■1位「6代目:ダニエル・クレイグ」
■2位「4代目:ティモシー・ダルトン」
■3位「3代目:ロジャー・ムーア」
■4位「1代目:ショーン・コネリー」
■5位「5代目:ピアース・ブロスナン」
■6位「2代目:ジョージ・レーゼンビー」
■第2稿 2018年 5月29日 版
[「ジェームズ・ボンド」ベスト6]
1位「6代目:ダニエル・クレイグ」
2位「4代目:ティモシー・ダルトン」
3位「3代目:ロジャー・ムーア」
4位「1代目:ショーン・コネリー」
5位「5代目:ピアース・ブロスナン」
6位「2代目:ジョージ・レーゼンビー」
[総評]
記事に書いた通り全作品の評論を書き終えて考えが変わった。各作品の評論では1位が3代目だったが現在の心境は3位と1位が逆転した。6人それぞれ違う魅力があるので本当は「部門」を作れば部門によって6人がそれぞれ1位になるだろう。この順位も「今」の心境でしかなく、寝て起きて明日になったら「やっぱり1位はロジャー・ムーア」となる可能性が高い。『007』が魅力のあるシリーズということに尽きる。
1位は「ジェームズ・ボンドが実在の人間であるなら?」まで到達させた6代目。オリンピックの記録はやはり塗り替えられた。この “本気” を評価しない訳にいかない。2位は「小鳥の雛は初めて見たものを親だと勘違いする」「僕が生まれて初めて見た『007』」の4代目。多感な思春期に受けた強烈な印象と過去の記憶は消えない。3位は “本物のジェームズ・ボンド” の3代目。出演最多記録作品が全部大ヒット。長寿シリーズに完成させた功績は大きい。今でも1、2、3位には迷いがある。4位はシリーズ原点の1代目。初代がいなければ6代目は生まれてない敬意を表して。5位は平均的な面白さで評価の高い5代目。6位は「たった1本」しか出演作品のない2代目。自分のカラーを引き出す前に降板してしまった2代目は、もう1本出演してたら印象が大きく変わってたかもしれない。
[「お粗末すぎ」部門]
■1代目:ショーン・コネリー
■「お粗末すぎ」ジェームズ・ボンド
■『007 ドクター・ノオ』
■『007 ロシアより愛をこめて』
■『007 ゴールドフィンガー』
■『007 サンダーボール作戦』
■『007は二度死ぬ』
■『007 ダイヤモンドは永遠に』
「『007』ギャグかシリアスか模索時代」の映像を見て衝撃を受けるのは、とにかく「ノー天気」で「緊張感がない」。防犯もリアリズムもお粗末なら脚本も特殊撮影技術もお粗末。60年代にも極限のくそリアリズムは存在してたので、わざと「ノー天気」に作ってたのだ。3代目を超える緊張感のなさ。「祭」のようなおめでたさは1代目ショーン・コネリーが一番だ。
[「インパクト強烈すぎ」部門]
■2代目:ジョージ・レーゼンビー
■「インパクト強烈すぎ」ジェームズ・ボンド
■『女王陛下の007』
まさか『007』が50年続くとは想像できなかっただろう。初めての代替わり「1本だけで降板事件」は、映画会社とジョージ・レーゼンビー双方にとって予測できない大事件となったのかもしれない。「『007』ギャグかシリアスか模索時代」の実験的作品に、たった1本で勝負して燃え尽きた悲劇のジェームズ・ボンド。「1本だけのジェームズ・ボンド」のインパクトは2代目ジョージ・レーゼンビーが一番だ。
[「バカすぎ」部門]
■3代目:ロジャー・ムーア
■「バカすぎ」ジェームズ・ボンド
■『007 死ぬのは奴らだ』
■『007 黄金銃を持つ男』
■『007 私を愛したスパイ』
■『007 ムーンレイカー』
■『007 ユア・アイズ・オンリー』
■『007 オクトパシー』
■『007 美しき獲物たち』
