シネレンズとオールドレンズで遊ぶ! -16ページ目

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

すっかりうちの1軍入りを果たしたULTRON 50mm F2です。

今日はワークショップで昭和記念公園に行きました。『黄葉&紅葉まつり』ですごい人でしたが、さすが銀杏並木はは綺麗でした。
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写真は紅葉ではなく乙女椿ですけど。

本当にULTRONはいいレンズです。

クラッシクレンズのひとつの完成形だと思います。

ここからは諸々の事情によりEOS-1Ds MarkⅡとEF50mmF2.5MACROになります。ブログの趣旨と合わないのですが、ULTRONで紅葉撮ってませんでした(笑)すみません。


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現代のレンズってよく写りますね(笑)でもDIGICはⅡに限ります。高感度弱いですけど・・。




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我ながらわけのわからないタイトルです。

我が家にある3本の解像度番長レンズを比べてみようという思いつきです。

深い意味など全くありません。

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まずはスイター ALPA SWITAR50mm F1.8

拡大すると

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こんな感じです。ロングレンジはスイターの弱点です。

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プロミネント用のULTRONです。ULTRON 50mm F2

拡大すると

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凄い解像力です。

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Arriflex Cine-Xenon 35mm F2です。焦点距離が違うので不利です。

拡大すると

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まずまずです。

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SWITAR 50mm F1.8

素晴らしいボケです。

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ULTRON 50mm F2

やや硬調のボケです。

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Arriflex Cine-Xenon 35mm F2

ボケの感じはULTRONに似ています。

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ボケが深くシャープなピント。普通の写真なんですが、雰囲気あります。

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いい写りです。ピンは最もシャープです。
SWITARと色の違いがあります。

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距離感を合わせてみました。

悪くないです。
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並べてみました。

結果から言うと好き好きですね。

解像度はULTRON、写りの良さはSWITAR、といったところでしょうか。

ULTRONは現在うちの解像度番長です。

メンテナンスから帰ってくるズミクロンと頂上対決をしてみたいです。



敗戦間もない1945年にカメラ作り乗り出した企業がある。いわずと知れた『NIKON』である。戦前陸海軍の受注を中心に事業を展開していた日本光学も敗戦とともに民間事業を始めることとなった。そのときに新規事業として始めたのがカメラ作りであった。この話しは当時ニコンの社員でニコンの創成期を知る荒川龍彦さんの著書『明るい暗箱』に、当事者しか知りえない貴重なエピソードとともに書かれている。でその中で最初期のニコンであるI型のフィルムサイズについての話題がある。現在は35ミリカメラといえば24mmX36mmのいわゆるライカ判が常識である。常識過ぎてライカ判なんて言葉もないくらいである。しかしカメラ作りに乗り出したばかりのニコンには2:3より3:4の画面の方が美しいし、36枚撮りのフィルムで40枚撮れるということで24mmX32mmという画面サイズを採用した。その後この画面サイズは自動現像機で処理できないなどの理由からイーストマン・コダック社などからの大クレームにあい短命に終わるのであるが、画面比率が美しいという考えで新しい画面サイズを採用するという姿勢が、当時のニコンのカメラ作りに対する真剣さを物語っている。それから約半世紀たった1999年オリンパスイメージングが次世代デジタルカメラにふさわしい撮像素子の規格4/3を策定した。フォーサーズとは4/3インチ(正確には撮影管4/3インチ相当と言うことらしい)撮像素子を使ったもので、その画面サイズは18.0mm×13.5mmで比率は4:3であった。ニコン判の提唱より半世紀を経て、デジタルカメラでで3:4の画面比率が復活したのです。2002年に発表された共同策定者のうちの一社は皮肉にも50年前にニコン判にクレームをいれたイーストマン・コダック社であった。その後マイクロフォーサーズ規格も策定され現在ではミラーレス一眼というひとつのジャンルを確立するにいたっている。2012年現在、ライカをはじめカールツアイス、シュナイダー、コシナ、シグマ、ケンコー・トキナー、タムロン、駒沢商会、アストロデザインなどが規格賛同を表明している。50年のときを経てニコン判の(比率と言う意味で)正当性が評価されたわけである。というと大げさかもしれない。

