シネレンズとオールドレンズで遊ぶ! -18ページ目

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

シュナイダーブルーといわれる言葉がある。
シュナイダーのレンズが独特のクールトーンであるため俗にこういわれている。
銀塩(フィルム)での作例を見ると結構こってり青が乗っている。しかも色温度が高くて青くなっているというより青い色が乗っているように見える。少し専門的な話しになるがカメラにおける色には3種類ある。まずは、LB(ライトバランシング)という色温度上の色でK(ケルビン)で表される。光の色はシチュエーションによって変化する。たとえば夕日はオレンジ色、早朝は青かったりする。日中は少しい黄色がかった透明である。この光の色を数値化したのが色温度で、それを補正するための色(フィルター)がLBである。晴れの日の日中は一般的に5500K(ケルビン)といわれており、色温の中心点になる。これより赤いことをアンバー(A)といい、青いことをブルー(B)という。だいたい裸電球の色あたりが3600Kくらいで、パソコンのディスプレーが9300Kである。ケルビンを補正するためには逆の色のフィルターを入れる。色補正のために逆の色のフィルターを入れることはどの種類の色でも同じである。次の色はCC(カラーコンバージョン)と言う種類の色で、グリーンとマゼンタになる。蛍光灯などにおいてはグリーンスパイクという緑色の光が出ています。人間の目には透明に見えますがフィルムやセンサーには緑色に写ります。この緑色をマゼンタで補正します。このLBとCCというカラー補正機能はデジタルカメラに搭載されています。この2つに当てはまらない色がいわゆるエフェクトカラーと呼ばれる演出用の色です。
前置きが長くなったのですが、このシュナイダーブルーと言うのが色温度上のものであるのか、エフェクトとしてのものなのか、カメラのオートホワイトバランスを使って見て見ようと思います。
オートホワイトバランスで補正されてしまえば、温度上の青、補正されなければエフェクトとしての青、つまり演出された青になります。
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Schneider Xenon 50mmF1.9 DeckelマウントとCanon FL58mmF1.2で撮り比べ。
カメラはOLYMPUS PEN E-P2
オートホワイトバランス
明らかにシュナイダーが青いです。
しかも他のサイトで見たのと同じ感じのブルーです。画角に若干の違いがあります。
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ハイライトが明らかに青いです。
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青さは安定してます。
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これらの写真を見ているとシュナイダーブルーは色温度などではなく、狙った青であることが分かります。
安定して同じ青が出ることから分かります。
しかし青いですね。
ドイツにはシュヴァルツヴァルト(黒い森)と言う森がありますが、シュナイダーのレンズで撮ると、文字通り『黒い森』になりそうです。
シュナイダーブルーをうまく使いこなすことで幻想的な風景写真を撮ることも可能かもしれません。
アトムレンズと呼ばれるレンズがある。いわずと知れたトリウムガラスを使用したレンズである。
1948年にアメリカで発明されたトリウムガラスは高屈折率にして低分散という高性能ガラスとしていろいろなレンズに使われた。コダックやライカ、国内ではペンタックスやキャノンなどで使われた。1970年代に放射線の問題などから使われなくなる。現在の低分散ガラスはフッ化物ガラスなどである。
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で、このレンズですが、FL58mmF1.2です。
トリウムレンズに特有のレンズの黄変も見られます。
最近では太陽光などの紫外線に当てることで黄変を改善できるという話しも聞きます。
一度試してみようと思っています。

