『KANO 1931海の向こうの甲子園』[前編] | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『KANO 1931海の向こうの甲子園』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2014年/台湾映画/185分
監督:マー・ジーシアン
出演:永瀬正敏/坂井真紀/ツァオ・ヨウニン/大沢たかお/イエ・シンチェン/伊川東吾/山室光太朗/大倉裕真/飯田のえる/シエ・ジュンチョン/チェン・ジンホン/ウェイ・チーアン/シエ・ジュンジエ/チェン・ビンホン/ツァイ・ユーファン/チャン・ホンイー/吉岡そんれい/鐘硯誠/陳永欣/陳永欣/北岡龍貴/渋谷天馬/青木健/滝裕二郎/石塚義高/小市慢太郎

2015年 第31回 やりすぎ限界映画祭
2015年 ベスト10 第1位:『KANO 1931海の向こうの甲子園』
やりすぎ限界パルムドール/やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『KANO 1931海の向こうの甲子園』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界男優賞:永瀬正敏


やりすぎ限界男優賞:ツァオ・ヨウニン


やりすぎ限界男優賞:伊川東吾


やりすぎ限界男優賞:チェン・ジンホン


やりすぎ限界男優賞:青木健


やりすぎ限界男優賞:大沢たかお


やりすぎ限界女優賞:イエ・シンチェン


やりすぎ限界男優賞:渋谷天馬


■第2稿 2022年 4月2日 版

[「野球映画」]



僕が人生で「かなり」「苦手」なのは「球技」。特に「野球」は、今も「極限領域」で「一番」「苦手」。




幼少期「鶏そのもの時代」、気管支炎喘息で情けないまで恐るべき「病弱」だった「鶏」は、「長嶋茂雄狂信者」「巨人狂信者」「野球狂信者」の父に無理矢理キャッチボールをやらされ、ボールがキャッチできず顔面を「強打」。金輪際二度と「絶対野球なんかやりたくない」まで野球が「大嫌い」になった。野球なんか「絶対しない」「絶対見ない」と誓った。



その僕が「野球映画」見て、「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」で「怖さ」にビビって震え上がり、大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」まで、「これでも泣かないか」な恐るべき「泣かし」に追い込まれることが「まず」「狂ってる」。




■「試合には勝ったのか?」
 「今回は負けたけど 次は…」
 「どうせ次も勝てん
  嘉義農林が点取ったなんて
  聞いたこともねぇ あるか?」
 「ないね クソガキが」
 「塁に出たことある奴
  手 挙げてみろ」
 「今 ここにはいない
  ハハハ…」
 「なんて情けねえ野球部だ
  恥知らず
  お前らの監督は一体誰なんだ?」


そんな野球なんか「絶対しない」「絶対見ない」と誓った「鶏」が、かつて「これでも泣かないか」まで追い込まれた「野球映画」は『メジャーリーグ』(※「1作目」限定)『陽だまりのグラウンド』『ミスター・ルーキー』『マネーボール』。だが『KANO 1931海の向こうの甲子園』がこの「4本」の恐るべき「泣かし」を「激ヤバ」で振り切った。

[「大日本帝国外地台湾」「激ヤバ」「豹変2部作」]




■「いいか
  俺は近藤兵太郎だ
  今日から
  俺がお前たちの監督になる
  俺がお前たちを
  甲子園に連れていく」
 「甲子園…」
 「よろしく頼む!」
 「え… はい…」
 「今日から
  毎日 嘉義市内を1周だ!」
 「え?」
 「走れ!」





「1作目」「2作目」が「対極」。「極限領域」まで「真逆」の方向に「変化」し、「これでも泣かないか」まで恐るべき「泣かし」に追い込む「2部作映画」を、僕は「豹変2部作」と命名する。最も記憶に焼きつく「豹変2部作」代表作は、僕が「勝手に」『ターミネーター 第1部 サラ・コナー』『ターミネーター 第2部 サイボーグ101型』だと思ってる、「ジェームズ・キャメロン監督」の『ターミネーター』2部作。

他の「豹変2部作」代表作は、僕が「勝手に」「続編映画ということにしたい」『クロッシング』『ハナ 奇跡の46日間』。「北朝鮮」の「陰」と「陽」の「対極」を見せ、「これでも泣かないか」まで恐るべき「極限領域」「泣かし」に追い込んだ。

そして新たに僕の中で、「ウェイ・ダーション監督」が仕掛けた「大日本帝国外地台湾」3部作、いや正確には「3部作」なのかもしれないが、『セデック・バレ』2部作を併せて「1本の映画」と解釈すれば、『セデック・バレ』2部作と『KANO 1931海の向こうの甲子園』は僕の「勝手な」解釈で「大日本帝国外地台湾」「2部作」が、「日本人」の「悪」と「善」の「対極」を見せた恐るべき「豹変2部作」に加わった。『ハナ 奇跡の46日間』級「極限領域」恐るべき「泣かし」に追い込まれ、「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」で「怖さ」にビビって「泣きながら」震え上がり大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

