キヤノンのDemi EE17 四台を2台X2回でテスト撮影した結果、大半が『手ブレ』原因と思われるるピンボケ写真ばかりになってしまいました。

 

 

とはいえチャンと写っている写真もありましたのできれいな写真とボケた写真に分けてご紹介いたします。

 

 

最初は四号機になります。

シリアル番号は  248679  です。

 

分解&修理してから少し経過してしまったので当時の分解&修理の記事は以下となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
記事の中には前玉レンズについての記載も画像も無かったのでここで追記させていただきます。
画像のピントが後玉の方に合ってしまったのですが前玉にも青色LEDで透過すると薄クモリが確認できます。
太陽光or蛍光灯下ではこの薄クモリを視認することは出来ません。
正直この四号機のレンズが今回の四台の中で一番程度がよくないです。

 

今回使用したフィルムは FUJICOLOR ASA100

挿入時の電池電圧は 1.541V でした。

 

 

まずは自宅窓からの遠景です。

この画角の写真だけはピントの良し悪しに関係なく四台ともすべて最初に紹介いたします。

そしてこの画角で撮影した写真は四台とも『手ブレ』はありません。

拡大すると判るのですが、東京湾を超えて千葉県側の陸地まで写っています。

 

 

そして次は綺麗に写っている写真からです。

 

青色LEDで視認できるレンズの薄クモリの影響が出るかどうかと検証したくてワザと逆光気味で撮影してみあのですがなんだかよく判りません。

ピントは無限です。

 

 

パッと見には綺麗に写っていますが『手ブレ』の影響が出ているかと思われます。

 

 

後の倉庫の文字が判読できますね。

 

 

若干『手ブレ』の影響がありますが発色は良いようです。

 

 

これも敢えて逆光での撮影です。

他の三台と比較すると薄オレンジ色の四角いフレアにうっすらと被さるように見える白いモヤのような物が青色LEDで視認できる薄クモリの影響の様です。

 

 

ピンボケはしていないのですがこの四号機は露出がいくらかオーバー気味な兆候がありますね。

カメラ側のASA感度を200前後に微調整をして対応した方がよいかと思います。

 

 

綺麗に写っていますが、ひょっとしたらASA400のフィルムを使ってもっとF値を大きくできればよりシャープに写るかもしれません。

 

  

 

とても綺麗に写っていますがやはり露出が0.5~1.0程度オーバー気味の様です。

 

 

文字がハッキリととてもシャープに写っています。

 

 

赤い色の確認用の写真です。

 

 

 

ここからは写りが悪かった写真です。

この写真は『手ブレ』じゃなく距離の測定を間違いましたね。

 

 

ピント無限で撮影してこの写りだと無限遠のピントがズレているのではないかと思ってしまいます。

もしそうなら全てのピント無限で撮影した写真がボケるはずです。しかし同じくピント無限で撮影してシャープにきちんと綺麗に写っている写真もあるわけですから無限遠のピントがズレているとは考えられません。

実際にデジカメで確認した所無限遠のピントは合っていました。

 

 

これは明らかに『手ブレ』ではなく距離の測定ミスですね。

 

 

これもピント無限で撮影しています。

 

  

 

全体的にボヤ~っとした感じですね。

『手ブレ』だと思います。

 

  

 

これらは撮影枚数稼ぎにと適当な気持ちで撮影した記憶があります。

その結果がこれです。

 

  

 

こちらはお店の前の歩道で撮影したため、歩行者に迷惑を掛けないようにと気にしながら撮影したためこんな結果になってしまいました。

 

と、まぁこんなお恥ずかしい結果となってしまいました。

本当は良い写真だけを載せて記事にしようと思ったのですが…。

やはり失敗した事実もありのままに記事にするべきだと思いましてこのような形で記事にする事にしました。

残りの三台も似たり寄ったりな感じは否めませんが、同じ画角で撮影したした写真撮れたため、各個体のレンズのコンディションの違いによる映りの違いなんかも比較もしくは確認できるんじゃないかと思います。

その辺の比較はあと三台のテスト撮影結果を個別に記事として紹介させた後に記事にしたいと思います。

 

 

 

先日修理したキャノンのDemi EE17 四台です。

 

 

左上から時計回りに壱号機 ⇒ 四号機となります。

これらのカメラを2台 X 2日でテスト撮影を行いました。

ですがあまりにも酷い結果となってしまいました。

 

