ぼくはきっと魔法を使う

ぼくはきっと魔法を使う

半分創作、半分事実。
幼い頃の想い出を基に、簡単な物語を書きます。
ちょっと不思議な、
ありそうで、なさそうな、そんな。

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今回も、年末から年明けにかけて年越し読書しました。
昨年は、春からほとんど本を読まなくなり、
そんなわけもあってか、一番好きなジャンル・ミステリーを読み耽る。

「最後の最後まで騙される」、「最後の数ページで」系の小説とは相性が悪いことがよくわかりました。


『営繕かるかや怪異譚』 小野不由美 KADOKAWA
 ホラー、だけど、ぼくにはミステリーに見えた。
 こういう話を探していた!、読みたかった!、と思えた本でした。

 営繕――、建物の新築と修繕を生業にしている尾端(おばな)の物語。
 彼には霊感も、払いの能力もない。
 しかし、自然と怪異のような依頼が舞い込んでくる。
 気付くと開いている襖、雨の日だけに現れる喪服の女、ガレージで視る白い影。
 それらの依頼を、営繕屋の観点から、鮮やかに解決に導きます。
 お化けが出てきてぎゃー、って感じではなく、背筋をすっと撫でられて、でも最後には心温まる、そんな感じ。


『十角館の殺人』 綾辻行人 講談社文庫
 文庫本の帯には『ミステリ史上に残る大トリック』とある。
 『”たった1行”が世界を変える』とも書いてある。
 なんのこっちゃ。。。
 大トリックかどうかはさておき、世界を変えるかどうかもさておき、
 文章がとても上手で読みやすく、小説として素敵でした。


『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 文春文庫
 「このミステリーがすごい!」第1位という文言と、歌野晶午さんの小説を読んでみたかったので。
 こちらも帯に「とにかく読んで、騙されてください」と書いてある。
 確かに騙されるのだが・・・騙す必要があるのだろうか。
 騙さなくても単純に小説として面白いのに、、、騙された結果、全てにがっかりしてしまった。
 主人公が、とある理由でヤクザに入門して、事件に巻き込まれますが、
 あの謎解きは特にしびれた。


『ネバーランド』 恩田陸 集英社文庫 
 恩田陸さんの小説も初めて読みました。
 家庭の事情で年末を学生寮で過ごすことにした3+1人の高校生の話。
 各々の秘密が哀しくも明らかになっていって、それでもその哀しみを乗り越えて成長していく
 そんな真冬の青春譚。
 

『沈める鐘の殺人』 赤川次郎 角川文庫
 赤川次郎さんの小説は、もうずっと昔に『三毛猫ホームズ』シリーズを読んだ記憶が、あるようなないような。
 『沈める鐘の殺人』は最近文庫化されたのか、新刊として店頭に並んでいました。
 話の舞台は1986年頃で、
もう28年ほど昔の設定ですが、古びれることはなく、 ちまちましたトリックや、最後の1行で世界変えちゃうようなこともない、
 まるで2時間サスペンスドラマを観たかのような錯覚に陥る、王道中の王道ミステリー。
 この本を読んでようやく安心した。
 
 主人公は婚約者に裏切られた26歳の女教師。 新しい職場を見つけ、その着任当日に事件に巻き込まれる。
 その学院には鐘楼にまつわるある噂があって・・・


『消失グラデーション』 長沢樹 角川文庫
 『沈める鐘の殺人』を読み終わって、どうしてももう一冊ミステリーを読みたくなって、そして手を出してしまった、、、
 帯には「予測不可能最上級!」と書かれている。
 ちょっと不安、だったが、これは許せる、、、のか?
 でも、ミステリーとして、とても気に入った。
 制服泥棒事件と少女消失事件、この2つが上手く絡み合って、話はいい具合に複雑化。
 動機は何だ?というところから事件に迫っていく後半が、特にしびれた。
 

『ぼくと、ぼくらの夏』 樋口有介 文春文庫
 何度読むのか。
 この小説を読むと安心する。
 舞台は『沈める鐘の殺人』とほぼ同時期。
 登場人物のナイスなキャラクターも、軽快な会話も、ストーリー展開も素敵。