ミスコンのクイーンじゃなくたって
ありのままで素晴らしい人間
素敵な人生を送る権利があるんだ
誰が言うの? 君が完璧じゃないとか
価値がない 傷付いてるのはお前だけだ なんて
それはきっと 美の代償なんだ
可愛くないなんて誰が言うの?
君が美しくないなんて
誰にも言わせたりしない
Selena GomezのWho Says。
元は女子向けだけど、KSが鏡に向かって泣きながら歌ったらいいかと思って。
それにしてもあの妙な自己肯定感の低さは何なんだろうね。
メイキングのハイライトは間違いなくSoovinのほっぺにちゅーですが、女の子が可愛かったので。
メイクのせいだと思うんだけど、KE似な気がして、でもずっと見てたらKSにも似てる気がしてきた。
というところからの少女マンガというか韓国ドラマというか。
女の子の名前はSoo-Miということで。
男女CP注意。
KEとSMはあるアパレルメーカーの創業者の子供。
現在CEOをしているのは現場叩き上げの社員だった人で、家族ではない。
KEは経営学部を出て営業畑で修行中。
SMは服飾学部を出て商品開発に携わっている。
ある日、SMはクラブでKSに出会う。KSはライバルメーカーの役員の息子で、SMを引き抜くために素性を隠して近付いたのだった。
そんな中、ふとしたことからSMは自分の戸籍上の親が創業者夫妻ではなくCEOの人であることを知る。
でも本当は、創業者が別の女性に生ませたけど、認知するわけにいかなかったからCEOの人に名前を貸してもらっただけで、血のつながり自体はある。で、その女性はかつてKSの父親と結婚していたことがあり、そのときにKSを産んでいる。
つまりSMはKEともKSとも半分ずつきょうだい。
KEはずっと前から戸籍のことを知ってて、血縁のあることは知らなかったけど、SMのことは妹としか思ってない。
SMは筋金入りのブラコンで、KEと自分は兄妹ではなかったのかとショックを受ける。
そんなSMの新たな支えになるのがKS。取り入るつもりだったけど、本当にSMを好きになってしまっていた。
急速に接近する2人。
しかしKEの手によって、KSの当初の目的が暴かれる。
KSと距離を置き、KEの元に戻るSM。
SMは自分の本当の親を探し、その過程でKEと血縁があることを知る。
こんなあれやこれやの間に、KEとKSの社運をかけた争いとかがある。
やがてKEとKSも和解するが、SMは自分を産んだ女性がKSの母親であることを知ってしまう。
ラストは、二つのメーカーが華々しく提携を発表する記者会見と同時刻、独りでイタリア(フランスでも可)行きの飛行機に乗るSMで。
倒れこむ音を背中で聞きながら、俺はドアにガードをかける。
廊下を進めば、サングラスも外さずにうつ伏せになったジヨン。
「ジヨン、靴」
うまく飛び乗ったのか、足先までベッドに上にある。
「寝るなら脱げ」
ついでに化粧も落とさないと、肌によくないと思う。
「脱がせて」
くぐもった声で、ジヨンが答える。
俺は上着を脱いで、ソファに投げる。
それからベッドに座って、言われた通りに靴を脱がせた。
「ありがと」
頭の方を見ると、サングラスを外したジヨンがどうにか枕を引き寄せようとしている。
「顔だけでも洗えよ」
手を止めて俺を見る目は、少し虚ろなくらいで。
それでもその視線は強くて。
疲れた、と何も言わずに訴えてくる。
「ジヨン」
無言の相手の名前を呼ぶと、顔を背けて再び枕を引き寄せる。
「ちょっとだけ。すぐ起きるから」
「ジヨン」
一度寝たら、こいつが起きるわけがない。
俺は立ち上がって、目の前の両足を掴み、思いっきり引いた。
「うわあっ」
俺が手を離せば、体半分が浮いていたジヨンは、床に膝をつく格好になる。
上半身だけベッドに横たえて、しかしこの男はまだ寝るつもりらしい。
「おい」
肩をゆすると、ジヨンは体を捻って仰向けになる。
そのまま床に座り込み、限りなく眠そうな目で、俺に腕を伸ばす。
「ヨンベ」
その手を取って引っ張ると、やっとジヨンは立ち上がった。
ふらふら揺れる身体を、腰に腕を回して支える。
「疲れた」
「分かってるよ」
「眠い」
「知ってるけど、手と顔くらいは洗ってから寝ろよ」
瞼は今にも閉じそうで、気を紛らわせるためかジヨンは俺の髪を手で梳いた。
「ヨンベ」
「うん?」
ジヨンは微笑んで、視線を上げる。
「この髪型いいな。色もすごく好き」
「ありがとう」
「だから」
再び視線が合う。
「笑って?」
予想外の言葉に少し驚いてから、俺は笑顔を作った。
「そうそう、それ。その顔で」
ジヨンは満足げに言って、更に注文を重ねる。
「キスして」
寝ぼけているんだろうか。
いや、起きていてもこういうことをいう奴だけど。
俺がジヨンの口を啄むと、噛み付くようなキスを返ってくる。
さっきまでのぼんやりした様子が嘘みたいに。
そんな奴に負けてられないと思えば、舌と唇の応酬になる。
存分にお互いの口腔を味わって、俺たちは息を整えながら顔を離す。
「目え覚めた」
悪戯小僧はニヤリと笑って、俺の頬に口付ける。
「顔洗ってくる」
そう言うとするりと俺の腕から抜け、ジヨンはバスルームへと向かった。