山崎光学写真レンズ研究所にお願いしてあったXenon5cmF2が戻ってきた。
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このシルバーの美しいレンズはエキザクタ用に作られたもので1934年にAWトロニエにより設計された。

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5郡6枚という先進的なレンズ設計です。
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仕上がりが待ち遠しかったので帰りながらいろいろと撮ってしまいました。
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ハレーションに弱く、諧調が少ないのは世の中の評価とおりでした。
ハレーションと言うか虹が出てます。
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ペンとの相性も抜群です。
レンズの曇りは完全にはとれていないのですが、魅力は十分なレンズです。
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なんか情緒のあるレンズです。
性能では語れないレンズのよさです。
久しぶりに画像処理した写真を載せて見ます。
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雰囲気があるとイメージも膨らみますね。
なぜか今回花ばっかりです。


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つい最近MINOLTA MC W.ROKKOR 35mm F2.8 HGを手に入れた。
フードつきの美品だったため、迷っていたところ店主が値引きしてくれたのでありがたくいただいた。
角型フードがかわいいです。
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このレンズは1966年から1967年の1年だけ発売された前期型。後期型はピントリングの幅が小さくなっている。レンズ構成などは変わらない。典型的なレトロフォーカスレンズである。1960年代といえば、国産レトロフォーカスレンズの黎明期にあたる。まだ洗練されていないクラシカルな写りが魅力である。しかしながら、戦中からコーティング技術の研究を始めていたミノルタらしく発色は非常によい。個人的な印象では本家アンジェニューよりもいいとおもう。シャープネスが高いとは言いがたい写りではあるが、味だと思えれば非常にいいレンズだと思う。シャープネスとクラシカルな写りはレンジファインダー用レンズにはかなわない。
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でも現代のピシッ!!シャッキッ!!とした広角レンズにはない暖かさがあります。
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しっかりボケます。
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収差が過度に補正されていないクラシカルなボケが素敵です。
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このレンズの相場は1万円しないです。
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スナップで遊ぶには最適なレンズだと思います。
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散歩が楽しくなりますよ。


先日はマウントアダプターが到着した嬉しさで勢いで記事を書いてしまいました。

で、今回は少し冷静に書いてみようと思います。

日中のひなたの写真がないなあと思って・・。
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順光です。階調はあまり深くないようです。
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解像度は高いですが、少し趣に欠けるようです。
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コントラスト高いです。
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拡大すると階調がないためシャドウ部が潰れています。
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拡大すると
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こういう時は悪くないみたいです。
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逆光ではやはり少しハレっぽいです。
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逆光の光量を絞ってやると
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割と優秀な結果が得られるようです。
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ハレっぽさを雰囲気ととるかどうかで評価が分かれそうです。
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ハレーションが発生しても解像度が落ちないのはCine-Xenonなどと同じです。
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こちらも同じく
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解像度は落ちてません。