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FD55mmF1.2S.S.Cなどに比べると細身で胴長です。
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FD→M4/3アダプターではうまくFLレンズが付かなかったので少しマウントを削りました。
写りは
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開放
開放においてはかなり描写が甘くなります。ピントはほぼありません。
FD55mmF1.2S.S.Cでも開放値でのピントは厳しいので当然といえば当然です。
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F2.8
F2.8まで絞るとぼんやりとしていた像がハッキリしてきます。ピントもうっすら来始めます。
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F5.6
F5.6まで絞るとカリッとしたピントが来ます。
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F8
F8まで絞ると解像度はかなりのものになります。
ピント部を拡大しました。
少し解像度の立ち上がりは遅いですが、優秀なレンズであることが分かります。
開放からF8までの写りの違いでこのレンズの表現力の広さが分かります。
開放近くのフランスレンズのような柔らかい写りと絞り込んだときのドイツレンズのような写りを使い分けることができれば、かなりの表現ができます。
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布引の滝
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ちなみにこの滝は新神戸駅より400mと言う近さにあります。
実は新神戸駅は渓流の上に建っていたのです。僕も初めて知りました。
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今日はレンズとは関係ないネタです。
テレビで内閣府が「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集をしているのを知りました。
要は原子力発電所のシェア2030年までにを0%にするか15%~20%にするか25%にするかの国民の意見を募集するサイトです。しかし探してみるとこのサイトきわめて見つけにくいです。意図的ではと思うくらい。だからリンクをはろうと思い記事を書きました。本筋から外れてすみませんがご理解ください。
この見つけにくい内閣府のサイトのパブリックコメントだけを持って国民の意見だといわれるとぞっとします。だからなるべく多くの人にコメントしていただきたいと思っています。8月12日までと言う締め切りにも悪意を感じざるを得ません。17万人が集まった昨日のデモは『うるさい音』でこのお年寄りや子供には絶対書き込みできないと思われるサイトが『国民の声』だとするならばこのサイトに書き込みができる方にはぜひ参加していただきたいと思います。今後の政策のアリバイとして使われることを防ぐためにも書き込みをお願いします。
「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集

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デッケルマウントのレチナクセノン50mmF1.9を購入した。
もともと、レチナフレックスの標準レンズである。レチナフレックスにはこのほかにクセナー50mmF2.8と言うものがある。こちらはテッサータイプレンズでシンプルな描写でスナップレンズといった感じのものである。一方レチナクセノンは4群6枚のガウスタイプレンズでポートレートレンズといったところである。
早速写りはどんなものかといいますと

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まあまあシャープです。
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ALPAのSWITARやFD55mmF1.2SSCなどといった超解像度レンズに比べるとややシャープネスが劣るがなだらかなボケによる立体感はすばらしくレンズの総合性能はかなり高い印象がある。
戦前型のXenon50mmF2やArriflexのCine-Xenonシリーズに見られる中心部のずば抜けた解像度は見られないが、周辺部の2線ボケは解消されているようだ。
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上記の2枚に見られる発色がいわゆるシュナイダーブルーと呼ばれるものだと思われる。
カメラはオリンパスのペンE-P2なのでデジカメであるがホワイトバランスは日中でコンディションはお昼のうす曇りなので本来もう少しウォームトーンになるはずであるが、クールトーンに仕上がっている。

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レンズの描写バランスが高いため、立体感はかなりのものである。
拡大すると
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F2.8付近の描写
このレンズで気づいたのが、解像度が無限遠側に振ってあるということである。
ALPAのSWITARなどは最短側に振ってあるので無限遠側の解像度は普通のレンズと変わらないが、このレンズはある程度の距離をとったあたりから、良好な解像度を示すようだ。
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門の上部を拡大
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PEN E-P2の1200万画素のセンサーでは解像度が足りないと思うほど、無限遠側の解像度はすばらしいです。
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逆光条件の写真です。フード無しといった過酷な条件化でも良好な結果が得られます。
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発光体もOK!
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空気感も絶妙!
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順光ならカリカリの写り。でも階調は豊かなので色飛びは見受けられません。
ピント部拡大。
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アウトフォーカス部拡大。
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オールドレンズ特有の未処理収差によるボケ&にじみが見られます。
中心部はカリッ!アウトフォーカス部はフワッ!階調はしっかりとしていて、2線ボケも無し。
発色も自然で、立体感もしっかりあり、空気感もある。
逆光には強く無限遠側ではかなりの解像度を誇る。
何よりかっこいいシルバーのボディ!

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そしてマニアックなデッケルマウントということで価格も格安!(1万前後)
ちなみにボクのレンズは前玉傷と後玉周辺弱曇りと言うことで8400円でした。
オールド界の地味な優等生。
最近では一番の掘り出しレンズです!!
M42 SPIRAL によると若きトロニエ博士が発明した戦前型クセノン50mmF2は当時主流であった4群6枚のガウス型(プラナータイプ)の設計を改良した5群6枚の設計で、中心のコントラストの向上と周辺部のグルグルボケの減少に成功する。それと引き換えに2線ボケを生じてしまいそのことが原因で旧設計のライバルBiotarに敗れてしまうそうだ。
レンズを人にたとえるなら、とんがった20代の若者が旧体制に挑むが、老練な老人たちに敗れてしまうといった感じか。それから約25年、壮年期になったクセノンは師匠トロニエが社を去った後も古きを受け入れつつ、胸には秘めたものを持ち着実に進化を遂げてきたのであろう。柔らかい描写から、硬い描写までをそつなくこなし遊び心を忘れないその写りは、さながらベテランの名優のようである。
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デッケルマウントにはもう一本のガウスタイプレンズ、フォクトレンダーのセプトンがある。何の因果かこのレンズもトロニエ博士が携わったノクトンの進化形だといわれている。25年の時を超えて新旧設計の2本のレンズの可能性を再検証してみるのも面白いかもしれない。
セプトンが手に入ればの話しだが。