  

 

このようにピンボケした画像が多数存在しました。

この写真は距離が明らかに間違っていますね。

 

 

 

これはピントが合っていないというよりもなんか全体がキリッとしていません。 

 

 

これは全体がピンボケしてしまっています。

このくらいの距離ならば距離測定が間違っていてもどこかしらのピントが合いそうなものです。

逆光気味だったのでF値も大きかったと思いますから被写界深度もそれなりに深くなったと思います。

 

 

これはいぇまえの装飾はボケていますが奥の扉にピントが合っていますね。

これならば距離の測定ミスだと言えるでしょう。

 

 

これもボケ方がおかしい。

タイヤだけでなく背景まで全体がなんかモヤッとしています。

 

 

  

  

 

ボケた写真があまりに多いと書きましたが

くっきりとシャープに写っている写真もありました。

いつも撮影している松の木なんですが本来ならもっとシャープに写るハズんですが。

 

 

これと同じ画角のボケた写真が上にありましたが、こちらはクッキリと写っています。

手前の黄色い乗り物の顔がボケていますが、ピントを後のしっぽ辺りに合わせておいて被写界深度でどこからどこまでの距離にピントが合うかをためしたからです。

奥の白クマくんや倉庫の文字等にはピントが合っています。

 

 

同じ画角でボケた写真が上にありますがこちらは非常にキリッとしています。

 

  

 

これは距離で撮影しています。

ですが他の距離で撮影した写真は公園のタイヤのようにボケています。

 

 

細かい描写が非常にキリッと描写されています。

 

以上のように四台ともに玉石混合状態となっています。

原因というか理由は何だったのでしょうか?

 

 

最初に疑ったのは無限遠のピントの調整を間違えてっしまったのではないかという事です。

改めて四台とも無限遠のピントを確認した所、ピントはいつもと同じく工場出荷時よりも更に正確になっていました。

中でも参号機のピントが群を抜いていました。

まぁ、もし無限遠のピントが大幅にズレていたら撮影した写真の画像全てがボケてしまうと思います。

 

 

次に疑ったのは距離の測定方法である測距儀の精度の問題です。

今回は二台を同時に持ち運んでそのうちの一台にレンジファインダー(単独距離計)取り付けて測定した距離をもう一台のカメラと共にシェアして撮影していました。

 

 

もう一台予備として持っている青い方と較べると数十センチメートルほどの差がありました。

どちらが正確なのかといった問題は今回あまりこだわりません。

これくらいのズレなら被写界深度でカバーできます。

このカメラはゾーンフォーカス式なのですから。

ただ一番上の花の写真は明らかに距離を間違っていたのが原因ですね。

距離が近すぎたために被写界深度ではカバーできなかったのでしょう。

距離で撮影した写真がピンボケした原因がこのレンジファインダーになるはずは無いと思います。

また距離が間違っていても画角によってはどこかの部分はピントが合うはずです。

 

無限遠のピントはO.K.

レンジファインダーもO.K.

カメラのレンズも問題無し

露出計はピントとは無関係

では原因は何だったのでしょうか?

 

 

原因はこの手ではないかと思います。

いわゆる『手ブレ』というヤツですね。

私お酒が大好きなのでアル中みたいなもんなので無意識に手が震えていたのかもしれません。

今回使用したフィルムのASA感度が100だったのでシャッタースピード1/125秒で撮影したのも『手ブレ』に加担する一因じゃないかと思います。

シャッターボタンを押す時はもっと気を引き締めて慎重にボタンを押すべきでした。

 

 

『手ブレ』であれば公園のタイヤの写真とか距離で撮影した写真が全体的にモヤッとした感じなるのも頷けます。

上の画像は毎回最初に撮影する自宅の窓からの撮影した写真の画像です。

自宅なのでリラックスしてるし手荷物も無いので『手ブレ』することなくこの様に綺麗に映っています。

 

いやぁ~、まいりましたねぇ。

ASA400のフィルムで再テスト撮影しようにも昨今のフィルムの値段を考えると流石にきついですから無理ですねぇ。

 

という事で次回からテスト撮影の各号機ごとの結果を発表します。

ちょっとお見せするのがはずかしいですが。

 

ヤシカのHalf14です。

 

 

