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シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

M42 MOUNT SPIRAL さんの記事やMarkusKeinaths Photohomepage で見てTrioplan100mm F2.8の写りの衝撃に出会いすっかり魅入られてしまった僕はたて続けに3本のTrioplanを購入を購入した。その3本のトリオプランで『トリオプラ ントリオ』という記事を書く予定が、勢いあまって4本そろえてしまい『トリオプランカルテット』に
なってしまった。(笑)



Trioplan100mm F2.8 シリアルナンバー2755095 1961年
Trioplan 50mm F2.9 シリアルナンバー1082997 1948年
Trioplan 50mm F2.9 シリアルナンバー2151800 1958年頃
Trioplan 25mm F2.5 シリアルナンバー910543 1938年頃

トリオプランの誕生は古く1900年頃とされる。1930年のカタログには出てくるので1930年には確実に存在したのであるが、それ以前の資料が見当たらない。
今回は1930年代、40年代、50年代、60年代のトリオプランがそろっている。それぞれの焦点距離と年代による描写の違いを検証していきたい。

Trioplan 100mmF2.8 1961年






4本の中でも最も新しい100mm。戦後のMeyer Optikらしい概観とつくりである。
もちろんコーティングされている。




PENで使用すると200mm相当になるのでやや窮屈な感じが否めないですが、アメージングな写りです。見事なBubbleが出てます。
今回の写真はと撮りっぱなしですが、中心部の解像度がしっかりしていて周辺は甘くなるトリプレットの特徴が良く出ていると思います。

Trioplan 50mm F2.9 1958年



いわゆる戦後型のトリオプラン。
Vコーティングもされている。M42 MOUNT SPIRAL によるとCarlZeissのTコーティングのMeyer版なのだそうだ。確かにブルーコーティングは戦中のTコーティングに似ている。

Trioplan 50mm F2.9 1948年



戦後の作であるが、戦中戦前型のTrioplan。光学は戦後型とほぼ一緒だと思われる。Meyerのコーティングは1952年からでそれ以前はノンコートのレンズとなる。レンズの鏡胴がEXAKTA Xenon 50mm F2とほぼ同じなのが興味深い。

Trioplan 25mm F2.5 1938年頃



4本の中で最も古い1936年製。Meyerの1936年のカタログに出てくる8mm用のレンズの16mm版ではないかと思う。Trioplanとしては珍しいF2.5である。

以上4本のTrioplanですがざっくり分けると戦前物、戦中物、戦後物、近代物の4本である。
Trioplanの誕生は1913年。典型的なトリプレットレンズになります。この6年前にパウル・ルドルフがHugo Meyerに入社し有名なKinoplasmatを設計します。それまでTrioplanはMeyerを代表するシネレンズでした。

トリプレットは1894年に登場した3枚構成のレンズです。3枚ながらサイデルの5収差をある程度補正できる当時としては画期的なレンズでした。設計した のはCooke社のデニス・テイラー。Cooke社は当時撮影用レンズ製作のノウハウがなかったためTaylor&Hobson社に製作を依頼す る。こうして製作されたのが有名なCooke Tripletである。トリプレットは中心部の解像力は優れていたが、周辺部の写りが甘かった為、1902年に登場したテッサーにその座を奪われる。テッ サーは4枚というシンプルな設計にもかかわらずシャープで四隅まではっきり写る当時最高峰のレンズであった。

話はTrioplanに戻るが、テッサー全盛期もMeyerはせっせとTrioplanを作り続ける。それどころかガウスタイプが全盛の50年代以降も Trioplanの生産は続き、1966年まで生産は続く。これで終わりかと思ったらDomiplanという後継版を発売し、1970年代も生産を続け た。Meyerがなぜこんなにトリプレットを作り続けたか真意は分からないが、50年以上も単一ブランドを作り続けるからにはちゃんとした理由があっての ことだと思う。

しかしこのTrioplanというブランド、ごく一部のマニアの間でもてはやされる以外ほとんど気にされることはなかった。そのTrioplanが復権したのは100mmF2.8のブレイクであろう。
幻想的な100mmF2.8のボケは、ほかのレンズでは再現できない。BabbleBokheといわれるシャボン玉が連なったようなボケを求め世界中のマ ニアがこのレンズに殺到した。かくいう私もその一人だ。Trioplanの価格は一気に跳ね上がり500ドルを超えさらに値上がりを続けている。それまで 100ドル前後で取引をされていたことを考えるとこの急騰ぶりは驚きである。

さて今回用意した4本の写りを比べてみたいと思う。
まずは接写性能から







ん・・・!!
だんだん悪くなっている。
どういうことだ?
25mmと50mm(NEW)を拡大してみよう




開放の描写は年代が新しくなるにつれて甘くなっている。
そして戦前型の25mmと戦中、戦後型の残りの3本では写りが根本的に違う。

どうやらTrioplanについて言われている通説は正しいようだ。

Triopalnについて言われている通説とは、
1, 戦前型と戦後型では設計が違う。
2, 戦前型のほうが写りがよく、戦後型もだんだん写りが落ちている。

次にF8まで絞ってみよう
まずは25mmF2.5

コントラストは向上しないが解像力のある範囲は広がる。
背景のボケが健在でなおかつ絞り羽の形が出ないのは興味深い。
開放時と比較してみる

画質は向上しているが背景の柔らかさはキープしたままである。
ある意味特殊な写りである。
一部の根強いファンがいるのはこの辺が理由かもしれない。

次に50mmF2.9(Old)

こちらのレンズは絞ることでわずかながらコントラストが向上しています。
周囲の柔らかさは健在
開放と比較してみると

やはり画の雰囲気を保持しながら解像感が上がっている。
では戦後型は

絞ったときの抜け感は最も良いです。
Vコートがコントラストの向上に寄与しているようです。

絞ったときも背景が柔らかいのはTrioplan共通の特徴のようです。
絞ると解像感とコントラストの両方が向上して一気に現代レンズのような抜け感が出てきます。

最後は100mm

ややコントラストが低いもののこちらもバランスの取れた写りです。
比較です

傾向ほ他のレンズと似てます。
50mmよりややコントラストが低いです。

総合してみてみると
開放時の性能は古いレンズのほうがよい。F8あたりまで絞るとコートレンズの良さが出てくる。といった感じであろう。共通した特徴である絞っても柔らかい描写というのは他のレンズではまねできない。
特に戦後型のレンズは絞り羽の形が円形ではないにもかかわらずボケに絞りの形があわられない。
実は結構実用性の高いレンズかもしれない。

100mmF2.8の名を一気に不動のものにしたBabble Bokheであるが、これは戦中戦後型のレンズを開放で使用したときのみ現れるようである。少しでも絞ってしまうと玉ボケの外周の虹の輪が消えてしまいただの玉ボケになってしまう。
フィルム時代は100mmF2.8の面白いBabbleBokheに気づいても、コントラストのあまりの低さに開放での撮影を敬遠されていたのではないか と思う。現代のデジカメは開放のコントラストの低さをRAW現像で補うことが出来るようになったため一気にこのレンズの利用価値が出たのだと思われる。
ちなみに100mmF2.8の撮りっぱなしのJpegと現像済みデータはこんな感じである。




現像って恐ろしい(笑)

ということは現在底値の50mmたちも現像で復活するのでは?