Soohoonは一緒に住んでて、なんだかんだで付き合ってるような状態だったりするといい。
Jaevinは常連客で、JSはKSを口説いて、KEはELに口説かれたらいいよね。
というわけで2Seop。
この後KSが泣き出すパターンでは。
***
階段を下りると、カウンターの中に彼はいた。
赤いネルシャツに黒いギャルソンエプロン。
シェイカーを振る姿は、一枚の絵のようだ。
「こんばんは」
声をかければ、極上の微笑みが返ってくる。
「いらっしゃいませ」
俺はスツールに腰かけ、彼はコースターを取り出す。
「今日はお一人なんですね」
普段は会社の同僚であるケビンと訪れることが多い。
しかし、そのケビンは別の人間と出かけると言っていた。
「この店の副店長も休みでしょう?」
「え? イライですか?」
「ええ」
驚いたところを見ると、ケビンと副店長が付き合っていることは知らないらしい。
「一緒に出かけると聞きましたよ」
本当は本人から聞いたわけではない。
しかし朝から落ち着かない様子で、就業時間が終わると同時に飛び出して行ったことを考えると、当たっているだろう。
まして、副店長が予想通り休みとあれば。
「そうですか」
彼は気にする風でもなく、ふたたび笑みを見せた。
「何をお作りしましょうか?」
ふと置いてあるシェイカーが気になって、俺は尋ねる。
「さっき作っていたのは何ですか?」
「さっき? ああ、あれは練習していたんです」
彼はそう言ってグラスを用意する。
注がれた液体は、鮮やかな紅色をしていた。
「イチゴ?」
「そうです」
「美味しそうですね」
カウンター越しにも甘い香りが漂うようだった。
「一杯目、それを貰えませんか?」
「これを?」
彼は少しためらってから、グラスをコースターに乗せた。
「うまくできているといいんですけど」
細い脚を持って、グラスを口へ運ぶ。
ふわりとしたイチゴと、その奥に潜むラムの濃厚さが、喉を焼きながら落ちていく。
「うん、美味しいですよ、これ」
真剣な目で俺を見ていた彼は、安堵して破顔した。
「よかったです」
「なんていうカクテルなんですか?」
二口目を味わいながら聞くと、彼は視線を泳がせた。
「えーと、僕が勝手に作ったから、キソプ・スペシャルかな?」
適当過ぎる命名に、俺は思わず吹き出す。
「変ですか?」
「もうちょっと格好いい名前がいいなあ」
俺につられたのか、彼はまた笑顔になる。
「じゃあ、ジェソプさんが付けてくださいよ」
「俺が?」
「お願いします」
突然の事態に、俺は思わず考え込む。
「うーん、難しいな」
腕を組んで、カクテルを眺める。
透き通った美しい赤。
その色に、ひとつのアイデアがひらめく。
「決まりました」
身を乗り出して招く仕草をすれば、彼も顔を寄せる。
充分に距離が近付いてから、俺は口を開いた。
「"キスマーク"」
囁いて、そのままチュッとキスをする。
「っていうのはどうですか?」
そう言って、頭を離す。
彼は口を押さえて、カクテルのように赤くなった顔で俺を見た。
「スヒョン兄のキス癖がフンミンにもうつったの?」
僕は少し驚いて聞き返す。
「嫌だった?」
視線を合わせずに、キソプは答える。
「びっくりした」
不満げなその様子に、不満を感じたのは僕。
「お祝いのキスだよ」
隣からその顔を覗きこむ。
「嫌だったなら、もうしないよ」
「嫌なわけじゃないけど」
やっとキソプは僕を見る。
「人前ですることないだろ」
唇を尖らせて、小さな声で呟く。
「だって、カップケーキ」
「本当にスヒョン兄みたい」
僕の言葉を遮って、キソプはまた溜め息をついた。
そりゃ、クリームを舐め取ったのはスヒョン兄の真似だけど。
「スヒョン兄の真似しておいたら間違いないから」
キソプの肩に腕を回して、僕は笑ってみせる。
「あのケーキ、美味しかったね」
「うん。ケーキは、美味しかった」
口を開こうとして、思いついた言葉を飲み込む。
「何?」
「なんでもない」
僕にとってはケーキより、なんて。
とても言えない。
キソプならきっと言えるのだろうけど。
「17日も美味しいケーキ食べたい」
やっと力を抜いたキソプに、僕はほっとして答える。
「期待しておいて」
唯一の1月生まれであるキソプの誕生日が、いつも1年の口火を切る。
旧正月はまだだけど、2014年は始まっている。
「いい年になりますように」
僕はキソプを抱きしめる。
「ありがとう」
抱き返す腕に耳が熱くなるのが分かる。
それから僕らは、クリームを挟まずにキスをした。
AJは僕の肩を叩いて、ふと眉を寄せた。
「いや、行く、のか」
僕は首を振って答える。
「ううん、帰るであってる」
アメリカにも、久しぶりに戻ったけど。
「U-KISSは韓国に帰るよ」
一人だけ、この国に残して。
「気をつけて」
今度は頷く。
「うん。ジェソプも大学がんばって」
照れくさそうに、けれど得意気な笑顔になる。
「もちろん」
つられて笑って、僕も軽口を叩く。
「惚れ直させてよね」
まあ、彼女くらいつくっても許すけど。
「覚悟しとけ」
覚悟はもうしてる。
AJに関しては、何が起こっても驚かない。
だって。