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夜は

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得意なようです。

このレンズ実は使う人の技量が必要なレンズのようです。

少し逆光要素が強ければハレーションが起きます。
階調も限られているので、ハイコントラスな被写体には向きません。

その代わりうまく使ってやると空気感を出せます。

僕もデジタルじゃないと使いこなせない気がします。フィルムだと一眼レフじゃないと全くダメですね。

このレンズはレンジファインダー機のものなので、フイルムで使いこなすには相当な熟練を要したのではないかと思います。

このレンズとじっくり付き合ってみようと思いました。

フォクトレンダー社プロミネント用ウルトロンのマイクロフォーサーズアダプターが到着しました!
ってカタカナばかりですみません。

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現在、コシナ社が作っているフォクトレンダー社のウルトロンの元祖です。
VOIGTLANDER社は18世紀にオーストリアのウィーンに誕生した光学メーカーです。オペラグラスは当時のフォクトレンダー社の主力商品でオペラグラスのことをフォクトレンダーと呼んだほどでした。その後ドイツに拠点を移します。本格的にカメラ生産を開始するのは18世紀に入ってからです。1842年に発売されたペッツバールのレンズはあまりにも有名です。ウィーン大学の数学の教授であったヨーゼフ・ペッツバールはオーストリア陸軍砲兵隊の計算が得意な者の助けを借り、当時としては驚異的に明るいF3.7のレンズを発明します。それまでのレンズはF17だったので実に4段以上も明るい事になります。明るさにして16倍以上です。このレンズの発売後フォクトレンダー社は世界を代表するカメラメーカーとして様々な名機を発表していきます。今回のレンズウルトロン50mmF2は1951年発売のレンズ交換式レンズシャッタレンジファインダーカメラであるプロミネントの標準レンズである。レンズシャッター式のレンジファインダーカメラは当時多数発売されていたが、レンズが交換できるものは珍しい。その後ベッサマチックやウルトラマチックなどのレンズシャッター式一眼レフも同社から発売される。このころのフォクトレンダーはレンズシャッターにかなりのこだわりがあったことが分かる。ウルトロンはウイリアム・トロニエによって設計されたガウスタイプのレンズだ。僕がトロニエを知るきっかけになったM42 MOUNT SPIRAL の『トロニエの魔鏡』 はトロニエの経歴が分かりやすく書かれている。(すばらしいブログなのでぜひご一読いただきたい)トロニエ博士はシュナイダーでXenon 5cmF2を設計する。このレンズは当時主流であった4群6枚のガウスタイプレンズをさらに進化させるべく第2群の接合面をはがした5群6枚のレンズ設計とする。
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4群6枚 代表的なガウスタイプレンズ プラナー  1896年 パウル・ルドルフ
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Schneider Xenon 5cm F2 1934年 A.W.トロニエ 
プラナーの第2郡の貼りあわせをなくした変形ガウスタイプレンズ。空気接触面を2面増やすことで各収差を補正することを試みた。しかしコーティング技術のなかったこの時代において空気接触面を増やすことはレンズ内面反射を増大させる。この設計は順光の描写性能は向上させるが、逆光性能を犠牲にするという諸刃の剣的な設計であった。
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Voigtlander ULTRON 50mm F2 1951年 A.W.トロニエ
シュナイダーからフォクトレンダーに移籍したトロニエが手がけた標準レンズ。レンズ構成はXenonと同じである。コーティング技術が発展してきたこの時代にXenonの弱点をカバーして設計された。圧倒的な解像力とこの時代のレンズとしてはトップクラスの収差補正を両立している。個人的な印象としてはズミクロンクラスではないかと思う。世間での評価が低いのは、カメラ側の精度も影響しているのではないかと思う。
ズミクロンとの試写も追ってやりたいと思う。

こうして過去のレンズの設計の正しさを20年越しで証明したトロニエであった。その後、この2群目を張り合わせない設計はコマ収差の補正の定番となり、1980年代の国産レンズのほぼすべてがこのレンズ構成を取る事となる。

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ファインダーを覗いた瞬間、ピント面にチラチラとちらつきが発生するのが超高解像度レンズの特徴である。
オリジナルサイズの写真をアップしました。興味のある方はダウンロードしてみてください。
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中心部拡大。過去最強クラスの解像度です。
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曇りのコンディションでもハレっぽくなりません。
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拡大。エッジがたってます。
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無限遠側の解像度は?
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スキがないです。絞りはなんとF2.8です。
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フェンス越しと言う悪条件でも
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解像力はゆらぎません。
外観といい写りといい当時のレンズ設計やレンズ製作に対する執念を半世紀した今でも感じることができます。運よくオリジナルコンディションのULTRONを手に入れることができたら、一生付き合っていけるレンズになると思います。




