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シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

ASTRO Berlin Macro Gauss Tachar 40mm F2というレンズを知人から借りて使ってみた。


Arriflex スタンダードマウントだが巨大な鏡胴だ!!



ヘリコイドが一回転半して17cmまで寄ることが出来る。

ASTRO Berlinはその名のとおり天体望遠鏡の製造から光学レンズの製造に参入したブランドだ。

超望遠のFernbildlinse( ファーンビルトリンゼ)シリーズは第二次大戦中大いに活躍し、望遠レンズのブランドというイメージが強い。

ムービーレンズやテレビレンズの生産も多くスピーディックタイプのPan-Tachar/パンタッカー、ガウスタイプのGauss-TacharやTV-Tacharなどが有名である。

このレンズはGauss-Tacharのマクロ版でかなりレアだ。











一目見て繊細な線とシャープな写りの虜になった。

一目惚れというやつである。

繊細な線と解像力。そしてどこまでもきれいなボケ。マクロスイターをはじめて使った時の衝撃を思い出した。マクロスイターのとろけるボケとは少し違うが同じ次元の写りだと思う。ドイツレンズとしては珍しい線の細い写りはとても魅力的だ。

そして驚くべきは

近距離も

高解像力

遠距離も

高解像力

なんと全域で高解像力なのだ。
ヘリコイドのトルクが途中で変化するのでフローティングシステムが入っているのかも知れない。ZDFという表記に秘密があると思われる。
遠距離でフルサイズだとややけられるのがたまにきずであるが、APS-Cであれば問題なく使える。

Arriflex STDマウントなのでおそらく1960年代のレンズだと思うが、当時としては最先端のレンズであったと思う。

完全にこのレンズの虜になってしまった。
僕のレンズラインナップに是非加えたいレンズである。







最近文章をしっかり書かなければというプレッシャーを勝手に感じ更新が滞りがちだったブログですが、最近吹っ切れました。書きたいことを書きなぐります。自由が一番な気がする最近です。



でいきなり変なタイトルですみません。
FUJINON 55mm F2.2の何がそう言わしめたのかというと構成です!!
ご指摘があり再度検証をした結果ご指摘どおり構成図が左右反転しておりました。
ご指摘より長らく放置してしまったのですが最近この誤った情報が拡散してしまっており修正させていただきます。大変申し訳ございませんでした。
ではなく正確には、


でした。左側がレンズ前面になります。
なんとこのレンズもエルノスタータイプの構成です!!




元祖エルノスターではなく。


 スピーディック型。スピーディックは1924年にテイラーホブソンのH.Wリーによって発明されました。リーはルドルフのダブルガウス「プラナー」を「オピック」として復活させた設計者です。スピーディックは同じくテイラーホブソン社で制作されたCooke Tripletの進化版でトリプレットをより明るくしつつ曲面を増やし収差を抑えるために三群の凸レンズを分割して2枚に増やしています。

上記2本に比べてずいぶんずんぐりむっくりしてますが、エルノスタータイプです!!
肉厚エルノスターとでも言いましょうか。


エルノスターはトリプレットを明るくするために誕生した派生型ですが、バランスは決してよくなかった。
凸レンズ過多のレンズ設計はいわゆる超攻撃型設計で周辺部の性能が極端に悪かったが当時は硝材の屈折率が低かったので凸レンズで無理やりパワーを稼ぐ必要があった。
スピーディックはトリプレットをより明るくするために設計されたが必ずしも成功したとは言いがたい。エルノスターがソナーに進化したのに対しスピーディックは時代に取り残される形になってしまった。そのごライツクセノンなどのガウスをより明るくするために最終面を分割する方法がとられるようになり、現在でもガウスのスタンダードな形として残っている。この最終面の分割にスーピーディックの面影が残っている。

