シネレンズとオールドレンズで遊ぶ! -17ページ目

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

東の御三家2本目はPENTACON 50mmF1.8。エルネマン塔の刻印からも分かるようにペンタコン人民公社製の標準レンズである。

シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!

シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!
東西ドイツのカールツアイスは商標をめぐって1950年代に法廷闘争を繰り広げるが、西のカールツアイス、カールツアイス・オプトン社のものとなる。その後コンタックス名も使えなくなったため、ペンタプリズムのコンタックスと言う意味で『ペンタコン』というブランドネームを使うようになる。西のツアイスがコンタックスの後継CONTAXⅡa,CONTAXⅢaなどのレンジファインダーを主力においていたのに対し、ContaxSやContaxDなどの一眼レフカメラを主力にしていた東のコンタックスらしいネームである。このころの東ドイツのカメラメーカーは統合を繰り返しながらよく言えばいいとこ取り、悪く言えばごった煮といった風になっていた。そのためペンタプリズムのコンタックスにメイヤーオプティックのオレストンがペンタコンと言う名で付きそのシンボルマークがエルネマン塔と言うちぐはぐなことになってしまっていた。ちなみにエルネマン塔とはかつてのエルネマン社のシンボルマークの塔で同社には後にゾナーやビオゴンを発明することになるルードビッヒ・ベルテレ博士も在籍していた。1920年代にカールツアイス社主導で行われたドイツのカメラメーカーの統合・再編事業によってエルネマン社もツアイス・イコン社となる。この統合によりツアイス・イコン社の一員となったベルテレがエルネマン時代に発明したエルノスターをさらに改良し10年の歳月を費やしゾナーを発明、改良した。このゾナーがライカに対抗して作られたコンタックスのフラッグシップレンズになっていくのであるが、今回は省略させていただく。で、本題に戻るが、このPENTACONと言うレンズメイヤー・オプティック社のオレストンのコピーだといわれている。ちなみにメイヤーオプティックはフーゴ・メイヤーのことで、パウル・ルドルフ博士のキノプラズマートなどを生産していた一流メーカーである。このメイヤー社が戦後東ドイツ傘下でVBEゲルリッツ精密光学工場となりやがてPENTACONに吸収される。このくだりは私の敬愛するM42 MOUNT SPIRALのMULTI CORTING PENTACON auto 50/1.8(M42) & Meyer-Optik Goerlitz ORESTON 50/1.8(M42) の項で詳細に紹介されている。非常に明確で分かりやすいブログなのでぜひご一読いただければと思う。
そういった経緯でPENTACONネームになったこのレンズであるが、一番の魅力は最短撮影距離だと僕は思う。F1.8という明るさを持ちながら0.33mという最短撮影距離は非常に汎用性が高い。外観のゼブラ柄も悪くない。銘版のエルネマン塔も少しうれしくなる。肝心の写りは?
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ドイツレンズらしい空気感のレンズですね。
ドイツのレンズには解像度より画面の総合力を重視する伝統があるきがします。このレンズも決して解像度は高くないのですが、多少のピンボケやブレなどはものともしない画面の力強さがあります。線の細い日本のレンズとは対照的です。
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ボケは1930年代のレンズに雰囲気が似ている。特に最短側では収差の補正に無理が来るのか、クラシックレンズのようなボケを生じる。このレンズのボケが少しうるさいという話しもあるが、これもクラシックレンズによくある話しである。シュナイダーのクセノンやライカのズミタールなどに近い気がする。ただしコーティングのおかげで発色やコントラストに問題はない。
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これはこれで非常に雰囲気があって僕はいい写りだと思う。ピント部分が少し甘く見えるのは絞りが開放であるためだと思われる。少し絞り込むと解消する。
ただしこのレンズは絞りがあまりにも正確な六角形なためボケがカクカクに見える。
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ボケ味がうるさいといわれるのはこういったことも影響していると思う。
しかしこのレンズは遊びで使うには本当に面白いレンズであると思う。高価なクラシックレンズに近い写りが相場で言うと数千円で手に入るのである。コーティングはしっかりしているので、撮影もラフにできる。なんといっても0.33mという最短撮影距離は魅力的である。外観もゼブラでかっこいい。
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名門の由緒正しいレンズではないですが、歴史に翻弄されたこういうレンズも心くすぐるものがあります。







