Amazon Kindle Unlimited に登録したので、しばらく本の感想を投稿します♩…と思ったけど期限がきたのでこれでおしまい!1か月で9冊読めました。
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今すぐ使える誰でも使えるフラッシュバック対処と予防/服部信子
初版発行日:2023年6月23日
読んだ日
2024.3.19
簡単に要約すると…どんな本
フラッシュバックの説明、対処、予防法がまとめられた本。
心に響いた箇所と私の感想
p.2
「フラッシュバックとは昔体験したトラウマが思い出されまるで今起きているかのように感じることです。フラッシュバックは生理的反応です。あなたの心の弱さではなく自然な現象です。」
p.2
「知識とスキルで以下のことができます。
⚪︎兆候に気づく
⚪︎素早く対応する
⚪︎影響から早く回復する
⚪︎頻度を減らす」
p.6
「読みながら気をつけるサイン
⚪︎心臓がドキドキする
⚪︎呼吸が浅くなる
⚪︎体に力が入る
⚪︎指先が冷たくなる
⚪︎お腹が痛くなる
⚪︎その場にいたくなくなる
⚪︎気を紛らわしたくなる
⚪︎よくないと分かっていることをしたくなる
⚪︎どっと疲れが出る
⚪︎ぼーっとしてくる
⚪︎不快な気持ち」
p.9
「『読みながら気をつけるサイン』に気づいたらちょっと元気になるまでセルフケアをしましょう。セルフケアの方法は自由ですが、手軽にできるものを紹介します。
⚪︎テレビやSNSなどから離れる
⚪︎スマホに入っているお気に入り写真を見る
⚪︎お気に入りの音楽を聴く
⚪︎周りを見回してお気に入りのものを手に取る
⚪︎好きなお茶や飲み物を香りと味を感じながら飲む(アルコールは避ける)
⚪︎軽いストレッチや短い散歩する」
p.27、28
「フラッシュバックとは(中略)『記憶のタイムスリップ』や『記憶によるハイジャック』などと呼ばれることもあります。何の記憶がはっきりとわかる場合もあればそうでない場合もあります。断片的なイメージや体の感覚の場合もあれば感情や言葉の場合もあります。『忘れたいのに忘れられない』『何年たっても気持ちはあの時のまま』『思い出すたびにどうにかなってしまいそう』そのような言葉で表される体験です。」
p.28
「トラウマと呼ばれる強い危険を感じる体験をした方のほとんどは、その後フラッシュバックを体験します。それは『危険』と言う異常な体験に対するごく正常な体の反応です。」
p.31
「⚪︎『今に意識を向ける』スキル
⚪︎『リラックスする』スキル
この2つのスキルによりフラッシュバックを減らせます。」
p.32
「今に意識を向けるスキル(中略)
⚪︎昔の出来事を昔の記憶として感じる
⚪︎今の状況は今の現実として感じる
結果的に心と体の反応がおさまる」
p.33、34
「フラッシュバックはまるで今トラウマが起きているかのようにあなたに感じさせます。しかし今に意識を向けそこにある現実に気づくとフラッシュバックは終わります。(中略)
フラッシュバックが起きると今は安全だと知っている脳の部分へのアクセスが阻まれます。そのため危険だと感じさせます。
その場合も『今に意識を向ける』ことでそこにある安全に気づくとフラッシュバックは終わります。」
p.37
「トラウマ的な出来事を体験しても今は安全だと思える方がいるのはなぜでしょう?(中略)
⚪︎その出来事が終わったとはっきりわかった
⚪︎家族など大切な人が気づきいたわってくれた
⚪︎家族・学校・職場・病院・警察などで必要な理解と協力が得られた
⚪︎同じ出来事が起こる可能性がほぼない
つまりもう大丈夫だと思える安全な状況がすぐに訪れトラウマ的な出来事の終わりを感じたのです。そして心のと体の警戒状態が解かれたのです。
上に挙げた状況があるとトラウマ的な出来事であっても辛い影響が残るトラウマ体験になりにくいのです。その代わりに生々しさがない『嫌な思い出』の1つになります。」
p.41
「リラックスするスキル
トラウマという安全が失われた体験をすると自分を守るためにいつでも緊張して過ごしがちです。ところがその緊張によりかえってフラッシュバックが起こりやすくなります。さらにフラッシュバックの影響を大きくしてしまうこともあります。緊張状態の反対はリラックスです。リラックスするスキルを身に付けるとフラッシュバックが起きにくくなります。リラックスだけでフラッシュバックを完全に防ぐ事はあいにくできません。しかしたとえフラッシュバックが起きてもリラックスすると早く終わらせることができます。」
p.41
「今まではフラッシュバックが終わってもその副作用とも言える嫌な気持ちがしばらく続いてきたと思います。しかしリラックスのスキルを身に付けると嫌な気持ちを早めに断ち切りその副作用も最小限にとどめることができます。」
p.42
「『フラッシュバックは記憶だ』と知るだけでフラッシュバックが軽減する」
p.49