Trioplan50mmF2.9 Old

Trioplan50mmF2.9 New

現像ってすばらしい(笑)
何も大枚をはたいて100mmを買わなくとも底値の50mmでも十分楽しめるようです。


25mm F2.5

50mm F2.9 Old

50mm F2.9 New

100mm F2.8
4枚ともLightroomにて現像
Trioplanはそのまま使ってオールドレンズとして楽しんでも良し、RAW現像と組み合わせてファンタジーな写りを楽しんでも良しと懐の深いレンズであるらしい。




出典: M42 MOUNT SPIRAL:http://spiral-m42.blogspot.jp/2013/05/meyer-opti
無一居:http://www.photo-china.net/column/meyer.html

















終戦後から1970年代にかけてカメラの世界も大きな変革の時代を迎える。
それはレンジファインダーから一眼レフへカメラの主流が代わったり、独走していたドイツカメラ産業に日本カメラ産業が迫ったり、手計算で作られていたレンズが計算機やコンピューターによって設計されるようになったりと様々である。
戦前にライカにより完成の域に近づいていたレンジファインダーカメラは1954年のM3の登場でさらに完成に近づく。ライカを追いかけるか、ライカを避けるかの2者択一を迫られカメラメーカーは右往左往することになる。
そのなかで各メーカーは様々なカメラを試作、発表していった。
それはあたかもカンブリア爆発のように多様性の富んでいた。この時代に生まれたカメラのいくつかは現代まで生き延び、いくつかは消えていった。
この多様化の時代に生まれたカメラたちはどこか非効率的でいびつで美しい。


Zenobia35 第一光学 1958年

第一光学の35mmレンジファインダーカメラ。戦前は岡田光学精機という名前でワルタックスというスプリングカメラを生産していた。レンズの左側に巻き上げノブがある。これはこのカメラがレンズシャッター方式だったためである。

このカメラが発売された1958年に会社が破綻したため現存数はわずかである。
生存競争に淘汰されてしまったカメラであるが、現代においても十分カメラとしての機能は果たしている。
たまに散歩に持っていってフィルムを通してあげるたびに、このカメラを次世代にも継いで行かないといけないなあという使命感に駆られる。


KONICAⅢA KONICA 1958年

次はKonicaⅢAである。
このカメラも1958年発売。
このカメラの特筆すべき点はそのファインダーです。
先述のようにライカのM3と言うモンスターに遭遇し国産メーカーの多くは追随を諦め一眼レフなどの新しい分野へ方向修正を余儀なくされます。しかしこのカ メラはライカと真っ向勝負する道を選びます。その決意の表れがそのファインダーなのです。レンズの繰り出しとともに画角は微妙に変化します。一眼レフは ファインダーで実像を確認できるので問題は発生しませんがレンジファインダーでは構図が変化してしまいます。コニカⅢAのファインダーはその変化(パラ ラックス)を補正します。
レンズを繰り出しながらファインダーを覗くと微妙に変化するファインダー枠が確認できます。
コニカが誇る『生きているファインダー』です。ライカのM3でも搭載されていない(M3の場合レンズ交換式のためより複雑な構造になる)当時最先端のファインダー機構です。
日本人のカメラつくりへの意地を感じさせる秀逸なカメラです。


PROMINENTⅡ Voigtlander 1958年

フォクトレンダー プロミネントⅡ
ドイツの老舗カメラメーカーフォクトレンダー社の誇るレンズ交換式レンジファインダーカメラです。

Ⅱ型になり視野率が100%となりファインダーも格段に明るくなりました。
このプロミネント、レンズ交換式レンズビハインドシャッターのレンジファインダーという複雑なカメラです。
レンズマウントの真後ろにレンズシャッターがあります。距離計と連動させるためにレンズマウントが動いてピントを合わせる方式をとっています。そのためレンズにはヘリコイドが存在しません。
通常35mmと100mmのレンズではレンズの繰り出し量が違うのですが、このカメラではヘリコイドが本体側にあるので繰り出し量は調整できません。一眼 レフの場合実像でピントを合わせるのでそれでも問題がないのですが、このカメラはレンジファインダーのため繰り出し量とレンズのピント位置はぴったり一致 する必要があります。この難題を解決するためプロミネントの広角レンズと望遠レンズは外爪式のマウントになっています。レンズをボディー側に固定してレン ズ内部で繰り出し量を調整するという荒業でこの問題を解決しています。それでも望遠側の精度には限界があったらしく100mmのテロマーなどはミラーボッ クス式になっています。そんなトリッキーな荒業を見せるこのカメラも今見ると独特の美しさがあります。
ライカを模倣せず独自の技術で作られたコンタックス。ライカもコンタックスも模倣せず作られたプロミネント。ドイツ人のクラフトマンシップを感じることができる誇り高きカメラです。


KODAK Retina Ⅲc 1954年


レチナⅢです。戦後のドイツコダックを支えたカメラです。

レンズの前郡のみを交換するタイプのレンジファインダーです。

こんなにコンパクトになります。
コンタレックスなどと同じ前郡交換式のレンジファインダーカメラです。
スプリングカメラから続く折りたためる携行性に優れたカメラです。
交換レンズもシュナイダーのクセノンやクルタゴン、ローデンシュトックのヘリゴンなど本格的です。
デイリーユースのために作られたカメラのはずなのにきっちりとチリが詰まった感じがありさすがドイツ製だと感じさせる作りの良さです。ふらっと散歩に持ち出したいカメラです。


Roleiflex 3003 1984年

ローライフレックス3003
ドイツカメラ界の最後の珍品というべきカメラです。35mmカメラにもかかわらず中判カメラのような構造をしています。しかもこのカメラ、ローライフレックス35のフラッグシップカメラです。
ウエストレベルとビューファインダーを併用できるカメラなんて中判にもありません。