2012/11/05 タイトルの誤字を訂正しました。 jupitar→jupiter
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旧ソ連をはじめとする東欧諸国のレンズはいわゆるロシアンレンズとして知られている。
デッドコピーが格安の値段で手に入るのが魅力であるが、中には血がつながった血縁のようなレンズもいる。そんな玉石混合のロシアンレンズのなかから今回は人気の3本をチョイスしてみました。
Jupiter-3
ジュピターともユピテルとも呼ばれる。いわずと知れたコピーゾナーレンズである。M42 MOUNT SPIRAL というホームページにて詳細な内容が紹介されている。ジュピターは旧ソビエトのレンズブランドであるがこのJupiter-3は戦後東ドイツのカールツアイスイエナ工場をソビエトが接収したことにより生産が始まったレンズである。資料、工作機械、技師、材料なども一緒に接収したという話しもあるためただのデットコピーと言うよりは血縁のレンズに当たるようだ。戦後ソビエト側でマイナーチェンジをしたため厳密にはコンタックスゾナーとは違うレンズになっている。このレンズは刻印からザゴルスク光学機械工場製のようです。
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シリアルが年代をあらわしているのであれば、1969年製。前玉側から覗くと赤紫色の反射、後玉側から覗くと青紫色の反射のコートが施されています。おそらくシングルコートだと思います。

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このレンズを使い試写を試みたのですが、まず驚いたのは諧調の豊かさです。
ファインダーを覗いた瞬間そのあまりの違和感に思わず『エエッ!!』と叫んでしまいました。そしてもう一度肉眼で被写体を確認してしまいました。
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陽が当たっているハイライト部分とシャドウ部両方に諧調があるのです。
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こんな風に写るレンズは初めてでした。
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一瞬日差し感覚が狂います。曇りだたっけ?って確認してしまいそうになります。
ハイライトににじみや逆光に弱いという評価が多いのですが、

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ど逆光でもシャープネスは健在です。花を拡大してみます。
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コーティングの力?でしょうか。だけではない気がします。
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まだ各収差は補正されきれてない見たいですが、この写りはかなり好みです。
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とてもいいレンズです。ぐっと来ます!!SEPTONで感じた諧調の豊かさを超えるかもしれません。
SEPOTON同様中心解像力は控えめです。
あえてありえないモチーフにチャレンジしてみました。
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構図的に崩壊してますが、テストなので勘弁してください。
中心部を拡大すると、
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雲にしっかりトーン残ってます。シャドウもつぶれてません。
もしかしてスーパーレンズなのではないでしょうか?
1940年代後半マルチコートが解禁になり、ガウスタイプレンズが世の中のスタンダードとして普及していったのですが、もしかするとゾナータイプも改良が進めばそれ以上の可能性を持っていたのかもしれないと感じさせるレンズです。
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もはや言葉はいらないですね。いいレンズです!!

次回順次2本のレンズについても書きます。











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最近ROKKORにはまっています。そしてラインナップを見てみると・・・あるじゃないですか!パンケーキ。パンケーキというには45mmという焦点距離も30.5mmという大きめな全長も中途半端ですが、ギリパンケーキといった感じでしょうか?

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外見はMDらしい形です。プラスチックの鏡胴が少しいけてないです。
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でもレンズ構成図を見ると、5郡6枚の立派なガウスタイプなんです。
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近代的な設計ですね。2枚目3枚目の間に空気間隔をあけることによってコマ収差をはじめとする各収差を補正しているようですMDなので発色もビビットな感じです。

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許容範囲わ広いようで、結構なんでも絵になります。
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鹿児島に行った時の飛行機が787でした。
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機内はこんな感じ。背景のボケ方もクセがなくいい感じです。
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桜島は小噴火してました。F8くらいまで絞ると遠景もシャープに描写します。
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近景ボケもきれいです。
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画面に光源を入れても破綻は少ないです。
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ゴーストはこんな感じ。青い色が特徴的です。

前に書いたKONICA HEXANON 40mm F1.8は赤紫のゴーストでした。

このレンズを使ってみた感想は、非常に使いやすく、弱点の少ないレンズであるということです。

1978年といえば標準レンズの成熟期にあたるので、このくらいの性能は当たり前なのかもしれないのですが、普段クラシックレンズを使っているので、格段に使いやすいです。ただ、破綻のない写りや攻め切れていない中心解像度に物足りなさを感じてしまうレンズでもあります。

それでもそつない写り、コンパクトなボディーはとても魅力的で日常的に携行するには良いレンズといえます。KONICA HEXANON AR40mm F1.8より完成度は高いと思います。ただ使って楽しいのはARですね。


