シネレンズとオールドレンズで遊ぶ! -15ページ目

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

Rolleiflexの続編を書いているのですが、色々調べるうちに文章が長くなっています。近日中にはアップします。

で、またやってしまいました。FL58mm F1.2がジャンクコーナーに・・。1本持っているのですが、つい・・買ってしまいました。最近この2本買いを立て続けにやってしまします。Cine-Xenon50 、ULTRON50mm、CineXwnon25mm、FD50mmF1.8、そして今回のFL58mmF1.2。なぜ2本買ってしまうのか?この時代のレンズは個体差があるので、こっちのレンズの方がいいんじゃないか?オリジナルコンディションなのではないか?と思うとつい買ってしまうんです。で違いはあるのかというと、困ったことにあるんです。だから2本目買いを止められないんです。今回のFLは前枠にも後枠にも派手な当たりがあります。光学コンディションは前玉、後玉に小傷、レンズ周辺部に小曇りと劣化。でもマイクロフォーサーずなのであまり関係ない感じです。ガラスは前期トリウムで黄変してます。ただ全体的にコンディションは悪くないです。もう一本のレンズよりはるかに良いです。しかも価格は派手なあたりのおかげで市場価格の半値くらい。いい買い物でした。
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派手に凹んでいるので地面にめり込んでるみたいです。
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完全にベコってます。でもこのレンズ径にはかぶせレンズキャップがあるので、レンズキャップは純正で行けます。
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わかりにくいけどリヤもいってます。シルバーのリングも歪んでます。よくレンズが無傷だったと思います。
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トリウム玉によくある黄変です。

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でも市価の半額なら買いだと思います。
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開放です。この時代のレンズは開放時のコマフレアが処理されてないので、基本的に開放では、シャープさに欠けます。でもF1.2特有の激薄の被写界深度は楽しめます。

少し絞ると
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十分実用です。FD50mmS.S.Cあたりと比べると明らかにシャープネスがないです。ちょうどSuperTakumar50mmF1.4ぐらいな感じです。
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ヌケもよく使いやすいです。
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ボケ方がオールドレンズっぽいです。個人的にはツボです。
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で、F5.6まで絞ると充分シャープな写真になります。

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十分な解像力であるのがわかります。


このレンズ放射線量がかなり高い玉としても有名です。

特に後玉強いようです。
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この写真をアップしてみて気づいたのですが、
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青い点が写ってました。

これって放射線の点じゃなかったっけ?

写真によって出たり出なかったりって感じです。

お詳しい方教えてください。

結果としては面白いおもちゃが増えました。もう一本のFLをどうするかが当面の課題です。


深海には過酷な環境に適応するために独自の進化を遂げた魚がいる。いわゆる深海魚である。

その独特な見た目は我々の想像を超えている。

Rolleiflex 3003もまた独自の進化を遂げたカメラと言える。

このカメラと同じ機構を持った35mmフィルムカメラを僕は知らない。おそらく唯一のカメラだと思う。


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見た目は中盤カメラと酷似している。

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このカメラなんと
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ウエストレベルファインダーを搭載している。

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上から見るとこんな感じ

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もちろんルーペも持っている。

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横から見るとわかるが
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ビューファインダーも内蔵だ。ウエストレベルとビューファインダーの2つを標準装備しているカメラなんて見たことがない!

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フィルムの装填方法も独特だ
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フィルムフォルダーが外れる。完全に中盤カメラの構造である。

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しかし中は正真正銘35mmフィルムである。

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フィルムホルダーです。

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本体側はこうなってます。レールとシャッタが見えます。

このカメラのすごい点はフィルムの平面性の出し方。

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本体左側面のセレクターを
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セット位置に回すと
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奥まってたフィルムが
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飛び出してきてシャッター部分のレールに密着する。これによってフィルムの平面性が保たれている。

すごい作りである。

このカメラが登場した1980年代は日本カメラ全盛期である。

NIKONのF-3やCANON のF-1などに代表される日本型の35mm1眼レフカメラではない形のカメラを模索しての結果であろう。この時期ローライはツアイスイコン傘下になっていたフォクトレンダーを買収。その際にIcarexSL706を手に入れその後これをもとにSL35を販売していたのであるが、上位機種としてこのSL2000FとSL3003があったことは興味深い。老舗カメラブランドの意地のカメラであったとも言える。