引き蓋つきのフィルムマガジン。フィルムをセットすると圧板がせり出してフィルムを完全な平面にします。ものすごいギミックです。

サイドからの見た目はまさに中判カメラ。
レンズラインナップはCarlZeissやフォクトレンダー、シュナイダーなど豪華です。
日本の一眼レフカメラの勢いにおされていた1980年代にドイツカメラ業界の技術を結集して作られたカメラであることが分かります。 Distagon35mmF1.4やPlanar85mmF1.4などドイツレンズの最高峰ラインナップです。さすがローライフレックスのフラッグシップ カメラです。
ドイツと日本のカメラ販売競争は日本に軍配が上がりましたが、物づくりという意味では日本を凌駕していたと感じさせる完成度の高いシステムである。何より写真を撮ることの楽しさを再確認させてくれるカメラである。


Load ロード ⅣA 岡谷光学 1956年


続いては国産カメラです。岡谷光学のLoad Ⅳb Black漆黒のブラック塗装が特徴のカメラです。シルバー塗装が一般的だったこの時代、一部のプロ用の特別仕様としてブラック塗装が存在していました。 このLoadはもとより一般向けのカメラだったのですがブラック塗装が施されたモデルもラインナップされていました。

こちらもこのカメラの特徴フィルムカッターです。

家で現像する際に撮った分だけコマを誤って切ることなく現像できるというコンセプトだったのでしょう。現代ではもてあましてしまう機構です。アマチュアカメラマンのブラックカメラへの憧れと自家現像という当時の潮流を色濃く反映した面白いカメラです。


オリンパス PEN EE

いわずと知れたハーフ版の代表的カメラです。リコーのオートハーフと双璧ではないでしょうか?24枚撮りで48枚撮れる。電池も必要としないので現代でいうなればエコなカメラです。フィルムを使わないデジカメには負けますが(笑)
ちなみに現代版のPENのセンサーサイズであるマイクロフォーサーズはハーフ版とほぼ同じである。


CANON EX AUTO 1972年

キャノンの中でも時代の狭間に生まれたEX AUTOです。
キャノネットでレンジファインダーカメラの普及機を定着させることに成功したキャノンが、一眼レフ版の普及機として発売したのがこのカメラです。シャッタースピード優先とマニュアルのみのシンプルなカメラです。

このカメラの最大の特徴が前玉交換式のレンズです。左から35mm 50mm 125mmレンズです。
前玉交換式はレンズシャッターのコンタフレックスなどで使われた方式ですが、このカメラはフォーカルプレーンシャッターです。



前玉交換式にすることでEE部分の構造やレンズ部分の機構を簡略化し全体の価格を下げていたと考えられます。ただしその他のシステムとの互換性がなく当時から不人気だったようです。
ファインダーは空中像式という中央部のみでピントを合わせ周辺部は素通しで見える特殊な方式を採用しており非常に明るくなっています。

絞りはボディー側にありマニュアル時の絞り調整は巻き戻しノブの根元にあるダイアルで無段階調整できる。このEXシリーズはあまり売れなかったためEXEE、EX AUTOの2機種のみで終了になった。独創的であったゆえに時代の狭間に消え去って行ったのである。


KONICA L KONICA 1961年

コニカの普及カメラ。カメラデザインが特徴的で赤のロゴが目につく。ボディーも当時としては軽量に出来ている。これらは女性ユーザーを意識していたといわれている。
操作系も簡単になっており使いやすいカメラであった。


POLAPOID LANDカメラ 1969年

ポラロイドのLANDカメラです。ポラロイドのフィルムは入手困難ですが、富士フィルムから発売されているピールアパートタイプのFPシリーズを使うことが出来ます。
LANDカメラのランドはポラロイド社の創業者エドウィン・ハーバード・ランドに由来する。ランドは3歳の娘の『カメラで撮った写真がすぐ見れないのはなぜか?』という問いに着想を得てポラロイドフィルムを発明したといわれている。

露出はオートのみでピントはマニュアルです。露出もマニュアルであわせることが出来る180シリーズもある。ちなみにポラロイド社の名前の由来はランドが発明したプラスチックの偏光板の商品名である。
エドウィン・ランドが発明したポラロイドフィルムとポラロイドカメラは世界中に広がり、プロの現場で欠かすことの出来ないフィルムとなった。その後非剥離 法拡散転写法天然色写真法を確立しSX-70カメラを開発した。一人の人間がまったく独創的なフィルムとカメラを開発し世界中で使われるようになったとい うのは写真の歴史イーストマンコダック以来のことで、ランドの功績は計り知れない。


Canon RM 1962年

キャノンが一眼レフカメラを発表したのは1959年のキャノン フレックスである。これは国産メーカーとしては遅く8機種目に当たる。国産の一眼レフは 1952年のアサヒフレックスⅠ型に始まり、1955年のペンタゴナルダハプリズムを搭載したオリオンカメラのミランダに続く。1958年にクイックリ ターン式のミラーと完全自動絞りを実現したZUNOWのペンタフレックスが登場して現在の一眼レフの原型がほぼ固まる。
つまりキャノンフレックスは一眼レフの地盤が固まるのを待って満を持して発売された形になる。ちなみにニコンFはキャノンフレックスの発売された次の月の6月に発売されている。
このキャノンフレックスRMはキャノンフレックスシリーズの最終型である。
キャノンフレックスとしては初めてセレン露出計を搭載し、ペンタ部もぎりぎりまで低く配置された。
この独特なシルエットは現代から見てもスタイリッシュである。

  
セレンメーターに合わせて絞りとシャッタースピードを選択する。
ボディー上部から見てもスタイリッシュなデザインになっている。
この時代の一眼レフといえばニコンFなどに注目が集まりがちであるが、Canon RMのようなスタイリッシュなカメラも評価されるべきである。


KIEV-15 TEE アーセナル 1974年


Kiev-10から進化した一眼レフカメラでTEEとTTLが存在する。Kiev-10からの大きな変更点はセレン式だったメーターがCdS式になったことである。
ソビエト的な未来デザインが特徴的である。

