに少しでも余力を残していたい心境である。

ほとんどの人がそうであろうが、行きと帰りとでは心理的に違いがあり、同じ道中でも感じ方に差が出る。

乗客はブラジル人が中心で会話はポルトガル語となるため、耳に入って来ても何を言っているか分からないから、気にならなくていい。

眠りに入った後、何度か気流の関係で大揺れして、繊細な私は目覚めてしまう。

高度を落とし始めたシカゴ到着の30分前からは一段と揺れが激しく、飛行機嫌いで怖がりのお陰で、手に汗をかくくらい動揺してしまっている。

夜が明ける直前の早朝5時前、シカゴ空港に無事到着。

ここから眠たい目をこすりながら、だるだるの虚脱感にさいなまれ、からだを引きずり、苦手なアメリカ式入国検査へと向かい、20分ほど待たされた後、税関入国スタンプをもらう。

預けていた荷物を一度ピックアップして、そこから無人電車?でターミナル移動して、ANAのチェックインカウンターに向かうが、出発時間の4時間40分前で前回と同じくまだ誰もいない情況。

外が明るくなり朝日が昇り始めるが、ANAのカウンターが開くまで辛抱強くここで更に待ちの時間を過ごさなくてはならない。

1時間40分後、やっとカウンターが開き、一番最初にチェックインして、搭乗券を握りしめ、再びアメリカ式セキュリティーチェックへ向かう。

とにかく並ぶこと、待つことの繰り返しで、安全面第一なのは百も承知だが、この行程にもいい加減飽き飽きしてきている。

この後、更に2時間以上をラウンジで過ごさなくてはならず、もはやここまで来るとやる事がなくなり、体力も気力も、そして集中力も欠如した状態で時間経過をただひたすら待つ退屈感は、勘弁被りたくなる。

日頃、忙しぶって時間がないと嘆いているはずが、暇をもてあそぶ。
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退屈の極みとして、窓から眺めていた滑走路の風景に自分の退屈感いっぱいの右足を絡め、意味不明な見事なコラボレーション写真が出来上がり、ひとり満足感に浸る。

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もう少しで、待ちに待った待望のANA011便成田行きのボーディングが始まる。

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cheers