RIDDLE CRITIC -6ページ目

ローズマダー






著者: スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
タイトル: ローズ・マダー〈上〉

14年間…夫のノーマンと出会った日から始まった地獄は、ローズが32歳になるまで続いていました。日常的に繰り返される夫からの暴力。いつしかローズは考えることをやめ、意識を拘泥させ眠ったような生活を送るようになっていました。しかし、ある朝シーツについた小さなの染みを見付けたローズ。このままではまたノーマンに殴られる、いつ果てるとも知れない夫の暴力に虐げられ続ける人生に恐怖を感じたローズは、ついに逃亡を決断します。しかし、本当の地獄はそこから始まるのでした。

追う者と追われる者。双方の行動を交互に描きつつ、迫り来る恐怖を感じさせる作品です。ただ、狂気にかられていく夫ノーマンの姿には、多少引いてしまうかも知れません。

胡蝶の夢







著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 胡蝶の夢 (第2巻)

江戸時代の社会の基盤となっていたもの、それは異常なまでに細分化された身分制度と、他国との接触を一切絶ち刺激や変化をもたらさないようにする鎖国主義でした。そんな江戸時代の医学界で主流にあったのは、漢方医学。医学と呼べるほど体系的にも成立していない未熟な医療に、疑問を持ったのは松本良順でした。彼は蘭学を学ぶことによって、患者の平等治療という医学の本質に気付き、日本の医学界においても理論的な西洋医学を敷衍するよう躍動します。しかしそうした思想は、身分制度を崩壊させる危険を孕んでいたため、多くの障害が彼の前に立ちはだかるのでした。

幕末の動乱期を、医者という特異な観点から描いた本作。当時の日本医学を俯瞰するだけでなく、幕府崩壊の一端を明確に顕した作品といえるでしょう。

十一番目の志士

著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 十一番目の志士 (上)

乱世に必要とされる能力とはなんでしょう?政治、軍略、智謀、行動力など様々なものが考えられますが、乱世の中でしか認められず、その価値を発揮できない能力があります。そう、暗殺です。本作の主人公天堂晋助は、宮本武蔵の剣術である二天一流を極めた尋常ならざる技量を持つ剣客。あるきっかけから高杉晋作にその異能を見出された彼は、動乱の根拠地京都に潜伏し、長州藩のためにその剣を振るい続けます。

常に一匹狼で暗殺を続ける天堂晋助。血生臭い当時の京都の実情を活写した作品と言えるでしょう。ちなみに、天堂晋助は司馬遼太郎氏が考案した想像上の人物です。しかし、的確な史実の中に組み込まれた晋助の生涯は、あたかも実際に存在したのではないかと勘繰りたくなるほどの存在感を持っています。

グリーンマイル





著者: スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
タイトル: グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死

ジョージア州の老人ホームで余生を送る、ポール・エッジコム。彼はアメリカ南部のコールド・マウンテン刑務所で看守をしていました。長い看守歴の中で、決して忘れてられないほどの出来事があった、1932 年。ポールは老人ホームで安穏と暮らしつつ、当時のことを回想します。彼が勤めていたのは死刑の判決を受けた囚人が収監される、刑務所のEブロック。1932年、Eブロックに少女2人を殺害したジョン・コーフィがやって来ます。ただただ図体のでかいとろそうな男。しかし、コーフィの訪れはEブロックの誰もが想像しなかったような、脅威と奇蹟の日々の幕開けとなるのでした。

刑務所という悲哀と絶望しかない場所で紡がれる、癒しと救い、そして死の物語。ファンタジーを読むような昂揚感、サスペンスを読むような興奮、ホラーを読むような恐怖、そして何よりも大きな感動を与えてくれる素晴らしい作品です。映画も良かったんですが、ぜひ原作を読んでみてください!

reader

monogatariさんが読者になってくれました。

ありがとうございます。