ちなみにSL2000FとはRolleiflex3003の先代のモデルに当たるのであるが、
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うちにはなぜか2台ともある。SL2000Fの方は少し調子が悪いのであるが、3003は絶好調である。

なぜ2台あるかは謎なのであるが、ネットを見ているとRolleiflexユーザーの方々は2台、中には3台(3001)持っている方が多いようだ。きっとみんななぜだか買ってしまうのであろう。このカメラの魅力ゆえかもしれない。とはいえ当時は販売価格が高価だったことや、携帯性の悪さ、操作の複雑さ、なんといっても知名度の低さからあまり販売台数は伸びなかったようである。

この2台、シャッターの最速が1/1000から1/2000に変更になったこと、シャッターボタンが1つ増えたこと、電池ボックスの形状が変更になったというのが主な変更点である。

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フロントはほぼ同じ。ネームプレートの違い程度の違いである。
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向かって左サイドはほぼ同じなので割愛。

向かって右サイドの操作パネルの形状が変更になっている。

左が3003、右が2000

つまみがレバー状になって使いやすくなった。
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最大の変化はトップ。左下にシャッターボタンが追加された。シャッターの最高速とレイアウトも変更になっている。

電池ボックスは外から違いはあまりわからないが、
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このカメラの電池は充電式のニッカドバッテリーだが、3003になって中の電池が交換できないタイプに変わった。これはSL2000Fで中のニッカドをアルカリ電池など違うバッテリーに交換して故障が起きるといったトラブルが多発したためだと思われる。

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これが充電器

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電池をセットするとこんな感じ。

電池をユニットごと充電する。インジゲーターが麦球みたいな電球で新鮮でした。この時代すでにLEDはあったはずだがなぜむぎ球なのかは謎である。

このカメラの写りは驚くほどいいのであるが、それはまた今度改めて書こうと思います。

レンズラインナップも改めて書きます。




最近とは言っても半年前から『写真学校』というワークショップを始めました。

『撮りたい写真が撮れるカメラとレンズをコーディネートする』ワークショップとしてスタートして便宜的に『写真学校』と呼んでいるワークショップなのですが、都内の中古カメラ屋を一緒に巡ったり、基礎を勉強したり、撮影会を開いたりしています。月一のペースでやっているのですが、毎回10人前後の人が参加してくれています。前回投稿した浅草の写真屋今回の昭和記念公園などもこのワークショップで行った時に撮ったものです。このワークショップでは難しい理論よりも実践を大切にします。初めて参加した方にもカメラを貸し出すので、いきなり写真が撮れちゃいます。

いま、ホームページを作成中なので出来上がったら見てやってください。

昭和記念公園など


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Arri Xenon 25mmで撮った写真をLightroomで現像しました。

毎回レンズ特性を生かすために撮って出しなのですがたまには気分を変えて。


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Lightroomにかかればどんなイメージでも自在に作ることができます。

でも雰囲気はレンズに頼るところが多いです。

お気に入りのレンズと使いやすいカメラとLightroomがあれば完璧です!




仕事の関係でうどん県に行ってまいりました。


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一見、近代的なアーケードなのですが、
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あちらこちらにディープな匂いのする道が・・
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最近こんな捨て看板も見なくなりました。
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そしてアーケードを路面電車が横断する光景。
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なんのマークなのだろう?
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気になるお店だらけです。
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おせんべい屋さんによってみました。
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甘いせんべいばかりでした。予想外!!


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手焼きなんだそうです。


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大学生のお孫さんは東京にいるそうです。
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夜までやっているうどん屋さんへ
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現地の人に勧められたうどんを素直に注文。

スパイシーで具だくさん。美味しかったです。

たださぬきうどんならではのこしを楽しむうどんではなかったので次はスタンダードなうどんに挑戦。
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で、次の日紹介されたこの店にやってきました。

元は『根っこ』という店舗だったそうですが、最近変わったそうです。
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セルフサービスがスタンダードなスタイルだそうです。
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都内ではなかなかお目にかかれない『肉うどん』