ドイツのレンズ、特にライカやツァイス、フォクトレンダーなどはレンズに名前をつける。多くはレンズ構成に対してつけられる事が多い。膨大な計算を積み重ね長い年月をかけてやっと誕生したわが子に名前をつける感じであろうか。そしてそのわが子を育てるがごとくリニューアルのたびに考えうることを取り入れる。硝材のみなおしやコーティング技術や非球面レンズなどある意味コスト度外視である。開発コストの跳ね返った製品は決して安くはないが人々の心を捉える商品を生み出す。そして愛着を持ってその名前を呼ぶ。そして同じ名前の商品をリニューアルに際して根本的な設計変更はあまりない。一部ズームレンズや望遠レンズに例外もあるが、こういった商品には日本がかかわっていることが多いと思う。日本のレンズにはブランド名だけが決まっているものが多い。レンズ設計は時代の流行による気がする。戦後すぐはゾナータイプ。その後にいっせいにガウスタイプに移行し、パンケーキがはやるとテッサータイプにといった具合にはやりに敏感に対応して仕様を変更する。マルチコートや非球面、大口径化なども同じく流行とともに開発競争が展開されてきた気がする。そういった場合、レンズの焦点距離は単純に数値として表記したほうが都合がいい。レンズ設計や仕様にいちいち名前をつけていたら膨大な数の名前になってしまう。レンズ設計によって名前が違いますなんて家電量販店で説明し始めたら日が暮れてしまう。そして最近触れることが多いロシアレンズ。デッドコピーなどといわれてしまうことが多いのであるが、実は本家よりも長い時間同じ商品を作り続けている。しかし漫然と作り続けているのではなく、時代に合わせて仕様変更している。ただ設計はほぼ同じままである。皮肉にもそのことで、1940年代のドイツのレンズ設計技術の高さが証明されている。こうしてみているとドイツ、日本、ロシアとも同じ事をしているが基本理念が違うことが分かる。ドイツはひとつの基本をとことん極める。つまり成熟させていく。6群7枚でスタートしたズミクロンはその発展の過程でどんどん洗練されていき、ついにはガウスタイプの基本4群6枚に落ち着く。まるで刀が研ぎ澄まされ無駄なものが削げ落ちていく感じである。しかも第3世代のズミクロンは全12面の内3面が平面であるというから驚く。ガウスタイプのひとつの究極の形であろう。もちろん50mmのF2という基本スペックを変えないことによるところもライカらしい。反対に日本のレンズは常に革新を常としている。キャノンを例にとって見ると、キャノン7の50mmでF0.95を実現する。ただコマ収差やハロがひどいとか、絞りの実測が0.95ではないなどいろいろな意見もあった。そのごEFマウントで発売した50mmF1.0は超大口径レンズのひとつの到達点であろう。9群11枚のレンズ構成で非球面レンズを2面も使った複雑なレンズ構成はもはやかつての50mmF0.95とは
まったく別のレンズである。こういった技術革新が日本の得意とするところであろう。しかしこういった技術の反面、ブランディングには成功してるとは言い切れずこのレンズは現行ではひとつ下位の50mmF1.2に置き換わっている。NOCTILUXのように伝説にはなりえなかったということであろう。そして旧ソ連、現在の東欧諸国は相変わらず同じレンズを作り続けている。JupitarやHeliosなどといったコピーレンズも健在である。Jupitar-9にいたっては現在新品でかえる唯一のゾナータイプではないだろうか?賛否分かれるがJupitar-9も愛好者が多い。まあそれらはもれなく一部のマニアだが、歴史やレアな光学設計、そして価格の手軽さなど魅力は申し分ない。こうしてみてみると、今後日本のレンズに求められるのは、ブランドであると思う。ゆるぎない性能と歴史を兼ね備えたブランドレンズ。技術や生産能力は十分すぎるほどにある。先日コシナ製のNOKTON17mmF0.95と25mmF0.95を試写してみた。すばらしい作りだと思う。純日本製のレンズであると思うが、これだけのレンズを作れる素養が今の日本にはある。残念なのはそのレンズ名が日本のものでない点である。願わくば純日本製のブランドレンズでなおかつ継続的に生産をし基本構成を変えず、絶えずブラッシュアップを続ける。限定生産でも受注生産でもいい。そういった純国産ブランドレンズを作っていただけないだろうか?多少法外な価格でも待ち望んでいる人は多いのではないだろうか。
出張先の大阪で珍しいレンズを発見したので購入してしまった。
Macro-Takumar 50mm F4
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コンパクトなレンズです。
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最大まで繰り出すとこんなに伸びます。全長が2倍近いですね。
1964年発売のマクロレンズです。コンパクトですが等倍まで寄れる変わり者です。プリセット絞りと言う半自動絞りを採用しているため、レンズの先端に絞りリングが2重に付くユニークな形をしています。1966年には自動絞りのSuper-Macro-Takumar 50mm F4が発売になるためこのレンズは2年間しか販売されなかったレアなレンズになります。しかも後継型のSuper-Macro-Takumarは1/2倍までしか寄れないためある意味グレードダウンしています。このレンズ3郡4枚のテッサータイプを採用しています。一眼レフでは世界初のマクロレンズとなるマクロキラーと同じレンズ構成になります。
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左側の絞りリングが絞り、右側がプリセット絞りリングになります。絞り表記の下にあるのが露出倍数表記です。ヘリコイドの先端側に表記される撮影倍数表示(写真の場合1:1、等倍)の色のポッチに絞りを合わせると自動的に露出倍数を補正したことになるという便利機能。この写真の場合は撮影倍数は1倍でポッチは赤になるのでF8が開放になります。ちなみに露出倍数とはヘリコイドやベローズが伸びてしまうことにより減少する光の量を補正するためのものです。通常ヘリコイドの長さをメジャーなどで測って、露出倍数表に照らし合わせて算出します。