ロータリー式のシャッターは無塗装で地金がむき出しである。

ちなみにレンズの絞りも地金むき出しである。絞りはボディー側からコントロールする方式で、ボディー正面についているダイアルで制御する。ぱっと見では分からないがボディーはかなり巨大である。
こう見えてもソビエトのEE一眼レフとしては当時は最新鋭にあたるためレンズラインナップは充実している。
Mir-20    20mm F3.5
Mir-1 37mm F2.8
Helios-65 50mm F2
Helios-81 50mm F2
Helios-81M 53mm F2
Borena4   50mm F1.4
Jupiter-9 85mm F2
Jupiter-11 135mm F4
レンズもすべてキエフのアーセナル工場製である。
ソビエトという共産圏のもと独自の進化を遂げた一眼レフの姿も今見ると良し悪しを越えて魅力的である。

courreges ac101 クレージュac101 ディスクカメラ MINOLTA 1983年

ファッションデザイナーであるアンドレ・クレージュとミノルタの共同開発のディスクカメラ。
今見てもおしゃれです。

こちらがディスクフィルム。1982年にコダックが発表した新規格フィルムで15枚撮り。画面サイズは8.2×10.6mmで110フィルムよりさらに小 さい。新規格が発表されてすぐ生産されたカメラである。コダック以外にこの規格に参加したメーカーはわずかなのでコダック以外のディスクカメラは珍しい。

1982年はCDが実用化された年でディスクフィルムという名称やロゴからもかなり意識していたことがうかがえる。しかし画質の悪さ、認知の低さから軌道には乗らず5年前後で市場から姿を消し1998年に生産が中止になる。コダックの新規格は軌道にならないというジンクスを体現する形となった。

MDに似ているがMDより10年近く前の商品になる。
デザインはかなり先進的だったといえる。
さらにラグジュアリーなデザインのac301がある。

21世紀に入りデジタル一眼やミラーレスカメラが登場したが、カメラの構造を根本的に見直したカメラはあまり登場していない。しかし戦後のカメラ史にはカ メラにたずさわる人々の試行錯誤のあとがうかがえるカメラがたくさんある。そういった1から作られたカメラはその良し悪しにかかわらず美しいと思う。それ は作り手の美意識やポリシーをカメラを通して感じることができるからだと思う。そんなカメラがこれからも出てくるといいなぁなんて思った。



Cinemachicの最新作を公開しました。

『シネレンズX美少女』 をコンセプトにしているこのサイトの第2弾です。



今回のレンズはTaylor&HobsonのCooke Speedpanchro 40mm F2です。

言わずと知れた銘玉です。

女の子は末永みゆちゃんです。

2013年の日テレジェニックグランプリの女の子です。




よかったら見てみてください!!

Cinemachic
http://raylow331.wix.com/cinemachics

トキエンターテイメント
http://www.toki-e.com/manegement.html


最近の仕事です。

PINPOINTSというバンドのジャケットとミュージックビデオを撮影しました。

ジャケットもMVもカメラはE-P3 レンズはArriflex Cine Xenon 25mm F1.4です。

AltanativeというアルバムのFantastic Babyという曲のMVです。

ジャケットもMVもオルタナ感を意識しました。

PINPOINTS/Altanative


FantasticBaby MV


今回はMVの編集もやっています。

正直大変でした!!

興味のある方はHPも見てみてください。
PINPOINTS OFFICAL HP

SONY α7の登場で最終局面を迎えたミラーレスカメラ業界。

写りも操作性もその他性能も中級機並みになってきた中で、最後の砦的な機能がある。

最後の砦というかただの僕の希望であるが、それが『アスペクト比カスタム』である。アスペクト比は画面比率のことなどで正確には『センサーサイズカスタム』というべきかも知れない。

現在α7は移行措置としてAps-cと35mmフルサイズの2つのモードが切り替えられる。
そしてデジタルズームにより規定値での画面サイズの切り替えが出来る。
PENやほかのカメラなど名前はまちまちであるがデジタルズーム的な機能がついている。
思い切ってそれをカスタム化するのである。
技術的にはファームの問題だけではないかと思う。
レンズ1本、1本にあわせて最適なセンサーサイズを任意で設定できる。
同じレンズでも微妙にケラレを入れたり、切ったり出来る。
1台のカメラでDマウント,Cマウント、Arriflex,Aps-c,などすべてのマウントが好きなように使える。
夢のカメラである。

α7もα7Sの登場により業務用4Kカメラとしての活躍が期待される。業務用として映像業界に認知されればMagicLantern的なカスタムファームが登場するかもしれない。
その中にセンサーサイズのカスタム機能があることを願っている。




最近Arriflex-Cine-Planarを手に入れた。


新宿の中古カメラ店で発見していたが、購入するかどうか半年にわたり悩んでいた品である。
最近値引きされていたためさんざん試写した挙句、思い切って購入に踏み切った。
購入まで半年もかかったのは2点迷う要素があったからである。

1点目はより安価なArriflex-Cine-Sonnarとの明確な差が分からなかった点

2点目はレンズ自体が改造されていた店である。

まず1点目であるがArriflexのSonnarとPlanarは85mmF2という同スペックである。もちろんPlanarのほうが倍近く高い。新品のときからこの価格差はあったそうだが、その写りに値段ほどの差が出るのかというのが疑問であった。
試写した結果、差はあるようである。表現があいまいなのは同条件で試すことが出来ていないためあくまでも僕の感覚であるためだ。
SonnarとPlanarを並べて試写をしたいが、そんな資金は持ち合わせていない。あとこれは2点目につながる点であるが、このレンズはEFマウント改造をされているのでEOS5DMarkⅡで試写をしていた。何度か試したArriflex-SonnarはPENで試した。こういった理由により僕の個人的な感想での判断になってしまった。しかし差は明確に存在すると思う。その差は端的に言うと設計年代の差ではないかと思う。

Sonnar85mmF2の基本設計は戦前から戦中にかけてである。そしてその多くは戦後すぐから活躍し1950年代以降の85mmのほとんどがこの形を倣った。ArriflexSonnarも多くはこの時代の型でなぜかZeissJena製が多い。Arriflex用ということで民生のSonnarに比べて圧倒的にシャープなレンズに仕上がっている。その多くはコーティングも施され発色も向上している。ザワッとしたボケでコントラストが低めな描写であるが、諧調は豊かである。発色は控えめで逆光に弱い。ブリンプケース入りの個体も試したがこちらはマクロ域での撮影が可能である。


一方Planar85mmF2は現代的なレンズである。鮮やか目な発色、ピント面と背景のボケがはっきりセパレートする感じ、高コントラスト、多諧調。そして現代レンズにも引けをとらない高解像力。
極端に暗い被写体も見事に表現する懐の深さはさすがである。

