丹沢山/蛭ヶ岳 ぶらり山旅 21 08.5.4/5 1泊2日
●丹沢山/蛭ヶ岳 温泉付 神奈川県 1,567m/1,673m 2008年5月4日(日)、5日(祝) 晴れ、曇り<参考コーズタイム> ●1日目 大倉~搭ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳 大倉バス停→(40分)大倉高原山の家→(50分)堀山の家→(60分) 花立山荘→(30分)塔ヶ岳山頂→(40分)竜ヶ馬場→(20分)丹沢山山頂 →(35分)不動の峰→(15分)棚沢ノ頭→(45分)蛭ヶ岳山頂(泊まり) 歩行時間:5時間35分 ●2日目 蛭ヶ岳~姫「次~東野 蛭ヶ岳→(55分)地蔵平→(60分)姫次→(20分)八丁坂の頭→(60分) 分岐→(45分)東野バス停→(105分)やまなみ温泉 歩行時間:4時間(東野バス停まで)<温泉> やまなみ温泉 丹沢山塊は、これまで塔ヶ岳、檜洞丸、大山は登っているが、主峰丹沢山、それに最高峰の蛭ヶ岳には登っていないので、GWを利用して1泊2日の丹沢主峰縦走を試みることにした。コースは、大倉から塔ヶ岳を経て丹沢山に1泊、翌日蛭ヶ岳から檜洞丸、西丹沢自然教室に至る予定。GW後半の5月3日(土)の出発予定だったのだが、雨の予報のため、4日に順延。当日は予報どおりの快晴。大倉行きのバス車内は、午前8時だというのに、相当な登山客で早や満杯。塔ヶ岳は、昨年の3月中旬に登っているが、そのときは小雨から雪に変わる悪天候。本日は、好天で登山道入口から早くもTシャツ姿。同乗した先行の登山客を何人か追い越して行くが、行けども行けども人が溢れている。観音茶屋を通り過ぎると分岐(見晴茶屋でやがて合流する)に出たので、今回は左の迂回道を通る。最初の休憩所は、40分ほど歩いた高倉高原山の家。 大倉高原山の家あたりからの景色 そこからさらに50分ほど登ると駒止茶屋に着く。登山口の標高が290mで、この茶屋が丁度900mだから標高差は610m、なかなかの急坂だ。この辺りが、 いわゆる大倉尾根。ところどころ視界が開けて、周囲の山が眺められる。まさに風薫る五月。立ち止まると五月の爽やかなに風が吹き抜けて行く。樹間から眺める、山ひだを覆う緑は眩いばかり。都会では、これほど多彩で微妙に陰影の異なる緑色にはお目にかかれない。駒止茶屋あたりで、予想もしない光景に出くわした。山並みの向こうに斑模様の雪山が見える。はてどこの山だろうかと思っていると、そばでカメラを構えていた人が富士山だと教えてくれた。 写真中央の雲の後ろに富士山が隠れている 駒止茶屋付近からの眺め標高が高くなると、足元に桜の花びらが目に付くようになった。今頃山桜か?と思って頭上を見上げても、桜の木は見つからない。何日も前に散った桜の花びらか、と思いながら登ってゆくと、やはり標高の高いところには山桜がまだ咲き誇っている。上り始めてから2時間30分、ようやく胸突き八丁の手前、花立山荘に到着。山荘前はやはり大勢の登山客で溢れている。この小屋の売り物はカキ氷らしく、結構な繁盛ぶり。相棒も、ここでカキ氷に飛びついた。山の天気は急変するというが、一休みするうちに、みるみる雲が空を覆い始め、頂上付近にはに薄黒い雨雲が立ち込めている。花立山荘付近からの眺め花立山荘からは、金冷シを経て一気に塔ヶ岳山頂に向かうのだが、この最後の急坂が難関。ふくらはぎはもうパンパンで、腰もかなり張ってきた。足を上げるたびに腰が痛くなる。30分なんとか辛抱して、ようやく本日の第一目標の塔ヶ岳に到着。所要時間3時間15分。 キツイ階段状の急坂。もう足が限界間近か 塔ヶ岳山頂山頂はやり大賑わいだが、霧が出て、山頂からの視界はゼロ。12時少し前に着いたので、ここで本日の昼食。そういえば去年の3月ころは山頂でも鹿を見かけたが、本日は、1頭もお目にかかっていない。40分近く休んで、本日第二の目標地、丹沢山に向かう。 左斜面から箒杉沢の美しい谷が・・小屋脇から丹沢山への急な坂道を降り、しばらくはほぼ平坦な霧の林の中を進む。20分ほど歩くと、見晴らしの良い尾根道に出る。その辺りから、なだらかな斜面の向こうに、白い箒杉沢の沢筋が見える。四方を山に囲まれた深い谷。初夏になれば、この美しい沢谷も、樹木の葉で隠れて見えなくなってしまうのか。塔ヶ岳山頂から40分ほどで、竜ヶ馬場に着く。歩きやすい木道で、霧がなかれば展望の良い尾根道だそうだ。丹沢山へは、あともう一息、急坂を上りきれば到着。