僕の大好物です。

甘いお出汁といい、コシのある麺といい、非の打ち所のない肉うどんでした。

やはり香川のうどんはうまいですね。

今回はレンズと全く関係ない記事でした。

ちなみに

PEN E-P2 Arriflex cine-Xenon 25mm F1.4 です。

光学レンズ黎明期

オールドレンズと現代レンズの区分けはどこであるか?明確な区分けはない。区分けたところでしょうがないのであるが、一番明確な差は設計の方法であろう。1840年代にウイーン大学のペッツバールによって設計されたレンズがフォクトレンダーより発売された。これ以後、本格的なレンズ設計の時代に入る。1978年にカールツァイスの誘いでイエナ大学の物理学者であったエルンスト・アッベがカールツァイス社に入社する。同社はこれ以後数学や光学を駆使したレンズ設計をはじめる。クラシックレンズの起源はこのあたりであろう。その後20世紀初頭にテーラー・ホブソンのトリプレット、ハンス・ハルディングのヘリアー、パオロ・ルドルフのテッサー、同氏のプラナー、ルードヴィッヒ・ベルテレのゾナー、などが次々と発明されレンズ設計はこれらのマスターレンズの元、体系化されていく。これ以後のレンズのほとんどは『○○タイプ』と呼ばれる。現代においても標準レンズの多くはガウスタイプ(プラナータイプ)、コンパクトカメラやパンケーキレンズの多くは(テッサータイプ)である。


コーティング技術

レンズ界の次の大きな転機は第二次世界大戦の終戦であろう。各国が軍事技術のトップシークレットとしていたコーティング技術が解禁となり、レンズに転用をはじめる。中でも世界の光学技術のトップを走っていたカールツァイスのTコートは世界中のレンズメーカーの目標となる。日本でも軍事技術としてコーティング技術を研究していた千代田光学がアクロマチックコートとして実用化したりしている。これ以後マルチコーティング戦国時代に突入する。コーティング技術によりレンズ設計は郡数、枚数の束縛から解放される。ノンコートレンズは光が屈折するたびに約3%~5%の光を反射により損失してしまう。レンズが1枚増えると入射、射出の2回屈折が起こるので6%~10%もの光を損失してしまうことになる。その上その光は反射光としてレンズ内にとどまるため、コントラスト低下などを引き起こす。戦前にテッサーやトリプレットなどの小構成レンズ(3郡4枚、3枚)が主流だったり、プラナーよりゾナーが優秀とされていたのは、そのためである。(初期の3郡6枚のゾナーは屈折面が9面、4軍6枚のプラナーは屈折面は10面)コーティングにより反射率は半分の1%~2%、さらにマルチコートによりさらに1/10程度に抑えることができるようになったという。このことにより設計が自由になったレンズは新たな時代に突入していく。広角化である。


レトロフォーカスの誕生                            

1950年にフランスのアンジェニュー社がP.Angenieux Retrofocus R1 35mmF2.5という広角レンズを発売した。逆望遠とも呼ばれるこのレンズ設計は、レンズの前玉に凹レンズを配置して、バックフォーカスを伸ばす設計法である。
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このレンズが誕生した背景にはカメラの一眼レフ化が影響している。レンジファインダーカメラではレンズとフィルムのあいだにはシャッターのみが入っていたが、一眼レフではミラーボックスをおかなければならなくなった。このため28mm程度であったフランジバックは一気に40mmまで伸びてしまった。しかもミラーとの干渉を起こしてしまうため、ボディー側に大きく張り出したレンズ設計ができなくなってしまった。レンジファインダー用の広角レンズの多くはレンズの後玉が大きくボディー側にせり出していたので、一眼レフ用の広角は再設計を余儀なくされた。しかし、広角化するとどうしてもフランジバックが短くなってします。この矛盾を解決する苦肉の策がレトロフォーカスだったのである。もともとはムービーカメラが一眼化する際にできた技術と言われている。ムービーに明るかったアンジェニュー社によりスチール界にもたらされたこの技術は、M3出現後、一眼レフに活路を見出さざるを得なかった、日本のカメラ業界を中心に大いに採用されていくこととなる。ちなみにライカの広角が優秀であると言われる所以は、この時代のレトロフォーカスの精度の低さに由来している。