FUJINON 55mm F2.2にスピーディック型が採用されているのは非常に興味深い。絶滅したと思われていた構成がブラッシュアップされてさらにマルチコートまでされて現存していたのだ。オリジナルのスピーディックを手に入れることは現在ではかなり難易度が高い、アストロベルリンなどでスピーディック構成をタッカー(タハー)として販売していたが、こちらも現在ではかなり高価である。手頃な価格で楽しめるスピーディックレンズは非常に稀有な存在なのだ。


FUJINON 55mm F2.2が登場した1970年代にはガラスもコーティングも成熟期にあり硝材も十分な屈折力を持つようになってきた。そのためPrakuticarや」Fujinonでは全体の曲率を緩和させて第2郡の正パワーを小さくすることにより収差を縮小させるバランス型にシフトした。

上記3本のレンズの中でもFUJINONの曲率は一番小さくなっている。f値を2.2に設定したのはテッサータイプに対してアドバンテージをとるためだと思われる。

とはいえガウスなどの高次収差補正レンズやテッサーのような優等生には写りの面でかなわない。
にもかかわらずこのレンズがラインナップに入ったのは理由がある。それは圧倒的な生産コストの安さである。張りあわせがない4枚玉で口径も小さい。それでいて適度にぼけるので入門用のキットレンズにはもってこいだったのであろう。
低コスト化の跡はレンズの銘盤を外せばすぐわかる。1枚目のレンズも取れてしまうからだ。1枚目のレンズはプラスチックの銘盤で止まっているのだ。普通のレンズでは考えられない仕様である。

さてこのレンズの描写はというと構成からわかるとおり典型的なバブルボケである。
ただ残念なのは開放での描写がゆるいため開放だと使い物にならない点である。しかしF2.8まで絞るとシャープな写りに豹変する。F4あたりのシャープネスはかなり高い。はじめからF2.8の開放値で発売されていればと悔やまれる。


開放f2.2

拡大

f4

拡大
F4では背景に絞り型が出てしまう。


f2.8

f4

f2.8

f2.8

f2.8
試写をした結果十分な写りをすることがわかる。適度にボケ、十分にシャープ。
写りの個性も申し分ない。遊べるレンズである。

開放でのハレーション。虹出てます!

F4まで絞れば逆光でも平気

開放寄りでの描写は水彩画みたいです!!



レンズ外観です。鏡胴はアルミ、ピントリングは樹脂製。

最短撮影距離:60cm
絞り枚数:5枚
4郡4枚
マウント:M42




2色のコーティングが確認できます。EBCではないですが初期のマルチコートではないかと思います。

廉価版のキットレンズとして誕生したこのレンズも稀有な設計のおかげで遊べるオールドレンズになってます。格安の今が買いどきなレンズのひとつです。

間違いをご指摘していただいた方本当にありがとうございます。
修正が遅くなってしまい誤った情報が広まってしまい申し訳ございませんでした。
このブログを見てレンズを購入された方にもご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした。
しかしスピーディック型のレンズは本当に貴重なのでレンズ自体の価値は全く変わらないと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。(2018.0927)
 








ただいま原宿のデザインフェスタギャラリ-1Fでオールドレンズ写真学校写真展を開催しています。





僕が月一で開催しているオールドレンズ写真学校の参加者の写真展です。

僕も少し出展してます。







お近くにお越しの際には少しよってみてください。6月24日の午後7時までです。

デザインフェスタギャラリー
こぼれ話の第2弾はカメラケースの話です。わたくし何を隠そうカメラの外観にはあまり興味を払わず生きてきました。レンズのカッコ良さに惹かれる事はあっ
てもアクセサリーは必要最低限の機能があって安い方を選ぶ。そんな選択をしてきたのですが、ある雑誌の企画でカメラケースを扱って180°考え方が変わり
ました。