「フラッシュバックの種類(中略)
『感覚フラッシュバック』と『感情フラッシュバック』」
p.49〜51
「感覚フラッシュバックは感覚的・非言語的に蘇る体をの記憶です。(中略)
⚫︎視覚的なもの
⚪︎もののイメージ
⚪︎人の表情
⚪︎人の動き
⚪︎情景
⚫︎聴覚的なもの
⚪︎音
⚪︎声
⚫︎体の中の感覚
⚪︎息苦しさ
⚪︎痛み
⚪︎吐き気
⚪︎自分の動き
⚫︎外から体に加わる刺激
⚪︎温度
⚪︎圧迫感
⚪︎触られているような感覚
ほとんどのフラッシュバックは感覚フラッシュバックから始まります。)
p.51
「感情フラッシュバックは感情や考えなどより意識的言語的な記憶です。それは感覚フラッシュバックの非言語的な体験よりも長く影響を残します。ときには数日間にわたり影響を残すことがあります。感情は恐怖、怒り、動揺、無力感、あきらめ、恥、自責感、または何とも言えない嫌な気持ちがよくみられます。誰かに言われた言葉をあたかも今言われたように感じることもあります。(中略)
⚪︎安全(『安全など存在しない』など)
⚪︎人への信頼(『信用できる人間などいない』など)
⚪︎自己判断力(『私は人を見る目がない』『私のせい』など)
⚪︎自分の能力(『抵抗できない』など)
⚪︎自分の価値(『私は愛される価値がない』など)」
p.52
「フラッシュバックに関連するもともとの体験は大きく分けて2種類あります。
1つ目は事故や災害など突然降りかかってきた『負荷』の体験。
2つ目は人間として誰にでも与えられるべき自由や安全安心が与えられなかったという『不足』の体験です。
負荷の体験に比べて不足の体験の場合は『感情フラッシュバック』を強く感じやすいでしょう。
また負荷と不足の体験が同時に起きた場合さらに強烈なフラッシュバックになりやすいでしょう。」
p.52
「感覚フラッシュバックでは明確なサインを見つけやすいですが、感情フラッシュバックの場合明確なサインを見つけにくいことがあります。そのため感情フラッシュバックが起きていることに気づかない場合も多いでしょう。それゆえ急な環境の変化がなぜ起きたのか戸惑うこともあります。」
p.75
「フラッシュバック対処にはとても大切な心構えが3つ(中略)
1.ちょっとマシを目指す
2.お気に入りの対処法を見つける
3.何よりも練習」
p.81
「フラッシュバック対処法を学んだばかりの頃はそれが必要なときには頭が真っ白になり対処法を思い出せないことがよくあります。その対策として以下の方法などでお気に入りの対処法を思い出す工夫を試してください。
⚪︎対処法のページをの写真をスマホで撮る
⚪︎紙に書いていつでも持ち歩く
⚪︎スマホのアラームに入れて毎日朝晩復習する」
p.137
「言葉で簡単に表せるドラマ間にまつわる情報もフラッシュバックのきっかけになりえます。(中略)
⚪︎時間的な情報 日付、時間帯、あなたの年齢
⚪︎トラウマにまつわる駅名地名などの文字
⚪︎トラウマにまつわる特定の言葉」
👉私の感想
これ分かりみすぎる…昔いじめられた日付、いじめてきた人の誕生日の数字、特定の言葉や文字が目に飛び込んでくるとトラウマ反応が起きます。私が特殊というわけではなく生理的な反応なんだ仕方ないんだ(でも対処法はあるんだ!)と思えて気持ちが少し軽くなった。
覚えておきたいメモ
p.84〜103
「体を使うフラッシュバック対処法
体を使う方法は環境や状態に意識を向けることで今ここを感じます。(中略)
方法1 目を開ける・開け閉じして『今、ここ』を感じる
フラッシュバック中は意識があなたの内側へ極度に向かっています。意識を外側に向けましょう。(中略)
対処法を使った後はたとえ少しでもマシになった部分に焦点を当てます。そうすることでさらにマシになります。また不快な部分には意識を向けないようにします。
方法2 目で『今、ここ』を感じる(中略)
周りを見回し、自分に害を与えた人や出来事が今この瞬間、あなたがいるその場所にはないことを確認する。(中略)
フラッシュバックの記憶と今の状況の違いに気づく。(場所、周りの人、天気など)(中略)
体がなんともないことを確認する。目で見たり手で体全体に触れたりしてあなたの体が無事であることを確認する。(中略)
方法3 呼吸で『今、ここ』を感じる
『ボックス呼吸』(中略)
1.お腹の方からゆっくりと息を吐く
2.吐いた息と同じ秒数の間息を止める
3.吐いた息と同じ秒数の間息を吸う
4.吸った息と同じ秒数の間息を止める
1から4を落ち着くまで繰り返す。徐々に吐く息を長くするとさらに効果的です。(中略)
方法4 動きで『今、ここ』を感じる
『グラウンディング』足を床にゆっくり押し付けその感覚を味わう
『プッシング』手で机や壁を強くゆっくりと押す
『スローダウン』足が地面につくことをしっかりと感じながらゆっくり歩く
『シェイキング』手足をぶらぶらと振るわせる(中略)
方法5 耳で『今、ここ」を感じる(中略)
耳を澄まして聴こえる音を3つ以上見つける、しばらく聴く(中略)
