ヤシカのハーフ 17です。

前回の続きとして今回はモルトの貼り替えから行っていきます。

 

 

なぜこんなタイミングでモルト貼りなのか?と思われるでしょうが、現在ボディ本体がこのような状態のためモルト貼りの作業がやりやすいのです。

 

 

それとボディ本体を交換してしまうからです。

下側がオリジナルで上側が交換用のボディ本体です。

表側は見た目変わらないのですが…

 

 

裏側が錆と腐食があまりにも酷いので部品取りとなったボディ本体と交換します。

 

 

ところがよく見たらフィルムカウンターの色が違います。

おそらく黒い方が後期型になると思われます。

 

 

そして蓋の開閉レバーの付いている部分も色が違います。

おそらくメッキの方が後期型かと思われます。(ハーフ 14もメッキだから)

数字のフォントが大きい銀色のフイルムカウンターの方が良いだろうし、蓋の開閉レバーの部品の黒い方はラッカーシンナーが付いたら塗装が溶け出したような感じがしたのでメッキの方へそれぞれ交換しました。

 

 

と、その前にヤフオクで落札した露出計が届きました。

 

 

セコニック(SEKONIC)のL-188です。

現在、修理の終わったカメラの露出計が正しいかどうかをチェックするために使っているミノルタのスポットメーターは光の受光角が1度とあまりに狭くカメラの露出計の値と差異が発生する可能性があるかもしれないのでもっと受光角の広い露出計が欲しかったのです。

このL-188は受光角が60度と広いのと使用する電池がLR/SR44電池だったので落札しました。

本日届いたので電池を入れてテストに使ってみようとしたら…。

 

 

電池のプラス・マイナス端子どころかバッテリチェックボタンや測定スイッチの接点まで全て腐食して粉を吹いていました⤵⤵⤵。

値段がかなり安かったし、動作確認をしたような形跡がなかったので「まさかな」とは思っていたのでしたが案の定のジャンク品です。

せめて「電池室に腐食があります」とか説明して欲しいと常日頃思っております。

とうことで取り外した各端子をCRC 3-36に漬け込みます。

 

 

そしてヤスリで表面をこの様に磨きます。

ですが、ヤスリ掛けの最中に左のぼっちがもげて取れてしまったのです。

直径2mm程度の極小なのでハンダで固着するのにエライ苦労しました。

結局無事修理は成功したのでL-188はキチンと動作すようになったのですが3時間ほど浪費してしまいました。

 

閑話休題

ハーフ 17に戻ります。

 

 

一部に幅2mmという中途半端なモルトがあるので自作で切り出します。

画像のようなカッター(裁断機?)を使います。

右上の青が濃いツマミ部分に円盤カッターが付いています。

 

 

盤面に目盛りが付いているのでそれに合わせてカッターが走る端面からモルトから2mmほど突き出してツマミを押し付けるようにして上から下に動かします。

 

 

するとこの様に一定の幅で直線的にカットできます。

 

 

モルト貼り作業は軍艦と底蓋を外した状態で行うとやり易くなります。

 

 

 

貼り替えました。

この個体は過去にモルトを貼り替えられていたようで一部はまだ活きているのでそのまま使用します。

 

 

次にセレンと露出計を繋ぐ裸線を普通の電線に換えます。

 

 

緑色のコードに換えました

コードのハンダ付けした部分の手前を接着剤でセレンに止めてコードが引っ張られた時のハンダ部での断線を防ぐようにします

日付がありますね。1967年製のようです。

 

 

試しに電圧を測ってみました。

光量によって違ってくると思いますが0.3Vとは思っていたよりかなり低いですね。

 

 

露出計への通電性をアップするためなんでしょうか。

こんな短距離で結線されているのですがこれも裸線です。

しかも切れかかっています。

 

 

なのでココも緑のコードにこうかんします。

 

 