で、余談になりますが、本家テッサーにはマクロレンズはなかったと思います。ベローズマクロのテッサーはあるようですが、ヘリコイド版はないようです。理由は諸説ありますが、開放値が明るくできないというのが大きな理由のようです。前述のマクロキラーは40mmのF2.8の明るさを実現しているので、設計は結構苦労したのではないかと思われます。ちなみにこのレンズの開放値はF4ですが等倍撮影時露出倍数が2段分かかるのでF8の明るさになります。その当時はフィルムの感度がなかったので、照明と三脚が必須アイテムだったと思います。
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しかしうわさどおりよく写るレンズです。
マクロ域以外はかなり硬調な写りです。それがかえってマクロ域でいい硬さになってるんだと思います。
デジタルになって開放値という呪縛から開放されたとき、本当に正しいのはシンプルな構成のレンズなのではないかと思うようになりました。
ちなみにこのレンズをマイクロフォーサーズで使っているため最大繰り出し時の倍率は2倍になります。
500円玉を撮ると
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こんな感じです。ふつー使わないですよね!!こんな倍率。

このシリーズ最後のレンズはHelios 44-2 58mm F2 前の2本レンズと同じくこのレンズもコピーレンズである。このレンズのオリジナルはカールツアイス・イエナのBIOTARである。エキザクタのレンズとして有名なレンズであるが、ツアイス・イエナのその他のレンズと同じように、戦後ソビエトに接収される。そして試作を経てZENIT用の標準レンズとして生まれ変わったのがHelios-44(M39)このレンズのバージョンアップ版がHelios-44-2にあたる。

