ぼくらは虚空に夜を視る 著:上遠野浩平

上遠野浩平:著
徳間書店 ISBN:4-19-905002-7
2000年8月発行 定価620円(税込)

徳間デュアル文庫から出ているSFもの。
普通の高校生だった主人公が、突然、空のはるか彼方・宇宙の真っ只中で戦争をするハメになるというお話。彼が普通に歩んできた人生、高校生活を営んでいる“現実世界”の方が…実は作られた虚像の世界であるという…マトリックスの二番煎じな物語ではある。
まぁ、SFの専門用語は何言ってるのかわからない部分もあるので、サラ~と読んじゃいました(笑)別に難しく考えることはないなと…。頭の中で“マトリックス”+“メガゾーン23”な世界観じゃないかと、勝手にイメージして読み進めていくと、サラサラと読めました。
半年くらい前に、BOOKOFFの50円セールで入手したもので、こつこつと同シリーズを3冊目まで集めたので、一気に読んでみる気になった。続いて「わたしは虚夢を月に聴く」という作品を読んでみるつもりだ。
個人的採点:60点
今日の105円GET
西澤保彦「異邦人」集英社2001年10月発行 定価1680円(税込)
中島望「人形はひとりぼっち」富士見書房2004年2月 定価567円(税込)
「日本オタク大賞2004」扶桑社 2004年03月 定価1,600円(税込)
岡田斗司や唐沢俊一などが選んだ、オタク大賞…大賞はガンダムSEED…。
狼の寓話 南方署強行犯係 著:近藤史恵

近藤史恵:著
徳間書店 ISBN:4-19-850614-0
2003年10月発行 定価860円(税込)

近藤史恵の作品を読むのは2冊目だ。過去に「青葉の頃は終わった」といミステリータッチの青春ものを読んだことがあるのだが、今回は本格的な警察ミステリー。裏表紙には、推理作家の有栖川有栖の推薦文が載ってるのが…購入の動機でもある。
刑事課に配属されたばかりの新人刑事が、ホステス殺しの初現場で大ドジをかましてしまう。被害者の死体と対面して失神したり、鑑識が見つけた証拠品をシャワーの水で流してしまったり…。この事件の担当を外されて…捜査課のお荷物、偏屈な女性刑事が一人で担当している、旦那殺しの妻の行方を捜すという、地味な捜査にまわされてしまうのだが…。
新人刑事がドジを踏むなんて出だしは、この間読んだ「眼球蒐集家」という作品に似ていた。章ごとの冒頭に挿入される…奇妙な童話が、事件の謎を解く鍵となっている。
女性作家らしい視点で、DV(ドメスティックバイオレンス)を絡めてくるなど、テーマは意外とシビア。大阪を舞台にしているので、キャラクターは意外とユーモラスに描かれている。
個人的採点:65点
ハッとしてトリック! 著:鯨統一郎

鯨統一郎:著
中央公論新社 ISBN:4-12-500845-0
2004年04月発行 定価945円(税込)

表紙の色っぽいおねーさんのイラストが気になって買ってしまった(笑)実名のサッカーチームや選手の名前も登場する、Jリーグを舞台にした推理小説…。
安東大吾というJリーガーが、皇居外苑にある、楠木正成の銅像にまたがり爆死した。警察は他殺と自殺の両面から捜査を始める…。現場に居合わせた美人雑誌記者は、同僚の男性記者と事件を追い始めるのだが…第二、第三の事件が続く。
もちろん、事件に遭遇する被害者や容疑者たちは、架空の人物だったが…作品の中にサッカー選手やチームの実名を使いリアリティを出している。キャラクターの会話などはコミカルなやり取りが多かったので、バカミスの類かなと思ったのだが…ちゃんと推理小説として、最後は綺麗にシュートを決めました。
ウーン、最初の方で違和感を感じていたので、犯人はうすうす分かっていたのだが…予想が当たってよかったです。この調子でTOTOも当てたいですね(笑)
ただ、そんなにサッカーが好きって程でもないので、専門用語の羅列や…サッカーに関するミニ知識の多さが、気になった(作者がよっぽどサッカー好きなんだなって伝わってきますが…)。サッカーフリークの人なら、かなり楽しめるのではないでしょうか?
個人的採点:65点
攻殻機動隊2 STAR SEED 著:遠藤明範