この小さなバネが爪に引掛けようとしても引っ掛かりません。

なのでエポキシ接着剤で固定します。

後の赤札の部分にもエポキシ接着剤が付いてしまったので拭き取ります。

 

二カ所に接着剤を使ってしまったのでこれ以上作業を進められません。

乾燥のため一晩置きます。

 

今回はここまでです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤシカのハーフ 17です。

 

 

本日は修理対象の個体を分解していきます。

まずは前板を外していきます。

当面の目標はセレンを分離する事です。

 

 

革の一部を剥がします。

前板が見えてきました。

 

 

巻上げダイアルとシャッターを連結・連携している部分のEリングを外します。

 

 

この個体はセレンと露出計の結線が直結となっています。

以前分解した個体は結線の途中でハンダ付けされていて分離し易くなっていたんですがねぇ…。

仕方がないので露出計もボディから外します。

 

 

青い色の電線はストロボに繋がる線です。

それよりも.....

ナ、ナント!

セレンに繋がる日本の配線の片方は裸線ですよ!

まぁ、露出計本体にハンダ付けされているのでアースと同じですから短絡の心配はないのでしょうけど。

コストダウンのためじゃないかとは思いますけど…。

これだから作業をしていると気分がになるのです。

 

セレンの配線がハンダ付けされている部分を画像にして記録してから外します。

 

 

後玉を外したらシャッターユニットを前板から外すため矢印のナットをカニ目スパナで緩めて外します。

 

 

ハーフ 17を分解した方々が何故か誰も指摘していませんが、このナットは異常なほどに固いです。ちょっとやそっとの力じゃ緩みません。カニ目の山をなめてしまう程です。

ですから画像の様にフォーカスリングをバイスで固定して緩めようとしないでください。矢印の所にフォーカスリングを貫通しているシャフトがあります。

これがストッパーになってフォーカスリングの過回転を防いでいるのですが、この方法で緩めるとそのシャフトに負担がかかりへし折れてしまいます。

私はそれでハーフ 14を二台破壊してしまいました。

 

 

この様に前板をバイスで咥え込むようにしてください。

 

 

ネジが固着して緩まない場合はCRC 5-56のような浸透潤滑剤が使われますが、

私はこのCRC 3-36を使っています。これは潤滑剤ではなく防錆剤なんだそうですが浸透力がとても強いようでかなり効果があります。

あと電池の液漏れによって腐食した電極の緑青の除去などにも素晴らしい能力を発揮します。

 

 

スプレー缶の場合は必要以上に大量に噴射してしまい油分を吹き付けたくない場所にまで噴霧してしまう場合があります。

そのため画像のような細いタイプのノズルに交換します。

ネットで探せば簡単に入手できます。

 

 

先端には更に細いパイプをエポキシ接着剤で取り付けて噴射量を制限させています。

先端を曲げておくと穴の部分から内部へ噴射する時に便利になります。

 

 

忘れていました!

ナットを緩める前に

矢印部分のネジを外して各アームを取り外します。

左がEE機構連動アーム、右がシャッター巻上げ連動アームです。

 

前板とシャッターユニットを結合していたナットは思いのほか簡単に緩みました。

今迄で一番の力いらずでした。

この事からこの個体は外観は今一でも内部の状態は上々のようです。

 

 

ナットを緩めるとこのように分離します。

上が前板

下がシャッターユニットです。

 

 

シャッタユニットにはこのように二枚の輪っかがついています。

白←の溝にシャッタボタンのピンがはまり押し下げられることにより

左斜め上にあるバネを介して下側の輪っかに力が加わり赤←の爪が押し下げられることで黄←の爪が押し下げられてシャッターが切れます。

水色←はタイマーとの連携用です。

ずいぶん複雑ですね。

 

 

この状態でシャッターの開閉動作の確認をしたらB(開放)でもキチンと動作しています。

昨日分解せずにフライホイール部にベンジンを流し込んだのが良かったみたいです。

という事で今回はフライホイールは分解せずにシャッター羽根だけを分解して洗浄します。

 

 

シャッターユニットを裏返して三カ所のネジを外します。

 

 

そうすると二つに割れます。

シャッター羽根が出てきました。

黒いビニール製のようなパッキンというかスペーサを破らないように取り外します。

 

 

シャッター羽根を挟んでいる前後のプレートのシャッター羽根面はベンジンで清掃しておきます。

 

 

シャッター羽根を取り外しました。

ん?

