『007 美しき獲物たち』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『007 美しき獲物たち』
☆☆☆☆[80]

1985年/イギリス映画/122分
監督:ジョン・グレン
出演:ロジャー・ムーア/クリストファー・ウォーケン/グレイス・ジョーンズ/タニア・ロバーツ/メアリー・スタヴィン/フィオナ・フラートン/アリソン・ドゥーディ


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:タニア・ロバーツ


やりすぎ限界女優賞:メアリー・スタヴィン


やりすぎ限界女優賞:フィオナ・フラートン


やりすぎ限界女優賞:アリソン・ドゥーディ


やりすぎ限界男優賞:ロジャー・ムーア


■第2稿 2016年 1月7日 版

[シリーズ第14作目]




「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を飾る最終章、第14作目『007 美しき獲物たち』。アカデミー賞受賞俳優クリストファー・ウォーケンが悪役に起用されるが「中途半端」なリアリズムで終わった。最期まで貫かれた「会った直後に瞬間セックス」。そしてシリーズ最高齢記録「58歳」最期の “段取りにしか見えない殺陣”。ロジャー・ムーアが最期まで貫いた「信念」 “本物のジェームズ・ボンド” が何かを叩きつけた。

[3代目ロジャー・ムーア有終の美]


■ロジャー・ムーア(46歳)


■ロジャー・ムーア(58歳)

3代目ロジャー・ムーアは『007』全23作品において出演最多記録7本を保持してる。8作目『007 死ぬのは奴らだ』で3代目を襲名した時は46歳。だが最期の14作目『007 美しき獲物たち』の時は58歳だった。もうボンドを演じるには限界だった。

ガイ・ハミルトン監督、ルイス・ギルバート監督に加担し、「大スペクタクル・コント」を「3乗」の破壊力で “棲息速度域” へ到達させた。58歳まで7本も出演した理由は「作れば絶対大ヒット」だったから。現代まで『007』シリーズを繋いだ功績は尊敬しなければならない。恐るべしロジャー・ムーア。「あんたに殺されたくねえ」。「モテモテのイケメン英国諜報員が悪を倒して美女とやりまくるバカ映画」で最期まで観客の心を癒やした。「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を心から讃えたい。

[ロイス・マクスウェル有終の美]




『007 ドクター・ノオ』から全作品マネーペニーを演じてきたロイス・マクスウェルも本作が最期で引退。『女王陛下の007』ではボンドが結婚して涙を流すシーンもあった。だが始めは「ボンドに片想いのMの秘書」が、22年経った『007 美しき獲物たち』では「昔男女の関係だった同い年の女」にしか見えないようになってしまった。ロイス・マクスウェルにも限界の時がきた。「ロイス・マクスウェル有終の美」も心から讃えたい。

[現代の視点でありえないもの]




■「会った直後に瞬間セックス」

「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を飾る最期の「会った直後に瞬間セックス」。「これでもか」と言わんばかりのメアリー・スタヴィン、グレイス・ジョーンズ、フィオナ・フラートンとの「3人」のセックス。“本物のジェームズ・ボンド” におしっこを漏らして震撼する以外もはやなす術はない。




■ “段取りにしか見えない殺陣”

「58歳」だからじゃない。「46歳」から “段取りにしか見えない殺陣” だった! 「全然強そうに見えない」最期の “段取りにしか見えない殺陣” が、“本物のジェームズ・ボンド” に止めを刺す。「最強のジェームズ・ボンド」よ永遠なれ!

[中途半端「ステロイド児」]




ソ連から亡命したゾリンはナチの強制収容所の「ステロイドによる 知能向上実験」で生まれた 「ステロイド児」。だがどこまで本当のことか真相を調べられなかった。オープニングの字幕「 “ゾリン” など 固有名詞は すべて架空名です」から「実話」を想像したが「ハッタリ」だった。




またメイ・デイをいとも簡単に裏切るゾリンにリアリズムが見えない。「ステロイド児」が影響した展開になってない。『007 美しき獲物たち』は「中途半端」なリアリズムに共感できない残念な結果となった。

[「火事」ロジャー・ムーア「最期の男気」]




火事からタニア・ロバーツを救出するシーンは「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を飾る「最期の男気」の見せ場となった。




この時58歳のロジャー・ムーアは、アクションが限界で殆どスタントマンだった。だが火事からタニア・ロバーツを救出するシーンはとても格好良かった。「最期の男気」の見せ場に、ジョン・グレン監督のロジャー・ムーアへの「敬意」を感じた。