どちらが良いかということになると判断がつかない。それぞれに良いレンズである。いうなれば新旧CarlZeissのエースである。Sonnarのクラシカルな描写を楽しむか、エッジの効いたPlanarにするかは好みの問題であろう。
ただ僕の中でArriflexPlanarを使うにあたり一つの懸念がある。それは現代の高性能レンズと比べて差がないのではないかということである。実は試した結果から言うと差は存在するが僅差で使用している本人には分かるが結果を客観的に見る限りその差を見つけるのは困難である。
しかし写真を撮っているときのどこまでも解像し、どこまでも表現してくれる感覚は独特である。自己満足ではあるが・・。写真におけるレンズ選びとはそういうものであると思う。

2点目のレンズ改造とはニコンFマウントにするためにバックフォーカスが伸ばしてあった。
後玉の後ろにレンズを入れて伸ばしてあるのだが、はたして写りに影響があるのかないのか?
これはうかつに外すわけにも行かず、外したところでオリジナルのヘリコイドはない状態なので試してません。比べるレンズももちろんありません。
でも試写しまくった結果あまり影響なさそうです。厳密に言うとパープルフリンジが出るのですがこれがバックフォーカス延長によるものなのかもともとなのかは分かりません。
FマウントをEFマウントに変換するリングもついてたのでEFマウントにして使ってます。

後付けでヘリコイド入ってます。

ヘリコイドを外すとこんな感じ。

後玉の後ろにバックフォーカスを伸ばすためのレンズ入ってます。

カメラにつけるとこんな感じ。

T表記なのがシネレンズらしいです。
写りは激高解像度です。これ以上のレンズは本当にそんなにないと思います。

写りは普通なんです。http://yahoo.jp/box/9lThzw

拡大すると水滴もはっきり。どこ拡大したかわかりません(笑)
でも撮ってるときはディスプレイでこの水滴見えてます。不思議な感覚です。

こちらも写りは普通です。http://yahoo.jp/box/JY6jtW

拡大1 このグラデーションは普通出ません。

拡大2 しかも雲も写ってます。

夜景でも

拡大するとhttp://yahoo.jp/box/WTsqkp

普通こんなになりません。

名古屋のテレビ塔です。http://yahoo.jp/box/uUgkpq

拡大

拡大http://yahoo.jp/box/8Y8K6f

三越の窓のレースのカーテンの質感写ってます。

このレンズのすごいところは

http://yahoo.jp/box/o1HnM8

拡大1 解像力と

拡大2 このボケです。軽自動車にピントを合わせたのですが、その後ろがぼけているのが分かります。
引きの写真から分かるとおり10m以上先にピント合わせてます。背景がそこからボケるなんて被写界深度驚異的に浅いです。

最後に枝と背景のボケ味です。http://yahoo.jp/box/8sM91S

拡大すると虫がいました。
少しフリンジが発生しているのがわかります。

こうやってみてくるとこのレンズの写りはきわめて普通であることが分かります。
暴れるボケもにじみも収差もありません。
でも異常なほど良く写ります。
どんなシチュエーションでも。
これがCarlZeissの本気レンズなんですね。

しかしこのレンズ、使いこなせなければ普通のレンズです。
このレンズを使いこなすべく精進してゆきたいと思う今日この頃です。





















『Chinemachic』シネマシックという新しいサイトを立ち上げました。




シネレンズやオールドレンズで女の子のポートレートを撮るというサイトです。

初回の女の子はドラマやグラビアで活躍する「山地まり」ちゃんです。

そして初回のレンズは「Voigtlander NOKTON」

シネレンズなくない?という疑問の声もあると思います。

オールドレンズということで勘弁してください

良かったら見てみてください。



CINEMACHIC
http://raylow331.wix.com/cinemachics

※InternetExplorerで不具合が出る可能性があります。その際はChromeやFirefoxなど別のブラウザーを使ってみてください。


Konishiroku Hexanon 50mm F1.9 Lマウント 


1955年に発売された小西六(後のコニカ)のレンズである。


同時に60mmF1.2と50mmF3.5も発売された。60mmのF1.2はNOCTILUXより10年以上早く発売されたかなり先鋭的なレンズである。


50mmのF1.9も当時の標準的なレンズと比べると僅かながら明るい。そこに小西六の気概を感じるレンズである。このレンズはダブルガウスタイプの5郡6枚構成でフォクトレンダーのウルトロンと同じく2枚目と3枚目がセパレート構成になっている。この構成はガウスタイプの天敵コマ収差封じのための設計として1960年代以降ガウスタイプのスタンダードな構成として広がるが、当時としては革新的な設計である。

国内での評価は現在でも高く1953年に発売された初代Summicronと比べられることも多い。なかには和製ズミクロンと言った評価もある。


おそらく、日本からの一方的な思い入れであろうが、Hexanonとライバル?Summicronは同じシチュエーションでどんな写りをするのか?

今回はHexanonとSummicronを撮り比べて、その実力を改めて検証していこうと思います。


ちなみに同時代の名玉NOKTONも飛び入り参加しました!!



HexanonのアンバーコーティングとNOKTONのブルーとーティングがよく分かる。Summicronの少し紫がかったコーティングも分かる。


この時代のガウスタイプとしては3本ともコマ収差封じに成功している。また3本ともコーティングされていてカラーにも対応している。当時としては最先端のレンズである。


Konishiroku Hexanon 50mm F1.9 LMount 


1955年発売

5郡6枚構成 ダブルガウスタイプ

アンバーコーティング

絞り羽 10枚

重量257g


2群目をセパレートにすることで対象性を崩しコマ収差を抑えることに成功した。コマ収差封じに成功したレンズは国内ではキャノンのセレナ50mmf1.8が有名であるが、セレナーとは違うアプローチである。



Leitz Summicron 5cm F2 1st


1953年発売

6郡7枚構成 ダブルガウスタイプ

パープルコーティング

絞り羽 10枚

重量232g


1枚目のレンズを分割し、2郡目の貼りあわせをはがした6郡7枚構成。

1954年のM3にあわせて設計されたレンズで、新種ガラスをふんだんに使った贅沢なつくりになっている。

開放からシャープネスが極めて高くコマ収差も解決されている。



NOKTON 50mm F1.5

1950年発売

5郡7枚構成 ダブルガウスタイプ

ブルーコーティング

絞り羽 15枚

重量221g

プロミネント用の交換レンズとして1950年に発売された。

レンズ構成は1群目に貼合の凸、3枚目、4枚目はXenonやULTRONと同じくセパレートとなっている。3枚目と4枚目の間の空気間隔はいわゆる空気レンズとして機能している。


この3本を比べていきます。


1.外観



NOKTONはメッキの美しさ加工の細かさ共にNO.1である。Summicronと僅差であるが光沢と梨地のメッキの切り返しや外観からねじ類がまったく見えないなど隙のない作りである。