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58mmF2 最短撮影距離0.5m 8枚羽根と普通のプロフィールである。
このレンズの特徴はズバリ2つ。驚くほど多いバリエーションと驚くほどの中心解像度である。僕自身、以前ZENITとこのレンズを所有していたが、その当時はフィルムしかなかったのでいまいちこのレンズを正当に評価できていなかった。最近になって知り合いに借りてデジカメで試写してみると、その解像力の高さにぶっ飛んでしまった。バリエーションに関しては、今回の記事でお世話になりっぱなし(本当にありがとうございます)のM42 MOUNT SPIRAL に詳しく書かれています。
大雑把に書くと、
BTK(プロトタイプ)
Helios-44
Helios-44M
Helios-44-2
Helios-44-3
Helios-44-3M
Helios-44-4
Helios-44M-4
Helios-44K-4
MC Helios-44M-4
MC Helios-44M-5
MC Helios-44M-6
MC Helios-44M-7
Helios-44M-x(現行品?)
ちなみにこのラインナップがKMZ,VALDAI.MMZと3工場で作られている。刻印などで識別されるのであるが、それをバリエーションとするならば、本当に膨大なバリエーションになる。驚きなのはZENITのホームページ でまだ販売していることだ。1958年に誕生したレンズがバリエーション違いとはいえいまだに新品で買えるなんて、日本人の感覚としては信じがたい。キャノン7用として発売された50mmF0.95が1961年発売であるのでこのレンズがまだホームページで買えるといった感じだろうか。ちなみにJupiter-9も買えるようだ。
ロシアンレンズ全体にいえることであるが、1940年代のレンズが現行品や現行品に近い形で生産されているということは、マニア的にはありがたいことである。1940年代以前のレンズにマルチコーティングなどの近代の技術を施すとどういう写りになるかと言うのは、マニアにとってはぜひ知りたいことだからである。そういったレンズ進化の歴史を逆行できるダーウィンの進化論的なレンズがHeliosであるといえる。
ちなみに僕のレンズはHelios-44-2(VALDAI)でシリアルから1978年製である。4群6枚のレンズのうち2枚がコートレンズ、その他はノンコートのようだ。第2群の1枚に青紫、第3群の1枚に赤紫のコートがされている。ロシアレンズのほとんどがそうであるようにこのレンズもレンズ内に大きな気泡が入っている。絞り不動と言うことでジャンク扱いだったが、外観が綺麗で分解痕もなかったため不思議に思い購入。家に帰って思いっきり絞りを回すとあっさり復活。案の定固着しているだけでした。未使用並みの備品がジャンク価格で手に入ったのでラッキーでした。
本題に戻り中心解像度の話しですが、とにかくこのレンズパキパキに写ります。
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ビルのガラス越しに撮って見ました。中心部を拡大すると
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こんな感じです。高解像度レンズのお決まり、カメラ側の解像度不足でレンズの本当の実力が分かりません。ちなみにカメラはE-P2です。ガラス越しと言う悪条件にもかかわらずこの実力です。
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この各画像を拡大すると
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こんな感じです。シャドウだろうが関係なしです。ロングセラーの理由が分かります。ダブルガウスのレンズはこのレンズと同じ4群6枚から始まり5群6枚、5群7枚、6群8枚と時代の流行とともに増えていったが、ズミクロンの第三世代などは4群6枚に戻り、現行も4群6枚になっている。画面周辺の収差やハロなどが解決できるのであれば、4群6枚の構成が理想的であるということであろう。もちろんズミクロンは材質的にも設計的にも加工精度やコーティングについてもあらゆる手段を講じた上での4群6枚なので単純に比べることはできないが、Heliosも理想的なシチュエーションを作り、なおかつ中心部の描写だけ言えば、いい線まで行くのではないかと思う。それくらい中心解像度は高いです。

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うまく逆光をコントロールできれば結構写ります。
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逆光には弱いです。
でもいやな感じではないです。むしろ生かせばいい感じだと思います。
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少しいびつなマウント部分もツボです。

今回3本のレンズを扱ってみて、デッドコピーとか安いレンズという評価が付いているロシアンレンズですがその経緯はさておきひとつひとつのレンズはかなりなものだと思います。安く売っているから、それなりと言うことではなく末永く長い時間をかけて付き合っていけるレンズであると思いました。もし幸運にも安い値段で遭遇できたなら手元においてゆっくり楽しんでみてはいかがでしょうか?