コンピューター設計

1968年にホロゴンウルトラワイドというカメラが発売される。ホロゴン15mmF8という超広角レンズ専用カメラである。設計者はエルハルト・グラッツエル。フィッシュアイではないレンズで15mmとは当時は驚異的であった。何よりこのレンズレンズ構成が異常である。3郡3枚。要は3枚である。
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M.Mルシノフのルサールの2郡3郡をくっつけたようなひょうたん型のレンズと中空のガラス玉をぶった切ったようなレンズ構成は異様でさえある。
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このモンスターレンズを生み出したのが『グラッツエル法』と呼ばれる自動計算によるレンズ設計法である。つまりコンピューターによるレンズ設計である。1961年にこの方法を確立した。その後、コンピュータ設計は世界中に広がり、日本でも1960年代中盤以降のレンズはコンピュータ設計と言われている。


ズームレンズ

1946年にフランク・K・バックが発明した16mmムービーカメラ用のズーマー17-53mmF2.9が世界初のズームレンズと言われています。その後SOM Berthiot社のPanCinor20-60 F2.8になるそうです。レトロフォーカス同様ムービーカメラの技術を転用してスチールカメラ用のズームレンズが誕生します。有名のフォクトレンダー ズーマー 36mm-82mmF2.8です。1959年のことです。ムービーから13年も遅れをとっているんですね。驚くのはニコンも同年、国産初のズームレンズのオートニッコールテレフォトズーム85mm-200mmF4-4.5を発表していることです。これ以後コンピューター設計技術の向上と相まって、フローティング技術、非球面レンズ、蛍石レンズ、特殊低分散レンズ、レンズ内(超音波)モーター、インナーフォーカスなど現代に至る技術が次々と発明され、精密な工芸品だったレンズはハイテクな工業製品になっていく。


オールドレンズと現代レンズの境界線

こうやってざっとレンズの歴史を振り返ってオールドレンズと現代レンズの境目を探るとその境目になりうる節目は無数にある。今回あえて独断的に言わせてもらうなら、それは1970年代前半なのではないかと思う。この時代にカメラ界はひとつの世代交代を行うこととなる。長らく業界を牽引してきた巨星ZEISS IKONがカメラ製造からの撤退を発表する。1971年のことである。それに従いツアイスイコン下にあったフォクトレンダーの商標を譲り受けたローライフレックスのRollei-Werke Franke&Heidecke GmbHは生産拠点をドイツ国内から移し(シンガポールなど)日本が得意とした中級機を生産することで活路を見出そうとする。Rollei VSL-1などは明らかに日本のAEカメラを意識した作りであるが、これはフォクトレンダーを譲り受けた際に一緒に譲り受けたICAREX35の後継機SL706と言われている。その後CONTAXブランドはヤシカと提携して日本で復活するのであるが、その時のレンズの一部はSL706用に開発されていたものもあるようだ。会社の方向転換をしてまで生き残りをかけていたローライであるが1981年倒産をしてしまう。そしてもうひとつの巨星ライカもミノルタと提携して1973年にLeitz-MinoltaCLを発表した。ライカにとっても非常に苦しい時代であったことが伺える。その後各社とも様々な形で立ち直るが、一つ決定的な変化をするのである。それが、製品に対する考え方の違いである。ライカを例にとってみるとかの有名な初代ズミクロン、ガラスも設計も当時の技術の限りを尽くした贅沢なレンズである。写りこそ賛否があるが、これぞライカというにふさわしい贅沢なレンズである。
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ところが1969年に発売された第二世代になると一変5郡6枚のオーソドックスなガウスタイプになってしまう。もちろん洗練されたといえばその通りであるが、初代に見られた攻めの姿勢は見られない。


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1979年の第三世代に至っては4郡6枚である。しかもそのうち2面は平面の設計で、明らかに生産性を考慮した作りとなっている。2面を平面としてたった4郡6枚で優秀なレンズを作ってしまうライカの設計技術は流石であるが、昔のライカなら・・・と思ってしまう。


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このように1970年代以降のカメラ業界は良い製品以前に健全な会社であることを選んだと言える。競争原理という側面から見ると当たり前であるが、もの好きとしてはさみしさもある。もちろん例外もある。ただ総じて、精密な芸術品として作られてきたオールドレンズの歴史は1970年代とともに終わるのである。そして皮肉にもZEISS IKON最後の末裔であるSL706に使われるはずだったレンズ、ヤシカコンタックスPlanar85mmF1.4は未だに我々の心を掴んでいる。 現代レンズには数学的な正しさがあるのかもしれないが、僕は膨大な時間を費やして作られた数学的には決して正しくないオールドレンズが好きである。

