ティグリス川を眺めながらボーッとしていると、地元の人が話しかけてくれます。
 
 
 
 
中にはポットを持ったコーヒー売りがフリーでコーヒーをくれたり、出会った記念にとヨーロッパの観光客が地元のお土産をくれたりします。私もこの時のために、日本の武士の描かれたペンをプレゼントに買ってきていますので、空かさず差し上げます。
 
 
 
 
「Mutanabbi Street」を少し戻ると、ティグリス川に平行に旧政府宮殿や官庁通りです。以前来た時は工事中で、向こう側へ 抜けられませんでした。綺麗に生まれ変わったようですね。
 
 

 

 

こちらはファサードのみになってしまっていますが、オスマン帝国時代の建物。

 
 

 
 

こちらは「Qishla building」クシュラはオスマン帝国ナミク・パシャの時代に、冬まで兵士が生き延びるための軍宿舎として 1851 年に建設されたバグダッドの歴史的建造物の 1 つです。1階の建設には、当時の軍隊の規模から要塞化の必要があり、バグダッド周辺の防御壁レンガが取り外されてここに着けられたとか。

 

 

 
 

その後のイギリス委任統治時代には、政府本部として、また将校とその家族の宿泊施設として使用されました。 当時からこのように壮麗だったようで、この裏に流れるティグリス川を見下ろす庭園では、1921 年 8 月 23 日にイラクの初代国王ファイサル 1 世の戴冠式が行われました。


 
 
 

また、1927 年にイギリス国王ジョージ 5 世から時計が贈られた時計塔でも知られています。この日は中に入れませんでしたが、守衛によると普段は入れるとのこと(?)。イマイチ英語は伝わらない。

 

 
 
 
その向かいには、1869 年に建てられた旧バグダッド市役所。
 
 
 
 
任務は街路灯や路地灯による灯油灯、動物の排泄物の収集、飲料水の供給、消防、医療サービス、子供や孤児を世話する慈善団体の監督、特定の公共施設の建設、モスクやその他の宗教施設の監視、保守、清掃など、市民に公共サービスを提供することだったそう。現在は、2016 年に開設された「イラクイタリア文化センター」によって運営され、バグダッドにあるイタリア大使館と協力して、考古学遺跡の調査と発掘、修復作業、考古学分野の保守を行っているらしい。
 
 

 

 

向こうに見えているドームはバグダッドで最も古いモスクの 1 つ「アル・サライ・モスク」。 この写真からだと分かりにくいですが、ドームは2列×5並列10個のドームが特徴です。

 
 
 

西暦 1179年に建てられ、王室時代まで国家の公式モスクだったそうで、「King Ghazi Mosque」とも呼ばれていました。


 

 
 

サライ・モスクは、漆喰と日干しレンガで建てられています。


 

 

壁に埋められた幾何学模様のアラベスクが見事です。
 

 
 
この時間はどうやっても影ができてしまうので、今度来るときは時間を選ばなくてはなりません。ホント美しいです。
 
 
 


こちらは王政時代のサライ(政府庁舎)の一部。建物がアラビア半島チックですね。オスマン帝国総督アブドゥル・カリム・ナデル・パシャの時代に建てられた古い建物で、内務省、警察総局、財務省傘下の歳入局などの多くの州省庁が入居していたよう。この建物は現在閉鎖されており放置状態ですが、バグダッドの文明を反映する歴史的建造物だそうです。
 
 

 
 
その先に小さなモスク。
 
 
 
 
こんな位置関係。この裏はティグリス川です。
 
 
 
 
その先には「Sarai Square」。20 世紀初頭から、この区画はサライ・モスクの一部で柵に囲まれた庭園だったそう。
 
 

 
その手前は1920 年代の王政時代に、公共基金管理局として建設されました。このフェンスも当時のもので、古典建築の要素が融合しており、メアンダー・アートやギリシャのコリント式の柱に見られます。
 
 
 
 
その斜向かいはまだ工事中ですね。このパーティションが素敵ではないですか?
 
 

 
 
その横にはカフェ。「Haaraier Al-Mutanabbi」というこれまた由緒あるカフェのよう。佇まいも素敵でしょ?
 
 
 
 
このアズレージョ風のタイルが爽やかですね、まぁ、元々アズレージョはアラブ発祥ですが。
 
 

 
 
営業時間外でしたが、中を覗かせてもらいましたよ。

 
 
 
階段も素敵。
 
 
 
 
メソポタミアのこれは、、、誰だ?ネブガドネザルか?いや、これキング・サルゴンだな。サルゴンとお茶するなんて最高です。
 
 
 
 
そして、この通りの終点には「アル・マダール・アル・サルナ・モスク」。古代の科学学校で、1206 年にバグダッドの統治者であるスレイマン・バナ大王によって 8 日間の統治期間中に建てられたもの。ムフティ・アルをはじめとする有名な学者たちが学んだそうですよ。この門の模様、そして黄色と緑の絶妙な色合いが何とも素敵。

 

 

 

こちらなどは、黄色と自然の空の青色コンビですよ。その感覚が素晴らしいと思いませんか。

 
 

 

 

続きます。