今回はカメラファン本編でも使わせていただいた『Recoil/リコイル』さんのカメラケースについて書きます。
ある雑誌でカスタムカメラページのディレクションを頼まれた。テーマはワンオフ。自分専用のカメラを作ろうという企画だ。その雑誌はポルシェやフェラーリ
などのスーパーカーをカスタムしてしまうという車雑誌界でももっとも勢いのある雑誌。それだけに生半可なものでは読者は納得してくれない。そこでお願いし
たのがリコイルさんのカメラケースだった。

以前よりネットなどで見て知っていたが面識はなかった。飛び込みで連絡をしたところ快く企画に賛同していただいた。そして後日カメラケースとストラップが届いた。
手にしてみて驚いた。こんなカメラケースやストラップがあったなんて。

そのケースはカメラに吸い付くようにフィットした。そしてなんといってもケースを装着したままバッテリーやSDカードを交換できるそのギミックに驚いた。そしてそんな機能を感じさないスマートな見た目に高い美的感覚を感じた。


今回カメラファンでも登場したカメラケース。リコイルさんに特別に作っていただいた。
(リコイルオーナー松尾氏製作/プロフェッショナルユース仕様の非売品)


リコイルさんのカメラケースでもっとも特筆すべきは革と表面処理へのこだわり。僕のケースに使われている革はイタリア、モンタナ社製のデッドストックのもの。モンタナ社は化学物質を使わないベジタブル・タンニングの権威である。昔ながらのタンニンなめしは手間ひまがかかる為通常の革の倍以上の価格であるが、その手になじむ感じと独特の風合いが特徴である。その革をポリッシュコートで仕上げてある。控えめながらも艶のある仕上がりになっている。


RecoilのE-P3ケースの真骨頂といえばケースを外さずに電池やSDカードの交換が出来るこのつくりだ。


ホック部分に使われているのはイタリア、フィオッキ社のブラスホック。
高級バックなどにも使われているホックで使い慣れたホックのような絶妙な使い心地が特徴である。
ケースのフィット感がよくわかる。カメラに吸い付いているようだ。


ディスプレーの突起にぴったり高さをあわせてある。この細やかなつくりがスムースな手触りを生む。


ケースの蝶番が出っ張ってしまうため全体を少し底上げして三脚の使用に対応している。
底の部分の美しい仕上げがわかる。


内張りが細部まで仕上げられているのがよくわかる。ちなみにこの内張りとステッチの色はケース注文時に選ぶことが出来る。
そしてこの断面をみて気づくがこのケース少し底上げをしている。その理由は次の写真を見るとよくわかる。


底上げした部分に小指がかかっているのがわかる。大人の男性の手にはE-P3は少し小さい。ケースの底上げによってグリップが飛躍的に向上するのだ。
僕はこのケースを使い始めて手振れがかなり減った。外観だけではなく実用性も兼ね備えている。

実はこの底上げ部分、革靴を作るのと同じ手法で作られている。芯に使われているのは革靴用の硬い皮なのだ。芯の部分は外から見えないため使いやすい素材を使うことも出来る。しかしあえて革靴と同じ作り方で作るところに製作者のこだわりがある。

recoilの革ケースの最大の特徴は始めて使うのに手にしっかりなじむことだ。通常新品の革製品は独特の角の立った感じがあって手にしたときに硬い部分
が気になることが多い。誰しも店頭で『使い込むうちになじんできます』という店員の台詞を聞いたことががあるだろう。しかしRecoilのケースははじめから何年も使い込んだもの特有の
やわらかさを持っている。これは作り手のこだわりに他ならない。

革のセレクト、作り、パーツ一つ一つのセレクト、仕上げ、そのどれかひとつでも手を抜いたらこの仕上がりにはならないと思う。このケースには長年現場をともにした相棒のような安心感がある。
単に外観を飾るアクセサリーではなく実用を兼ね備えた道具。
革製品が太古も昔から担ってきた役割である。

革靴の製法をかたくなに守る製作者のスタンスは本来の革製品のあり方を熟知しているが故なのだと実感させられる。

recoil/リコイル http://www.recoil-ms.com/


CAMERA fan 掲載ページ
収差レンズの可能性~Meyer Optik Primoplan 58mm F1.9/PENTACON Prakticar 50mm F2.4/旭光学 Takumar 58mm f2.4









