京都の朝は曇ってた。
でも、大丈夫。
母が出掛けるとなれば雨は降らない筈。
強力な晴れ女だから。
待ち合わせは午前10時に新幹線改札口。
車椅子で慣れない場所を行くので早めに移動していたら、
「あのー、りべさんでしょうか?」と声をかけられた。
本日お願いしているヘルパーさんだった。
よくぞ見つけてくださいました。
お陰さまでエレベーターを探して遠回りする手間が省けて有難や。
そこから次には介護タクシーとの待ち合わせ。
国際色豊かにごった返す駅前には長く車を寄せられないとの事。
ヘルパーさんとの良き連携で時間通りにピックアップして頂けた。
ドライバーさんも女性。
「今日は女子旅ですねー」と出発。
1時間余りのドライブ。
途中、琵琶湖を高い所から見下ろしながら無事到着。
比叡山延暦寺の横川中堂。
を、眺めながらもっと奥へ車は進む。
本来は駐車場から徒歩で向かわなきゃいけない、と聞いて
ヘルパーさんをお願いしたけれど、事前に伺う連絡をしたら
目的地まで車を乗り入れて構わないとお許しが頂けた。
目的地は、四季講堂。
別名、元三大師堂。
母は独身の頃から故郷の天台宗のお寺に通っていた。
結婚した父の家は違う宗派だったけれど、個人として信心は捨てなかった。
歩けなくなってから、階段が多い地元のお寺にはお参り出来なくなり
それでも「お蔭を頂いてきた」という思いが強く、
本家本元、総本山に最後のお参りをしたいと言い出した。
言い出すと猪突猛進型の母から頼まれて、手配をしておりました。
ヘルパーさんだけでなく、お堂の皆さんに支えられてお参り。
そして…
単なるお参りとばかり思っていたのに、母は「色々と相談がしたい」と言い出した。
詳細はややこしくて書き切れないけれど、
何度か私と話し合って決めていた『弔い方』が気に入っていなかったようで
急な話の展開に私は驚きと腹立ちで口あんぐり。
そうだった、そうだった。
これまでも大小問わず、願いが叶うまで私を振り回す母だった。
私からしたら信じられない額の『お供え』を持参していることもあるのか
先方は一生懸命に母の話を聞いて、何とかしようと考えてくださる。
このお参りで母の願いは結ばれると思っていたのに、新しい宿題が出た。
京都駅のホームで買った、『新幹線アイス』を満足げに食べる母。
私は疲れたよ。
ちょっと今夜は母に優しく出来ないの。
でも結局、母の希望通りに私は動くんだろうな。
父の介護が始まった頃から、ちょっとしんどい時に何もしない弟に愚痴をこぼすと
「しんどいならやらなきゃ良いんだ」「結局やりたくてやってんじゃん」と言われた。
それから姉弟の仲が拗れているし、相変わらず弟は本当に何もしない。
だから私がしなきゃいけない、という思いが強すぎる気もする。
でもねぇ…やっぱり私がやってしまうんだろうなぁ。