ある日 ⒊ | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.

















また











息子が
小学校3年生の頃の
ある日











通学団に間に合わず
一人で
登校することになり










わたしは後ろから
少し距離を置き
付いていった











そして
もう学校が
目の前になったとき










あまり
車の通らない道で
突然息子が
立ち止まった











そして
しばらくじっとした後
息子の視線が
足元に下り











見ると
道路に水たまりが
出来始め
わたしは目を
疑った










息子が
一切したことのない
お漏らしを
していたからだった











でも
わたしは
見守ることにした











今思うと
何かそこだけ世界が違い
手を出してはいけない
気がして











その
有り得ない景色に
からだもなぜか
動けなくて





















そして
息子は
しばらく自分の靴を
地面を眺め
その感触を味わったあと











突然
靴を
脱ぎ始めた











そして
その日は
月曜日だったのか
プールのある日だったのかで










手にたまたま
上靴かサンダルを
持っていて











息子は
ぐちゃぐちゃに濡れた
靴下のまま
靴を履き替え











手に濡れた靴を持ち
学校へ
走って行った











そして
わたしは
重度の知的障害と
診断され











自閉傾向があり
突然のハプニングへの
状況判断が難しい
と言われている
息子が











健常であっても
大人であっても
難しい状況で











冷静に
咄嗟の判断と
行動ができた
その逞しさと賢さに
涙が止まらず











息子を先回りして
特別支援学級の
先生の元へ行き










泣きながら
それを
報告した























すると
先生は
普段の息子からは
想像もできない行動に
驚き











よくお母さん
手を出さずに我慢できたね











と言って
わたしを
抱きしめてくれ











わたしはまさか
息子だけでなく
自分が
先生から褒められるとは
思わなかったので
肩の力が抜け











先生と
抱き合って
泣いた











そして
お世話をかけますが
着替えをどうぞ
よろしくお願いします
と言い











夢と現実の狭間で
意識が朦朧としたまま











息子には
一切会わずに
学校を後にした




























だから
子どもたちって











それは
健常と言われる
子どもたちであっても














障害がある
と言われている
子どもたちであっても














息子にした
脳障害児の
リハビリ機関の
スタッフが言うように











賢くない
天才でない
子どもは
一人もいないのだと
思う












だから
研究所には
という











子どもたちに
たくさんの知識を
インプットし











傷ついた脳の機能の
肩代わりを
眠っている脳に
させるため










たくさんの
知識の刺激を与える
プログラムがあり












それは
彼らの賢さが
理解されるためには
表現することが
大切で












だからそれは
アウトプットするための
インプットでもあり












それは
本当に
素晴らしかった






















でも
それに
わたしは












プログラム
リハビリという
枠の中の刺激より












いかに
日常の刺激が
大事かだと
思うようになった













そして
それは





















自然に
そして
無限に育ち













そして
わたしが













息子の通う
そうであったように











誰もの中に
可能性が既に在る
とわかっているひとのいる
環境の中で



























だから
誰ものなかに
その蕾は
既に在り












ただ
花開く瞬間は
静かに











待たれているだけ
なのだと思う