2015.05.18 PRAKTICAR50mmF2.4のレンズ構成図を修正させていただきました。

先週またカメラファンに掲載させてもらいました。
記事を扱っていただくのは4回目になります。
今回はエルノスターとオクシン型の構成を扱いました。

収差レンズの可能性~Meyer Optik Primoplan 58mm F1.9/PENTACON Prakticar 50mm F2.4/旭光学 Takumar 58mm f2.4

この中で扱いきれなかったことを書いてみます。

トリプレットの誕生は1893年で生みの親はCooke社のデニステーラーでした。


同時代はカールツアイスのエルンストアッベとショット社のショットにより新ガラスが発明された頃でCarlzeissから発売されたアナスティグマットレンズが市場を席巻していた。
これらは対称型が多く最低でも4枚多い物になると10枚以上のレンズを持ち合わせたモンスターレンズも現れた。そんな時代にあってザイデルの5収差(球面収差、コマ収差、非点収差、象面湾曲、歪曲収差)をたった3枚で写真に必要な最低限補正できるトリプレットの登場はセンセーショナルだったに違いない。
そもそもアナスティグマット(非点収差補正レンズ)は非点収差を悪としそれを補正することに主眼をおいたレンズです。一方トリプレットは収差を許容しどの収差をどれくらい補正すれば撮影に支障なく使用できるかを突き詰めたレンズになります。
トリプレットは光路計算をせずペンディングで何度もレンズを組んでは測定を繰り返して作られたと言われています。だから光学の中にこの位だったら許容できるという感覚的な要素が取り込めたのだと思います。

トリプレットの誕生以降数多くの亜種が生まれます。そのひとつがエルノスターです。

トリプレットを明るくする方法としてテーラーホブソン社のH.W.リーが取り組んだ方法がスピーディック型でした。これはトリプレットの後ろに凸レンズを足して正のパワーを増大させ明るくするという方法です。ちなみにH.W.リーは後にOPICやSpeedpanchroの設計を手がけるレンズ設計者である。

エルネマン社のルードビッヒ・ベルテレはリーとは逆の方法でトリプレットを明るくするアプローチをする。それはトリプレットの前側に凸レンズを足すのである。そして出来たのがエルノスターである。エルノスターは凸レンズを3枚凹レンズを1枚という超攻撃的な設計である。(これはスピーディックも同じであるが。)それゆえ明るさは達成するが同時にいろいろな収差の増大を抱えることとなる。とはいえトリプレットという絶妙なバランスの設計のおかげで何とか持ちこたえる。ベルテレはさらに改良を加えエルノスターをブラッシュアップしていくそれが後のゾナーへとつながる。

今回カメラファンで紹介させていただいたレンズのうち2本はこのエルノスター型である。






これらのレンズはそれぞれ違う経緯で設計された。
PrimoplanはF2よりも明るくするためPrakticarは生産コストを抑えるためだ。
Primoplanはエキサクタ用のレンズであるが、エキサクタの標準レンズはF2ばかりであった。エキサクタは一眼レフになるのでフランジバックが長い。このフランジバックに対応できるガウスタイプでは当時F2が明るさの限界点であった。F2より明るく一眼レフの長いフランジバックに対応するにはエルノスター型を選択するより方法がなかった。ちなみにPrimoplanの登場は1937年であるがLeitzXenon5cmF1.5(1936)もSonnar5cmF1.5(1932)もレンジファインダー用である。
一方プラクチカール50mm F2.4はプラクチカの廉価版レンズとして設計された。トリプレットより高性能でテッサーより生産コストがかからないレンズである。この時代のカメラは日本製のカメラとの深刻な価格競争に直面していた。大量生産による徹底的な低価格化、高性能化を達成していた日本のカメラが世界中のカメラメーカーを淘汰していた時代にあって低価格化は世界中のカメラメーカーが取り組まざるを得ない至上課題であった。しかし控えめな開放値のおかげでかなり実用性の高いレンズに仕上がっている。エルノスター型の崩壊ボケがテッサー型よりも叙情的なボケを醸し出している。それでいて張り合わせのない4枚レンズなのでかなりの生産性があったと思われる。

