全体が見えていると迷わない
私が大学生だったころのことです。
いよいよ4年になり、研究室で卒業研究を与えられることになりました。
基本的には、先生にこれをやりなさい、といわれたものをやることになったわけですが、なんとなく府に落ちなかったのが、そのテーマ選び。
実際のところ、グータラ学生だった私は、担当教官の研究の内容がいまいちわかっていませんでした。
卒業研究にはいくつかの要件があると、考えられます。
・教官が指導できる内容であること。
・教官の大枠としての研究テーマを助長していく内容であること。つまり、大げさに言えば
「世に役にたつこと」
・ほかにやっている人がいない少ない)、新規性がちょっとでもあること。
・卒業するまでに間に合うこと。
一番、私がぴんと来なかったのは、3番目の「新規性」のところです。
教官には自分が携わっている分野が、実際に世の中でどのくらいの位置づけでどのくらいのユニークさがある、
そこから派生して、学生にさせる実験内容がどの程度のものか、などはだいたいわかっていたと思います。
しかし、その分野の素人の私には、今ひとつ見えていないため、最後までなんとなくピンときませんでした。
まあ、そのピンとこない鈍さが、私を学究の道から遠ざけてしまったのだと思います。
今から思えば、上記のようなことをきちんと質問できなかった、私のアサハカサが情けないです。。。
高速学習の第一歩は目的をはっきりさせること
スピーディに学習するには、目的をはっきりさせることが大切です。
あたりまえですね。
しかし、学習は一日二日ではないので、長くやっていると結構目的を見失いがち。
ちょっと、話が違うかもしれませんが、会社で目標設定というのを年度始めにやっていませんか?
しかし半年の長丁場、毎日の雑務に流されて、気付いたら達成度合いを見る時期に。。。なんていう
ことはないでしょうか?
目標を達成できない理由の多くは、目標を忘れること、という説があるそう。
同じことが学習にも言えそうです。
目的を明確にして学習し、目前の細かなことにこだわっていないかと再考してみる。
たとえば、なかなか理解しづらいところにこだわりすぎて、時間を浪費するよりも、ひとまず飛ばして全体をつかむほうが、よいという考え方もありますね。
うまい学習は、俯瞰することからはじめる
学習法のポイントのひとつに、全体をまずはさっと見るというものがあります。
小学校の算数では、まずは数の数え方から始まって、足し算、引き算、九九を覚えて、割り算、大きな数、という風に学んでいきます。
私にも小学生の子供がいますが、一緒に勉強を見てやっていると、ステップバイステップだな、と感じます。
しかし、大人の勉強はちょっと違います。
大人の勉強は、目的があること、そして算数のようなごく基礎ではないということ。
資格の取得であったり、スキルを得たり、語学の試験だとTOEICの点数なんかもありますね。
目的を達成すればよいわけですから、以下のような順序で心の準備がひつようになります。
1)まずは、目的をはっきりさせること
2)その道筋を知ること
2)は地図をもって、いくつもの中間地点を知っておくことですね。つまり俯瞰する。
今のいる位置を知れば、あと、何をどれくらいやればいいかはわかりやすいし、道を外れることもありません。
地図でたとえてみると、ごく当たり前のこのやり方、学習では結構抜けていることも。
典型的なのは通信教育で、1ページ目から順に初めて、一冊目の途中で挫折というアレですね。
しかしながら、こういうはっきりした目的でないものは、やはり、ステップバイステップになるように思います。
私は趣味で空手と書道をやっていますが、自分の実力が上がるためにはいろいろな古を積む事になります。
なんとなく一本道ではないような。
空手は帯の色が変わるという一応の目安がありますが、でも強くなければ意味がないとか、試合に勝てなければ意味がないとか、目的の置き方もいろいろですね。
体の使い方を含むものは、座学とは少し異なるテクニックが必要です。