[『KANO 1931海の向こうの甲子園 第一部 台湾地区予選』]




■「1 2 3 小鳥さん
  樹の上に飛んでった
  お百姓さんに石で当てられて」
 「試合中 歌なぞ歌うな!」


『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』2部作同様『KANO 1931海の向こうの甲子園』も、もともと「2部作」だったように僕は見える。理由は「第一部」「第二部」に見えるそれぞれ「約1時間30分」が、あまりに「密度濃過ぎ」だから。5時間ほどあった「2本」の映画を、「マー・ジーシアン監督」「ウェイ・ダーション監督」と「編集」の人の恐るべきセンスで「3時間」にまとめられたように見える。

5時間を「3時間」にできたなら、「2部作」でなく「1本」で行くことにしたのかもしれない。僕は『KANO 1931海の向こうの甲子園』を、『KANO 1931海の向こうの甲子園 第一部 台湾地区予選』『KANO 1931海の向こうの甲子園 第二部 甲子園』「2部作」に分けたい。[前編][後編]にしなきゃ、「KANO 1931海の向こうの甲子園」が「これでもか」「極限領域」「やりすぎ限界映画」である「真実」を「絶対見せ切れない」と思った。

「185分」が実は映画「2本」だったと解釈すると、僕は『KANO 1931海の向こうの甲子園』を短く感じる。

[「衝撃」殆ど「かなり」「実話」]






■「顔を上げんか!
  まだ負けたわけじゃないやけん!
  おい 顔を上げろ
  顔を上げんか」
 「三振! バッターアウト!」
 「何やっとるんや!」
 「近藤!」





■「これは選手の魂だぞ」

日本は「下関条約」で「清」から「台湾」を略奪した。「これでもか」まで、『セデック・バレ』2部作で「残虐」「非道」「人間じゃない」「人間が絶対やっちゃいけないこと」をやった日本人に、もはや「救い」はないのか?

だが「救い」があった。人間の道を踏み外した「言語道断」「悪行」「大日本帝国外地台湾」で「日本人」近藤兵太郎(永瀬正敏)が、「嘉義農林学校野球部」の若者達に野球を教え、「1931年」「全国中等学校野球大会」で「全島優勝」「甲子園」まで導き、人間が生きる「正しい」「信念」「価値観」「倫理観」が何か「教え」を説いた。

「マー・ジーシアン監督」「ウェイ・ダーション監督」が『ターミネーター』2部作と「同格」、いや「超えたかもしれない」「豹変2部作」で、「日本人」の「善」「極限の美」を、「これでもか」まで見せ、「全世界」をビビッて「怖さ」に震え上がらせ「泣きながら」「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」まで追い込んだ。

[「失敗」「痛み」「後悔」]




■「それに何だ
  聞けば 君たちの野球部は
  漢人 蕃人 日本人の
  混成チーム? ハハハ
  こんなんで勝てるわけないだろ!
  なあ?」





■「大体 野球なんて
  ただ体鍛えてればいいじゃない
  そうでしょ? あ そうだ
  もう さっさと子供たちに
  夏休みを返してあげなさい!
  そうするべきだ! ねっ」





■「混成チームの
  どこがいけんとよ?
  野球に人種なんか
  関係ないやけん
  いいですか
  蕃人は足が速い
  漢人は打撃が強い
  日本人は守備に長けている
  こんな理想的なチームは
  どこにもない
  もう少し練習して鍛え上げれば
  あの子たちは
  必ず最強のチームになって
  甲子園に行けます」





■「甲子園? ハハハハ
  近藤監督は
  まだ酒が足りんようですな ハハハ」




■「甲子園に行くんじゃ
  子供らと一緒に
  甲子園に行くんじゃ!」





■「いいか近藤
  負けることを考えるんじゃない
  勝つ方法だけを考えるんだ」




■「君は選手を鼓舞激励もせず
  諦めて負けを認めるのか」







■「近藤 球は魂なり!
  近藤! 近藤兵太郎
  聞こえたか!」


「失敗」「痛み」「後悔」。この「苦しみ」「哀しみ」「辛さ」がなければ近藤兵太郎は、「全島優勝」「甲子園」まで導くことはできなかったかもしれない。「他人事」じゃない。人間はこうあらねばならないと「今」強く思い知る。見習いたい。

[「危機感が 懸命に生きようと花を咲かせ 実を実らせるのさ」]