先日Konica HEXANON 52mm F1.8を入手した。
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僕自身もあまりなじみのないレンズだったので、帰ってネットで調べてみるとあまりの情報のなさにビックリ。ここまであからさまに不人気なレンズも珍しいと思います。レンズ構成図はもちろん設計者の名も全く分からずじまい。わずかにあるブログも「中古カメラ店で格安で買い使ってみたら意外といい」といったページがほとんどであった。もしこのレンズについてデータをお持ちの方いらっしゃったらご教授いただきたいと思う今日この頃です。

さて、このレンズ外観は結構好きです。
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黒のボディーにシルバーのアルミのリング。丁寧に加工されたアルミに繊細な刻印。
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レンズの銘版の部分の細身なフォントの繊細な刻印も好みです。

で、肝心な写りは?
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普通?と思いきや中心部を拡大すると
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カリカリです。さすがHEXANONといったシャープネスです。

と言うことはこのレンズ近接から中間距離にシャープネスがあるレンズなのかと言うとさにあらず。
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遠景もカリカリです。

全域においてカリカリなこのレンズ。近接は、
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普通に撮れます。最短距離は0.45mと結構短めです。

しかしこのレンズ使っていて気づいたのですが、写りがあっさりしています。階調が少ないせいだと思います。ハイライトやシャドウの粘りがなく飛びやすくつぶれやすい。その結果あっさりとした印象になるんだと思います。

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ハイライトがとびやすいです。

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シングルコートのせいか逆光にすごく弱いわけではないみたいです。

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フラットな光源下ではシャープでボケも柔らかいいいレンズです。

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柔らかいシチュエーションも向いているようです。

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ハイコントラストな被写体は苦手のようです。

先日扱ったSEPTONとは対照的なレンズです。でもシャープネスはかなりな水準です。

光学設計のことはよくわからないので、解像度と階調に相関関係があるのかどうかはわかりませんが、解像度重視で階調はそこまで求められてない設計のようです。ただ、現在の店頭価格からすると、劇的にコストパフォーマンスが高いレンズであることは間違いないようです。ロシアレンズよりコストパフォーマンスが高いと思うのは僕だけでしょうか?


今回はまたSEPTONの記事。

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前回の記事 を書いた後になんとなく気になり常用としてこのレンズを持ち歩くことにした。

その違和感とは決してよい違和感ではなかった。

手に入れた当初の僕のSEPTONに対する評価は『前評判ほどではないレンズ』であった。『音まで写す』と言うセンセーショナルな前評判と品のいい控えめな写りがどうしてもリンクしなかったんだと思う。

常用として持ち歩いていたのも、このレンズにはまだ何かあるかもしれないという半分ネガティブな思いからだったと思う。前回の記事にも書いたが、このレンズは無限側に解像度が設定されているようで、スナップ向きである。普段余りスナップは撮らないのであるが、意識して撮って見る事にした。
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雨上がりに日が差してきたので撮ってみた。

やはり階調表現は豊かで、日差し感がよく出ている。果物屋の白壁の日の当たったところから、右奥の日陰まできっちり表現されている。解像度は決して高くないが、線の細い細密な移りだと思う。色は控えめである。
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水滴を撮ってみた。こういった写真へのアドバンテージは低いと思う。少し硬めなボケと最短側の解像度が低いせいで主題の分からない写真になっている。こういったシチュエーションはALPA SWITAR 50mm F1.8の十八番であろう。
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水たまりを使って。スナップの定番ですね。なんか普段スナップ撮らないので気恥ずかしいです。

こういった情感のある写真はこのレンズに向いているみたいです。
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ホームで電車待ちの間に一枚。

この写真でなんとなくこのレンズの使い方のきっかけをつかんだ気がします。

ホームにいる人々の動きが独特な立体感で表現されています。スナップの定番テッサータイプで撮っていたら、もっとべったりした写りになっていたと思います。
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路地から出てきた親子です。

差し込む光とこのレンズがあいまって立体的に見えます。

立体的な背景から、主題の被写体がさらに立体的に見える。そんなジオラマのような写りがこのレンズの特徴なのではないかと思います。
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普段モデルの撮影などは慣れているのですが、知らない人を至近距離で撮るというのは、勇気が要りますね。ウエストレベルで撮りました。ピンとは腰の位置にあるカメラのEVFを上からのぞいて合わせました。ファインダーまで1mほど離れているので構図は勘ですが、ピントは何とか見えました。

