第四定例会での
私が所属する民主党・無所属クラブの一般質問③です。

正式な議事録は後日区議会HPにアップされます





自転車利用促進に向けた環境整備について。

近年、地球温暖化問題への関心が高まっていることや、健康増進の観点からも自転車利用が増え続け、更に東日本大震災を契機に自転車での通勤も広がり利用者は増加しております。
しかし、昨年東京都内で起きた歩行者と自転車の事故は1,039件で全国の約4割に上り、練馬区においては、平成22年の自転車に関する交通事故の件数は1,100件であり、交通事故の防止につながる自転車環境整備は重要かつ急務な課題であり、全国自転車問題自治体連絡協議会の会長である志村区長としても、重く受け止められていることと存じます。
以下何点かお伺いいたします。

一点目に、自転車の走行環境についてです。
道交法では、自転車は車道を走行するのが原則とされていますが、練馬区が実施した自転車利用アンケートでは、自転車利用者の約75%が自転車は車道を通行すべきと認識しながらも、車道が危険であることから歩道を通行したいと回答しており、自転車の走行位置が不明確であることが示されております。
区では、平成12年に自転車利用総合計画が策定され、自転車走行環境の整備を掲げ、千川通り(都道第439号)の約1,000mや光が丘大通り(都道第443号)に約300mに、歩道の色分けによる自転車歩行者道が整備されておりますが、歩行者との通行区分が守られているとは言い難い状況です。今後、課題をどう整理し、自転車走行環境を整備されていくのでしょうか。
また、区内の14%を占める幅員20m以上の国道、都道については今後どのように働きかけていかれるのでしょうか。
併せてご所見をお伺いいたします。
さらに、区内道路の約70%が幅員8m未満で安全な分離通行を実現できる箇所は極めて限定的でありますが、安全確保策として検討されていることがあればお聞かせください。

自転車走行空間の整備にはハード面による対策と合わせて交通ルールやマナーといったソフト面の対策も講じていかなければなりません。
自転車利用者の中には、信号無視や携帯電話を使いながら等、都内の自転車の取り締まり件数は平成22年に1,438件で平成21年の2,5倍にまで増加しております。
現在、小中学校や高齢者交通安全講習会で交通安全教育を行っておりますが、先にも述べたように通勤者による利用者が拡大していることから今後、安全利用対策の周知など、講習対象外の区民に対し対策をどう講じるおつもりでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

二点目に放置自転車対策についてです。
午前の台数に比べ、午後には買い物客等による自転車利用者が増え、駅によっては午前の5倍程度に達することがあり、放置自転車は大変問題となっております。そこで、現在の撤去活動は午前中に重点的に行われておりますが、午後の時間帯においても平日のみならず休日も放置自転車撤去事業を行うべきと考えますがご所見をお伺いいたします。

三点目にタウンサイクルの事業についてです。
ねりまタウンサイクルは6駅7施設で2,700台を設置しており、観光事業を促進する中で自転車利用も推奨しております。現在、借りる場所と返却が同一の施設で行うことになっておりますが、先進的な取り組みをしている自治体の一つである世田谷区では、どこでも借りられ、どこでも返却が可能なレンタルサイクルポートの設置を区内6駅7か所で展開しております。
練馬区としても、利用者がねりまタウンサイクル間を自由に利用でき乗り捨て可能となることで自転車利用の更なる促進が可能であり、いわゆるコミュニティサイクルシステムといわれる、複数施設ネットワーク化を検討すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。





==答弁==
 まず、自転車の走行環境の整備についてであります。
 現在区内に整備されている自転車の走行レーンは歩行者と自転車の安全通行を確保するため、舗装の色分けにより、走行区分を明示した、幅員の広い一部の歩道に限られております。
 しかしながら、歩道内を走行する自転車のルールとマナーが十分に守られていないことから、走行区分の明示にもかかわらず、歩行者と自転車が錯綜し、歩行者の安全が確保できていない状況があります。
 そこで区では、自転車走行におけるルールとマナーの徹底を図るため、自転車利用者ヘの啓発事業に一層の力を注ぐとともに、自転車と歩行者の錯綜を防ぐため、可能な限り車道上に、自転車走行レーンの整備を進めて行くことといたしました。
 また、国道や都道につきましては、区内において比較的広い幅員を有し、ネットワークとしての連続性を持つ主要な道路であり、自転車利用者にとっても利便性が高いことから、走行レーンの整備を要請してまいります。
 一方、自転車走行レーンの設置など、物理的な対応が困難な復員の狭いク区道につきましては、まず、自転車利用者のルール・マナーの遵守に向けた啓発事業の推進が必要であると考えております。
 これに加え、歩行者や自動車との接触事故や交差点での出会いがしらの事故を防ぐため、自転車や自動車の速度を抑制し、注意喚起を促す標識や路面標示による対応を積極的に図り、安全性の向上に努めてまいります。
 なお、交通安全講習会の対象とならない区民への対応についてでありますが、これまでも各区立施設を始め、民間集合住宅や公設掲示板などに、ポスターを掲示するとともに、区報やホームページを通じ、自転車の安全通行の啓発に努めてきたところであります。
 さらに、3人乗りの自転車のレンタル事業の実施にあたっては、講習の受講を義務付けるなど、機会をとらえて周知に努めております。
 今後も、区民の自転車問題への関心の高まりをとらえ、民間商業施設や駅におけるポスターの掲示、さらには自転車駐車場の利用更新時における安全走行への働きかけなど、一層の啓発に努めてまいります。
 次ぎに、放置自転車対策についてであります。 
 これまで区が取り組んできた自転車駐車場の整備や放置自転車の撤去により、朝の通勤通学時の駅前の放置自転車が減少を続ける一方で、買い物目的による午後の時間帯の短時間の放置自転車は増加傾向を示しております。
 このため区では、買い物目的の放置自転車対策に効果のある3時間無料の自転車駐車場の整備を進めるとともに、現在1部の駅周辺で行っている平日の午後と休日における放置自転車の撤去を、更に拡大してまいります。
 次に、タウンサイクル事業についてであります。
 現在、タウンリサイクルの利用者の多くは、主として駅と自宅間や、駅と会社や学校間を往復する通勤通学に使用していることから、複数の施設で相互利用できるようにすることは、ただちに困難と考えておりますが、今後は観光等の視点も踏まえ、新たなタウンサイクル事業の可能性の検討を行ってまいります。