『(I can recall) Spain』 ~スペイン・情熱の日々よ、もう一度!~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

SPAIN ~スペイン~
(I can recall Spain~情熱のスペインの日々よ、もう一度!~)

作詞/アル・ジャロウ Al Jarreau,アーティ・マレンArtie Maren
作曲/ホアキン・ロドリーゴJoaquin Rodrigo
(ヴァース部分・アランフェス協奏曲1939年)
チック・コリアChick Corea
(コーラス部分・1972年)

【クラシックの名曲とアフロ・キューバンを融合させたチック・コリアの名曲】

大曲いきます(笑)!!

チック・コリアの代名詞と言えるジャズ史に残る名曲、「スペイン」です!

あのマイルス・デイヴィスとのバンドから脱退し、自分たちで立ち上げた、『リターン・トゥ・フォーエバー』というバンドでの2作目のアルバム、「ライト・アズ・ア・フェザー」に収録された彼の代表作。

もともと原曲に詩はありません。

まず、原曲について触れていきます。

【ヴァースはクラシック、コーラスからアフロキューバンで「スペイン」を表現】

♪チャララ~ン、チャララ~ラララ、チャララ~ン♪

とギターの響きがなれば、クラシック・ギター好きの泣く子も黙る(笑)?「アランフェス協奏曲」クラシック・ギターの独奏と管弦楽のために作られた、1939年の作品。

「アランフェス」とは、アラビア語、ラテン語、などが由来かとも言われていますが、バスク語由来と言う説が一番で、「アラウス」「アランス」「アランスケ」で、15世紀に、「アランフェス」に落ち着いたそうです。

この「アランフェス」というのはスペインの中央マドリード州南部にある、スペインの都市。

2001年には「王宮と庭園を含む風景はアランフェスの文化的景観」が、ユネスコでも認められ「世界遺産」にも登録された美しい都市です。

そしてこれを作曲したのは、スペインの音楽家で、クラシックの作曲家「ホアキン・ロドリーゴ」

あの独特のスケールの響きは、なるほど!!

フラメンコ・ギターの情熱的なメロディを思い起こさせますね?

ホアキン・ロドリーゴのことについて、せっかくなので少しご紹介しますと・・・。

彼は3歳で悪性ジフテリアで視覚障害者となります。

その後、8歳でピアノとヴァイオリンを習い、パリに留学し作曲を学び、23歳のとき「子どものための5つの小品」という管弦楽曲で、スペイン国学賞を授与されます。

23歳にしてもう、国にその才能を認められ、
活躍していた人なんですね!!

スペイン生まれと言う彼自身はピアニストでギターは弾かなかったそうですが、作る作品はギターの名曲が多く、本当はこのアランフェス協奏曲以外にも、たくさんの素晴らしい作品を残している方だそうです。

そこに着目された、わが日本を代表する女性クラシックギタリスト「村治佳織さん」が、彼のこの曲以外の作品を紹介されて、そんな活動がホアキン・ロドリーゴの耳に届き、なくなる半年前に対面され、親交を深められたそうです。すごいですね!!

いま、村治さんは手の治療中だそうです。早く治って、またあの美しい、優しくて強い音が
聴けますように!!

【「アランフェス協奏曲」がつないだジャズとマイルス・デイヴィスとチック・コリア】

話は再び「アランフェス協奏曲」へ。

この曲がジャズとの接点を持つのは、あのマイルス・デイヴィスが友人から、「アランフェス協奏曲」を聴かされ心を動かされるのです。

そこで、ギル・エヴァンス(編曲・指揮)と一緒に「スケッチ・オブ・スペイン」というアルバムを共同制作します。

その中にこの「アランフェス協奏曲」ももちろん入れて、さらに、
マヌエル・デ・ファリャのバレエ音楽『恋は魔術師』の中の「火祭りの踊り」を編曲した「ウィル・オ・ザ・ウィスプ」など、スペイン色を出したマイルスらしいアルバムを出しています。

マイルスは『フラメンコは我々のブルースのスペイン版だ』というほど、スペインの音楽、特にフラメンコに影響を受けたようです。

そんなマイルスのところに、1968年から、この「スペイン」を作ったチック・コリアは、エレクトリック・ピアノでマイルスのバンドに加入します。

しかも、マイルスの指示で
通称「ローズ・ピアノ」とよばれているフェンダー社のフェンダー・ローズを弾いていました。

このローズ・ピアノというのは、チック・コリアの「スペイン」を聴いていただいた時のピアノ音で、
なんというか、耳障りのよい、とても魅力的なエレクトリック・ピアノで、非常に高価です(笑)。

しかし、はじめチック・コリアはこの独特の音が好きではなかったようですが、なにしろマイルスにいわれたことなので、我慢して弾いているうちに、自分にとっても欠かせないサウンドになったのだとか!!