NO.2はSummicronである。メッキの美しさ重厚な鏡胴は美術品のレベルである。

絞りのクリック感、スムースなヘリコイド、沈胴部分の作動などは60年前のレンズとは思えない。


美しい仕上げであるが2本と比べると見劣りしてしまう。写真だとわからないかもしれないが、表面のポッテリ感というか、リッチ感が違う。今回の場合SummicronとNOKTONが美しすぎるのである。この時代のドイツの金属加工技術やメッキ技術は世界一と言っても過言ではなく順当な結果であると言える。



2.写り


近接


八重桜を接写した。

今回は補助ヘリコイドアダプターを使い最短撮影距離の1mよりさらによって撮影しているため顕著に写りの特徴が出ている。接写は倍率が上がるためレンズの描写力が一番試される。
ちなみに絞りは上からF2 F2.8 F4である。

Hexanon 50mm F1.9

開放

開放からピントがある。当たり前のようであるが当時としてはかなり難しいことである。収差によるグルグルぼけも不自然なにじみも発生していない。逆光のコンディションであるがハロやコントラスト低下なども発生していない。評判にたがわないすばらしいレンズであることがわかる。


F2.8

F2まで絞ると写りはさらに良くなる。開放がハロっているレンズに見られるような劇的な写りの向上はないが、それは開放の写りがいいせいである。

F4

F4まで絞るとさらに画質は向上する。弱点はこれと言ってないが、強いていえば発色はやや控えめである。




Summicron 5cm F2

開放

開放の写りは圧巻である。現代のレンズでもここまで写るレンズは少ないであろう。発色もビビットでさすがの写りである。Hexanonの写りもすばらしいが開放の近接ではSummicronに分があるといえる。


F2.8

F2まで絞ると、写りはさらに向上する。


F4


F4 ズミクロンの真骨頂。個人的にはズミクロンのF4は最強だと思っている。シャープネス、発色、立体感いずれも申し分ない。 このレンズの発売当時にこの写りを見たら未来の写りだと思ったにちがいない。圧倒的である。

Nokton 50mm F1.5
F2

前述の2本に比べるとややパリッとしない写りである。写り自体は美しいが解像力は明らかに低い。コントラストや収差が悪いわけではないので画として問題があるわけではない。ただ好みは分かれる写りといえる。

F2.8

F2.8まで絞ってもやや甘い写りである。発色やボケは美しい。

F4

F4まで絞るとNOKTONの良さがでてくる。ドイツ玉には珍しい線の細い描写。美しいボケと発色。各要素の調和のとれた品のある写りである。どの絞りでも画としての美しさが崩れないのがこのレンズの懐の深さといえる。銘玉といわれる所以であろう。

近接においてはSummicronが圧倒的な写りを見せている。解像度、発色、収差とも弱点が見当たらない。Hexanonも設計などは先進的であるが、Summicronに一日の長があるといったところであろう。

F2での解像力は振るわなかったがバランスのよいNOKTONの写りもすばらしい。


ミドルレンジ


Hexanon 50mm F1.9

開放

開放からシャープな描写は近接時と同じである。現代のレンズと比べてやや硬めの描写が気になるが、グルグルボケなどは発生しておらず無理のない設計であることが分かる。右端の葉っぱもしっかり描写されており周辺部の収差も良好に補正されていることが分かる。改めて現代レンズに匹敵するほどの先進的な設計であったことに驚かされる。


F2.8

全体的に描写が向上する。傾向としては骨太な描写をするレンズである。


F4

このシチュエーションにおいてはF4はやや絞りすぎかもしれない。


F4

少し引き絵になるとF4でも硬さは目立たない。なだらかな美しいぼけである。


Summicron 5cm F2


開放

開放時の解像度は格別である。背景ボケがややうるさいがグルグルボケなどは発生しておらず、難しい白い被写体でもにじみなどは発生していない。本当にすばらしいレンズである。画角が狭く見えるが三脚を用いていないためである。

F2.8

絞るとやや固い描写になる。骨太の描写であることが分かる。

F4

やはりF4はこのシチュエーションと相性悪いみたいです。


F4

やはりSummicronのF4はすばらしい。今回試写ということで構図を追い込んでませんが、追い込んでいけばかなりの表現力であると思います。


NOKTON 50mm F1.5

F2

2本に比べると解像力は劣るが深いボケと繊細な描写が特徴的だ。

F2.8

どの絞りでも画として成立してしまう。不思議なものである。

F4

ほかのレンズだと相性の悪いF4でも気にならない。包み込むような写りです。

Summicronの写りが『メリハリ』ならNOKTONの写りは『調和』といった感じだと思います。


各レンズの開放の写りを比較してみました。

Hexanonの写りがSummicronに肉薄しているのが分かります。


F2.8



遠景


当日は曇天だったためハレーションを起こしやすいシチュエーションでした。クラシックレンズには厳しい条件ですがF2とF4で撮影しました。 ちなみにフードは装着していません。

Hexanon 50mm F1.9

開放

開放ではやはりフレアっぽいモヤがかった写りになっています。

平面性は高いようです。


F4

F4まで絞ってもモヤ感はあまり解消しませんでした。フレアのせいか発色もあまりよくありません。


Summicron

開放

さすがのSummicronも開放ではフレアの影響を受けています。この時代のレンズではフードを装着したり絞り込んだりと様々な対策を立てないとこのシチュエーションは厳しいようです。発色は悪くありません。


F4

F4まで絞り込むと写りがはっきりしてきます。発色もよくてびっくりします。フードだけあれば問題なく使えそうです。


NOKTON

F2

中心部は問題なさそうですが、周辺部に収差が残存しています。口径比が高いせいだと思います。

フレアも発生しています。


F4

F4まで絞り込むと収差が目立たなくなります。発色もまずまずですがコントラストは低いです。

遠景を撮影する際はフードが必須のようです。


HexanonとSummicronのみもう1シチュエーション撮って見ました。


Hexanon


開放


逆光の条件では少し発色がくすむようです。コントラストも低下しています。


F2,8

急激にピント面が立ち上がってきます。色も地味ですが階調は豊かです。


F4

シャープネスが向上してプリントにも最適な写りです。

柔らかい新芽感がよく出ています。


Summicron


開放



発色がHexanonに対して数段ビビットです。コーティングの違いかもしれません。


F2.8

柔らかなボケからピント部分が急激に立ち上がってきます。


F4

ほぼ円形の絞りであるため背景のボケも円形のままです。

ただ新芽本来の質感より少し硬めな描写です。


今回3本を試写してみて意外なことに気がつきました。

それは3本の性格です。一番個性的なレンズはNOKTONです。このレンズはどの絞りで撮っても一貫して画になります。開放付近でピントがにじんでも絞り込んでコントラストが向上しても画になるのです。