ん・ん・ん・ん・ん?????

羽根が4枚もある!?

昨日分解したユニットは3枚だったぞ!!!

上の小さい羽根が1枚しか入っていなかったぞ!

昨日分解したシャッターユニットのボディを調べてみたら

革を貼り付けた接着剤が純正とは違っていました。

それにセレンの配線が途中で切断されていてハンダで再び結線されていました。

明らかに過去に誰かに分解・修理されていますね。

その時に羽根を一枚紛失したのでしょう。

 

 

とにかく

羽根をベンジンに漬けこみます。

 

 

分解とは逆の順番でシャッターユニットを組上げ前板と合体させました。

昨日の部品取りでの練習が功を奏して大変スムースに組み上げることができました。

 

シャッターはB(開放)だけではなくマニュアル時のF1.7~F16.0まで全てスムーズに開閉するようになりました。

 

 

次に後玉を分解して清掃します。

 

 

後玉を取付ました。

これで前板とシャッターユニットの組上げは完了です。

今回はここまでとします。

 

次回はボディのモルト貼替から始めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤシカのハーフ 17です。

 

 

このカメラのシャッタースピードはマニュアル時は1/30秒に固定されますが

AUTO(EE)時には露出計と連動して1/30秒~1/800秒まで変動します。

シャッタースピード1/800秒?ほんとうにそんな高速で切れているの?

と疑いたくなりますよね。

 

 

これにはカラクリがあります。

ハーフ 17には絞り羽根がありません。

シャッター羽根が絞り羽根も兼ねているからです。←これとても重要なポイントです。

画像はハーフ 17のシャッター羽根です。二枚羽根構造となっています。

この羽根が開閉する事によってシャッターと絞りの役割を同時に果たします。

 

 

羽根がほんの少しだけ開いています。

この様な場合だと羽根の開閉のための移動距離が短くなるので

シャッタースピードは高速になります。←1/800秒

そして絞りのF値は大きくなります。←F16

 

 

羽根が全体の半分ぐらい動くと羽根の移動距離が増えるため

シャッタースピードは中速になります。←1/250秒

そして絞りのF値も中くらいになります。←F5.6 or F8.0

 

 

 

そして羽根が最大(開放)まで開くと羽根の移動距離が最大となるため

シャッタースピードは低速になります。←1/30秒

そして絞りのF値も大きく(開放に)なります。←F1.7

 

つまりシャッタースピードと絞りは一次関数のグラフ線の様に比例しているんです。

故に最高シャッタスピードが1/800秒が可能となっているのです。(あくまで理論上なのではないかと思いますが…。)

ですから1/800秒はF16.0の時しか使えません。

逆に1/30秒はF1.7でしか使えません。

各シャッタースピードと絞りの関係は以下の通りです。

 

1/30秒 F1.7

1/60秒 F2.8

1/125秒 F4.0

1/250秒 F5.6 or F8.0

1/500秒 F8.0 or F11.0

1/800秒 F11.0 or F16.0

とこんな感じになります。

つまり1/30秒でF8.0とか250/1秒でF16.0とか1/800秒でF1.7のような組み合わせにはならないという事です。

 

さらにAUTO(EE)時のシャッタスピード=絞りの変化はステップ式ではなく無段階式なので状況に応じて1/278秒とかF13.3といったような様々な中途半端な秒やF値で撮影さることになります。

 

ですから前回の投稿で『ファインダー内の露出計の指針が正しい値を指し示していなくてもあまり問題はない』と書いたのです。

現代と違って当時のアナログ技術ではそこまで精緻に表示できないでしょう。

 