『007』を「極限のバカ映画」に完成させた恐るべきヤバ男。あらゆるリアリズムを捨て「笑い」を “棲息速度域” まで到達させた罪は重い。「会った直後に瞬間セックス」「水着のボンド・ガール」は「『007』大スペクタクル・コント時代」でさらに暴走。伝説の “段取りにしか見えない殺陣”。「現代の視点でありえないもの」「現代の視点でありえないキャラクター」を決定的にしたバカさ加減は3代目ロジャー・ムーアが一番だ。
[「無茶しすぎ」部門]
■4代目:ティモシー・ダルトン
■「無茶しすぎ」ジェームズ・ボンド
■『007 リビング・デイライツ』
■『007 消されたライセンス』
3代目が完成させた「伝統」の「破壊」に正面から挑んだヤバ男。「『007』ハード・アクション時代」を切り開き、6代目より先に「ジェームズ・ボンドが実在の人間であるなら?」のリアリズムに挑んだ。だが時代を先取りしすぎた無茶を世界が許さなかった。「笑い」のない『007』「血まみれのボンド」で1代目と3代目を最初に否定した無茶さ加減は4代目ティモシー・ダルトンが一番だ。
[「成績優秀すぎ」部門]
■5代目:ピアース・ブロスナン
■「成績優秀すぎ」ジェームズ・ボンド
■『007 ゴールデンアイ』
■『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
■『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
■『007 ダイ・アナザー・デイ』
4代目の失敗から最も真面目に、最もイメージ通りに、時代と「伝統」の調和を成し遂げたはみ出さなかった男。作品は全部面白く全部大ヒット。本当に一番「成績優秀」だったボンドに見える。過去全作品の「平均的イメージ」の「ボンド像」に徹したのかもしれない。最も成績優秀だったのは無茶しなかった5代目ピアース・ブロスナンが一番だ。
[「本気すぎ」部門]
■6代目:ダニエル・クレイグ
■「本気すぎ」ジェームズ・ボンド
■『007 カジノ・ロワイヤル』
■『007 慰めの報酬』
■『007 スカイフォール』
「ジェームズ・ボンドが実在の人間であるなら?」の「『007』極限のくそリアリズム時代」を完成させたヤバ男。4代目が到達できなかった理想。過去の「伝統」を切り捨てる “本気” に魂が震えた。時代の流れが『007』を変えた。ここまでやると思わなかった “本気” を初めて見た時、瞬間で漏らしてしまった。鬼気迫る “本気” のリアリズムは6代目ダニエル・クレイグが一番だ。
■『007 ドクター・ノオ』
■『007 ロシアより愛をこめて』
■『007 ゴールドフィンガー』
■『007 サンダーボール作戦』
■『007は二度死ぬ』
■『女王陛下の007』
■『007 ダイヤモンドは永遠に』
■『007 死ぬのは奴らだ』
■『007 黄金銃を持つ男』
■『007 私を愛したスパイ』
■『007 ムーンレイカー』[前][後]
■『007 ユア・アイズ・オンリー』
■『007 オクトパシー』
■『007 美しき獲物たち』
■『007 リビング・デイライツ』[前][後]
■『007 消されたライセンス』[前][後]
■『007 ゴールデンアイ』
■『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
■『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
■『007 ダイ・アナザー・デイ』[前][後]
■『007 カジノ・ロワイヤル』[前][後]
■『007 慰めの報酬』[前][後]
■『007 スカイフォール』[前][後]
■『007 スペクター』
■『007』始末記①「シリーズ誕生50周年記念」序文
■『007』始末記②「作品」ベスト10
■『007』始末記③「ジェームズ・ボンド」ベスト6
■『007』始末記④「ボンド・ガール」ベスト10[前編]
■『007』始末記⑤「ボンド・ガール」ベスト10[後編]
画像 2013年 11月