カメラファン掲載!! こぼれ話2 カメラケースの世界 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

こぼれ話の第2弾はカメラケースの話です。わたくし何を隠そうカメラの外観にはあまり興味を払わず生きてきました。レンズのカッコ良さに惹かれる事はあっ
てもアクセサリーは必要最低限の機能があって安い方を選ぶ。そんな選択をしてきたのですが、ある雑誌の企画でカメラケースを扱って180°考え方が変わり
ました。

今回はカメラファン本編でも使わせていただいた『Recoil/リコイル』さんのカメラケースについて書きます。
ある雑誌でカスタムカメラページのディレクションを頼まれた。テーマはワンオフ。自分専用のカメラを作ろうという企画だ。その雑誌はポルシェやフェラーリ
などのスーパーカーをカスタムしてしまうという車雑誌界でももっとも勢いのある雑誌。それだけに生半可なものでは読者は納得してくれない。そこでお願いし
たのがリコイルさんのカメラケースだった。

以前よりネットなどで見て知っていたが面識はなかった。飛び込みで連絡をしたところ快く企画に賛同していただいた。そして後日カメラケースとストラップが届いた。
手にしてみて驚いた。こんなカメラケースやストラップがあったなんて。

そのケースはカメラに吸い付くようにフィットした。そしてなんといってもケースを装着したままバッテリーやSDカードを交換できるそのギミックに驚いた。そしてそんな機能を感じさないスマートな見た目に高い美的感覚を感じた。


今回カメラファンでも登場したカメラケース。リコイルさんに特別に作っていただいた。
(リコイルオーナー松尾氏製作/プロフェッショナルユース仕様の非売品)


リコイルさんのカメラケースでもっとも特筆すべきは革と表面処理へのこだわり。僕のケースに使われている革はイタリア、モンタナ社製のデッドストックのもの。モンタナ社は化学物質を使わないベジタブル・タンニングの権威である。昔ながらのタンニンなめしは手間ひまがかかる為通常の革の倍以上の価格であるが、その手になじむ感じと独特の風合いが特徴である。その革をポリッシュコートで仕上げてある。控えめながらも艶のある仕上がりになっている。


RecoilのE-P3ケースの真骨頂といえばケースを外さずに電池やSDカードの交換が出来るこのつくりだ。


ホック部分に使われているのはイタリア、フィオッキ社のブラスホック。
高級バックなどにも使われているホックで使い慣れたホックのような絶妙な使い心地が特徴である。
ケースのフィット感がよくわかる。カメラに吸い付いているようだ。


ディスプレーの突起にぴったり高さをあわせてある。この細やかなつくりがスムースな手触りを生む。


ケースの蝶番が出っ張ってしまうため全体を少し底上げして三脚の使用に対応している。
底の部分の美しい仕上げがわかる。


内張りが細部まで仕上げられているのがよくわかる。ちなみにこの内張りとステッチの色はケース注文時に選ぶことが出来る。
そしてこの断面をみて気づくがこのケース少し底上げをしている。その理由は次の写真を見るとよくわかる。


底上げした部分に小指がかかっているのがわかる。大人の男性の手にはE-P3は少し小さい。ケースの底上げによってグリップが飛躍的に向上するのだ。
僕はこのケースを使い始めて手振れがかなり減った。外観だけではなく実用性も兼ね備えている。

実はこの底上げ部分、革靴を作るのと同じ手法で作られている。芯に使われているのは革靴用の硬い皮なのだ。芯の部分は外から見えないため使いやすい素材を使うことも出来る。しかしあえて革靴と同じ作り方で作るところに製作者のこだわりがある。

recoilの革ケースの最大の特徴は始めて使うのに手にしっかりなじむことだ。通常新品の革製品は独特の角の立った感じがあって手にしたときに硬い部分
が気になることが多い。誰しも店頭で『使い込むうちになじんできます』という店員の台詞を聞いたことががあるだろう。しかしRecoilのケースははじめから何年も使い込んだもの特有の
やわらかさを持っている。これは作り手のこだわりに他ならない。

革のセレクト、作り、パーツ一つ一つのセレクト、仕上げ、そのどれかひとつでも手を抜いたらこの仕上がりにはならないと思う。このケースには長年現場をともにした相棒のような安心感がある。
単に外観を飾るアクセサリーではなく実用を兼ね備えた道具。
革製品が太古も昔から担ってきた役割である。

革靴の製法をかたくなに守る製作者のスタンスは本来の革製品のあり方を熟知しているが故なのだと実感させられる。

recoil/リコイル http://www.recoil-ms.com/


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