次にシャッター羽根の開閉機構なのですが

 

 

 

前回でも説明した通り黄←のレバーがスプリングの力で赤←のフライホイールを蹴飛ばしてその遠心力と慣性力でシャッター羽根を開閉するシステムです。

私はこの機構は結構気難しものだと考えています。

このフライホイールの外径が小さ過ぎるか軽すぎるとシャッター羽根が完全に開かなくなるでしょう。

逆に外径が大きすぎるか重すぎるとシャッタースピードが遅くなるor不安定になると思います。

難しい説明になりますが

自動車やオートバイのエンジンに取り付けられているフライホイールと役割は同じです。

外径小 or 軽い = 角加速度 速 & 慣性力 小

外径大 or 重い = 角加速度 遅 & 慣性力 大

という二律背反する問題があります。

更に全力で開いたと思ったら即座に全力で閉じる動きをしなければなりませんのでこちらも二律背反していますから設計者はかなり苦労すると思います。

 

ヤシカ ハーフ 14を例にすると

ハーフ 17と同じ大きさのボディで大径にしてしまったため、シャッター羽根の開閉距離が増えました。なのでフライホイールを大きく(又は重く)して慣性力を大きくしたいけど角加速度が遅くなるためにシャッタースピードが遅くなってしまう。

しかもボディが小さくてスペースも無い、といった感じになります。

 

なぜここまで長々と説明したかというと

設計当時は外径と重さの微妙なバランスを考慮して設計したとしても、それぞれの部品が長年による経年劣化や摩耗等によって摩擦等の抵抗が増えると正しく動作しなくなる可能性があるのではないか。

と考えられるからです。

この辺を考慮して設計当時にマージンを取っていれば何とかなるかもしれませんが

ハーフ 14にはそんな余裕はスペース的にもなかったと思います。

各部の摩耗や経年劣化が原因だとすると、一時的に回復させることはできたとしても新品部品に交換をしていないので根本解決にはなっていないと思います。遅かれ早かれ再発するでしょう。

 

 

シャッターが固着して開かない状態の対処方法としては分解して羽根を洗浄する事とフライホイールの軸と軸受を洗浄する事です。

では部品取り用のユニットで本番前の分解練習です。

まずはフライホイールを外します。

 

 

ちょっと見にくいですが…。

赤←がフライホイールの軸受部です。

ピカピカに輝いています。これは摩耗した証拠です。

機械加工された新品はこんなに輝いていません切削加工の跡があるはずです。

 

 

取り外したフライホイールをシャッター羽根と共にベンジンに漬けこみます。

これで汚れや油分を除去します。

 

 

次に正しく動作しているかどうかの確認方法です。

条件としてはシャッター羽根が正しく最大の位置まで開いていることを確認することです。

ということで絞りリングをB(開放)の位置にしてシャッターボタンを押します。

 

 

この動画の様にシャッターが開放されればO.K.です。

シャッター羽根が開いても、シャッターボタンを押したままの状態なのにシャッター羽根が閉じてしまう場合があります。

そのような症状が出た時はまだシャッター羽根を開閉するエネルギーが足りませんので再洗浄および調整の必要があります。

 

実はコニカのEyeシリーズとC35もハーフ 17&14と同じフライホイール式シャッター機構を持っていて、しかも製造元も同じコパル(COPAL)なんです。

なのにコニカの方はシャッター開閉不良の発生率が少ないんです。

この違いはなんなのでしょうか…。

 

次回は本番です。

 

 

ヤシカのハーフ 17です。

名前に「ハーフ」と入っているようにハーフサイズフィルムカメラです。

 

 

以前にこれの上位機種となるハーフ 14というカメラを修理したのですが...