トリプレットの派生にはもうひとつのベクトルが存在する。それがトリプレットの凸レンズを色消しにする設計である。これらの多くはあまり芳しい結果を生まなかったようだ。その中で一定の結果を出した代表格はヘリアーやヘクトールである。またツアイスは否定しているがテッサーもこのジャンルに入ると思われる。しかしテッサーはあまりにも成功し何世代にも渡って作られた為に比較が難しく今回は扱わない。
異色なのが、ヘリアーの生みの親ハンス・ハーディングがヘリアーの兄弟として設計したのがオクシンである。
オリジナルのオクシンはF9の製版用レンズであるがそのオクシンと同じ構成を持っているのが旭光学のTakumar58mmF2.4である。標準レンズでオクシン型を採用したレンズを他に見た事がない。またこのレンズがこの構成を採用した理由も分からない。




ただとても珍しい構成なのは確かである。
日本初の一眼レフであるアサヒフレックスの標準レンズである為、旭光学としても試行錯誤の末の選択だと思われる。

これら過渡期のレンズ構成にはメーカーのいろいろな物語が読み取れて面白い!

各レンズの試写はカメラファンのサイトにあるのでこちらをご覧いただけると嬉しいです。

収差レンズの可能性~Meyer Optik Primoplan 58mm F1.9/PENTACON Prakticar 50mm F2.4/旭光学 Takumar 58mm f2.4

この度『カメラファン』さんで『Cinemachic Eyes Vol.2』 が公開になりました。



今回はCookeSpeedPanchro 40mm F2を使った花や蝶などのネイチャー写真のシリーズです。
良かったら見てみてください!!

シネレンズ+美少女『CinemaChic』Vol.4も更新しました。
こちらはCookeSpeedPanchro75mm F2でモデルの里々佳(Ririka)さんを撮っています。

Speed Panchro祭りですね!!

こちらも良かったら見てみてください。


『Cinema Chic Vol.4』

よろしくお願いします!!


Cooke Speed Panchro 18mm F1.7を手に入れた。
35mmフォーマット35mmムービースタンダードフォーマットにして17mmの超広角。しかもF1.7という明るさのモンスターレンズである。(35mmムービースタンダードフォーマット≒APS-C)




このモンスターをはじめとしてラインナップがほぼ銘玉という超エリート集団CookeSpeedpanchroについて書いてみたい。

Taylor&Hobson社といえば、イギリスを代表するレンズメーカーである。

中でもCooke Tripletはレンズ設計の歴史を変える画期的な発明であった。

そのTaylor&Hobsonが1927年に設計した35mmシネ用レンズがCooke Speed panchroである。

Panchroが誕生したきっかけはトーキー映画にある。

1927年までは映画はいわゆるサイレントと呼ばれる無声映画であった。音声が後付のサウンド版というものもあったが、台詞はしゃべらなかった。

しゃべる映画いわゆるトーキーが登場したのは1923年のことである。

トーキーによる最初の本格的な長編映画は1927年に公開された『ジャズ・シンガー』(ワーナーブラザーズ)である。で、このときに問題になったのが同時録音時の騒音である。

