●今倉山~二十六夜山    快晴

  山梨県 今倉山(1470m) 二十六夜山(1297m)  温泉温泉

    2008年11月22日(土)

 <参考コース>

 都留市駅→道坂隧道→(50分今倉山→(30分)松山(赤岩)→(30分)林道出合→(20分)二十六夜山→(50分)千人水→(15分)林道→(20分)芭蕉月待ちの湯

 参考歩行時間:3時間35分

立ち寄り温泉:芭蕉月待ちの湯

11月も終わり頃になれば、紅葉よりは富士山の美しい季節。

・・というわけで、今までと違うアングルの富士山を眺めようと、道志山塊の今倉山と360度のパノラマが楽しめる松山、そして道志・二十六夜山に登ることにした。二十六夜山という名前もどこかロマンチック。

前日の天気予報は、願ってもない快晴のご託宣。

大月から富士急行に乗り換えて、都留市駅に近づくと車窓から真白い富士山が見えてきて、はやワクワクしてくる。どうかこのまま気温が上がらずに、と願うばかり。

都留市駅からは、バスの終着点で登山道入口の道坂(どうざか)隧道への便は、土日はわずか1日2本。土曜日の午前中は9時10分のバスしかない。

われわれが駅に着いたときは、登山客は誰もいなかったが、次の電車でドッと(といっても14,5人だが)降りてきて、道坂隧道行きのバス亭に続々並び始める。

このバスは、御正体の登山口を通るが、予想に反して一人も降りず、全員が終点で下車。



都留市駅前                    駅横の車庫の干し柿はご愛嬌?

登山口で、一服し、靴の紐を結び直して9時50分の遅いスタート。気温が相当高く、富士山が霞んでしまうのではないかとヤキモキする。

この地点の標高はすでに1000m。取り付きの登山道からすぐに勾配がキツク、空気が薄いせいもあってか、すぐに息が上がり始めてきた。山頂との標高差は500mだから侮れない登り。

すぐ前を歩く高齢?の男女二人の歩速は落ちることがないのは、余程のベテランか、と舌を巻く。

歩き始めて20分したところで、左手の木立の間から突然南アルプスの山々が見えてきた。


林を見回すと、足元は熊笹、周囲は針葉樹とミズナラ、クヌギなどの広葉樹の混合林。ガイドブックによると、今倉山は”林相”が良いと表現していたが、その意味が良く分かる。小春日和の登山としては、この上ない快適なコースだ。

しかし登山道は、ジグザク道はなく直登が続き、容赦がない。日差しが強いせいもあって、すっかり汗ばんできた。

30分程汗をかいたところ辺りから、今倉山の山様が見えはじめ、ついに、左斜面の向こうに、御正体山の肩越しにわずかだが富士山の頭が見えてきた。

今倉山が見えてきた

左端上にわずかに富士山の頂が見える

今倉の山頂に近づくにしたがって、富士山が大きく姿を顕しはじめ、辛い登りの励みになる。

登り始めて50分後、ついに視界の上がポッカリ開いて、山頂に着いたことを知った。
今倉山山頂

残念ながら、今倉山頂は視界が余りきかず、小休止しただけで頂を後にした。目指すは本日のハイライトの松山(赤岩とも言われているそうだ)。なにせ、大パノラマが拝めるというのだから、今倉山頂の往復だけではもったいない。

山頂から急坂を降りて、さらに登り返してしばらく行くと、富士山の全貌と南アルプスが遠望できる狭い岩場に出た。

あまりの見晴らしの良さに、ここが松山だと勘違いしたほど。しかし後で知ることになるが、松山からの展望はこの場所からの数倍はある迫力。



 