遠藤明範:著 士郎正宗:原作
講談社 ISBN:4-06-324327-3
1998年01月発行 定価798円(税込)

先日、読んだ「攻殻機動隊 灼熱の都市」と一緒に購入した、遠藤明範版の攻殻小説の続編。今回も原作やアニメとは全く違うオリジナルストーリー。使用されているイラストは全て、過去にプレイステーションで発売されたゲームのアニメ画面からの転用。
宇宙にある宇宙工場が、テロリストたちに占拠されてしまったとの知らせを受け…公安9課、攻殻機動隊のメンバーがフチコマを伴なってスペースシャトルで宇宙まで乗り込んでいく。人質救出ミッションに同行する航空自衛隊隊員の不穏な行動…テロと何か関係があるのか?
自分が抱いている攻殻機動隊といイメージからかけ離れた作品だった。「ガンダム」…いや、「プラネテス」のよなノリの展開とでもいったらいいだろうか。1巻目の灼熱の都市同様に、多分攻殻を知らない人でも…単純なSFアクションものとして楽しめるような作品にはなっていると思う。
この本も、やはり絶版扱いで入手困難(灼熱の都市よりも見つけにくいらしい)。復刊ドットコム で、リクエストの投票が行われているが、票数はあまり集まっていないようなので、復刊の望みは薄そうな感じだが…気長に待ちましょう。
個人的採点:60点
こちトラ自腹じゃ 著:井筒和幸

井筒和幸:著
ワニマガジン社 ISBN:4-89829-864-8
2002年11月発行 定価1,680円(税込)

もうじき、第二弾が発売になるらしいのだが…深夜番組「虎乃門」の人気映画批評コーナー、“井筒和幸のこちトラ自腹じゃ”を単行本化したもの。2002年に発行された本なので、とりあげられる映画はちょっと古いが…井筒和幸の毒舌も活字で読むと、また格別です。
意外とジョニー・デップが大好きな井筒監督…最近もジョニデ作品は、わりと高評価が多いのだが…この本に収録されている「ショコラ」や「ブロウ」もかなり誉めている。こと、「ブロウ」に関しては、珍しく5点満点で、ベタ誉め。確かに、この映画は面白かった…(自分はペネロペ・クルスが嫌いだが)。
オンエアーを毎回見ているので、覚えているものもたくさんあった。収録されている作品は、一応自分も全部見ているので…あっ、井筒さんと同じ感想だと納得したり、自分の好きな映画をこてんぱに貶されて、“このクソオヤジ、何ぬかしてんねん!”って思ったり…けっこう楽しめます。
これを読みながら、ハリウッド大作映画を見直すのもいいものだ。
12月発売の第二弾、定価で買うか…数年待って、105円で探すか…迷うところです(笑)
個人的採点:75点
今日の105円GET
近藤史恵「狼の寓話 南方署強行犯係」徳間書店 2003年10月発行 定価860円
攻殻機動隊 灼熱の都市 著:遠藤明範

遠藤明範:著 士郎正宗:原作
講談社 ISBN:4-06-324309-5
1995年11月発行 定価795円(税込)