とにかくシャッターの動作が悪く現存する殆どの個体がB(開放)にならないという症状に見舞わられていると思われます。

その症状を解決して更に長期間に亘ってB(開放)になるようにシャッター機構の構成部品の一部に何種類かの潤滑剤(油)を注入してその結果を検証する実験を行ってみようと思っています。

 

 

実作業に入る前に以前からとても不思議に思っている事を紹介させてください。

Half17 と Half14 はともにそうなんですが

軍艦をボディに固定している三本のネジなのですけど…。

画像のように右側のネジは頭が平らなネジを使っているのですが

 

 

左側のネジの頭はポッコリと丸く膨らんでいます。

 

 

更に裏蓋側のネジは左側のネジ同様に丸く膨らんでいるのですが…、その膨らみは左側よりも(私的には)高いような感じがします。

なんでこんなメンドクサイ事をやっているんでしょうか?

三本共に同じネジを使ってコストダウンしてその分他の部分にもっとコストをかけてくれたらなぁ。

と思ってしまいます。

この件について何かご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

 

 

さて今回の実験をやり易くするためには先ず前板からシャッターユニットを取り外す必要があります。

そのためには後玉の下にある赤色矢印のリングナットを外さなけばならないのですが、コレが固くて固くてなかなか緩んでくれません。

 

 

そこで今回は浸透性のある CRC 3-36 をネジ部に吹きかけてからヘアードライヤー火傷してしまうような温度まで加熱してから冷やしてみました。

そして画像の様なバイスに固定しながら頑丈なカニ目スパナを使って何とか緩めました。

 

 

このシャッターユニットはかなり深刻なトラブルを抱えていまして

シャッターをチャージすると絞り羽根が何故か動かなくなってしまう、固定されてしまうんです。

その原因が解りません。

 

 

そのせいもあって試しに赤色矢印の部分の溝一周にベルハンマーゴールドを流し込んだ後にベンジンを流し込みました。

この溝の外周のリングはシャッターボタンに繋がるリングとタイマーに繋がるリングです。

ベルハンマーゴールドのおかげで動きが大分スムースにはなりましたが、やはり極厚剤のせいなのでしょうか若干動きがスローになったような気がします。

 

 

そして赤色矢印の下にあるAE時の絞り制御レバーが全く動きません。固まっています。

本来なら赤色矢印の方向にスライドしなければなりません。

 

 

原因究明のためにアレヤコレヤと弄っていたら赤色矢印の部分に銀色の物体がはみ出ているのが見えました。

これは明らかに「正しい状態」ではないですね。

ピンセットで本来の正しい位置と思われる場所までピンセットで押し込んだらAE時の絞り制御レバーが少し動くようになりました。

そして『パチン』という音がして何かにはまり込んだ様な感じになりAE時の絞り制御レバーがスムース動くようになりました。

そしてこれ以降はシャッターをチャージした後でも絞り羽根が自由にしかもスムースに動くようになりました。

原因を解明することは出来ませんでしたが、どうやらトラブルは解消したようです。

 

 

さらにこのトラブルが解決したことによってB(開放)まで開かなくなっていたシャッターが再び開くようになりました!

という事はベルハンマーゴールドは分解洗浄をしなくてもシャッター復活できるという事になりますね。

やっぱり凄いんだなぁベルハンマーゴールドは。

 

 

トラブルは解決したものの原因を究明できないのでは意味がないので原因究明のために更に分解する事にしました。

シャッターユニットのカバーを外そうと思います。

 

といったところでebayから問い合わせのメッセージがあり『ヤシカHalf14を分解修理しているのだけどB(開放)が機能しなくて困っている。修理の方法を教えてください。』とのことでした。

仕方がないので私の過去のヤシカHalf14の記事を紹介しました。そして翻訳は自身でしてくれと書き加えておきました。

 

さて作業に戻ってカバーを取り外そうとしたのですが、『何かがおかしい』のです。

暫くシャッターユニットと睨めっこをしていると『何かがおかしい』意味が解りました。

カバーを取り付けているネジが見当たらないのです。

どういうこっちゃ?

と頭を抱えて悩んでいたのですが、先程の外人さんにアドバイスをするために紹介した過去の記事の中にに同じ場所を分解した説明が在ったのを思い出しました。

人助けのお陰で時間を短縮できそうです。

 

 

当該の記事の画像です。

この画像では赤色矢印の銀色のネジが三本あります。

 

 

ところがこちらのユニットには赤色矢印のネジが一本あるだけで

残りの二本のネジがあるべき場所は画像の黄色矢印のように穴が在るだけでネジがありません。

これで原因が判明しました!