先月の末に恵比寿の大澤カメラさんに遊びに行きました。
ショーケースを見て絶句!
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オールスターじゃございませんか。
左からイギリス代表でハリウッドに愛されたレンズ『クックスピードパンクロ50mmF2』

同じテーラー&ホブソン社製 16mmArriflex用レンズ『キネタル37.5mmF2』ちなみにこのレンズArriflex16のカタログには載っていません。謎のレンズです。

そしてドイツの雄『カールツァイス シネプラナー32mmF2』このレンズはオールドレンズライフVol.2でも紹介されています。実物は僕も初めてみました。

そしてシュナイダークロイツナッハの最強解像度レンズ『シネクセノン28mmF2』このレンズは35mmシネカメラ用レンズです。周辺はニジミが出ますが中心解像度は超絶です。

そして同じくシュナイダーの『シネクセノン25mmF1.4』16mmフォーマットのこのレンズはマイクロフォーサーズで使っても四隅がけられますが、発色と解像度、写りの面白さのバランスは絶妙です。僕が一番初めにはまったArriレンズです。

その隣はアメリカ代表コダックの『シネエクター25mmF1.4』です。写りの感じはシネクセノンの25mmに似ています。ドイツやイギリスのシネレンズはとても高価だったので、コダックが国内の映画産業用に特別に作っていたものだと思われます。そのため同じ焦点距離でもさまざまなバージョンが存在します。
いやあ世界中のシネレンズが一堂に会す姿はさながら映画博物館です。20世紀の映像を支えてきた各国の英雄のようなたたずまいです。大澤さんやばすぎる!!
しかしそれだけではないのです。
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シュナイダーのクセノン(Cマウント)のF0.95が3本
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アンジェニューのF0.95だってあります。
入場料をとってもよいのではなかろうか(笑)
その他M42の名レンズ、フレクトゴンetcDマウント、スイターやZUNOWなどなど、恐ろしいです。
恵比寿に行かれたさいには立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
ニコラペルシャイトと言うレンズがある。その昔エミール・ブッシュと言うレンズメーカーが生産していたレンズで肖像写真家のニコラ・ペルシャイト氏のアドバイスにより生産されたため氏の名前がそのままレンズ名になっている。とはいうもののボクも実物は見たことがない。何しろレアなのである。昭和初期(1920年代前半)に発売されてこのレンズは軟焦点レンズと言う特殊な設計になっている。焦点面以外に各収差を残し自然なボケを発生させているのである。これが人間の目に近いということで写真館などで使われていた。日本では有賀写真館の有賀乕五郎氏が所有していたそうです。戦前のレンズで業務用、しかもエミール・ブッシュと言うマイナーなレンズメーカー製と言うこともあり本数は極端に少なく、価格も非常に高い。また贋作も多いらしくレンズとしては特殊なものとなっている。 このレンズ略して二コペル等と呼ばれていたりするのであるが、レンズ構成は色消しを絞りを挟んで対象に配置したいわゆる人像鏡玉。漢字で書くとかなりな威圧感ですね。有名なのはダルメイヤーのRR(ラピッドレクチリニア)鏡玉でラピッド(早い)でレクリチリア(直線)という名前の通り、当時としては明るく(f8)収差の少ないレンズであった。
レンズのラインナップは
18cm/f6
21cm/f4.5
36cm/f4.5
42cm/f4.5
48cm/f4.5
60cm/f5.5
だそうで、中にはトリプレットのものもあるようです。 レンズ設計に名前がつけられることは良くあるが軟焦点と言う設計思想に名前が付くということは非常に珍しいのではないだろうか。加えてレンズ設計者ではなく、アドバイザーの名前が付くというのも非常に珍しい例だと思う。100年近く経過した現代においてもこのレンズが人々の興味をかきたて続けているのは、単に物としてのレンズの価値だけではなく、設計思想、物としての魂の部分に魅かれるからではないかと思う。物に対しての世界観や魂が軽視されることの多い現代、このレンズが教えてくれることはそういったことではないかと思う。機会があれば手にして見たいレンズの一本である。
いやぁーだいぶ稼がにゃいかんなぁ。

