オリンパスのペンEES-2です。

前回のテスト撮影では全てのコマのピントが全く合っておらず散々な結果でした。

そこで無限遠時のピントが合っていないのではとの疑念を抱き、見よう見まねというかネットの情報を頼りに自身で無限遠のピント調整をやってみました。

そして本日リベンジマッチとなる再びのテスト撮影を行いました。

果たして結果はどうなることやら…。

ドキドキと不安が止まりません。

 

 

今回使用したフィルムは FUJICOLOR のASA100です。

ASA400よりもASA100のフィルムを使う事によって少しでも被写界深度を浅く(F値を小さく)することで無限遠での画像力・解像度をシビアにして今回調整をしたレンズ本体の能力を検査できないかと思いました。

あと測距離用としてペンタックスSPを随伴させます。

 

 

まずはいつも部屋の窓からの撮影です。

もちろん無限遠での撮影です。

おお!今回は前回と全く違う!

かなり良い感じです。

 

 

ウォッ!

どちらも距離1.5m位での撮影ですがかなりシャープに映っています。

これぞTRIP35の種機(親機)としての描写力と言えるでしょう。

今回は各画像全ての容量を縮小していませんので拡大してご確認いただけるかと思います。

 

 

同じ場所で撮影してみました。

上の画像が無限遠調整後の今回撮影した画像です。

下が前回に撮影した画像です。

同じカメラで撮影したとは思えないほどの違いです。

 

 

こちらも上の画像が今回、下が前回です。

樹の針葉樹の葉の感じがしっかり表現されるようになりました!

ここまで違ってくると声をだして笑いだしてしまいたくなるほどの悦び・充実感が沸いてきます。

 

 

右は日陰での撮影だったため光量が少なくてシャッタースピードが1/30秒になってしまったようで手ブレが発生してボケたようです。

 

 

左はピントをわざと3mにして撮影してみました。

右は無限遠です。

やはりこのカメラもTRIP35同様懐が深い。

 

 

シャープさだけじゃなく発色も素晴らしい!

 

 

右側の画像ですが上が今回撮影、下が前回撮影です。

双方ともほぼほぼ同じ場所で無限遠で撮影したのですがすがもはや比較にもなりませんね。

 

 

クォリティが安定しています。

 

 

左はピントを1mにして撮影しました。

拡大して見ると梅の花の前部にしっかりとピントが合っています。

奥の梅の花がボケてしまっているようですね。

右は日陰で撮影してみたのですが、暗くても手ブレしなければしっかりと映りますね。

 

 

やはりTRIP35を彷彿させます。

 

 

試しに走っている電車を撮影してみましたが…。

1/250秒のシャッタースピードでは110km/hで走行している電車をキッチリ捕らえることができないようです。

京浜急行は横浜以南ではスピードが遅いと云われていますがトンネルの無い直線部では結構速いんです。

 

 

接近すると更に電車がボケてきます。

 

 

ここまで撮影してきて気付いたのですがこのように普通に撮影していると8割近くが無限遠での撮影になってしまっていました。

 

 

うん。安定していますね。

 

 

素晴らしい描写力です!

 

 

左は「絵馬」の文字にピント合わせ距離3mで撮影しましたが、それよりも奥の部分の描写もなかなかなものです。

右はピントを1mにして撮影したのですが、実際は1mよりも更に近付いていたようでピントが合いませんでした。

接写モドキみたいな近接撮影はこのカメラは得意でないのかもしれません。

 

 

左の画像なんですけど…。

拡大して見ると字が全て読めます。

ハーフカメラでこの解像力はすごいと思います。

 

 

 

左の画像ですが手前から奥までしっかりとピントが合っています。

これも無限遠での撮影になります。

 

 

この二つの画像なんですが

左が手前の「ニャンコ先生」にピント合わせて(1.5m)撮影

右は干してある布団の手前にピントをあわせて(3m)撮影しています。

拡大するとその違いが判ります。

 

 

前回テスト撮影をした時にはあまりのピンボケに漫才のボケにもならんわと茫然自失となりました。

そして無限遠の調整していた時は「本当にこの方法でピントが合うようになるのかな?」と半信半疑でしたが今回のテスト撮影の結果を見てみて無限遠の調整方法は間違っていなかったと確信できました。

まさかここまで改善できるとは!

100点満点で100%ピントが合っているかどうかと聞かれるとYesとは答えられませんが、実用の範囲ではこれでO.K.だと思います。

 

あと、このカメラなんですけどフォーカス(ピント)が1m・1.5m・3m・∞mの4段階しかないので植物や人物のアップ撮影でもしない限り殆どが∞mでの撮影なっちゃうんです。だから無限遠でのピントが合っていないと使い物にならなくなってしまうのかもしれません。

このEES-2似たような感じだなぁ~と思っていたカメラで『写ルンです』という使い捨てタイプのカメラがあります。

だったらEES-2と比較してみようかと思い『写ルンです』を分解してみましたら露出計もフォーカス機構もないんですよあのカメラは。シャッターとストロボがあるだけみたいな感じでした。

仕様を調べてみたら...。

シャッタースピードは1/140秒固定で

レンズは32mm F10

そして撮影可能距離(つまりピント)がなんと1m~∞mなんです!

このスペックならばASA400のフィルムと組み合わせれば露出計もフォーカスも無しでも大体の撮影はこなしてしまうんでしょうね。

発売開始が1986年とのことですからそれよりも24年前の1962年(EES・EES-2は1968年)に似たようなコンセプト(あくまで個人的な主観ですので実際は違うかも)で発売されていたのはすごいことだ思います。

 

映りの描写力や解像度の高さについても拡大して見ると良く判ります。

さすがTRIP35の種機(親機)だと思いました。

しかし上位機種となるペン D3と比較すると流石に若干劣ります。

 

今回のテスト撮影の結果から無限遠の調整方法はあの方法で合っていると判断できましたので他のゾーンフォーカスタイプのカメラを分解・修理する時でも無限遠のズレを恐れる必要が無くなります。それどころかレンジファインダーカメラや一眼レフカメラ用の各種レンズの無限遠の調整まで可能な事になるので幅い広く応用できることになります。

最初はダメダメでしたが結果はオーケーでした。

また、私自身がとても貴重な体験をすることができました。