 

 

カバーがキチンと固定されていなかったためその隙間からAE時の絞り制御レバーのプレートがはみ出して正しい位置からズレてしまって動作不良を起こしていたというわけです。

でもどうしてネジが無かったのか?

どうやら過去に分解して失敗した個体なのかな?と思ったのですが革を一度剥がして貼り直した形跡はありませんが。。。

まさか最初からこれらのネジは無かったのかも…。

もうこれ以上は考えない事にします。

 

 

ネジが無いのでは実験に使えないかと思ったのですが、先月修理のために一時帰国したHalf14の分解時に破壊してしまったシャッターユニットからネジを拝借してきました。

 

 

これで三本のネジでしっかりとカバーを固定出来ました。

その後動作確認をしましたら問題無く動作するようになりました。

ネジを拝借したユニットのシャッターとタイマーに連携するリングを動かしてみてベルハンマーゴールドを注入したユニットのリングの動作を比較してみたところ動きは殆ど同じでした。

あとはコンディションの良いもう一台の方からもシャッターユニットを取り外せば実験の準備が完了となります。

 

とはいえ今回は実験と殆ど関係ない問題での分解&修理となってしまいました。

しかも原因はネジ二本の欠落とは…。さすがにそんな事は予測できませんですからねぇ。

なぜかヤシカのカメラを分解&修理をすると今回のように素直に一筋縄ではいかずにハプニングが起きる確率が非常に高いです。

実は記事にはしていませんがタイマーをセットしてからシャッターボタンを押すとシャッターが切れないというトラブルも発生していました。

なんとかタイマー機能が使えるように修理はできましたが、こちらは明らかに工場出荷時からタイマー機能は使えなかったのではないかと考えるに至る事象が原因でした。

とあるTVアニメで『残念うさぎ』と呼ばれるキャラがいましたが、

それに倣って『残念ヤシカクオリィティ』と呼びたくなってしまいます。

 

 

 

前回の記事でベルハンマーゴールドという潤滑剤(油)が非常に高性能なのでシャッター機構にはとにかく問題のある(あくまでも個人的評価)ヤシカのHalf14のシャッター機構に未分解&未洗浄の状態で注油してみてその性能を試してみました。

その結果ベンジンと併用する事によって見事にシャッターがB(開放)まで開くようになりました。

その結果からベルハンマーゴールドは非常に優れた潤滑剤(油)であると私は結論付けを致しました。

 

 

とはいえ二日後には再びシャッターはB(開放)まで開かなくなってしまいました。

まぁそれは当然の結果というか想定の範囲内でしたけど。

それでもベルハンマーゴールドはとても優秀な潤滑剤(油)であると私は認めて(信じて)います。

なのですが。。。

私は長年趣味として旧いバイクや車の修理をしてきました。ですからどうしても観点や考え方がそちらの修理の感覚や方法に引っ張られてしまうきらいがあります。

旧いバイクや車の修理という用途ではベルハンマーゴールドは本当にとてつもなく優秀な商品だと思います。

ですが、旧いバイクや車の修理とか産業用機械のメンテナンス等とカメラの修理では決定的な違いがあります。

それは『潤滑が求められる部品(場所)にかかる荷重の大きさが全く違う』という事です。

 

(画像はいすゞベレット1600GTRのシンボルマーク『孤高の狼』のエンブレムのオリジナルで超貴重品です)

 

バイクや車そして産業用機械の部品というのはとてつもなく強大な荷重が瞬間的または一時的にかかってしまう場所や場合があります。

そうすると部品同士(例えば歯車)の油膜が剥がれてしまい発熱してします。最悪の場合はその発熱で部品が焼き付いてしまいます。

この油膜切れを防ぐために使用される油には『極厚剤』というのが添加されています。

ベルハンマーゴールドにもこの『極厚剤』が含まれています。

『極厚剤』が含まれている油には『粘度が高くなる』傾向があります。

油の粘土が高くなるということは使用する用途によってはその油自体が抵抗になってしまうという欠点があります。

ですのでカメラの部品の様な『荷重がかからない部品(場所)』に『極厚剤』の含まれる潤滑剤(油)を使う事に一抹の不安を感じてしまうのです。

確かに前回の実験では素晴らしい結果が出ました。が、それはあくまでも数日の短期的な結果であって数年、数十年後にどのような結果をもたらすのかはわかりません。

数年、数十年後には変質してしまい抵抗になってしまうかもしれません。

要するに『ベルハンマーゴールドの性能は非常に卓越している。だが使用する用途が違う』という不安材料があるということです。

 