レンズ自体から設計者の美的感覚を感じる不思議なレンズです。今回の試写にはありませんが、逆光でハレーションを起こしてもそれはそれできれいな写りになります。ドイツレンズとフランスレンズのちょうど間のような感じです。

NOKTONと正反対なのがSummicronです。一切の妥協を感じないガチガチのドイツ玉といった感じのレンズです。カチッ!カリッ!と写ります。パキッ!スカッ!と抜けます。そのため絞りと被写体の組み合わせによってはとり合わせが悪いこともあります。

Hexanonは中庸なレンズです。様々なコンディションに対応します。開放からピントもきます。発色は落ち着いていますがくすんでいる感じではありません。とてもバランスのよいレンズです。

ただ僕にとっては少し物足りないレンズでした。SummicronもNOKTONも設計者や会社のポリシーみたいなものを体現している気がします。それがそのレンズの癖となって表れてるんだとおもいます。Hexanonはとてもよいレンズですがその癖をあまり感じることが出来ませんでした。


でも最大の問題は癖玉に傾倒するあまり『癖=正義』みたいな考え方になっている僕の思考だと思います。



2014.04.14 レンズ構成図についてPRAKTICARのレンズ構成図に誤りがあるとご指摘をいただき修正しました。

2015.05.18 再度構成図修正しました。

先日、『M42マウントスパイラル』のスパイラルさんからプラクチカール50mm f2.4もエルノスター型であると言う情報をいただき、早速手に入れてしまいました!



しかも調べてみると最初期型のエルノスターにそっくり!

最初期のエルノスターと同じ4枚構成です。








ご丁寧にマルチコートまで施してあります。

東側のレンズらしい紫のコーティングです。角度によってはオレンジのコーティングも見えます。

「生きている化石は進化してました。」的な感動を一人で味わっている今日この頃です。

始めに聞いた時には何で今さらエルノスター型?なんて思ったのですが、このレンズ、かなりいけてます!外観はかなり普通ですけど・・。


プリモプランを初めて使った時を上回る感動があります。
エルノスター型のボケは独特で、そのピント位置から同心円状にホロホロと崩壊していくようなボケには中毒性があるかのごとくです。






グルグルと少し違うホロホロとしたボケです。



なんか用もないのに色んなものを覗いてしまいます。
特に前ボケと解放時の点ボケは秀逸?です。








左下拡大。独特のキラキラ出ます。

画面中心部拡大。他のレンズではまね出来ません!


このレンズエルノスターの弱点のひとつ空気接触面が8面あることによるコントラスト低下をマルチコーティングで見事補正し、発色と抜けは申し分のない仕上がりになっています。

ピント部分の解像度はやや低めでエルノスター(ゾナータイプ)に共通の特徴です。PENTACONブランドのレンズに共通の特徴ともいえます。


エルノスターの弱点である非点収差や像面湾曲がシビアな点が独特なボケを生み出していると予想されます。

ガウスタイプであるとフィルム面から同一距離にあれば画面の中心でも端でもピントが合うのですが、このレンズではピント面から同心円状にぼけます。



中心部を拡大してみます

こうやって見るとピントの芯がないのがよく分かります。

左端

像面歪曲と非点収差で像がにじんでいます。

左上

こちらも結構な収差です。


上だと

そんなに悪くありません。

サジタル側の収差がきついレンズのようです。

上記の結果と僕の撮影時の感覚にずれはありますが、周辺部の収差は現代レンズとしては考えられないレベルのもののようです。

とはいえ、収差やボケを楽しむ人にうってつけのレンズといえます。

もちろん僕も大好きなレンズです!!


しかしPENTACONがなぜこのレンズをリリースしたかは謎が残ります。

プラクチカマウント(M42)時代にはこのスペックのレンズは存在していないためプラクチカバヨネットマウント(TM)以降の設計だと思います。新規に設計するに当たり大昔の設計を引っ張り出してきた理由が分かりません。

周知のとおりPENTACONはCONTAXやMeyerなどの流れにあたるためレンズのレパートリーに困ることはなかったと思います。ガウスタイプの廉価版を作るならTessarが妥当ですしM42時代にも50mmF2.8のテッサーはリリースされていました。このころテッサーは円熟期にあり完成されていたといっていいと思います。半段明るくするためにエルノスターを選ぶとしたらかなりな冒険だと思います。


あくまで推測ですが、生産性の向上と原価の抑制を狙ったのではないかと思います。

四枚のレンズを貼り合わすことなく作れるエルノスターは生産性という意味においてはとても優秀なレンズといえます。廉価版の普及機のレンズとしても十二分の性能も持ち合わせています。


まあ理由はどうであれこのレンズの写りと価格はとても魅力的です。

Bokhe中毒の方にはオススメのレンズです。





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最近ついにNOKTONを手に入れた。


もちろんProminentのNOKTON 50mm F1.5である。



ずっと探していたが手頃できれいな個体に出会えず、探すこと2年弱、やっと手に入った。


不思議なもので1本見つけて購入したら、そのすぐ後にさらにきれいな個体に出会い勢いで2本買ってしまった。


もちろん2本持ち続けることは不可能なので、先に手に入れたレンズは買った値段で売りに出した。キャッチアンドリリース?である。


ULTRONのときも同じ様なことがあった。不思議なものである。


Voigtlanderは言うまでもなく世界最古の光学メーカーのひとつである。


創業は19世紀で1807年というから桁外れに古い。


今回の3本、NOKTON ULTRON XENONはいずれもA.W.トロニエの設計である。



Schneider XENON 5cm F2 EXTマウント 1935年発売

シリアル:1400937(1938年製)

15枚絞り

レンズ構成:5郡6枚





XenonシリーズはA.W.トロニエが20代より設計に取り組んだダブルガウス型レンズである。このレンズは1934年に発表された第二世代で2群目の貼りあわせをはがした5郡6枚のレンズになる。この2群目をはがし対称性を崩した設計はガウスタイプが持っていた様々な弱点を一気に解決できる画期的設計であったが、コーティング技術や硝材(ガラス)の技術が当時は未熟であったため目に見える結果を出すことが出来なかった。

このレンズを設計する2年前にはF1.5という明るさのXenon 5cm F1.5を発明している。当時としては極めて明るいレンズであったが、1934年に天才ルードビッヒ・ベルテレの設計したCarl Zeiss Sonnar 5cm F1.5には及ばなかった。このときベルテレは34歳、トロニエは32歳であった。