■「パパイヤはな
  根っこに釘を打たれて
  自分はもうだめだ
  長いことはないと思い
  必死で… 必死で必死で
  大きく美しい実を実らせたんだ
  そうすれば次の代を残せるだろ
  危機感が
  懸命に生きようと花を咲かせ
  実を実らせるのさ」


[「お前たちには無限の力があるんだ」]




■「球筋をよく考えて振れ
  シンカー
  スライダー」







■「攻撃は樹木のように力強く
  そして勢いよく
  守備は野草のように柔軟に
  そして俊敏に
  分かったか!」
 「はい!」







■「勝ちたいと思うな
  負けられないと思え
  お前たちには無限の力があるんだ」







■「いいか
  ボールがセカンドに飛んだら
  一度ベースを確認したら
  あとはもう見るな
  セカンドからのボールを補給したら
  ベースは踏むんじゃなく
  蹴るんじゃなく
  滑らすようにして
  ファーストへ投げる」





■「野球は呼吸だ
  みんな呼吸を合わせろ 忘れるな!
  返事は?」
 「はい!」







■「練習はウソをつかん!
  今やらんで 試合中に
  後悔することだけはするな
  自分のものにしろ!
  自分のものにしろ!
  練習を自分のものにしろ!」


[「完全試合」]






■「完全試合! 完全試合です
  呉明捷投手
  見事 完全試合を成し遂げました」





■「皆さんは きっと
  まだ嘉義農林のことを
  よくご存知ないでしょう
  なぜなら 嘉義農林は今日まで
  一度も勝ったことのない
  チームだからです」


[「併殺」]






■「ピッチャー 投げました
  打った セカンドゴロ
  真正面捕った
  ショートへ 二塁アウト
  一塁に転送… アウト!
  併殺です!」


[「ホームスチール」]






■「投げました 平野選手が走った
  キャッチャー ボールを二塁に送った」







■「三塁走者の真山選手が
  ホームへ突っ込んでいく
  そしてキャッチャー 捕った
  タッチ!」







■「セーフ! セーフ!
  ホームイン
  真山選手
  ホームスチールを決めています
  ホームスチールです
  台湾野球史上初の
  ホームスチール成功です」





■「これが本当に
  中等学校野球でしょうか?」


[「全島優勝」]




■「延長10回裏
  なおも走者 二塁 三塁
  観衆1万5千人余りが
  固唾を飲んで見守っています」





■「大丈夫 あと1つだ!」






■「空振り三振! 試合終了!」




■「嘉義農林が苦しみ抜いた末に
  北部最強 台北商業を
  辛くも退けました!」





■「全く勝てなかったこのチームが
  たった1年で生まれ変わり
  あっという間に
  強豪を次々と打ち破り
  見事 全島優勝を果たしました!」





■「おい
  泣くな
  お前たちは勝ったんだぞ」







■「近藤君 お帰り!
  いやー 嘉義に初めて
  全島優勝をもたらしてくれたな」







先生(渋谷天馬)が「実在の人物」か調べられなかった。だが「こういう人」は現実に僕の周りにもいるから、恐るべき極限のくそリアリズムで「実在の人物」に見えてならない。「確認した」「調べた」訳じゃないのに「てきとう」に生きる先生みたいな奴に「絶対なりたくない」。何が人間の最も「最低」か、「マー・ジーシアン監督」「ウェイ・ダーション監督」が見せた「反面教師」「教え」を思い知る。

[「八田與一」「嘉南大圳」]




■「だからな 嘉南大圳が完成すれば
  クモの巣のように
  灌漑用水がはりめぐらされて
  嘉南平原のすべての作物のな
  あのー
  必要とする水分が供給されて
  収穫期になれば 見渡す限りの…」
 「黄金のような稲穂が…」
 「おお 黄金のような稲穂か」







「実在の人物」八田與一(大沢たかお)が「1930年」、「ダムは当時東洋一の規模だった」「全長1万6千キロ」「嘉南大圳」を完成させた。




■「水が来たぞ!
  もう運ばなくていいぞ」





「いい日本人」が「いた」「衝撃」殆ど「かなり」「実話」。「作り話」じゃない。『セデック・バレ』2部作から「豹変」した、「マー・ジーシアン監督」「ウェイ・ダーション監督」が仕掛けた「日本人」「極限の美」に、「これでも泣かないか」まで追い込まれ、「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」+「敬意」「賞賛」「崇拝」で震え上がり大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

『KANO 1931海の向こうの甲子園 第二部 甲子園』は、「もっと凄いよ……」。

『KANO 1931海の向こうの甲子園』[後編]につづく




『セデック・バレ 第一部 太陽旗』
『セデック・バレ 第二部 虹の橋』
『KANO 1931海の向こうの甲子園』[前][後]

画像 2022年 4月