本日はここで1泊の予定。足はパンパンだが、時間的には、丹沢山山頂からさらに蛭ヶ岳まで足を伸ばしても行けなくはない。ガイドブックによると、この縦走コースは健脚向き。明日の行程を考えれば、蛭ヶ岳まで足を伸ばすのがベストと書いてある。しかし、丹沢山から蛭ヶ岳へはさらに2時間の距離。急な下りのクサリ場あり、頂上直下の急坂も待ち構えている。さて泊まりは、丹沢山か蛭ヶ岳と決めかねているうちに、丹沢山頂に到着。やはりここも濃い霧の中。 丹沢山頂の広場は広く、やまなみ山荘が隣接山頂の到着時間は13時30分。ここまでの所要時間は丁度5時間。山頂で記念撮影をするときに、山名を書いた銘木を見て、初めてここが百名山のひとつであることに気がついた。丹沢山塊には沢山の山があるが、百名山に選ばれているのは、丹沢山のみとは?さて、ここに留まるか、先に進むかの選択だが、まだ時間的にも余裕があるし、明日のこともあるので、あっさり蛭ヶ岳に向かうことに決めた。こういう柔軟思考が、わが登山隊の基本的な方針。人はこれを無計画ともいう。蛭ヶ岳に向かう道で、ボランティアの人が登山者をカウントしている。試しにこれまでの集計数字を聞くと、蛭ヶ岳に向かう人が約240人、蛭ヶ岳から来た人が約70人という。蛭ヶ岳に向かう人がすべて小屋泊まりでないにしろ、収容人員40数名の山小屋には、一体何人泊まるのだろうか一瞬不安になった。下ってすぐのなだらか笹原や樹間に、バイケイソウの群生が見られようになった。小バイケイソウはよく山中でも見かけるが、バイケイソウはあまり見かけない。この草は、初夏から夏にかけて白い穂のような花が咲く。湿地帯に群生するというから、このあたりは年中、濃い霧が立ち込める場所なのだろう。無彩色の枯野と対照的に、鮮やかな緑の大葉が、朦朧とした霧の中でもクッキリとその存在感を示している。まるで尾瀬の水芭蕉のよう。 山頂から45分ほどで不動ノ峰(1,614m)手前の休憩所に着く。ここで少し休憩して、15分で棚沢の頭を通過。鬼が岩の前後は、馬の背ほどではないが、結構な痩せ尾根。クサリ場あたりは、躓かないように要注意。 鬼ヶ岩のクサリ場鬼ヶ岳を過ぎると、いよいよ最後の詰めの蛭ヶ岳直下の急坂。 変化の激しい上り下りを繰り返したせいか、足腰はもう限界に近い。それ以上にここに来ていきなりの減速状態。歩幅も狭くなって、1歩登るたびに休みたくなる。いわゆるバテか? なんとかひとふんばりして、ようやく15時25分、蛭ヶ岳に到着。ここもやはり霧の中。蛭ヶ岳山荘 山頂は広く、展望は最高なのだが・・蛭ヶ岳山荘は予想通りの大混雑。収容人員40人に対し、当日の宿泊客は113人とか。事前予約をしていない飛び込み客は、急遽、食堂兼用の広間で寝ることになった。小屋に入って、まずは缶ビールでお疲れさん。それから持参の日本酒と焼酎をちびちびやりながら夕食の時間を待つばかり。当然、予約宿泊客が最初に食事を食べ、その間は部屋の隅か、通路にて待機。ちなみに本日の夕食は、白米とおでんと漬物類3種。午後8時ようやく就寝時間だが、これからが修羅場の幕開けとなった。広間に敷き布団と毛布を敷き、その上に寝袋を敷いて寝る。各自寝るスペースは小さな枕ひとつ分!? ということは、寝返りも打てない状況か??もちろん小屋に責任があるわけではないので、我慢するしかない。ことさら眠いわけではないが、一斉に寝袋に入るとじきに消灯。もともと寝つきが悪く、枕が替わるとさらに寝られない繊細な?神経の所為でなかなか寝られない。おまけに体が密集しているので、熱気で体が火照って仕方がない。加えて、消灯と同時に地響きのような高いびきが室内を激震。なんと震源地が斜め後ろという申し分ない条件が揃っている。さらに気になるのが、伸ばした足が向こう側の人と触れ合うこと。満足に足も伸ばせない、寝返りも打てない、まるで棺おけに収まったよう!!向こう側正面には、トイレがあって、夜中じゅう、トイレの開け閉めの音がする。一向に寝付かれないまま、時計を見るとようやく12時前。少し起き上がって寝袋をはぎ、Tシャツ1枚になる。寝付かれず、心身ともに疲労困憊したせいで、つかの間眠ったようだが(???)、時計の針はなかなく進まない。何度も時計を睨みながら、夜中の4時過ぎころ、いたたまれずに起き上がってトイレに立つ。足の踏み場がない。ふらふらしながら、戸口近くで大きくまたぐと、その勢いで、売り物のカウベルに触れて大きな音を立てた。