最近はバタバタと忙しい日々を送っているが、着実に沼の底をさらう日々を送っている。
いわずと知れたレンズ沼である。国内外の一流品や現行品には目もくれず1万円以下のジャンクレンズをひたすら掘り起こす。この世界を俗にM42沼と言うようにこの世界の主役はM42である。しかしM42はかなり再評価が進んでいて、よっぽどなジャンクレンズや明らかに怪しいレンズ以外はそれなりの値段になってっしまっている。安価といえどもそこにお金を突っ込むほど裕福ではないので、インディーズマウントに転向してみることにした。そこで目をつけたのがデッケルマウント。このマウントのレンズにはシュナイダーやホクトレンダーそして少数ながらローデンシュトックも存在する。マウントアダプターも比較的安価に出ているのであるがいかんせんマウントの知名度が低い。それに加えボディーであるベッサッマチックやレチナフレックスはそのほとんどが不動品になっていてレンズのみ動作品であることが多く、レンズあまりの状態にある。海外オークションなどではジャンクボディーにくっついて相当安価でとりひきされている。そのうえレチナフレックスなどはレンズシャッターの一眼レフと言う極めて複雑な作りのためレンズのほうも相当良いコンディションでなければ正常に作動しない。ミラーレス一眼で使用するに全く支障のないレベルでもジャンク扱いになってしまうのである。こういった事情が重なり、ディッケルマウントレンズはそのラインナップの割りに極めて安価で取引されている。SEPTONなどの弩級レンズ以外であれば1万円以下で探すことができる。
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Voigtlander COLOR SKOPAR X 50mm f:2.8

これはフォクとレンダーのカラースコパーである。コシナ製フォクとレンダーブームの際に大量の復刻版カラースコパーが発売されていまだに大量に流通しているが、オリジナルを探すと結構数が少ない。

ちなみにこのレンズは絞り粘りのジャンクと言うことで¥4,200-であったが、前述のとおり使用するにあたって問題はない。
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スナップレンズの代名詞ともいえるこのレンズはやはりスナップ向きである。適度な解像感とずば抜けた発色のよさが特徴である。良くも悪くも標準的なレンズである。見た目がおしゃれなので普段使いにはもってこいといえる。この値段でこの写りであればコストパフォーマンスはきわめて高い。

ちなみにレンズ構成は3郡4枚の典型的なテッサータイプである。

次回はクセナーやテレクセナー、クセノンなどのシュナイダーレンズの試写について書きます。


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テレクセナー135mmF3.5

ずいぶん前になると思うが、中古カメラ市場でソビエトカメラが流行した時期がある。ちょうどLOMO(ロモ)なんかがトイカメラとしてもてはやされていたころだったと思う。ありとあらゆるソビエトレンズやカメラが日本にやってきた。このレンズもおそらくその時代のものであろう。最近になってまた個人的にソビエトレンズ熱が再発してしまい、都内の中古屋で衝動買いをしてしまった。レンジファインダーコンタックスマウントでシリアルから1960年のものだと思われる。マルチコーティングだが、コーティングむらがひどくバルサム部がほんの少しだが曇っている。ソビエトクオリティーだなとなんだか懐かしくなる。