1968年にマイルスのところに入り、1970年に脱退し、自分たちのバンドを立ち上げ、1972年、「スペイン」を作った、という流れなのです!!

だから・・・。

ホアキン・ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」に感動したマイルスが、「アランフェス協奏曲」を録音して、その8年後に、チック・コリアがマイルスのバンドに加わり、ローズ・ピアノと出会い、1970年に脱退し、自分たちのバンドを立ち上げ、1972年「スペイン」という曲を作ったときに、ヴァースに、このクラシックの名曲を使い、はじめは嫌いだったローズ・ピアノといういい音のエレピで、この曲を演奏した・・・。

というわけです(笑)

【さらに、心理カウンセラー出身のアル・ジャロウが歌詞を加えて】

この曲にいつ歌詞がつけられたかまだわかりませんが、アル・ジャロウは2016年3月12日で、76歳!!

でも、メチャメチャノリがかっこ良くて、すごいんです!!

声もバーンと出してもあまり嫌な強さが目立つような声ではなく、どこかソフトで、歌っている姿も人柄がうかがえます。

スキャットも駆使することで有名ですが、形だけのスキャットが多い中、彼のスキャットは味があります。

実は最初から歌手ではありませんでしたが、もともと教会の牧師・歌手の父とその教会のピアニストの母親、という環境で育ったので、もともと素養はあったものの、心理学を学んだ後、心理カウンセラーとして数年間、働いていたそうです。

その後もたまに歌っていたところを認められて、
ロサンゼルスへ渡り、シンガーとしての人生をスタートさせた人。

なるほどね!!

ライブの映像を見ていても、なんとなく壁をあまり感じさせない人だなー、とは思ったのですが、もしかしたらそんな前職の名残があるのかな(笑)

【歌のときは「(I can recall)Spain」】

さて、歌は後付だったせいか、やはり私の中での想像力を働かせて、こういうことかなぁ~?というような感じで解釈させていただきました。

演奏だけの時は『Spain』ですが、歌詞が付くと『(I can recall) Spain』と呼びます。

なぜかは、最後の解釈の部分をお読みいただければお分かりになるかと存じます。

勝手につけたサブタイトルは『情熱のスペインの日々よ、もう一度!』

すごいでしょ(笑)なんかアツい歌詞を眺めている間に、すっかり私もスペインの血が流れているような錯覚が起きるほど、アツく解釈しました。

もう一人の作詞の人は、作曲家だと思うのですが、クレジット的なものか、ちょっとお助けマンしたのかな(笑)これももうちょっと調べてみます。

それではどうぞ!!


(I can recall) Spain

(VERSE)

Yesterday
Just a photograph of yesterday
and all it's edges folded
And the corners faded sepia brown
and yet it's all I have of our past love
a post script to it's ending

Brighter days
I can see such brighter days
when every song we sang is sung again
and now we know
we know this time it's for good
and we're lovers once again
and you're near me

(CHORUS)

I can remember the rain in December
the leaves of brown on the ground

In Spain I did love and adore you
the nights filled with joy were our yesterdays
and tomorrow will bring you near me

I can recall my desire
every reverie is on fire and I get a picture of all our yesterdays
yes today, I can say
I get a kick every time they play that Spain again

I can remember the rain in December
the leaves of brown on the ground

Our love was a Spanish fiesta
the bright lights and sounds were our joy each day
and the nights were the heat of yearning

I can recall my desire every reverie
is on fire and I get a picture of all our yesterdays
yes today, I can say
I get a kick every time I see you gaze at me
I see moments of history
your eyes meet mine and they dance to the melody
and we live again as if dreaming

The sound of our hearts beat like castanets
and forever we'll know their meaning

I can recall my desire
every reverie is on fire and I get a picture of all our yesterdays
yes today, I can say
I get a kick every time I see you gaze at me

You gaze at me
I see moments of history
your eyes meet mine and they dance to the melody
and we live again as if dreaming
The sound of our hearts beat like castanets
and forever we'll know their meaning

I can remember the rain in December
the leaves of brown tumbling down
In Spain I did love and adore you
the nights filled with joy were our yesterdays
and tomorrow will bring you near me

I can recall my desire every reverie is on fire
and I get a picture of all our yesterdays
yes today I can say
I get a kick and I’m here to say
Here Spain oh again

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

『スペイン ~情熱のスペインの日々よ、もう一度!~』

(ヴァース)