オールドレンズには作った人の人生が垣間見えるからなのかもしれない。



参考文献   ツァイス激動の百年(アーミン・ヘルマン著)新潮社
         写真レンズの科学 (吉田正太郎著 )地人書館

         Dr.マスダの写真レンズ教室

         

ずっと到着待ちだったFD→Micro4/3のアダプターが到着した。FOTGAのアダプターは作りが薄いためFDもFLも使うことができる。PixcoのアダプターはFDでは使えるが、FLでは加工が必要だ。その代わりFOTGAのアダプターはMicro4/3側のマウントの作りも薄いためガタつきがある。

このマウントの到着で念願のFD35mmF2(Ⅰ)を試すことができる。市場で定評のあるFDレンズの一つである。実力派はいかに!!

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前評判通りの実力ですね。
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1971年に登場したこのレンズは、この後のキャノンの快進撃を予感させるレンズである。今では当たり前となったフローティングシステムをキャノンレンズとして初めて採用し、レトロフォーカスタイプの広角レンズの弱点であったヘリコイドの繰り出しに伴う収差の変化を抑えることに成功した。この5年後までに5回ものモデルチェンジがある。技術競争の激しさがしのばれます。このレンズはその初代に当たります。おそらくモノコートではないかと思います。レンズの黄変が激しいためトリウムレンズの可能性があります。軽金属による軽量化が図られていないこのレンズはずっしりと重くなんと420gもあります。このレンズの5代目にあたる最終型が345gとかなりの軽量化に成功しているところを見ると、最終型にはアルミなどの軽金属が使われているんだろうと予想できます。そういえば普段ボディーとして使っているE-P2が325gなのでFD35mmF2のⅠ型を付けるとかなりのフロントヘビーになります。
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首からさげると首を痛めかねません。カメラは常時レンズを下に向けてお辞儀状態です!

しかしそんなアンバランスさとは裏腹に写りは繊細そのもの。
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35mmなので30cmまでの接写もできます。開放値も明るいF2
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開放でのボケは独特な世界観です。広角X大口径の世界です。
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夜でも何のその。
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光の玉から収差が良好に補正されている様子が分かります。
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エッジの立ち方が高解像レンズの特徴ですね。

レトロフォーカスとしてはかなりの解像度ではないかと思います。大口径の面白さもあいまって、結構遊べるレンズだと思います。ただし重いですよ(笑)




スイスのパイラード・ボレックス社の16mmシネカメラ。プロからアマチュアまで幅広い人気を誇り幅広い場面で使われる。H16には400フィートマガジンや巻き取りモータなどのアクセサリーもある。
BOLEX H16RX
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400フィートマガジンと巻き取りモーター
BOLEXで有名なのはレンズラインナップであるSWITARである。特にMacroSwitarの写りは現代でも数多くのレンズフリークを虜にしている。35mmスチールカメラのALPAにもSWITAR(MacroSWITAR)が供給されていたが、これはBOLEXの設計者であるジャック・ボゴポルスキーが初期のアルパの設計に参加していたことによるらしい。その後ALPAのMacroSWITARもALPAを代表するレンズとなる。Cマウント、ALPAマウント問わずMacroSWITARは現在でも非常に高価な値段で取引されている。唯一H8用のSWITARはフランジバックの関係上、無限遠がでなかったため安価で取引されていたが、PENTAX QとH8用アダプターの登場により市場価格が上がりつつある。ちなみにH8とはBOLEX H16のボディーを流用した8ミリカメラ(ダブル8)でCマウントとの8ミリと言う特殊なカメラである。(通常8mmはDマウントを採用している。)

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BOLEX H8 REX-4(BolexCollectorより)
このようにBOLEXはいろいろなバリエーションを持つことでも有名である。プロ用の16PRO
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H16のバリエーションのH16M
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中でも変り種は8mmカメラの160MACRO ZOOMである。

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160 MACRO ZOOM(Bolex Collectorより)
戦えそうです。
これらのバリエーションはBolexCollector というサイトに詳細に書かれている。ちなみにボレックスのレンズラインナップにはSWITARのほかにニッコールもある。

出典:『世界の高級16ミリカメラ』 写真工業1957年9月号(光画荘)   

    宇野真佐男『16ミリ シネカメラ21機種の性能』写真工業1969年3月号(写真工業出版社)