いやあれは修理というよりもレストアという言葉の方が相応しかったのですが...。

レストア作業をしているとどうしても気分(モチベーション)が下がってしまうんですよ

理由は「え!こんな構造でイイの?」,「もう少し丁寧に作れなかったのかなぁ⤵」

「だからまともに動かなくなるんだよ!」といったような独り言が連発してしまうんですよ。

つまり『もっと各部品の品質や精度を上げるべきじゃないだろうか⤵』と思ってしまうのです。(これはあくまで私個人の客観的な感想であってこれらのカメラ達を誹謗・中傷しているわけではありません)

ハーフ14はがんばって手を入れてもなかなか復活してくれなくて結局は5台を同時に並行に分解して3台がレストアに成功しました。

しかしそれでも『おそらく6ヶ月、いや下手すりゃ数ヶ月でシャッターが切れなくなるかもしれないな。』

と判断し販売時には「受け取り後に不具合が発生たら即刻返品してください。」という文言を書いた手紙を同封しました。

 

 

ですから今回のハーフ 17を修理する場合も予備にとあと三台用意して分解・修理をしようと思います。

一台は以前にハーフ 14との構造の違いを確認するために途中まで分解しています。

 

 

三台のカメラの裏蓋は錆が浮き出ています。

塗装が剝がれて錆びたという感じではなく塗装の下から錆びたような感じです。

更に蓋と干渉するボディ本体の上下部分も腐食しています。

残りの一台だけはとても綺麗でした。

塗料に何か問題があるのでしょうか?他のメーカーではここまで高確率でこのような状態なる機種はあまりないと思うのですが…。

この辺のクォリティ(品質)がいかがなもんかぁ~。と思ってしまうのです。

 

 

更に

ファインダー内の露出計の指針です。

三台とも(一台は不動)光量はほぼ同じです。

一台目の指針は250の下おそらく500辺りをほぼ平行に指しています。

 

 

二台目はひょっとしたらセレンが劣化しているのかも知れませんが

指針が250の上を指しています。

しかし指針が左に下がっていますね。

 

 

そして三台目です。

指針の位置は一台目とほぼほぼ同じです。

しかし指針が二台目よりはましですが一台目よりは少し左に下がっています。

 

こういったバラツキがあるため???となってしまいうのです。

他メーカの製品はキッチリと揃っているんですがねぇ…。

いったい当時の部品の精度や歩留まりといった管理はどのようにしていたのだろう?

と疑問に感じてしまうのです。

 

『そんなに悪態ばかり出てくるなら修理なんかしなければよいではないか!』とご指摘される方もいるかと思いますが…。

『できの悪い子ほどかわいい!』ということわざがあるやないですか。

当にこんな感じで、放っておけないんですよね...。

できの悪い子だからこそ何とか修理して元に戻してやりたいと思ってしまうんです。

(正しいことわざは「できの悪い」ではなく違う言葉を使っていますが、あまり良い表現じゃないのでこの様に変更しました)

 

 

ということでまずはファインダー内の露出計の指針が正しいと思われた一台目のカメラの軍艦を外してみました。

すると指針が見事に曲がっています!

しかも意図的に曲げたような感じもします。

光源を遮って確認するとやはり上部のアンダーを指し示すどころか1/30秒にも届きません。ファインダー内を掃除する時に針を修正します。

まぁ、指針が正しい値を指し示していなくてもあまり問題はないはだろうと私は思っています。

要はセレン電池や露出計が正常でそれに連動して動くEE機構が正しく動作していれば良いのですから。

ですから指針が曲がっていても結果的に綺麗に写っていればそれで良いのではないかと思いますしこの機構では正確な値を指し示すのはかなり難しいとおもいますから。

とはいえ理屈ではなくズレているのは気分が悪いので極力修正します。

要は気分の問題ですね。

機動戦士ガンダムというロボットアニメの名台詞の一つに

『(宇宙区間での)あんなの(ロボットの足)は飾りみたいなもんですよ!上の人たちはそれが解らんのですよ!』

という台詞があるんですが言いえて妙だなと彷彿させられました。

現代のカメラでは考えられない事、というよりもあり得ない事でしょうが

それが60年に及ぶ技術の進歩なんでしょうねぇ。

 

