東の御三家 Jupiter-3 Helios 44-2 PENTACON50mmF1.8 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

2012/11/05 タイトルの誤字を訂正しました。 jupitar→jupiter
シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!
旧ソ連をはじめとする東欧諸国のレンズはいわゆるロシアンレンズとして知られている。
デッドコピーが格安の値段で手に入るのが魅力であるが、中には血がつながった血縁のようなレンズもいる。そんな玉石混合のロシアンレンズのなかから今回は人気の3本をチョイスしてみました。
Jupiter-3
ジュピターともユピテルとも呼ばれる。いわずと知れたコピーゾナーレンズである。M42 MOUNT SPIRAL というホームページにて詳細な内容が紹介されている。ジュピターは旧ソビエトのレンズブランドであるがこのJupiter-3は戦後東ドイツのカールツアイスイエナ工場をソビエトが接収したことにより生産が始まったレンズである。資料、工作機械、技師、材料なども一緒に接収したという話しもあるためただのデットコピーと言うよりは血縁のレンズに当たるようだ。戦後ソビエト側でマイナーチェンジをしたため厳密にはコンタックスゾナーとは違うレンズになっている。このレンズは刻印からザゴルスク光学機械工場製のようです。
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シリアルが年代をあらわしているのであれば、1969年製。前玉側から覗くと赤紫色の反射、後玉側から覗くと青紫色の反射のコートが施されています。おそらくシングルコートだと思います。

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このレンズを使い試写を試みたのですが、まず驚いたのは諧調の豊かさです。
ファインダーを覗いた瞬間そのあまりの違和感に思わず『エエッ!!』と叫んでしまいました。そしてもう一度肉眼で被写体を確認してしまいました。
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陽が当たっているハイライト部分とシャドウ部両方に諧調があるのです。
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こんな風に写るレンズは初めてでした。
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一瞬日差し感覚が狂います。曇りだたっけ?って確認してしまいそうになります。
ハイライトににじみや逆光に弱いという評価が多いのですが、

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ど逆光でもシャープネスは健在です。花を拡大してみます。
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コーティングの力?でしょうか。だけではない気がします。
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まだ各収差は補正されきれてない見たいですが、この写りはかなり好みです。
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とてもいいレンズです。ぐっと来ます!!SEPTONで感じた諧調の豊かさを超えるかもしれません。
SEPOTON同様中心解像力は控えめです。
あえてありえないモチーフにチャレンジしてみました。
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構図的に崩壊してますが、テストなので勘弁してください。
中心部を拡大すると、
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雲にしっかりトーン残ってます。シャドウもつぶれてません。
もしかしてスーパーレンズなのではないでしょうか?
1940年代後半マルチコートが解禁になり、ガウスタイプレンズが世の中のスタンダードとして普及していったのですが、もしかするとゾナータイプも改良が進めばそれ以上の可能性を持っていたのかもしれないと感じさせるレンズです。
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もはや言葉はいらないですね。いいレンズです!!

次回順次2本のレンズについても書きます。