 

そんな事を考えながらちょっとモヤモヤしている時にいつも大変貴重なというか非常に共感できるコメントをくださる

「いか太郎」さんより、

『シャッター羽根の潤滑にはとても軟らかい鉛筆の芯の削り粉を羽根に振りかけてブロワーでよけいな粉を払ってやると油分なしで長期間潤滑性能をいじできる』とアドバイスのコメントをいただきました。

鉛筆の芯の削り粉⇒黒鉛です。

私も師匠よりこの方法は伝授されていました。

しかしシャッター羽根ではなくフライホイールの軸の部分の潤滑なのでそれほどの効果は無いだろう。またどのような方法であの細い軸に黒鉛を塗付・付着させるのか?といった部分があり使用は考えていませんでした。

しかし「いか太郎」さんのアドバイスのコメントを頂いてしばし黙考したら以下の様なアイデアが浮かんできました。

黒鉛とベンジンを混合して注入してみたら…。とか

黒鉛とベンジンさらにベルハンマーゴールドを混合して注入してみたら…。等々

 

 

という事でこの二台のヤシカHalf14のシャッターユニットを使って色々な方法であれこれと実験を行っていきたいと思います。

画像下の個体が前回ベルハンマーゴールドを注入してみたもので

上の個体が今回新たに登場していただくものです。比較的外観のコンディションが良いです。

今回は実験がメインですが、良さそうな結果(方法)が見つかったらコンディションが良い上の個体をベースに一台を組上げてテスト撮影をしてみようかと思います。

 

なお、明日辺りに四台のキャノン Demi EE17のテスト撮影をしたフィルムの現像データが届きそうなので届いた場合はそちら側を優先させて記事にさせて頂きます。

 

先日修理依頼でフランスから一時帰国したヤシカのHalf14を

分解して組み立て直しました。

 

 

その際にシャッター羽根の動きがあまり良くなかったので赤色矢印の大小二つのホイールを取り外してベンジンに漬け込んで洗浄しました。

いつもなら洗浄後は何も手を加えずに素のままで組上げるのですが、この時は洗浄してもどうしてもB(開放)にならなかったのです。

正常に動作するシャッターユニットと比較するとホイールの回転の勢いというかスピードが若干ですが遅い感じがしました。

仕方がないのでホイールの軸部にCRC 3-36を塗布したら正常に動作するようになったようでB(開放)になるようになりました。

しかしCRC 3-36は防錆剤で合って潤滑剤(潤滑油)ではないので日数の経過とともに乾燥してしまいやがて効力を失ってしまうでしょう。

かと言ってCRC 5-56やWD-40のような潤滑剤(潤滑油)を使ってしまうと経年劣化で変質してしまい粘度が高くなって摩擦抵抗になってしまったりホコリやゴミが付着して更なる摩擦抵抗になる可能性があります。それにCRC 3-36同様に乾燥してしまう可能性もあります。

そういった理由から潤滑剤(潤滑油)は極力使用しない事にしています。

が、この時は流石に潤滑剤(潤滑油)が必要だと思わされました。しかし良い潤滑剤(潤滑油)が見当たりませんでした。

 

それが最近になってYouTubeでジャンクパソコンやノートパソコンの修理や改造を行う岡ちゃんnelというチャンネル主がCPUの冷却ファンの軸部の潤滑にある潤滑剤を使っていました。主さんによるとその潤滑剤は樹脂製品への悪影響も少なくCRC 5-56のように揮発(乾燥)する事も無く長持ちするようです。

その潤滑剤を軸部に塗布されたファンを手で回転させると非常に、とても非常に滑らかな回転をしていました。

コ、コレならヤシカHalf14に使えるんじゃねぇ?』と思いまして動画を巻き戻してスローにして商品名を確認しました。

それが スズキ機工(株)さんの LS ベルハンマー GOLD  である事が判明しました。

早速スズキ機工(株)さんのホームページに行き本商品の詳細について勉強させてもらいました。

 

LS ベルハンマー GOLDは正式には『極厚潤滑剤』なんだそうです。

用途は 機械部品等の潤滑及び防錆 なんだそうで

成分は 鉱油、防錆剤、潤滑剤 となっています。

 

ベルハンマーを潤滑したい部位に塗布すると、まず金属と金属が擦れる摩擦で発生する摩擦熱でベルハンマーに含まれる

『極厚剤』が金属表面に『被膜』を形成するそうです。その皮膜は油であるベルハンマーが無くなっても金属標目に残り潤滑性を維持するようです。

また金属表面に付着しやすい分子構造だとの事です。

 

コレなら使えそうだぞ と思い値段を調べたら420mlのスプレー缶でなんと¥5,000-近くします!