 

さて、ハーフ 14&17でよくある不具合の症状として

 

1, 露出計が動かない

2,フィルム巻上ダイアルが巻き上げても定位置でロックが掛からない

3, シャッターが開かない

 

があります。

 

1, はセレンの劣化または接触不良、配線の劣化等が原因です。

2, ストッパーになるロックが所定の位置まで飛び出していない事が原因です。ちょっと解りにくいのですが洗浄したり微調整で治ります。

一番厄介なのが3, です。ハーフ 14&17のシャッター機構はちょっと変わっていて画像の様に黄←のレバーがスプリングの力で赤←のフライホイールを蹴飛ばしその遠心力と慣性力でシャッター羽根を開閉するシステムです。

 

 

そして上の動画の様に

シャッター羽根が開閉していなくてもシャッターボタンが押せてしまい、しかも『カシャ!』っというシャッターが切れたような音がするのです。

ですからシャッター羽根が開閉しない又は少しだけ開いた状態であっても『シャッターが切れている』と勘違いされて売られていることがあります。

特にハーフ14はほぼ全てが羽根はまともに開いていません。

非常にややこしい問題です…。

 

このような症状はいったい何が原因なのでしょうか?

どの様に対処するべきなのでしょうか?

実は原因と対処方法はかなり簡単なのですが、このシャッターの構造は単純なようで実はかなり複雑な理論が関係するのでそれらの説明は次回とさせていただき本日はここまでとさせてください。

 

オリンパスのペンEES-2です。

前回のテスト撮影では全てのコマのピントが全く合っておらず散々な結果でした。

そこで無限遠時のピントが合っていないのではとの疑念を抱き、見よう見まねというかネットの情報を頼りに自身で無限遠のピント調整をやってみました。

そして本日リベンジマッチとなる再びのテスト撮影を行いました。

果たして結果はどうなることやら…。

ドキドキと不安が止まりません。

 

 

今回使用したフィルムは FUJICOLOR のASA100です。

ASA400よりもASA100のフィルムを使う事によって少しでも被写界深度を浅く(F値を小さく)することで無限遠での画像力・解像度をシビアにして今回調整をしたレンズ本体の能力を検査できないかと思いました。

あと測距離用としてペンタックスSPを随伴させます。

 

 

まずはいつも部屋の窓からの撮影です。

もちろん無限遠での撮影です。

おお!今回は前回と全く違う!

かなり良い感じです。

 

 

ウォッ!

どちらも距離1.5m位での撮影ですがかなりシャープに映っています。

これぞTRIP35の種機(親機)としての描写力と言えるでしょう。

今回は各画像全ての容量を縮小していませんので拡大してご確認いただけるかと思います。

 

 

同じ場所で撮影してみました。

上の画像が無限遠調整後の今回撮影した画像です。

下が前回に撮影した画像です。

同じカメラで撮影したとは思えないほどの違いです。

 

 

こちらも上の画像が今回、下が前回です。

樹の針葉樹の葉の感じがしっかり表現されるようになりました!

ここまで違ってくると声をだして笑いだしてしまいたくなるほどの悦び・充実感が沸いてきます。

 

 

右は日陰での撮影だったため光量が少なくてシャッタースピードが1/30秒になってしまったようで手ブレが発生してボケたようです。

 

 

左はピントをわざと3mにして撮影してみました。

右は無限遠です。

やはりこのカメラもTRIP35同様懐が深い。

 

 

シャープさだけじゃなく発色も素晴らしい!

