中央大学附属杉並高校(以降、中杉)の国語は、5つの大問で構成されている。1⃣漢字、2⃣資料読解、3⃣古文、4⃣要約、5⃣論説というのが、基本的な構成である。1⃣漢字問題は何度は標準だが、年度によってはだいぶ厳しいものもある。2⃣資料読解に関しては、語の係り受けや、文解釈の問題が出ることもある。古文、要約、論説はオーソドックスな出題だが、まず直近三年分の出典から確認しておこう。
2023年 3⃣『半日閑話』 4⃣加本宏邦「そして観光のまなざしだけが残った」 5⃣筒井清輝『人権の国家』
2024年 3⃣『北遊記』 4⃣学校作成 5⃣貫成人『哲学マップ』
2025年 3⃣『今昔拾遺物語』 4⃣梅澤祐介『民主主義を疑ってみる』 5⃣村上陽一郎「科学教育と科学史」
古文に関しては、決まって江戸期の出典が採用されるのだが、これは何か意図があるのだろうか。文章自体は読みやすく、話も短いため、ここは得点源にしたいところである。4⃣の要約文は、中大杉並国語特有の問題である。本文を200字で要約するわけだが、条件として①三文で構成し、②…しかし、…つまり…の形式で書くことである。数年前までは、本文中の「しかし」という言葉を起点に前後内容を掘り起こせばよかったのだが、ここ二、三年の要約問題を見ると、傾向が変わっている。つまり、本文中の接続詞を見つけて機械的に解くのではなく、もっと文章内容の構造を理解してまとめあげる必要があるのだ。あきらかに知的レベルがワンランク上がっており、中大杉並を受験する生徒は、このことを必ず頭に置いて過去問演習をこなしていく必要があるだろう。5⃣の論説は、おそらく一番配点が大きいと思われるので、ここでの立て続けのミスは不合格の大きな要因となる。出典を見ても明らかなように、岩波新書やちくま新書といった一般書から出題されており、本文レベルで言えば難関トップ校にも引けを取らない。設問は抜き出しと選択肢が主にであり、設問と文章の対応関係や言い換え表現に丁寧に着目できれば、正当はそれほど難しくない。しかし、それはあくまでも文章を読めていればの話であり、表層的な読みではとても太刀打ちできない。
さて、中杉国語の合格点をクリアするためには、どういう対策が有効だろうか。まず配点の大きい5⃣論説の対策をしっかりすることが肝要だ。それなりに生硬な文章が出てくるため、過去問演習だけでは不十分で、このレベルの文章を日頃から読む訓練を積んでおくべきである。たとえば岩波新書や中公新著を一日三〇頁という具合に目安を決めて、通学時間や隙間時間を利用して勉強すればいい。4⃣要約に関しては、さきほども述べたように、近年は難度がワンランクあがっている。要約に関しては問題集の模範解答にもいい加減なものがあるから、可能であれば、信頼できる先生に添削をお願いするのがいいだろう。私も教え子に中杉を受験する子がいたので、要約だけは毎回添削をしていた。そして1⃣漢字問題は侮れない。年度によってはかなり難しいのも出る。2026年では、「多孔」の書き取り問題があった。おそらく正答者は1%くらいだろう。漢字は10問出題されるので意外と差が付く。意識的な漢字学習を取り入れていくべきである。最後に解く順番であるが、最終的に個人の判断で決めたらいいと思うが、私個人としては、1⃣漢字→3⃣古文→4⃣要約→5⃣論説→2⃣資料読解の順番がいいと思う。2⃣資料読解は設問自体がバラエティに富み、対策が立てにくし、時間がなくて焦って速読みになっても、まあどうにかなる。逆に古文や論説のような得点源の大問には充分な時間を割かねばならない。声の教育社のスーパー過去問では、推薦入試と帰国生入試の問題も載っているから、時間があればそれも解くとよかろう。