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このレンズは有名な話であるが、カールツアイスのSonnar85mmF2のコピー品である。とはいえただのコピー品ではない。第二次世界大戦で敗戦したドイツからソビエト軍が戦利品として持ち帰ったもののひとつである。小林孝久氏の『カール・ツァイス~創業・分断・統合の歴史』によると第二次大戦直後ヤルタ会談による取り決めに従いソビエト軍が東ドイツに進駐してくるのが1945年6月20日。その前に世界最先端の光学技術を少しでも多く西ドイツに疎開させるためにアメリカ軍がカールツァイス工場を訪れ、従業員とその家族そして光学に関する資料とレンズ等をトラックで西ドイツのオーバーコッヘンに輸送した。この時に最新鋭の測定機器と資料はオーバーコッヘンには到着することは無かったという。運ぶことのできなかった工作機械と残った従業員が東ドイツでツアイスJENAを再開するが、まもなくそれらの機械や従業員もソビエト領内に移送されたそうである。このレンズその時に移送されたゾナー85mmF2をコピーして作られたレンズである。工場は刻印からKMZ。現在のS・A・ズヴェーレフ記念クラスノゴールスク工場である。ZORKI、ZENIT、HORIZON等の生産で有名である。『Glass, Metal and Silicium』と言うサイトにあるレンズ構成図は紛れもなく3郡7枚のゾナータイプである。このサイトのレンズは第二世代の黒鏡胴で70年代のものであるが、光学は同じものと思われる。マルチコーティングがまだ一般的ではなかった戦前に設計されたゾナーは貼りあわせを多用し空気との境界を最小限にすることにより、その当時としてはもっとも明るくシャープなレンズ(1932年50mmF1.5)として有名であった。戦後ソビエトに持ち帰られてソビエト版ゾナーとして発売されたのがこのレンズと言うわけである。数奇な運命をたどってきたこのレンズであるが評価はと言うと真っ二つに分かれる。おそらくソビエトでの生産体制における加工精度のばらつきによるものと、経年劣化のせいであろうと思われる。実際僕のレンズも早速アダプターを購入してカメラにつけようと思ったところ、全くアダプターが付く気配がない。間違って買ったかな?と思うほど全く付かない。よくよく見るとレンズ取り付けのバヨネットの位置が0.5mmほどずれている。しょうがなくアダプターのほうを削る羽目に。何とか加工が終わって、無事装着できた。さて肝心の試写は・・・。

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良い!適度なコントラスト、適度な発色。そしてうるさすぎずかといってつまらなくもない背景のボケ。ポートレイトレンズとしては最強に近いのではないかと思う。ただやはりたぶんにもれず逆光には弱くハレーション祭りになる。ムービーレンズとして使うとそんなハレーションも味となり結構面白い動画が撮れる。ハレーションと言う毒も適量をコントロールして使えば、つまらない絵を劇的に面白くする特効薬になる。最近のレンズでは毒=悪、的な風潮が残念である。目で見たものを目で見たとおりに撮るのはiPhoneに任せておけばいいと思う。暴れ狂う光を手なずける事に写真を撮る悦びがあると思うのだが・・。そういう意味でこのレンズは撮り手の力量を試す小悪魔的なレンズであるといえる。
1960年といえばおそらくソビエトに移送された元カールツアイスの技術者もレンズ製作に携わっていてころだろうと思われる。オプトンゾナーや戦前ゾナーがいまだに高値で取引される一方、格安の値段で投売りされるソビエトレンズにもこのレンズのようにすばらしいものも多く、もう少し価格面でも正当な評価がされるようになればいいなぁなんて思うのであるが、高嶺の花になってしまっても困るので今のままでいいのかなぁとも思ってしまう今日この頃である。

先日、山崎光学写真レンズ研究所にお伺いしました。目的は友人のCookeSpeedPanchro50mmF2の修理が上がったので受け取りに行くことと、ボクのCineXenonの曇りを相談に行くことでした。
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で友人のパンクロの仕上がりを見てビックリ。劣化の始まっていたバルサムが見事に直っておりました。
レンズ清掃のせいもあり光学部は新品のような仕上がり。
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そこで早速ボクのCineXenonも相談してみると、
『結構コンディション悪いね』というお言葉。
3枚ほどレンズが曇っているそうで、見積もりは2.5万円との事。おそらく5千円はレンズの分解&組み立ての外注費ではないかと思われます。現状ボクのCineXenonの中でこの35mmだけが曇りのせいで実働していなかったので、仕上がりが楽しみです。

久々にブログ更新します。

最近は仕事の撮影が忙しくあまりブログに載せられる写真がありませんが、21日の金環日食の写真です。僕の住む練馬あたりではかなり綺麗に見れました。ピーカンだと面白くないなぁと思っていたので、雲があったのはラッキーでした。


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COKINのグラデーションフィルター5枚がさねです。

EF70-200mmF2.8 EOS7D

やっぱりこういうモチーフは現代のレンズがいいよね(笑)

適材適所というやつです。

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200mmでもそこそこ寄れることに驚き。トリミングすれば十分使えそうです。

来週は面白いレンズが手に入ったのでいろいろ更新していきます。