 

 

右側の画像ですが上が今回撮影、下が前回撮影です。

双方ともほぼほぼ同じ場所で無限遠で撮影したのですがすがもはや比較にもなりませんね。

 

 

クォリティが安定しています。

 

 

左はピントを1mにして撮影しました。

拡大して見ると梅の花の前部にしっかりとピントが合っています。

奥の梅の花がボケてしまっているようですね。

右は日陰で撮影してみたのですが、暗くても手ブレしなければしっかりと映りますね。

 

 

やはりTRIP35を彷彿させます。

 

 

試しに走っている電車を撮影してみましたが…。

1/250秒のシャッタースピードでは110km/hで走行している電車をキッチリ捕らえることができないようです。

京浜急行は横浜以南ではスピードが遅いと云われていますがトンネルの無い直線部では結構速いんです。

 

 

接近すると更に電車がボケてきます。

 

 

ここまで撮影してきて気付いたのですがこのように普通に撮影していると8割近くが無限遠での撮影になってしまっていました。

 

 

うん。安定していますね。

 

 

素晴らしい描写力です!

 

 

左は「絵馬」の文字にピント合わせ距離3mで撮影しましたが、それよりも奥の部分の描写もなかなかなものです。

右はピントを1mにして撮影したのですが、実際は1mよりも更に近付いていたようでピントが合いませんでした。

接写モドキみたいな近接撮影はこのカメラは得意でないのかもしれません。

 

 

左の画像なんですけど…。

拡大して見ると字が全て読めます。

ハーフカメラでこの解像力はすごいと思います。

 

 

 

左の画像ですが手前から奥までしっかりとピントが合っています。

これも無限遠での撮影になります。

 

 

この二つの画像なんですが

左が手前の「ニャンコ先生」にピント合わせて(1.5m)撮影

右は干してある布団の手前にピントをあわせて(3m)撮影しています。

拡大するとその違いが判ります。

 

 

前回テスト撮影をした時にはあまりのピンボケに漫才のボケにもならんわと茫然自失となりました。

そして無限遠の調整していた時は「本当にこの方法でピントが合うようになるのかな?」と半信半疑でしたが今回のテスト撮影の結果を見てみて無限遠の調整方法は間違っていなかったと確信できました。

まさかここまで改善できるとは!

100点満点で100%ピントが合っているかどうかと聞かれるとYesとは答えられませんが、実用の範囲ではこれでO.K.だと思います。

 

あと、このカメラなんですけどフォーカス(ピント)が1m・1.5m・3m・∞mの4段階しかないので植物や人物のアップ撮影でもしない限り殆どが∞mでの撮影なっちゃうんです。だから無限遠でのピントが合っていないと使い物にならなくなってしまうのかもしれません。

このEES-2似たような感じだなぁ~と思っていたカメラで『写ルンです』という使い捨てタイプのカメラがあります。

だったらEES-2と比較してみようかと思い『写ルンです』を分解してみましたら露出計もフォーカス機構もないんですよあのカメラは。シャッターとストロボがあるだけみたいな感じでした。

仕様を調べてみたら...。

シャッタースピードは1/140秒固定で

レンズは32mm F10

そして撮影可能距離(つまりピント)がなんと1m~∞mなんです!

このスペックならばASA400のフィルムと組み合わせれば露出計もフォーカスも無しでも大体の撮影はこなしてしまうんでしょうね。

発売開始が1986年とのことですからそれよりも24年前の1962年(EES・EES-2は1968年)に似たようなコンセプト(あくまで個人的な主観ですので実際は違うかも)で発売されていたのはすごいことだ思います。

 

映りの描写力や解像度の高さについても拡大して見ると良く判ります。

さすがTRIP35の種機(親機)だと思いました。

しかし上位機種となるペン D3と比較すると流石に若干劣ります。

 

今回のテスト撮影の結果から無限遠の調整方法はあの方法で合っていると判断できましたので他のゾーンフォーカスタイプのカメラを分解・修理する時でも無限遠のズレを恐れる必要が無くなります。それどころかレンジファインダーカメラや一眼レフカメラ用の各種レンズの無限遠の調整まで可能な事になるので幅い広く応用できることになります。

最初はダメダメでしたが結果はオーケーでした。

また、私自身がとても貴重な体験をすることができました。