この気持ち以上に予想外だったことなんてないから。
「待ってるから。ジェソプが韓国に帰ってくるの」
真面目な顔をしてそう言えば、真剣な視線でしっかりと首を縦に振った。
「ファイティン」
人がたくさんいたので、さすがにキスをするわけにはいかなくて。
「ファイティン」
代わりに僕らは、自分の拳に唇をつけて。
その拳を合わせた。
150213. Vexing
Soovin/ソロ/500字
140612. Preference
Elvin/19禁/800字
140523. Delight Under the Light
Soovin/初日/500字
140425. The Starry Moon Night
2Seop/美術館で会いましょう/800字
140424. Fly to You
Soojae/アクセサリーを作る/700字
140331. Harvest
Vinseop/報い/1000字
140314. Felicity Clinks
Elseop/幸せな音/500字
140310. Hear Me
2Seop/聞かせて/700字
140227. Accompany
Sooli/飲み明かさない/800字
140215. Year Ahead
Hoonseop/クリーム越しのキス/600字
140215. Cheer Back
Jaevin/しばしお別れ/400字
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140329. Color Him Spring Green
Shinhae/気まずい説あったよね/800字
131128. KyuminでSongfic
Kyumin/おませなあいつ/fragment/400字
130810. SichulでSongfic
Sichul/Kissで口が塞がれてないなら/fragment/600字
130730. ウォータープルーフ
Hanchul/ポエムその2/fragment/200字
130604. アナザーマザーブラザー 1 2
Wonry/兄弟パラレル/fragment/900字+800字
130502. Someone to Stay 1 2
Wonmin/台湾宿舎/2はおまけ/1400字+200字
130409. SWの屈託
Sichul/祈り/fragment/1400字
130407. Pressing Cheaks
Siwook/頬は使えない/1200字
130102. Color Him Tears White
Teukhee/2年間/700字
121009. 虚飾パラレル
Kyungchul/↓から続く/fragment/1600字
121001. 男の子の名前はみんなヒチョルっていうの
ゴダールあるいはMiminwook/小説以前/400字
120907. セルカを送らないで
Hanchul/ただのポエム/fragment/400字
120818. In Bed with Blue
Kyuye/Boom Shakalaka/1100字
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気付かれる前に戻らなきゃいけないけど、建物を出ているとはきっと誰も考えないだろう。
それに、これでは数分もいられない。
息を吐くと、目の前が白く煙った。
「頭痛くなるぞ」
声に驚いて振り返ると、ジャケットのフードを被ったAJがいた。
「ジェソプ」
出るところを見られたらしい。
「頭痛くなるって?」
「冬に冷やすと、春に痛くなるんだ」
僕が背を向けると、AJは後ろから抱きついてくる。
「初めて聞いた」
このコートにはフードがない。
帽子は部屋においてきた。
手袋を置いてきてしまったらしいAJは、僕のコートのポケットに手を突っ込んだ。
「ああ、死ぬほど寒い。中戻ろうぜ」
僕はその肩に寄りかかるように空を見上げる。
「こんなに寒いのに、星は見えないね」
着いたときは晴れていた。
けれど今は、もしかしたら曇っているのかもしれない。
AJは僕の首元に顔を伏せ、上を見ないまま言った。
「下が明るいからな」
世界一のこの摩天楼の下で、星の光が見えるはずない。
それは確かにその通りで。
「そうだね」
返した声は少し震えていて、それは寒さのせいではなかった。
「摩天楼より星がいい?」
星空が好きなのではなくて。
この街が好きだと思えない。
暮らす場所にこだわりは無いほうだけど。
ビッグ・アップル。
世界の中心。
うん、理由は分かってる。
この街に隠れてしまう人がいるから。
僕の目から隠されてしまう人がいるから。
この寒さに、感じている体温も奪われていくようで。
それと裏腹に、胸の奥が焼けるようで。
だけど。
「どっちも好きだよ」
ほんの少しだけど、過ごしてみて分かった。
どんなに離れていても。
この空の下で、笑っていると思えるなら。
きっとこの街も好きになれる。
「よかった」
顔をあげたAJは笑っていて。
冷えた唇を温めるようにキスをくれた。
ELでもJSでもHMでも感じないけど、SHがVinseopに挟まれてると「両手に花」って思う。