『007 ダイ・アナザー・デイ』[前編] | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『007 ダイ・アナザー・デイ』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2002年/イギリス=アメリカ映画/133分
監督:リー・タマホリ
出演:ピアース・ブロスナン/ロザムンド・パイク/ハリー・ベリー/マドンナ


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:ロザムンド・パイク


やりすぎ限界女優賞:ハリー・ベリー


やりすぎ限界男優賞:ピアース・ブロスナン


■第2稿 2016年 4月4日 版

[シリーズ第20作目]




「『007』大スペクタクル・アクション&CG時代」の最終章。そして5代目ピアース・ブロスナンの最終章。「シリーズ誕生40周年記念」と「20作品記念」のダブル・アニバーサリー作品シリーズ第20作目『007 ダイ・アナザー・デイ』。「もう戻れない」 “スピードの向こう側” の先の “棲息速度域” へ到達した「CG」技術が、「『007』大スペクタクル・コント時代」の「現代の視点でありえないもの」を超える。「『007』大スペクタクル・アクション&CG時代」とは何か? その真実がここに完結する。

『インデペンデンス・デイ』『アルマゲドン』の時代。「地球が全滅する映像」が簡単に作れるようになった。「堺」が消えた全滅映像を見たら全滅したと「認めるしかない」。「地球は本当に全滅したんだ! おまえ今見たろ!」という「全部本物」のリアリズム映像だからだ。

「極限のバカ映画」から「伝統のバカ映画」へ。こんなこと「絶対ありえない」。暴走し過ぎた「CG」が最期に到達したのは、皮肉にも3代目を超える「現代の視点でありえないもの」だった。「全部本物」に見えるリアル映像が、逆に新しいやりすぎ限界の「伝統のバカ映画」を生み出す結果となった。「どうせCGだろ」の時代。「『007』大スペクタクル・アクション&CG時代」の最期を飾る壮絶やりすぎ限界映画を君に贈る。

[伝統のバカ映画]




「シリーズ誕生40周年記念」と「20作品記念」のダブル・アニバーサリー作品。そのため過去20作品を振り返る集大成の作品となった。歴代ボンド達が使用した「秘密兵器」の登場。ボンドの世界を象徴する宇宙からの「人工衛星」攻撃。“女好きの諜報員” を全面に見せ、3代目全盛期の「『007』大スペクタクル・コント時代」に「原点回帰」した。「伝統のバカ映画」復活に「壮絶CGアクション」が爆発。“本物のジェームズ・ボンド” のファンなら大喜びだ。『007 サンダーボール作戦』の「ジェット・パック」と「小型酸素ボンベ」。『007 オクトパシー』の「ワニ型潜水艇」。『007 リビング・デイライツ』の「スパイク・タイヤ」を僕は確認した。マニアはもっと発見できるだろう。見つけ切れないほどパロディーがあるらしい。




「CG」が「共感できない非現実」までやりすぎた『007 ダイ・アナザー・デイ』こそ、5代目ピアース・ブロスナン全4作品のベスト1。「どうせCGだろ」の最高傑作に震撼せよ!

[現代の視点でありえないもの]




■捕虜

北朝鮮で捕虜になるボンド。リアリズムなら「絶対助からない」。最初の拷問シーンを見たらリアリズムかと騙されるが、14ヶ月経って全然痩せてない姿に唖然。冒頭から「伝統のバカ映画」の気配がした。




■マイケル・マドセン

こいつがCIAの役人には「絶対見えない」。どう見ても剃刀で耳を切り落としてガソリン掛ける奴にしか見えない。Mの前で煙草を吸っても「関係ない」。






■「会った直後に瞬間セックス」

「伝統のバカ映画」「『007』大スペクタクル・コント時代」に逆戻り。「会った直後に瞬間セックス」完全復活。リアリズムは「死んだ」。




■「やりすぎたCG」①:「ヴァーチャル映像」

「ヴァーチャル映像」の射撃訓練に絶句。現実に可能か不可能かはもうわからない。もはや「現実」にしか見えない。




■「やりすぎたCG」②:「アストンマーチン V12」=アストンマーチン「最強伝説」Part3「やりすぎCG」

「秘密兵器」搭載のアストンマーチンが登場する全4作品の3作目。『007 リビング・デイライツ』以来の登場だ。……だが、ちょっとおかしいぞ? 「車は本当に消えたんだ! おまえ今見たろ!」「本当に消えてる…。「全部本物」だ! 消える自動車は現実に実在するんだ!」




……「やりすぎ」。恐るべし「『007』大スペクタクル・アクション&CG時代」。「消えるアストンマーチン」に絶句。もう「何でもあり」に大きい方ギリギリだ!

『007 ダイ・アナザー・デイ』[後編]につづく


『007 ドクター・ノオ』
『007 ロシアより愛をこめて』
『007 ゴールドフィンガー』
『007 サンダーボール作戦』
『007は二度死ぬ』
『女王陛下の007』
『007 ダイヤモンドは永遠に』
『007 死ぬのは奴らだ』
『007 黄金銃を持つ男』
『007 私を愛したスパイ』
『007 ムーンレイカー』[前][後]
『007 ユア・アイズ・オンリー』
『007 オクトパシー』
『007 美しき獲物たち』
『007 リビング・デイライツ』[前][後]
『007 消されたライセンス』[前][後]
『007 ゴールデンアイ』
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
『007 ダイ・アナザー・デイ』[前][後]
『007 カジノ・ロワイヤル』[前][後]
『007 慰めの報酬』[前][後]
『007 スカイフォール』[前][後]
『007 スペクター』

『007』始末記①「シリーズ誕生50周年記念」序文
『007』始末記②「作品」ベスト10
『007』始末記③「ジェームズ・ボンド」ベスト6
『007』始末記④「ボンド・ガール」ベスト10[前編]
『007』始末記⑤「ボンド・ガール」ベスト10[後編]

画像 2016年 4月