Xenon5cmF1.5を設計してから4年後の1936年にLeitz社にレンズを供給することになりLeitzXenon5cmF1.5が誕生する。Leitz社は当時F2以上の明るさを持ったレンズを設計することが出来なかった。ライバルであるCONTAXはSonnar5cmF1.5をリリースしていたためSonnarに対抗すべくトロニエのXenonに白羽の矢が立った。このレンズはその後改良されSummarit50mmF1.5となり1961年まで生産される。


※この個体はレンズ研磨に出した際モノコートを施してある。もともとはノンコートのレンズである。



Voigtlander ULTRON 50mm F2 Prominentマウント 1950年発売

シリアル:4676376(中期型)

15枚絞り

レンズ構成:5郡6枚



戦後トロニエがフォクトレンダーに移籍。レンズビハインドコンパーシャッター式レンジファインダーカメラ『プロミネント』のために新しく設計したレンズである。その設計は2代目Xenonと酷似しているがコーティング技術も硝材も格段によくなっていたため写りも評判もよかった。プロミネントだけではなくヴィテッサやヴィトーなどにも採用されフォクトレンダーの主力レンズとしての地位を確立する。残念なのはプロミネントマウント以外のマウントがあまり存在せず基本フォクトレンダーのカメラ以外での使用が難しかったため評判は限定的であった。

1956年にVoigtlanderはCarlZeissの傘下に入り1969年には正式に吸収合併される。1960年代にCarlZeissと合同で開発されたIcarex用のレンズの標準レンズとしてULTRONが採用される。このULTRONは一枚目に凹レンズを採用し一眼レフ用にバックフォーカスを伸ばしてあった。レンズの表面が凹んでいるため凹ウルトロンの愛称をもつ。このULTRONはM42マウントも存在したため広く様々なカメラで使用されるようになった。凹ウルトロンは現代でも銘玉として多くのファンを持つ。



Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Prominentマウント  1950年発売

シリアル:3886237(中期型)

15枚絞り

レンズ構成:5郡7枚




1936年にLeitzXenon5cmF1.5を設計したトロニエ博士が、LeitzXenonとは違ったアプローチで1950年に設計したハイスピードレンズである。このレンズも『プロミネント』用として設計された。

ライカLマウントやレフタフレックスマウントなども存在する。特にレフタフレックスマウントは1眼レフに対応するための専用設計で8枚レンズである。このレフタフレックスマウントは極めて数が少なく価格も極めて高価である。

ノクトンの名称は夜を意味するラテン語『Noctis』あるいはドイツ語『Nacht』に由来するとされている。

夜でも撮影できるくらい明るいという意味であろうがこのレンズ以降明るいレンズの代名詞としてライカの『Noctilux』やNIKONの『NOCT NIKKOR』などにも使われている。

レンズ構成は1群目に貼合の凸、3枚目、4枚目はXenonやULTRONと同じくセパレートとなっている。3枚目と4枚目の間の空気間隔はいわゆる空気レンズとして機能している。1953年に発表された初代Summicronで有名になった空気レンズであるがすでにトロニエによりNOKTONで実践されている。(空気間隔を収差補正に使う考え方はさらに古い時代から実践されている。)

近代、現代の標準レンズの多くがXenon、LeitzXenon、NOCTONから少なからず影響を受けているとされる。



F2


F2


F1.5

F2


F2拡大

F2拡大

F1.5拡大

F2拡大


f4


f4

f4

f4拡大

f4拡大

f4拡大


試写をしてみた結果この3本はとてもよく似ていることが分かった。

そのため写真を見比べてもあまり差が分からないかもしれない。

ただ、撮影していると明らかにフィーリングの差を感じることが出来る。そのフィーリングの差は以下の通りである。



XENON 5cm F2


解像力

開放はやや軟調な印象であるが、F2まで絞るとシャープネスが劇的に向上する。

さらにF4まで絞っていくと他の2本と遜色ないシャープネスを持つ。


ボケ

開放からザワザワとしたやや2線ぽいボケ。絞り込むにつれ硬さも顕著になる。


総評

解像力、発色、コントラストなど他の2本に比べても遜色がない。1934年に設計されていることを考えると非常に完成度の高いレンズであることが伺える。同時代のBiotarなどに見られるグルグルボケなども見られない。

唯一残念なのがやや2線ぽいボケと硬めの描写。F4でも花びらの拡大画像を見ると花びらが実際の質感よりパリパリとした感じに写っていることが分かる。


ULTRON 50mm F2


解像力

開放でのシャープネスは3本の中でもっとも高い。


ボケ

Xenonで見られた2線ボケは見られず、とても良好である。


総評

1枚目の順光での開放も、2枚目のF4まで絞り込んだ逆光も良好な写りである。コンディションを選ばないオールマイティーなレンズであるが、裏を返すとやや面白みにかける。

とはいえ写りの安定感は今回の3本の中でトップである。

NOKTONに比べて格安で手に入るが、コストパフォーマンスは高くお勧めのレンズである。



NOKTON 50mm F1.5


解像力

開放ではかなり軟調であるがF2まで絞るとやや軟調といったレベルになる。F4まで絞るとかなりシャープになる。


ボケ

3本の中でもっともボケは柔らかい。基本的なボケの感じはULTRONとよく似ている。


総評

開放でのとけるようなボケ、F2での立体感、F4でのシャープネスと幅広い表現力を持つ。

1950年に登場したこのレンズは当時としては明るさ、表現力とともに非常に卓越したものを持っていたと思われる。



今回トロニエの設計した3本のレンズの写りを見てきて感じたのは氏の卓越した設計理論と設計センスである。XenonもNoktonも当時の同じクラスのレンズの1世代先を行く設計であったであろう。

Xenonは当時のガウスタイプの2つの大きな弱点、グルグルボケとコマフレアの軽減に成功し、シャープで平面性の高い写りを実現した。

NOKTOではXenonで達成できなかった2線ボケの問題を見事解決し、ガウスタイプレンズを進化させることに成功した。ベルテレが人生をかけゾナーを完成させたようにトロニエも不完全だったガウスタイプレンズを完成へと導いた設計者であったことが分かる。


最後にNOKTONを所有したらやってみたいことの定番、夜の写真です。










妖艶な写りをするいいレンズです。








出展:『ぼくらクラシックカメラ探検隊・フォクトレンダー』 オフィスヘリア 

    Schneider Optics 『Age of lenses』 

    M42 MOUNT SPIRAL 『トロニエの魔鏡1』、『トロニエの魔鏡2』