■『007 私を愛したスパイ』
☆☆☆☆★★[90]
1977年/イギリス映画/125分
監督:ルイス・ギルバート
出演:ロジャー・ムーア/リチャード・キール/キャロライン・マンロー/バーバラ・バック
[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。
■やりすぎ限界男優賞:リチャード・キール
■やりすぎ限界女優賞:キャロライン・マンロー
■第2稿 2015年 9月20日 版
[シリーズ第10作目]
「ま… 間違いない 奴だ… 奴が来たんだ」。『007は二度死ぬ』の “本物”、ルイス・ギルバート監督が帰ってきた……。
「生粋のバカ映画」から「完全なバカ映画」へ。「大スペクタクル・コント」の世界が「もう戻れない」 “スピードの向こう側” の “棲息速度域” へ突入する第10作目『007 私を愛したスパイ』。ガイ・ハミルトン監督からルイス・ギルバート監督へ。もう誰もロジャー・ムーアとギルバート監督の暴走を止めることはできない。壮絶な破壊力で「『007』大スペクタクル・コント時代」がクライマックスへ突き進む「シリーズ最新第10弾 特別記念超大作!」
[ルイス・ギルバート「前科2犯」]
『007は二度死ぬ』の浜美枝の「水着」を超える「犯罪」バーバラ・バック「クロス・ブラ」。そして『007』「伝説」の「ジョーズ」を生み出した「罪」は重い。『007 私を愛したスパイ』でルイス・ギルバート監督は「前科2犯」となる。
[現代の視点でありえないもの]
■国旗のパラシュート
オープニングからぶっ飛ばせ! スパイが自国の国旗のパラシュートでスカイダイビング! おまえ本当にスパイか!
■「会った直後に瞬間セックス」
もう「当たり前」の「自然」である非現実の世界。世界で最も強い『007』の印象「モテモテのイケメン英国諜報員が悪を倒して美女とやりまくるバカ映画」から、もう抜け出すことは完全にできない。
■海洋生物学者
こいつが海洋生物学者には「絶対見えない」。
■ロータス・エスプリ
……「やりすぎ」だろう。『007 ゴールドフィンガー』のアストンマーチンDB5はリアリズムがあった。だが現代の科学でもここまで小型の水陸両用車はまだ無理。アイデアは凄まじいが車内の防水やガラスの遮閉など「インチキ」 が多過ぎ。
■バーバラ・バック「クロス・ブラ」
拉致したバーバラ・バックにどうやってこの衣装を着せた! バカ過ぎる! ……恐るべしギルバート監督。観客はバーバラ・バック「クロス・ブラ」におしっこを漏らして震撼する以外もはやなす術はない。
■婚約者を殺害した男
バーバラ・バックの婚約者を殺害したボンドと「絶対ありえない」! もうメチャメチャだ! 本当にこれでいいのか!
[現代の視点でありえないキャラクター]
■ジョーズ[1回目]
『007』を語るなら、……こいつが出ない訳にいかないだろう。「『007』大スペクタクル・コント時代」のクライマックスに止めを刺す限界の「ありえないキャラクター」。ジョーズなくして『007』を語ることはできない。6代目ダニエル・クレイグしか知らない若者達よ、これが “本物のジェームズ・ボンド” だ!
■不死身
列車から転落しても不死身! 崖から転落しても不死身! もう人間じゃない!
■鋼鉄の歯
鉄の鎖を噛み切る鋼鉄の歯。電気や磁力に弱いらしいが人喰いサメをも噛み殺す! サメとの対決に勝ったジョーズは基地の大爆発から泳いで脱出! 「無敵」「不死身」のジョーズが「『007』大スペクタクル・コント時代」に止めを刺す!
[キャロライン・マンロー=ザ・ボンバー・ダイナマイト]
何という凄まじきビッチ! バーバラ・バック「クロス・ブラ」の限界さは認めるが、僕は “ボンド・ガール” バーバラ・バックが好みではない。『007 私を愛したスパイ』最強の “ボンド・ガール” は間違いなくキャロライン・マンローだ。僕はビッチな女にとても弱い。キャロライン・マンローは僕の心の弱い部分をもの凄い勢いで攻撃した。この “ダイナマイト・ボンバー・ギャル” がミサイルで撃ち殺された最期が残念でならない。
■『007 ドクター・ノオ』
■『007 ロシアより愛をこめて』
■『007 ゴールドフィンガー』
■『007 サンダーボール作戦』
■『007は二度死ぬ』
■『女王陛下の007』
■『007 ダイヤモンドは永遠に』
■『007 死ぬのは奴らだ』
■『007 黄金銃を持つ男』
■『007 私を愛したスパイ』
■『007 ムーンレイカー』[前][後]
■『007 ユア・アイズ・オンリー』
■『007 オクトパシー』
■『007 美しき獲物たち』
■『007 リビング・デイライツ』[前][後]
■『007 消されたライセンス』[前][後]
■『007 ゴールデンアイ』
■『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
■『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
■『007 ダイ・アナザー・デイ』[前][後]
■『007 カジノ・ロワイヤル』[前][後]
■『007 慰めの報酬』[前][後]
■『007 スカイフォール』[前][後]
■『007 スペクター』
■『007』始末記①「シリーズ誕生50周年記念」序文
■『007』始末記②「作品」ベスト10
■『007』始末記③「ジェームズ・ボンド」ベスト6
■『007』始末記④「ボンド・ガール」ベスト10[前編]
■『007』始末記⑤「ボンド・ガール」ベスト10[後編]
画像 2015年 9月