遂にレンズの分解&清掃デスマーチを終わらせることができました。

という事で今年の最初に手を付けるカメラは OLYMPUS 35 SP にしようと思っていたのですが

昨夜 CANON Demi EE17 が売れてしまったのでその補充として国内&国外向けに計2台復活させる事に変更しました。

それぞれのカメラの状態が良さそうであれば3台復活させるかもしれません。

 

 

使い易くて人気もあって優等生なキヤノンの Demi EE17 なんですが、唯一の欠点と言えそうなのが『レンズ』なんです。

特に前玉の一番手前のレンズがクモっていたり傷が付いてしまっている物が多いように思います。

あと通称『モナカ』と呼ばれるボディ外装がアルミ製のため凹んでしまっている物も多々あります。

そんなこともあって昨年の内にレンズの程度が良さそうでボディに凹みが無さそうなDemi EE17 を4個ピックアップしておいていました。

まず左の個体は前玉レンズにカビが有ったのですが、クリーニングしたら非常に綺麗になり動作もちょっと手を加えただけで順調になりましたので現状この中で一番程度が良い個体になるでしょう。⇒ 壱号と呼称

右の個体は外観はそこそこ良いのですが前玉全体が薄クモリで覆われてしまっていて使い物にはなりません。が、ファインダーやタイマー等の内部機構的には問題がなさそうです。⇒ 弐号と呼称

奥でひっくり返っている個体は当初一番程度が良い個体だと思っていたのですが電池の蓋が開きません。おそらく電池が中に入ったままで液漏れして腐食していますね。そのため電池蓋のネジ山付近にCRC 3-36を流し込むためにひっくり返しにしています。⇒ 参号と呼称

そしてケーキ台に乗ってるのが一番程度が悪い個体です。レンズはクリーニングしてみたらカビが除去出来て充分使用に耐えられる以上の綺麗なレベルになりました。しかし、AUTO 側の絞り羽根の制御機構の動きが非常に悪いためシャッターが切れない状態になっています。外観も裏蓋の蝶番がそこそこ錆びています。⇒ 四号と呼称

 

 

これら四台の中から最初に手掛けるのは四号にしました。

理由はシャッターが切れない原因が今までとはちょっと違うような気がしたのでその原因が個人的に知りたくなったからです。

 

 

と思ったら原因の一端がもう顔を出しています。

バネが合外れてしまっていますね。

でもそれを加味してもまだ動きが固いですね。

 

 

寒いこの時期に革の様なビニール系を剥がす時はドライヤーを使って加熱するとこのように綺麗にはがれてくれます。

 

 

と思っていたらドライヤーの風でこのスプリングが吹き飛んでしまいました⤵⤵⤵

壱~四号以外の部品取り機よりスプリングを拝借します。

このスプリングを元の位置に戻すためには... たしかフォーカスリングを外さなければならず、そのためにはシャッターユニットを前板から外す必要があったかと思います。

つまりかなり深い部分まで分解する必要があるということです。

ひょとするとこのシャッターユニットは復活させる事が出来ないかもしれません。

 

 

電池を挿入してみたら露出計は現状でもしっかり動作しましたので手を加える必要は無さそうです。

 

 

ファインダーを取付ける時にいつも不思議に思うのですが、三本のネジの内の赤色矢印のネジだけが軸が少し太いんです。

頭の大きさは同じなので判別が結構難しいのですがいったい何のためにこのネジだけ太いのでしょうか?

 

 

前板を外しました。

 

 

ひっくり返して黄色矢印の4本のネジを外して前板部分とシャッターユニットに分離します。

 

 

この様に分離できます。

 

 

フォーカスリングの外周にある三個のイモネジを緩めてフォーカスリングを下げるようにして抜き取ります。

 

 

するとこの様にシャッターユニットが露出します。

画像は何回かベンジンを浸み込ませた後です。

 

 

シャッター羽根が古い油分で固着していますね。

後でベンジンを流し込んで脱脂します。

 

 

紛失したと思っていたスプリングが隙間に挟まっていました!

今度こそ紛失しないようにピルケースに保管します。

 

 

外れてしまったスプリングは水色矢印の両端にある二つのレバーの穴に掛かります。

そして黄色矢印のレバーは緑色矢印のピント直結していてシャッターボタンと接続しています。

赤色矢印のレバーは AUTO 時の絞り羽根を開閉する役割があります。

この二つのレバーがやはり古い油分で固着しているようで動きが非常に渋く硬いです。

このためシャッターボタンが押したままの状態で止まってしまってシャッターボタンが戻れずにシャッターが切れなくなっいました。

 

コレで動作不良の原因が判明しましたのでキリが良いので今回はここまでとします。