現代においても同時録音(以下同録)時の騒音は一つの問題でドラマのロケなどの際に救急車やヘリコプターなどの音が入ってしまったためリテイクになることは良くある。

当時映画に使われていた照明はアークランプで発光時に騒音を伴った。そのためトーキー映画の撮影には明るいアークランプが使用できなかった。

しかもトーキー映画ではフレームレートの増加によりさらに露出が暗くなった。

これらの問題により製作側は明るいレンズにより問題を解決しなければならなくなった。

そのときに選ばれたのが1920年に発明されていた『OPIC』レンズである。OPICはF2の明るさを持ち、製作側の要求を満たしていた。

Taylorホブソンは製作側の要請にすばやく対応しそのときに生まれたレンズが『Cooke Speed panchro』である。

確かな記録は見つけることが出来なかったが58mmF2のレンズはこの時代のいわゆるSeries0であると思われる。

つまり『OPIC』と『Panchro Serise 0』は同型の兄弟レンズということになる。

確かにCookeのHPでは初代『Panchro』のことを"Series0"と読んでいるが『OPIC』も"Series0"と呼ばれている。

この映画用『OPIC』はCookeSpeedpancroとして映画界で不動の地位を築いてゆく。

1930年にBell&Howellのeyemo用にCooke Speed Panchro SeriesⅠが登場する。
ラインナップは24mm/28mm/32mm/35mm/40mm/50mm/75mm/100mm/108mmである。

1935年にはスタンダードフォーマット(0.631X0.868inch/15.7mmX21.7mm)に対応したSeriesⅠが登場する。

Cooke Speed Panchro 50mm F2
ラインナップは24mm/28mm/32mm/35mm/40mm/50mm/75mm/108mmである。こちらはいろいろなマウントが存在する。



1945年にはGordonCookによりカラーに対応し高解像度化されたSeriesⅡが登場する。
SeriesⅡはコーティングされ新フォーマット(0.723X0.980inch/18mmx24.5mm)に対応している。

Cooke Speed Panchro 40mm F2
こちらのラインナップは18mm/25mm/32mm/40mm/50mm/75mmで1946年に100mmF2.5のDeepfieldも登場する。この時代にはHollywoodをはじめとする映画製作の現場の多くがPanchroを採用し映画製作に欠かせないレンズとなる。ちなみにSeriesⅡの18mmはレトロフォーカス発明前のレンズということでその設計が気になる。


1950年にピエールアンジェニューによりレトロフォーカスが発明されると、Speedpanchroもレトロフォーカスを採用する。
それが1954年に登場したSeriesⅢである。
SeriesⅢは18mmと24mmをレトロフォーカスとして再設計したモデルで設計者はⅡ型と同じくGordon Cookである。

このときに誕生したのが今回のレンズ18mmF1.7のようだ。
資料には画角80度の18mmF1.7とある。今回購入したレンズも明らかにレトロフォーカスの設計なのでこの資料に出てきたレンズである可能性が高い。

ただ、Serという表記はどこにもないため正確なシリーズは分からない。eBayなどではSerⅡという表記を見かけるが、この資料のレンズがこのレンズであれば、SerⅢということになる。ただレンズの外観からはSerⅠにも見える。
SeriesⅢにはこのほかに18mmF2が存在していて、こちらにははっきりとSerⅢと刻まれている。






この辺は今後も引き続き調べて行きたい。

で肝心の写りであるが



絞り開放で寄ったときのソフトさと引いて絞ったときの描写は別人である。
こんなに豹変するレンズは少ないのではないだろうか?

シャープで階調も豊かである。そのため逆光時でもシャドウ部もハイライト部も描写する。
諧調が豊かなのに写りがねむくならないのも特徴である。
今回はアートフィルターなどは使っていないが十分にこってりとした発色なのが興味深い。


日本橋の風景が一瞬海外に見えるのは街のせいか?レンズのせいか?