こうやってSEPTONを見てみると、このレンズはどんなコンディションでもどんな被写体でも画にしてくれる不思議な力があるようです。とても懐の深いレンズだなあと思いました。

山崎光学写真レンズ研究所に入院していたArriflex Cine Xenon 35mmF2が戻ってきました。
実は7月ごろには戻ってきていたのだが、ブログに書こう書こうと思いつつ、時間がたってしまいました。
で出来上がりはと言うと、完璧ですね。このレンズフルコンディションだとこんなに写るのかって言うくらい。
解像力は僕の持っているレンズの中でも最強クラスで、ArriXenon28mmやALPA SWITR50mmF1.8よりある気がします。ArriXenon28mmと同じく四隅が流れます。日の丸構図向きのようです。
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何気なく撮ったので斜めってます。

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中心部はパキパキです。

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コーティングに使う台座だそうです。

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コーティング蒸着装置がならんでいます。 この向かい側にレンズ研磨用の治具の棚があります。銘玉の治具がずらりと並んでいます。
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棚にこっそりTOPCONがいます。
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中心部拡大。いやぁ、にやけてしまう解像力です。PENにもっと解像度があればもっと解像しているはずです。
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山崎さんです。

すばらしい技術をお持ちです。おかげさまでオールドレンズをオリジナルに近いコンディションで使うことができます。オールドレンズはレンズが柔らかかったり、環境の変化に弱いので、山崎さんがいてくださると心強いです。

今回撮影した写真をブログに載せたいという旨を話したところ快く了解していただきました。

現在もSchneider Xenon 5cm F2 (Exakta)を見ていただいてます。

コーティングもしていただけるとの事でちょっぴりオーバーレストアなXenonの仕上がりが楽しみです。

フォクトレンダーといえば、カメラメーカーとしてはかなりの老舗にあたる。かの有名なペッツバールのレンズを発売したのが1841年というからかなりの老舗である。で、このゼプトンと言うレンズはフォクトレンダー最晩年のレンズである。1959年に同社の威信をかけてつくられたベッサマチックや63年製のウルトラマチック用の交換レンズとしてつくられた。
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この時期のドイツレンズのほとんどがそうであるように、アルミの削りだしの鏡胴は重厚感抜群。ピントリングも削りだしであるが、エッジが切れそうなほど立っている。
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絞りに合わせて可動する被写界深度目盛りとあいまって機械好きにはたまらない仕上げだ。
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よく『音さえ写すレンズ』などといわれるこのレンズであるが、その実力はいかに。
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玄人向けのレンズですな。

解像度もあるのですが、階調が豊かなレンズです。コントラストで立体感を出しているレンズだと思います。雨上がりで路面がぬれている中、日が差してくるという非常に複雑な条件にもかかわらず、雨にぬれた路面もひなたも日陰もしっかり描写されている。当初このレンズに関しては、全体的に均一な描写をするためテッサーのようなスナップ向きのレンズだと思っていた。でも使い込むうちにぎっちり濃密な密度で均一であることに気づいた。ある方がブログで中版カメラのレンズの様だと評していることが思い出された。確かに中版のような密度を持った写真が撮れるレンズである。
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暗めな被写体でも豊かな階調は健在だ。

解像度は高くないが立体感がある。
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F2.8 最短距離

背景は溶けずにのこる。ポートレートなんかには不向きなレンズなのかもしれない。

上の3枚を見てもらうと分かるとおり、いろいろなシチュエーションで安定した写りをみせる。

僕みたいな飛び道具的なレンズを好むひとには物足りなさがあるレンズであるが、上品で上質なレンズであることは間違いない。スナップ写真をプリントしたりするとさらにその良さが分かるんだろうと思う。
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世に銘玉といわれるレンズは数知れずある。

僕が勝手に考えた銘玉の条件がある。

1、写りがよい

2、逸話がある

3、数が少ない

4、造りがよい

このいずれかが欠けても銘玉としては弱いと思う。

たとえばカラーウルトロンやローライプラナーなどは写りは申し分ないが、その他の条件をことごとく満たさない。

しかし写りの良し悪しは写す側の価値観なので1番の条件はあいまいである。

とすると、世に言う銘玉の条件は逸話があり、数が少なく、造りがよいことになる。

なんかうなずける。

ALPAのSWITARが写り、数の稀少さ、造りのよさの割りに評価が低いのは逸話が少ないせいだと思う。

ライカのレンズが銘玉ぞろいなのも、この条件からすると妥当な評価だといえる。

KONICA HEXANON AR 40mm F1.8

最近お気に入りのレンズだ。

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レンズの上部にある40/1.8の表記は非常に独特で面白い。