メチャクチャ高いですね!

まぁそれだけの性能なんでしょうけど。

それにスプレー缶というのも私には合いません噴霧するような使い方は私はしません。

カメラに使用するのですからせいぜいベルハンマー潤滑剤を1~数滴単位で潤滑部位に塗布する程度ですから

420mlのスプレー缶では非効率的でコストパフォーマンスも非常に悪いです。

 

それでも使ってみたいので何か良い方法は無いかとダメもとでヤフオクとメルカリで検索してみたらなんとベルハンマーゴールドの原液を『小分け』して販売している業者(方)さんがいらっしゃいました!

 

 

私は10ml X 3本の30mlを購入させていただきました。

説明書のコピーと驚いたことに小分けした日付と時間を記入した紙片も同封されていました。

私の使い方ならこれで充分です。

どうやら私と同じような考えを持つ方がそれなりにいるんでしょうね。

早速コレを使ってみましょう。

 

 

腐蝕がかなり激しいHalf14です。

部品取り機にしか出来なさそうなコンディションです。

コレを使ってベルハンマーを試します。

シャッターはほんの少ししか開きません。

これだけボロボロの状態でもしシャッタをーをB(開放)にできればベルハンマーは相当の優れものという事になるでしょう。

 

 

通常は問題の二個ホイールを取り外して洗浄してその他の関連部品も分解はせずにベンジンを流し込んで洗浄するのですが、今回は洗浄をせずオリジナルの汚れた状態で赤色矢印の二個のホイールとレバーの軸部にベルハンマーを塗布してみました。

するとB(開放)までは開かずともその直前位迄は開くようになりました!

ベルハンマーゴールドはたいしたもんですよ⤴⤴⤴

ただ塗布した時に気が付いたのですが、ベルハンマーはちょっと粘性があるんです。

ちょっとドロッとしてるんです。このため浸透性に若干劣りホイールの軸部の隙間に入り込めないのではないかと判断してベルハンマーの上から希釈のためにベンジンを数滴垂らしました。そうすれば軸の隙間へ流れ込んでくれるのではないかと思ったんです。

 

 

するとこの様に見事にB(開放)が出来るようになりましたぁ!

いやいやいや ベルハンマーゴールド 超々優秀です⤴⤴⤴

実際にヤシカHalf14に使う時は分解&清掃してから塗布するのでもっと良い結果になるはずです。

ただ場合や場所によってはベンジンで数倍に薄めてから使った方が良いかもしれません。

ベルハンマーゴールドを塗布してから現在まで三時間以上経過していますが現在もしっかりとB(開放)が出来ます。

でも…。

こんなに簡単にシャッターが復活しちゃうなんて。。。

これでは今迄の苦労は一体全体なんだったのだろうか⤵⤵⤵よ思ってしまう程です。

 

最後にベルハンマーゴールドを誤って机にこぼしてしまい慌てて手で拭き取ってしまいました。

その後ティッシュペーパーで手にベットリと付着したベルハンマーゴールドを拭き取ったのですが三時間以上経過しているのに未だに指がヌルヌルするような感があります。ベトベトとした感ではありません。

普通の防錆剤やCRC 5-56やWD-40の類ならばティッシュペーパーをつかえばほぼ完全に拭き取れてしまいます。

しかしベルハンマーゴールドは何かの成分が手に残っているように感じます。

これは極厚剤(減摩剤)の効果ではないかと思われます。金属に対しても手と同じような感じで付着するるのではないでしょうか。

良い潤滑剤が手に入ったようです。

 

追記

あれから一晩が経過した翌日になって再びシャッターの動作を確認してみたのですが、残念ながらというか予想通りというかB(開放)まで開かなくなってしまいました。

まぁ、そうなるでしょうね。

それでも想定以上のベルハンマーゴールドの能力には変わりありません。