   『Bollex Collector』http://www.bolexcollector.com/






出典が抜けておりました。すみませんでした。

今日はシネレンズの本来の相棒、シネカメラのお話。

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Arriflex16


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Arriflex 16BL

僕の大好きなArriflex-Cine-Xenonはこのカメラ用のレンズです。
旧西ドイツ、ミュンヘンのアーノルド・リヒター社のアリフレックス16です。現在も現役で業務用カメラを作っている。このアリフレックスは映画、ニュース、テレビなど各方面で使われた。携行性が優れていたためロケなどに良く使われたそうだ。その当時を知る人いわく、スタジオはミッチェル、ロケはアリフレックスと言うのがスタンダードだったそうだ。ARRIの35mmカメラであるArriflex35BLはスタンリーキューブリックなどの監督が使っていたことで有名である。35mmのアリフレックスは市川昆監督の『東京オリンピック』などでも使われている。

レンズのターレットは少し角度がつけてあり、大口径ズームレンズを取り付けてもレンズ同士が干渉しない作りになっている。1眼式のファインダー用のミラーが干渉しないためにレンズ側の後玉が斜めにカットしてある。アンジェニューなどのレトロフォーカスレンズの場合ぎりぎりまでレンズが来るため、鏡胴自体が斜めにカットしてある。
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赤の長い線のところにレフミラーがきます。
とても完成度が高く長く一線で使われていたカメラになります。
レンズを供給していたメーカーはカールツァイス、シュナイダー、テーラーアンドホブソン、キルフィット、キノプティック、アンジェニュー、ソンべルチオなどがある。35mmのArriflexにはクックスピードパンクロなどの銘玉も多数存在する。最近マウントアダプターが多数発売されているため、ミラーレスカメラで使用できるようになった。注意点としてはマイクロフォーサーズで使用する際16mmArriflex用のレンズは25mmあたりから四隅にケラレが発生するので、広角用のレンズを探す際には35mm用のレンズを探すことをお勧めする。

ミッチェル16

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アメリカのミッチェル社製のムービーカメラ。前述のように35mm版は映画やテレビ局など様々な現場で活躍した。作りが頑丈で回転数も上げられるためハイスピードカメラとしても使われた。このカメラはその35mm版の縮小版。国内ではアニメーションの撮影用として活躍した。国産の土井ミッチェルなども有名である。マウントはミッチェルマウントで変換用のアダプターがないためミラーレスデジカメ等で使用するためには自作での改造が必要である。レンズのラインナップは、スピードパンクロやボシュロムのバルター、コダックのエクターなどがある。

エクレール16

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フランスのエクレール社の16mmムービーカメラ。元は映画制作会社としてスタートするが、1910年代にカメラ製作もスタートする。同じフランスのアンジェニュー社、キノプティック社、ソンベルチオ社とともにフランス映画を支えてきたカメラメーカー。同時録音方式のノイズレスカメラでマガジンの交換も迅速にできるためドキュメンタリーや斬新な手法の映画撮影にも使用された。

カメフレックス
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エクレール社の16mm/35mm兼用カメラ。16mm/35mmの交換が可能で、フィルムマガジンの交換も迅速に行える。ハンディーでの撮影にも対応し重心も低く操作性も高い。ファインダーも明るいと万能なカメラである。精度も高いため合成やトリック撮影にも最適である。ターレットマウントはアリと同じく角度が設けてありお互い干渉することがない。クックやアンジェニュー、キノプティックなど名レンズがそろっている。マウントはカメフレックスマウントでホークスファクトリなどで変換マウントアダプターが出ているため、ミラーレス機などで使うことができる。エクレールとともにフランス映画界を支えてきたカメラである。


出典:『世界の高級16ミリカメラ』 写真工業1957年9月号(光画荘)   

    宇野真佐男『16ミリ シネカメラ21機種の性能』写真工業1969年3月号(写真工業出版社)


ベルハウエルのフィルモ、ボレックス、シネ・コダックスペシャル、AK(アーカー)などは次回書きます。










仕事でCine-Xenon 25mmF1.4を使った帰り久しぶりにこのレンズでスナップを撮ってみた。
一番初めにシネレンズにハマッタきっかけのレンズであるが、久々に使うとやはりずば抜けて良い!
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