過去のこと・・・
この楽しげに笑う写真の二人は
ついこの間までの二人の記憶・・・
どの写真も角が折れ曲がり
セピア色にあせているけれど
僕はこの二人で過ごした日々の記憶を
まだ捨てられないでいるんだ
もう・・・君が出て行ったあの日に
終わっているというのに・・・

でも、僕には見えるんだ
輝かしい未来が
昔二人で暮らした頃よりもっと
輝かしい、素晴らしい未来が
僕らが昔歌った、すべての愛の歌が再び歌われる時
それは今だと、僕らは確信した
この再び訪れた出会いは偶然ではなく
必然だったのだと
もう一度、二人、恋人同士として
やり直す時がきたんだ
こうして今、僕の目の前にはまた
君がいる・・・

(コーラス)

今でもはっきりと思い出せるさ
あたり一面、金色の落ち葉で彩られた
12月の雨の日を

この情熱の国『スペイン』で
僕は君と恋に落ち、君を愛した
喜びと愛にあふれ過ごした数々の夜は
全て二人の過去の記憶
でも、こうして再び出会い
明日からの僕の人生には
また、君がそばにいてくれる

僕にはできる
胸の中でくすぶっている
情熱の炎を呼び起こすんだ
別れてからもずっと夢見ていた君との日々を
あの楽しげに笑っていた、昔の写真のような
二人の日々を全て取り返すのさ
そうさ、それが今日だ!!僕は叫ぶんだ!!
愛を謳歌していたあのスペインの日々よ、もう一度!!

今でもはっきりと思い出せるさ
あたり一面、金色の落ち葉で彩られた
12月の雨の日を

僕らの恋はスペインの祭りそのもの
来る日も、来る日も
二人の心はフラメンコのように
いきいきと輝き、愛を謳歌して過ごし
いつでも夏のような暑い夜をのぞんでいた

僕にはできる
胸の中でくすぶっている
情熱の炎を呼び起こすんだ
別れてからもずっと夢見ていた君との日々を
あの楽しげに笑っていた、昔の写真のような
二人の日々を全て取り返すのさ
そうさ、それが今日だ!!ここにはっきりと言おう!!
いつもまっすぐに僕を見つめる君のまなざしに
確かな愛と生きる喜びを感じるんだ!!

君と過ごしていたあの日々こそが
僕にとってこの上ない最高の人生
雑踏の中、僕の視線の先に
あの変わらない君のまなざしを見つけたとき
僕の心に熱いメロディが流れてきて
天にも昇って踊るような気持ちさ
そして僕らはまたこうして出会い
今度こそずっと二人で夢のような日々を過ごすんだ

二人の鼓動はまるでタンゴのリズムに合わせて鳴り響く
カスタネットのように高鳴り
お互いの瞳の中に永遠という言葉を確かめ合うのさ

僕にはできる
胸の中でくすぶっている
情熱の炎を呼び起こすんだ
別れてからもずっと夢見ていた君との日々を
あの楽しげに笑っていた、昔の写真のような
二人の日々を全て取り返すのさ
そうさ、それが今日だ!!ここにはっきりと言おう!!
いつもまっすぐに僕を見つめる君のまなざしに
確かな愛と生きる喜びを感じるんだ・・・!!


いつもまっすぐに僕を見つめる君のあのまなざし
君と過ごしていたあの日々こそが
僕にとってこの上ない最高の人生
雑踏の中、僕の視線の先に
あの変わらない君のまなざしを見つけたとき
僕の心に熱いメロディが流れてきて
天にも昇って踊るような気持ちさ
そして僕らはまたこうして出会い
今度こそずっと二人で夢のような日々を過ごすんだ

二人の鼓動はまるでタンゴのリズムに合わせて鳴り響く
カスタネットのように高鳴り
お互いの瞳の中に永遠という言葉を確かめ合うのさ

今でもはっきりと思い出せるさ
あたり一面、金色の落ち葉で彩られた
12月の雨の日を

この情熱の国『スペイン』で
僕は君と恋に落ち、君を愛した
喜びと愛にあふれ過ごした数々の夜は
すべて二人の過去の記憶
でもこうして再び出会い
明日からの僕の人生に
また、君がそばにいてくれる

僕にはできる
胸の中でくすぶっている
情熱の炎を呼び起こすんだ
別れてからもずっと夢見ていた君との日々を
あの楽しげに笑っていた、昔の写真のような
二人の日々を全て取り返すのさ
そうさ、それが今日だ!!ここにはっきりと言おう!!
そして高らかに叫ぼう!!
さぁ、今こそ!!
あの情熱のスペインの日々よ、もう一度!!!


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