いかなるときも我々の理性を吹き飛ばしうっかり大金を払わせてしまう『ぼけ』という魔物。

普段はレンズの中に潜んでいて写真を撮ったときに現れて人の心を惑わす。そんな恐ろしい『ぼけ』について考えてみようと思います。

人類は大きく分けて2つのタイプに分けられます。『ぼけ』に惑わされるひとと、そうでないひとです。
そうでない人は人類の大多数を占めています。彼らにとっては『ぼけ』とは見えてないに等しい存在です。

一方『ぼけ』に惑わされる人は日常の大半を『ぼけ』に支配されてすごします。そして気に入った『ぼけ』に出会ってしまったが最後、どんな手段を用いてもその『ぼけ』を手に入れようとします。
そんな風に人を魅了し時には破産寸前まで追い詰めてしまう恐ろしい『ぼけ』の正体とはいったいなんでしょう?

普段『ぼけ』は写真の被写体の周りの部分に発生します。これは通常、余白にあたり気にすべきところではありません。しかし『ぼけ』に取り憑かれた人々にはここしか見えていません。
いったいどんなものが見えているのか、解説していきたいと思います。

ぐるぐる
放射
2線
きらきら(口径食)
崩壊
バブル
なだらか
フレア
ゴースト


大まかに上記のとおりです。

まずは
『ぐるぐる』。
この『ぼけ』の特徴ですが、背景がぐるぐるして見えます。
目が回ってしまうほどの強烈な回転は被写体の存在感を打ち消してしまうほどです。
主にキノプラズマートやエルジート、クックのキニックやビオターなどに住んでいます。
とり憑く力が弱いためごく少数の人にしかとり憑きません。

次に『放射』。
これは画面を中心に漫画の集中線のようになってます。このぼけはイメージサークルの小さいレンズが大好き。Cマウントやシネ系のレンズ、初期のズームレン ズに見られます。このぼけが潜んでいるレンズは周辺部が使い物にならなくなります。SWIITAR25mm F1.4 RXなどに見られます。

『二線』。
このぼけはシャープなレンズに潜んでいます。シャープでカリッと写るレンズに潜んでいて、近接で撮影するときに現れて悪さをします。このボケが出現すると ざわざわと背景がうるさくなります。初期のXenon5cmF2やNikkor-H 5cm F2などに良く見られます。

『きらきら』
このぼけは古いレンズが大好き。しかも人を惑わせる力もとても強いです。
そのためこのぼけが潜んでいる古いシネレンズはとても高値になります。
しかし不思議なことにCanon EF 50mm F1.8など新しいレンズにも潜んでいます。不思議ですね。
『きらきら』が潜んでいるレンズには『ぐるぐる』も共存していることがあります。
Kinoptik Apochromart 、Kern Switar、Cooke Speeedpanchro、Angenieux、などに潜んでいます。
とてもとり憑く力が強いので要注意です。とり憑かれてる人には近づかないようにしましょう。

『崩壊』
この『ぼけ』は開放の近接時に被写体をグチャグチャにします。F1.2より明るいレンズのほとんどに生息しています。たまにそれより暗いレンズにも生息し ていますがF2より暗いレンズには住み着くことが出来ません。F1.2より暗いレンズではPrimoplan 58mm F1.9やAuto-Quinon 55mm F1.9に生息しています。
このレンズにとり憑かれると症状が重篤化しやすいので要注意です。有効な予防法、治療法が確立されておらずかなりの確立で破産します。唯一有効なのはカメラ店やネット環境からの隔離ですが家族の協力が必須です。

『バブル』
Meyer-Optikというレンズメーカーのレンズに多く生息するボケで最近分類された新種の『ぼけ』です。Trioplan 100mm F2.8でその姿を確認されて以来続々といろんなレンズで確認されるようになりました。Trioplan 50mm F2.9やPrakticar50mmF2.4などにも生息しています。ただ古いレンズを嫌うようでTriopalnでも1930年代のものからは確認さ れていません。この『ぼけ』も開放を好むようで絞ると姿を消します。まだ生態が謎に包まれている『ぼけ』です。