[ジョン・グレン監督「アクション・スタント」]




「CG」がない時代のスタントは「本当にやるしかない」。『007 美しき獲物たち』では「消防車カーチェイス」と「飛行船ロープぶら下がり」を見せる。本当に走ってる消防車のハシゴにしがみつく「無茶加減」。本当の空中での「飛行船ロープぶら下がり」の「無茶加減」。「CG」ではない “本気” の壮絶スタントに敬意を表し「スタントマン」にやりすぎ限界男優賞を贈る。




ジョン・グレン監督は「空中スタント」が大好きだ。「第3弾」『007 美しき獲物たち』の「空中スタント」壮絶「飛行船ロープぶら下がり」は「死んだらどうする」というレベルの危険度。「実際にスタントするがワイヤーはCGで消す」などこの時代はできない。ジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー3』の「原点」がグレン監督だった真実に度肝を抜かれる。息を呑まれる「人間」の「極限の身体能力」に震撼せよ。

[「有終の美」を讃えた「5人」の “ボンド・ガール” ]




「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を讃え、壮絶なる「5人」の “ボンド・ガール” が『007 美しき獲物たち』に登場した。だが僕はグレイス・ジョーンズが好みではないので、「4人」の “ダイナマイト・ボンバー・ギャル” の「雄姿」に眩暈がした。心の弱い部分を「瞬間」で攻撃してきた「4人」に、もう少しでやられるとこまで追いつめられた。「危なかった」。

[タニア・ロバーツ=ザ・ボンバー・ダイナマイト]





1人目タニア・ロバーツ。文句なしの壮絶 “ダイナマイト・ボンバー・ギャル”。だが『007 美しき獲物たち』の「中途半端」なリアリズムでその印象が薄くなってしまった。“ボンド・ガール” 史上上位に君臨する実力で「3代目ロジャー・ムーア有終の美」を讃えた。「最期の恋人」役となった名誉を賞賛する。

[メアリー・スタヴィン=ザ・ボンバー・ダイナマイト]





2人目メアリー・スタヴィン。『007 オクトパシー』のティナ・ハドソンと同じく、冒頭のわずか1シーンだけで「一瞬」の「勝負」をした壮絶 “ボンド・ガール”。わずか「一瞬」で “ダイナマイト・ボンバー・ギャル” が何かを見せた。

[フィオナ・フラートン=ザ・ボンバー・ダイナマイト]





3人目フィオナ・フラートン。初めて見た時『007 私を愛したスパイ』のバーバラ・バック「クロス・ブラ」=「アマソヴァ少佐」が違う女優で再登場したかと思った。だが「全然」関係なかった! 「3代目ロジャー・ムーア有終の美」に「日本風呂」に入るためだけで登場した「真実」に度肝を抜かれた!

[アリソン・ドゥーディ=ザ・ボンバー・ダイナマイト]





4人目アリソン・ドゥーディ。『インディ・ジョーンズ 最期の聖戦』の “ダイナマイト・ボンバー・ギャル”。「デビュー作」とは知らなかった。史上最年少「18歳」の “ボンド・ガール”。圧倒的 “ダイナマイト・ボンバー・ギャル” だったアリソン・ドゥーディの存在感に震撼せよ!




『007 ドクター・ノオ』
『007 ロシアより愛をこめて』
『007 ゴールドフィンガー』
『007 サンダーボール作戦』
『007は二度死ぬ』
『女王陛下の007』
『007 ダイヤモンドは永遠に』
『007 死ぬのは奴らだ』
『007 黄金銃を持つ男』
『007 私を愛したスパイ』
『007 ムーンレイカー』[前][後]
『007 ユア・アイズ・オンリー』
『007 オクトパシー』
『007 美しき獲物たち』
『007 リビング・デイライツ』[前][後]
『007 消されたライセンス』[前][後]
『007 ゴールデンアイ』
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
『007 ダイ・アナザー・デイ』[前][後]
『007 カジノ・ロワイヤル』[前][後]
『007 慰めの報酬』[前][後]
『007 スカイフォール』[前][後]
『007 スペクター』

『007』始末記①「シリーズ誕生50周年記念」序文
『007』始末記②「作品」ベスト10
『007』始末記③「ジェームズ・ボンド」ベスト6
『007』始末記④「ボンド・ガール」ベスト10[前編]
『007』始末記⑤「ボンド・ガール」ベスト10[後編]

画像 2016年 1月