地上天国への道 7. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.















そして
市内でも
わが家より
山に近い方向にあり










周りは
民家が少なく
畑や木々など自然が多い
静かな場所に
まつやま絵画教室はあり










その建物も先生も
佇まいが
美しかった










そして息子
初めての場所なのに
まるでいつも来ているかのように
自然に中に入り










先生は










「今日のテーマは犬です
りんくんがどんな絵を描くか
見せてください」
と言い









息子は
犬の写真と
色鉛筆と鉛筆と紙の前に
静かに座った










そして
わたしは事前に
先生には










障害をきっかけに
息子は
手の機能が低下し
その後の成長も少なく












殴り書きのような絵や
僅かな平仮名と数字しか
書けないことを
伝えていたが










犬の写真を前に
もう一度
犬の目鼻などは描けないことを
伝えた方が良いのか
と思った









でも、ふと
「ああ、何も
目鼻を描かなければいけない
ことはない」
とハッとし









わたしは
黙ってそれを
見ていることにした










すると息子は
座った瞬間から
鉛筆を手にし









クルクルと円のようなものを
描き始め










わたしは
何が起こったか分からず
混乱した










そしてそれを
画面いっぱいに描くと
今度はその上に
色鉛筆の色々な色で










激しく強く
直線的に
色を乗せていき









わたしは
何か凄い物が出てきたと
鳥肌が止まらず










「凄い!凄い!」
と叫んだ










そして
先生も









「りんくんは
触覚的な絵を描きますね」
と驚き









わたしは
息子が障害を負った直後の
全盲だったときに









絵本をパラパラとめくったり
絵本の背表紙を歯で
ビリビリと剥くなど
触覚を楽しんでいたことを
思い出し










あれが
ここに繋がっていたことに
ハッとし









わたしは
息子が絵を描く姿に











そしてさらに
息子は
先生とは








今まで一切
教えた事が無い
敬語で話し始め









それも
16年間
一度も見た事が無い
息子の姿で










わたしは
その










想像すら出来ない
奇跡の連続に
言葉を無くし











こうして
地上天国どころではない
発狂するような
世界が









目の前で
一瞬で
爆発し始めた