『なだらか』
写真用レンズがこの世に誕生して1世紀近くたった1976年。人類はついに『ぼけ』を手なずけることに成功した。カールツァイスとヤシカが共同で開発した Planar50mm F1.4は住み着いた『ぼけ』を無害化することに成功しました。このレンズに住み着いた『ぼけ』は『なだらかなぼけ』に変化しどんな被写体にもマッチしま す。しかもこの『なだらかなぼけ』は写真を美しく引き立てます。これ以降この『ぼけ』が無害化するレンズの開発競争が各社で起こります。中でも旧ミノルタ (現ソニー)のSTF(SmoothTransferForcus)はどのピント位置でも前ボケ、後ボケともに『なだらか』になる最高峰の技術です。
ただこの技術の誕生によりレンズの写りの均一化がおこりこの反動として『ぼけ』にとり憑かれる人が現れ始めました。『ぼけ』を無害化した結果一部の人が『ぼけ』にとり憑かれるという皮肉な現象が生まれました。


『フレア』
この子は厳密にいうと『ぼけ』の仲間ではないのですが、人を惑わしたりするところは『ぼけ』そっくりです。
主に戦前の古いレンズやフランスレンズ、大口径レンズに潜んでいます。コーティングが苦手でコーティングされたレンズに潜むことが出来ません。よく『くも り』と混同されますが『フレア』は新品の頃からレンズに潜んでいるので古いレンズを選んで住み着く『くもり』とは違います。
戦前レンズ全般、Angenieux、Som Berthiot、F1.2より明るいレンズなどに潜んでいることが多いです。

『ゴースト』
『フレア』と同じく『ぼけ』とは違う種族。
『フレア』より出たがりで画面上にしばしば登場します。被写体の上にかぶって出ることもあるので、カメラマンに嫌われたりしている。カメラメーカの根絶運 動により生息数が激減している。フィルムカメラ時代は手なずけることが極端に難しく忌み嫌われていたが、デジタル時代に突入して手なずけることが容易に なった。
そのため最近ではこの『ゴースト』に魅入られる稀有な人も現れつつある。
EF28-80mm F2.8-4L、オールドレンズ全般

『ニジ』
『ニジ』はゴーストと同じ種族なので『ぼけ』とは違う種になる。
ある特定のレンズに好んで住み着く。強い光が大好きでレンズに強い光が当たると姿を現す。
放射状のものや円形のものがいる。きれいな虹状であるが出たがりで被写体の前に出てくる。少し困ったやつである。Super-Takumar 58mm F1.8やPENTACON 50mm F1.8などに住み着いている。

このように『ぼけ』にとり憑かれた人たちはこういったものが見えています。
ひどくなると写真も撮らずにカメラの背面液晶をながめて満足するようになります。こうなるとレンズ廃人へとまっしぐらに進むことになります。
こういった症状への対抗策は唯一、純正レンズ以外には決して手を出さないことです。
レンズアダプターという甘い誘惑は毒です。
その恐ろしさを理解して手を出さずにいれば快適な写真ライフが送れると思います。



※個人の見解です。『ぼけ』という魔物の存在は科学的に実証されていません。





















最近ブログをサボりがちです。

ブログをサボって何をしていたかというと。

こんなことや



山地まり 2015年 カレンダー 

週刊プレイボーイの2015年「アイドルカレンダー」BEST15に選ばれました。
11月3日に福屋書店で握手会開催。

あんなことを


モーターヘッドでカメラカスタムページのディレクションやったりしてました。




モーターヘッド Vol.13 三栄書房


そんなこんなの最近でした。


この度CAMERA Fanに僕の『シネレンズX美少女』コラムが掲載されました。

CAMERA Fan 『Cinemachic Eyes』



今回はArriflex Cine-Xenon25mmF1.4とArriflex Cine-Xenon50mmF2でモデルの『はねゆり』さんを撮りました。

僕秘蔵の逆光専用レンズ『ハレ玉』も大活躍しています。

僕がシネレンズの世界にハマるきっかけになったCine-Xenon25mmF1.4との出会いも書かれています。

ご覧いただけるとうれしいです!!