それが合図になったか、気のせいか部屋のあちこちで起き上がる人が増えてきたようだ。本日の起床時間は4時半と決められている。定刻にようやく部屋の明かりがついて、床が上げられ食堂部屋に早変わり。今度は、食堂組みから先に食べてくださいとのありがたいお言葉。食べ終わったら、すぐに出て行ってくださいとはさすがに言わなかったが・・。5時過ぎのNHKニュースで天気予報をやっている。それによると本日は、全国的に雨模様とか。機に臨み、変の応じて決定を下すわれわれの方針により、本日は山頂より北側の姫次方面に下山することを決定。人はこれを優柔不断とも言う。霧の深い小屋の前で出発準備を整えて、5時50分に出発。本日は、姫次からさらに北上し、道志の道沿いにある東野のバス停にたどり着き、そのあたりの温泉に浸かる予定。小屋からすぐそばの下山道は、痩せて木の桟がむき出しの状態。歩くのに一苦労。やがて、きれいに整備された木の階段が出現。ここからの180度の眺めは圧巻。まるで中国の墨絵のような深山幽谷の世界が広がっている。霧が晴れるのをしばし待ったが思うように晴れてはくれないが、早朝の身の引き締まるような冷厳な雰囲気に眠気がさめてくる。小屋泊まりの人か、われわれを追い越して、あっという間に霧の中に消え去って行った。 下山コースの姫次は、焼山に抜ける丹沢主脈のコース上にある分岐点だが、交通の便が悪いこともあって、このコースを利用する登山客は少ないようだ。しかしブナ林やバイケイソウの群生、山桜、樹間から垣間見える丹沢山系などの景色は予想以上で、もっと紹介されても良いくらいのコース。 深い谷、眼下に小さく鉄橋が見える蛭ヶ岳からは急坂を下って行くが、やがてなだらかなブナ林のある地蔵平に着く。山頂から約50分。まだ7時前の早朝ということもあって、周囲の山は雲海の中。その雲がまた眩しい白さで、まるで雪が降った朝のような明るさ。地蔵平から30分ほどで、原小屋平に着く。元小屋の残骸がまだあるが、この空き地のまん前に見事な山桜が咲いている。原小屋平の巨大な山桜 山道に桜の倒木 途中、視界が開けたところに出て、山並みの向こうを見ると、富士山らしき山が見える。しばらくすると麓から霧が晴れてきて、くっきり富士山が見えてきた。このあたりには、鹿の糞が目立てきたから格好の餌場か。 地蔵平から姫次(ひめつぐ)までの道はなだらかで、30分ほどの歩きやすい道。姫次は東海自然歩道の途上にあるポイントで、ベンチがいくつか置いてあり見晴らしも良い。ここからは富士山も檜洞丸も正面に見えるそうだが、あいにくの曇り空。姫次からもう少し進んだところが、東海自然歩道全コースの最高点(1433m)とか。ここで水を補給して、8時ころ出発。歩き始めてすぐのところで、右側に視界が開けてきた。まさに絶景。雲海の上に丹沢三峰が浮かび、その手前の緑の濃い山波に、鮮やかな桜の木マッチしてがなんとも綺麗だ。このあたりではじめてミツバツツジを見かけた。 姫次から20分歩くと八丁坂の頭に出て、そこから青根村へ分かれる道があるので、左折して下り始める。かなりの急坂で、この道の登りはさぞきついに違いない。ここから林道分岐まで1時間10分。林道を50分ほど歩いて、ようやく新緑に囲まれた青根村に到着。小屋を出てから4時間20分、永い永い丹沢山の登山もようやく終了。到着時間は10時10分。まだ村は朝の気配。 さてここで、本日の歩きも終了と思って、東野バス停で時刻表を見ると、な、なんと8時に出たバスのあとは、午後3時20分まで1台もなし。このバス停には3系統のバスがあるが、いずれも次発のバスは3時台。道志の道は交通の便が悪いとは思っていたが、これほど本数が少ないとは。ちなみに平日は8本、土日休日は3本とか。近くに温泉旅館はあるにはあるが、ここで5時間を潰すには時間がありすぎる。結局バスを待つより、歩いてバスで行くはずだった「やまなみ温泉」(津久井)まで歩こうといことになった。バスで22分の距離。果たして何分かかるかと思って歩き出したのだが、ほとんどアスファルトの道を1時間40分かけてようやく温泉に到着。ギリキリ午前中の11時55分。 東野バス亭から10分ほどのところに菜の花畑、向こうに珍しい茅葺の民家も見えるやまなみ温泉にゆっくり浸かり、生ジョッキ1杯とロング缶ビール2本を飲み干した。ビールを飲みながら、2日間の総括をすると、1日目の歩数は35,500歩、2日目は29,700歩で、合わせると65,200歩になる。ビールの酔いもあって、イッキに睡魔が襲ってきた。