今年も365日を間違いなく過ごして来たが、大晦日を迎えると1年間の時の経つ早さにいつも驚かされる。
2009年を振り返れば、毎年元旦に今年こそはとなみなみ山盛りの気合いを入れるが、残念ながら理想&希望と現実とのギャップに、やはり苦慮したセカセカした1年だったような気がする。
世界中が想像を絶する目覚ましいスピードで変動して行く現在、これまでの経験や常識だけでは通用しなくなった。
アメリカ主導型の資本主義社会の行き詰まりにより、先行きがまったく見えない今、日本はデフレスパイラルに陥り、貧富の差は一段と広がり、格差社会となりかねない。
ここまで景気が悪くなると動き鈍く流動性に欠け、消費者心理からすると買い控えが顕著に現れてしまう。
収入を得る労働より効率がいい金儲け、汗をかかないマネーゲームに意識が随分と動いたが、昨今の世界的不況がすべてを物語っているのではないだろうか。
今年もあまり具体的にファッションについては語って来なかったが、ひと言で言わせてもらうと自分のスタイルにこだわり続け、志に一切ぶれはない。
モノの価値観が情報だけに左右されてしまっている。
経験がなくとも、情報収集だけでさも分かったような気になるのかもしれないが、本物に触れていない希薄さはごまかすことが出来ない。
モノ作りには、作り手の手間ひまかけたこだわりと思い入れがあり、大量生産とは根本があまりに違う。
良いモノが出来上がるまでの過程に敬意を払い、それを選び抜ける感性を磨くことである。
過去のバブル期にはブランドものに走り、デフレの今、ファストファッションに列をなし群がる。
日本人にはモノに対する理性が欠けているように思う。
最近新聞の片隅にコム デ ギャルソンの川久保怜女史の記事がこう書かれていた。
『 若い人たちが考えたり作ったりする楽しみや必要性を忘れていくのが心配なのです。たとえば、ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しいのです。』
現在のファッションのあり方に賛否両論あっていいが、本物&いい物はそれなりのプライスがあたり前なのです。
2010年こそは、いい物でオシャレを楽しんでいただきたいものです。
今年最後となる通算116回目のマイブログにお付き合いいただきまして、御礼申し上げます。
May the New Year turn out to be the happiest and the best for you.