この本は過去に何度か購入したことがあるのですが(もちろん100円コーナーで)、実は絶版になっている貴重な本で、攻殻機動隊のTVアニメ化やイノセンスの公開で、希少価値が急に騰がった時期があり、そうい時に某ネットオークションに出品しちゃったりして、お小遣い稼ぎに転用してしまったため、今回初めて読みました。
劇場1作目のイラストや劇中写真が使われているので、てっきり劇場版のノベライズかと勘違いしていましたが…全くのオリジナルストーリー。犯罪組織を牛耳っているのではないかと疑われている、大企業の幹部を内定中の公安9課のメンバー…彼を探っていくうちに、衛星兵器による海上都市ニューポートシティを標的としたテロ事件が企てられていることを嗅ぎつける。公安9課のメンバーは事件を未然に防ぐことができるのか?
攻殻機動隊といえば、原作やアニメの他にも…TVシリーズの脚本家が書いた小説や、SF・推理作家の山田正紀氏が書いた「イノセンス」のノベライズ(前日談)を読んできたのだが…それらに比べて、攻殻機動隊という作品を知らなくても、軽い気持ちで読める読み物になっていた。はっきりいって、ちょっと物足りない気が…。
他の作品では…無敵のスーパーガール的ヒロイン、全身義体(サイボーグ)の少佐こと草薙素子が…けっこう人間臭く描かれているのが面白い。わりと原作に近いのかもしれない。
残念ながら絶版中の本書。古本屋やネットオークションで探しましょう。または、復刊ドットコム への投票なども、いいかもしれませんね…。
個人的採点:65点
インストール 著:綿矢りさ

綿矢りさ:著
河出書房新社 ISBN:4-309-01437-2
2001年11月発行 1,050円(税込)

もうすぐ上戸彩主演の同名タイトルの映画が公開になる「インストール」。いつものように105円で見つけたので、映画を観に行く前に読んでみるかと、今さらながら、手にしてみた。マスコミで話題になるだけあって、カバーの折り返し部分に載っている著者の写真…下手なアイドルより可愛い(笑)さすが現役女子高生(当時)。
登校拒否の女子高生が、小学生の男の子と、押し入れでエロチャットのバイトをするというお話。さすが、3年も前のコンピューターの話だと、今読むと話題がちょっと古く感じるかな。
今時の子供や学生たちの感性がよく描けているとは思うが、一回り近く上の世代の人間が読むと、物語としては物足りなさを感じる。本が苦手な人でも、1時間程度でサーっと読めてしまうので、話題の文芸書を読んだって気分になるには最適かと…。
これを、どう映画として料理しているか、映画版の出来にちょっと興味あり。劇中、上戸彩が、子役に乳を揉まれるシーンがある なんてマスコミで報道されてたが、原作にはそんなシーンなかったなぁ。上戸彩が、原作と同じようなセリフを喋るとなると…オジサン世代はちょっと興奮しちゃうかも(笑)
個人的採点:60点
今日の105円GET
田中啓文「鬼の探偵小説」講談社 2001年8月発行 定価819円(税込)
夏見正隆「たたかう!ニュースキャスターⅡ B型暗殺教団事件」朝日ソノラマ 2003年11月発行 定価1050円
本日も2冊で105円だったので、思わず衝動買い。同じ店でも、キャンペーンやってるときなどは毎日、補充しているので、昨日なかった本がたくさん追加されてることがある。また積読本が増えていく…。
強奪 箱根駅伝 著:安東能明

安東能明:著
新潮社 ISBN:4-10-402703-0
2003年10月発行 定価1,995円(税込)