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このレンズの面白さを象徴している。

通常40mmと言えば3郡4枚のテッサータイプやレトロフォーカス(逆望遠レンズ)が相場だが、このレンズ実は40mmなのに変形ガウスタイプなのである。ガウスタイプの設計は通常ナチュラルに行くと58mm位の焦点距離になる。古いレンズに58mmが多いのはそのせいである。各社設計を工夫してなんとか50mmというキリのいい数字まで持ってきているのだそうだ。その中で40mmというのはずば抜けて焦点距離が短い。おそらく35mm一眼レフ用レンズで焦点距離40mmのガウスタイプレンズは数える程しかないだろう。まあもっとも、コニカの一眼レフはその他のものに比べてフランジバックが短い。とはいえそうとな工夫がないと成し得ない設計である。

このレンズの設計者は女性である。実はその事実を知り、このレンズが俄然欲しくなり、買ってしまった。

このレンズの設計者である下倉敏子さんは有名な風巻友一さんの計算助手をされていた方で、レンズ設計の教育は受けてなかったそうです。風巻さんの助手をしながら、風巻式レンズ設計術を会得した職人さんといったところでしょうか?このレンズの系譜から外れた独創性は女性的な感性と職人的な直感により生み出されたものであると思うと、なんかいいなぁと思ってしまいます。

設計の詳しいことは分からないのですが、ガウスタイプのスタンダードな設計を前後逆転してあるのだそうです。最近発売されたコシナ製Ultron40mmF2も非常に近いレンズ構成な気がします。

写りは開放は、ホワッとするものの、少し絞れば非常に柔らかく繊細な写りをします。

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ハレ切りすれば逆光もいけます。

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しっかり絞ってやればシャンと写る。
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さらに絞ると
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パッキリです。

開放付近では繊細な写りをするのに絞ると線は細いまま力強くなるといった印象を受けます。

評判どうりハレーションには弱いですが、ハレーションをちゃんと切ってあげれば逆光も十分いけます。

このコンパクトなボディーにしてこの表現力。女性感を感じる稀有なレンズです。

価格も手頃なので試してみてはいかがでしょうか?きっと虜になりますよ。

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絞り羽の形に特徴があります。

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魅力的なハレーションも出ます。


先日書いたシュナイダーブルーの記事のことをぼんやり考えていたのですが、あることが頭をよぎりました。
シュナイダーブルーは補正色ではないかと言うことです。では何色を補正しているのかと言うことですがブルーの反対といえばアンバー。しかしLBBよりもこってりとした青なので、おそらくこってりとしたオレンジあたり。
レンズにおいてオレンジ色を補正する理由とは?しかもLBBやCCといったフィルターワークに影響を受けない波長域を選んだ理由とは・・・・・あっ!アグファの発色特性がオレンジじゃなかったっけ?
フィルムには会社によって発色特性が違います。フィルムのエマルジョンのレシピが各社違うためで、各人種の肌色に合わせてあるとも言われています。アグファやコダックは白人向けに、フジやコニカは黄色人種むきに。
コダックは黄色、フジはニュートラルから青の間、アグファはオレンジ。面白いのは、この発色特性はフィルムのパッケージ色と一致します。
ここからは完全に妄想ですが、シュナイダーは同じドイツのフィルムメーカー、アグファに合わせてコーティングにブルーを追加していたのではないか?と言うことです。一般にニュートラルカラーの方がヌケが良く見えるので、国内でのヌケのよさを見越して設計すると、ブルー寄りのコーティングになります。ヨーロッパにおけるもう一つのスタンダードと言うか世界のスタンダード、コダックもイエロー発色なので、ブルーである程度カバーできます。問題は日本のフジだけです。日本でシュナイダーのレンズが青いといわれるのはそのためなのではないでしょうか?そしてホワイトバランスで補正出来ない(LBBでもCCでも補正出来ない)青を使っているのは、商業撮影などでフィルターワークをしても、写りが不安定にならないためだと想像出来ます。
アグファとコダックの倒産により、唯一の大手フィルムメーカーとなった富士フィルムでブルーを発色するのだと思うと歴史のいたずらにより生まれたシュナイダーブルーに哀愁を感じてしまう今日この頃です。(アグファは最近復活したようです。)