
今回の作品3本のうち、日本作1本を除きアメリカとイギリス作品の2本をご紹介。
タイトル 『 The Light of Darkness /闇の光 』は、Michael Cargile / マイケル・カーガイル監督による9分間のショートドラマ。

ガス欠でスローダウンする車。

止まった場所は、ガソリンスタンドもない田舎道。途方にくれ、仕方なく車の中で一夜を過ごす決心をした女性。

が、やがてその車に、黒人の男が近づいてきて、、、、、、
恐怖におののく女性と何かしら大声を上げ、車のまわりで暴れる黒人男性。
そして遂に大きな石で車のガラスをたたき割り、大声で抵抗する女性を車から引きずり出した次の瞬間、彼女の車に走って来た列車が激突する。
その情況を見て、やっと黒人男性の行為の意図がのみ込めて、ことなきを得た放心状態の彼女の頬に涙がこぼれる。
黒人男性は、彼女の車が線路上?に止められ、その後列車が通過することを知っていた彼の善意が彼女の命を救った。
日頃起こりがちな男&女の勘違い ( どちらかといえば女性の自意識過剰と損な立場の男性 )と、ヒトは見かけによらないことの正当性のひとつの例えであった気がする。
タイトル 『 Vagabond Shoes / 乞食の靴 』は、英国ロンドンを舞台にした Jackie Oudney / ジャッキー・オウドニー監督の18分のドラマ

ロンドンの夜、華やかに盛り上がるパーティーの様子を眺めているホームレスのアレック。もし彼がパーティーに参加出来たら、、、、、、、

ここからはドリーミングの空想のはなしとなる。
道に座り込みしけもくをくすぶらしていたアレックの前に、ひとりの男性が駐車していた車に戻って来て、クリーニング上がりのタキシードをひとまず後ろのトランクの上におき、手に持っていた荷物を助手席に置いて、そのまま発車してしまう。

トランクの上に置いた事を忘れ、ドライバーはそのまま車を走らせるが、当然タキシードは道に落ちてしまう。
アレックはそれを拾い、ボロボロのシューズにタキシードで極め込み、パーティー会場の列に加わり、運良く会場に入る。
フォーマルな衣装に身を包んだ人たちで賑わっている豪華なパーティー会場で、シャンパンを次から次へとがぶ飲み、食べ物も次から次へと口にほお張り、当然浮いた感じのアレックだが、生バンド演奏途中で特別ゲストとして紹介され、ステージに上がり、歌とダンスを披露して会場は大いに盛り上がる。
ひとり会場から出て来たアレックだったが、ここまでの話は空想映像で、現実に戻れば彼はさっきと同じく、道ばたに座り込んだままで、タキシードも道に置かれたたままだった。
つかの間の空想の世界に満足したかのようにアレックは、今度は本当にタキシードを拾い、どこかに行ってしまう。
一瞬の違いで、先ほどのタキシードを忘れたドライバーが現場に戻って来るが、見つからない。
ロンドンの街でよく見かける着飾った社交族と、通りを行き交うひとにチェンジ プリーズといって、小銭をせがむホームレスの対極的な人生感が垣間みれた。
切ない気持ちにさせられた18分間だったが、最後の歌詞もまた泣かせてくれる。
まだ私が3歳半の頃、ママが教えてくれた。
人生いろいろあるけれど、これだけは覚えてて
何をやるかよりも、そのやり方が問題よ。
それを大切にすれば、結果は自然とついてくる。
何をやるかよりも、その次期が問題よ。
それを大切にすれば、結果はついてくる。
頑張りすぎても、空回りするだけ。
何をやるかよりも、その場所が問題よ。
それを大切にすれば、結果は自然とついてくる。
今は亡き映画評論家、チャーミングなおじいちゃまだった淀川長治の長寿テレビ番組日曜洋画劇場でのエンディング、個性的な名言『 さよなら、さよなら、さよなら 』と、水野晴雄の『 映画って本当にすばらしいですね。』の言葉がふと思い出された。
次回のプログラムも期待十分、心待ちにしております。
cheers

