昨日、読み終わっていたのだが、文章をまとめる時間がなくなってしまった。
箱根駅伝の本番を控えた年末に、神奈川大学の駅伝チーム、女子マネージャーが何者かに拉致されてしまう。犯人はTV局の放送電波をジャックし…人質の女性の映像を送ってくる…。犯人の要求は、ある選手を駅伝の本番に出場させないことという奇妙なものだった…。TV局と、警察をも手玉に取り…次々と無理な要求をしてくる犯人の正体と真の狙いは…?
スポーツの感動とミステリーを見事にシンクロさせた、なかなかの力作。大学の名前も実名だし、TV局も、実際に駅伝の放送をする日本テレビが使われているので、かなりリアリティがある。また、自分も湘南近辺に住んでいるので…馴染み深い地名ばかり登場するのが、余計に作品に入り込みやすかったのだろう。
これをお金をかけて映像にしたら、面白いものができるんじゃないだろうか?なんて思いながら読んでました。
個人的採点:80点
今日の105円GET
蘇部健一「届かぬ想い」講談社 2004年4月発行 定価777円(税込)
浜田文人「KOKUZOKU 公安捜査」角川春樹事務所 2003年8月 定価940円(税込)
今日はキャンペーンで、100円コーナーの本が2冊で105円で買えた!?
昨日の105円GET
中島望「牙の領域」講談社 2000年12月発行 定価945円(税込)
浦賀和宏「眠りの牢獄」講談社 2001年5月発行 定価756円(税込)
浦賀和宏「透明人間 UBIQUITY」講談社 2003年10月発行 定価1,155円(税込)
読書中:強奪 箱根駅伝 その2
「強奪 箱根駅伝」はなかなか面白いのだが、まだ半分くらい。ここ数日、読む暇がなく、先に進まない。
今日の105円GET
福井晴敏「川の深さは」講談社 2000年08月発行 定価1,680円(税込)
アンソロジー「エロティシズム12幻想」エニックス 2000年2月発行 定価1,500円(税込)
エロ~は京極夏彦や竹本健治など人気作家が多数参加した官能小説のアンソロジー。ちょっと面白そう。
どちらも既に文庫化されているようだが…なるべく本はハードカバーで集めているので(笑)それに、古本屋では文庫本よりもハードカバーの方が、安く買えるし…。持ち運びのよさや、収納の関係で、文庫本の方が人気があるのは理解できるけど、自分の場合は、ハードカバーや新書サイズのノベルズじゃないと本を読んだ気がしない(笑)もちろん文庫のみのものは仕方がなく文庫で買っているが…。最近は文庫の定価も高くなり、下手すると新書と100円程度しか変わらないものもあるから不思議だ。
今日の105円GET
福井晴敏「川の深さは」講談社 2000年08月発行 定価1,680円(税込)
アンソロジー「エロティシズム12幻想」エニックス 2000年2月発行 定価1,500円(税込)
エロ~は京極夏彦や竹本健治など人気作家が多数参加した官能小説のアンソロジー。ちょっと面白そう。
どちらも既に文庫化されているようだが…なるべく本はハードカバーで集めているので(笑)それに、古本屋では文庫本よりもハードカバーの方が、安く買えるし…。持ち運びのよさや、収納の関係で、文庫本の方が人気があるのは理解できるけど、自分の場合は、ハードカバーや新書サイズのノベルズじゃないと本を読んだ気がしない(笑)もちろん文庫のみのものは仕方がなく文庫で買っているが…。最近は文庫の定価も高くなり、下手すると新書と100円程度しか変わらないものもあるから不思議だ。
読書中:強奪 箱根駅伝
安東能明の「強奪 箱根駅伝」というハードカバーを読み始めたのだが、まだ3分の1も読めていないので…詳しい書評は読後に書く。文字通り、お正月の名物行事である、箱根駅伝を舞台にしたサスペンス小説だ。まだ事件が始まったばかりなので、後半の予想すらできない状態…早く続きを読みたい。

著者: 安東 能明
タイトル: 強奪 箱根駅伝
今日の105円GET
森奈津子「からくりアンモラル」2004年4月発行 定価1,680円(税込)
ハヤカワSFシリーズ Jコレクションの1冊…このシリーズはかなり買いだめしているが、まだあまり読んでいない(^^ゞ

著者: 安東 能明
タイトル: 強奪 箱根駅伝
今日の105円GET
森奈津子「からくりアンモラル」2004年4月発行 定価1,680円(税込)
ハヤカワSFシリーズ Jコレクションの1冊…このシリーズはかなり買いだめしているが、まだあまり読んでいない(^^ゞ