口笛を長めに吹き、その音をしっかり聴く(中略)
声を出してその音をしっかりと聴き、振動を口やのどで感じる(中略)
ぐぅ〜と言うお腹に響く静かなうなり声をゆっくり長く出す(中略)
方法6 味覚を使う(中略)
飲み物を少し口に含みゆっくりと味や温度それが喉を通っていく感覚に気づく(中略)
ガムやミントなどを口にしその味や食感に意識を向ける(中略)
方法7 嗅覚を使う
フラッシュバックとは関係のない香りをかぐ
例:手元にある飲み物や食べ物など
事前にお気に入りの香りを用意しておきそれを嗅ぐ
例:好きな香りのリップクリームやアロマオイルなど(中略)
方法8 動けないと感じるときの対処法(中略)
動かせる部分を感じます。体の部分で動かせそうな部分を探します。(中略)
言葉を使うフラッシュバック対処法
フラッシュバックは脳が過去の経験を今の危険だと間違えている状態です。その状態を変えるために言葉や記憶を使い今の安全を通インプットしていきましょう。(中略)
方法1 フラッシュバックだと認識する
次の言葉を自分に言う。
これはフラッシュバック
これは昔の記憶で今の現実ではない
不快だけど命に関わることではない
これは脳が間違えているだけ
今ここは安全
方法2 現実に焦点を当てた言葉(中略)
今の日時と年齢を言う(中略)
今の状況を言う(中略)
方法3 過去のことを現在進行形でなく過去形で言う(中略)
方法4 経験上の事実に焦点を当てた言葉
この嫌な気持ちは少し経てばおさまる
今までも必ずおさまってきた
次の言葉は真実だと思える場合にだけ使う
私を傷つけたあの人はずっと遠くに住んでいる
私を傷つけたあの人はもう死んだ
今は私を愛してくれる人がいる(中略)
方法5 『T+1』過去の出来事の終わりを思い出す
この方法はフラッシュバックの原因となったトラウマにはっきりとした終わりがある場合に使います。(中略)
Tはフラッシュバックに出てきた過去のトラウマを指し、+1はトラウマが終わった時点を指します。(中略)
フラッシュバックに出てきた人のもとから引っ越して、離れた日や、その人が亡くなった日など(中略)
方法6 感覚と言葉を使う(中略)
見える物の名前と色を10個言う。(中略)
体が触れている椅子や机を触り、その感覚を感じるて言い表す。(中略)
手触りの良いものに触れて、その感覚を言い表す。それを繰り返す(中略)
ものを触り温度の違いを5つにつけ言い表す(中略)
方法7 頭脳を使う
名前を反対から読む(中略)
名前をローマ字にして反対から読む(中略)
電話番号を思い出し反対から読む(中略)
紙などには書かず頭の中に名前やスペルや番号を思い出して読みます(中略)意識を集中しないとできないことがポイント」
p.105
「フラッシュバックを予防する方法(中略)
1.健康的な生活習慣
2.リラックスの練習
3.フラッシュバックのきっかけを知る
4.サポートを受ける」
p.124
「(リラックス)リソース(好きなもの、ありがたいこと。思い出す、見る、または手にとると、ほっとする、笑顔になる、元気になる、心地よさを感じるもの。)であるものや体験を思い浮かべます。そして思い浮かべることで体に起きる心地よさをゆっくりと味わいます。」
p.133
「思い当たるトラウマがない場合はなぜフラッシュバックが起こるのだろうと不可解に思うでしょう。不可解に悩まされるほどきっかけがわかるとフラッシュバックの威力が激減することがあります。そのためきっかけを見つける努力は十分に価値があるといえます。」
p.138
「きっかけに気づくために1番役立つのは自己観察です。フラッシュバックがおさまってから振り返り記録を残してみましょう。」
全体の感想
「今、ここ」の話は、高橋先生やネ◯じゅんさんの強化版みたいな話で面白かった。今ここにいることはとても大切だけどつい過去にタイムスリップしちゃうことがあるので、服部先生が紹介されていた今ここにいられる方法も試してみようと思う。誰よりも詳しいいろんな種類の「今ここ」でした。
「私を傷つけたあの人はもう死んだ」←これ私勝手に自分に言い聞かせていたことありました!(昔このブログにも書いたことある気がする)
良い対処法だったんだ。
ほかにもちょいちょいやっていることもあってうれしかった。
他にもできる対処法を増やしていきたい!
服部先生が仰るとおり普段から練習しよう。
そしてフラッシュバックしたときパニックで対処法思い出せないだろうから、すぐ対処できるような工夫を普段からしておこう。(本書のとおり、紙に書くとか、毎朝晩練習するとか)
あまり人に理解してもらえないフラッシュバックの話が書かれていて、なんだか救われた。
対処法や予防法を教えてもらえるのももちろん嬉しいけどその前にフラッシュバックがどういうものなのか知れたのもよかった。
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