岩場からの眺めもすばらしい

何回かアップダウンを繰り返し、今倉山頂から30分ほどでついに松山山頂に着く。

まず目に飛び込んで来たのが富士山の全貌。ハッと息を呑む迫力。360度全開の展望。足下を見ると、いま登ってきたバス道が遥か下方に見える。

南アルプス、北アルプス、甲斐駒ヶ岳、三つ峠、八ヶ岳、雲取山の秩父連山、丹沢山系、伊豆連山が肉眼でも良く分かる。これほど素晴しい眺めの山は、記憶にない。

山頂で望遠鏡を覗いている人が、西武ドームまでもが見えるという。

もっと天気が良いと、相模湾、駿河湾も見通せるという。





狭い山頂は20人ほどが、ほどよい定員か。どの登山者もこの山頂からは離れない

中央に薄っすら白い連山が見えるのが八ヶ岳

中央に連なる山脈の一番高いところが三ツ峠。その背後に連なるのが左から南アルプス、北アルプス

しばらく山頂の眺めに見惚れて時計を見ると11時半。山頂は狭いがここで昼食をとることにした。

山頂は相当な寒さを予想していたが、風がないせいもあって、シャツ1枚でもすごせる陽気。

バーナーでラーメンをつくり始めたが、沸騰したところでバーナーを横倒しにする大失敗。お湯がほとんどこぼれてしまったが、余分の水は余りない。 昼食をあきらめるわけにも行かないので、持参したお茶でラーメンをつくることにした。

緑茶のラーメンというのも珍しいが、思ったほどお茶の味が気にならない。名づけて富士見緑茶ラーメン。

本日は、下山後、バス停のある芭蕉月待の湯でのんびりし、5時10分発のバスに間に合えばよいので、山頂でのんびり1時間以上も滞在。

ここから最後の山、二十六夜山までは、1時間の予定。

山頂から落ち葉を踏みしめながら、急坂を下ること30分で林道に出る。

ここから再び二十六夜山への山道を辿ることになるが、ここでも冨士山の姿が良く見える。



 

                          二十六夜山が見えてきた

林道出合から、なだらかな坂や急坂を超え、10分ほどで山頂に着。

二十六夜山頂からも美しい富士山の姿を堪能することができる。

陽もだいぶ傾いてきたせいか、優しい陽光が富士山や山波を包んでいて、のんびりした気分なる。


山頂の大きな標識も、小さな標識も良く見ると凝った手彫り
時計を見ると13時20分。広い山頂のすぐ下に、二十六夜と書かれた古い石塔がある。

二十六夜とは、江戸時代から旧暦の正月と七月の二十六夜に、月の出を待つ行事に由来するとか。いわゆる月待ち信仰のひとつだが、この信仰には十三夜から始まって、十五夜、・・・二十六夜と11の月待ち信仰がある。それぞれ主尊があり、二十六夜は、愛染明王、阿弥三尊を崇拝するもので、夜明けの月に阿弥陀三尊が姿を現すという。

十五夜の月は満月だが、二十六夜の月は逆三日月で、夜明け前に出るので月待ち、夜待ちの月と呼ばれてきたそうだ。大勢の村人が集って、飲み食いをしなが賑やかに月待ちするのもこの行事の特色。

ちなみに十三夜は、十五夜の翌月13日の月見で、ためらいがちに出るのが十六夜、十九夜は月の出が遅くなるので寝て待つ寝待ち月、などさまざま月見があるそうだ。

こうした風習は全国各地で行なわれていたそうだが、いまや残るのは十五夜の月見くらいか。

二十六夜山で少しのんびりして、一路、芭蕉月待ちの湯へ、ひたすら急坂を下り始める。落ち葉が堆積しているので、さながら落ち葉のラッセル状態。サクサクという音が山間に聞こえるだけ。

麓に近づくにしたがって、ほんのわずかだが、紅葉の名残が樹間に垣間見える。


二十六夜の山頂から50分くらい下ったところに、仙人水という水場があるので、水筒に詰めて持ち帰ることにした。焼酎かウイスキーの水割りに使おうという呑んべいのモクロミ。
さらに30分ほど下って、温泉に着いたのはおよそ3時。

芭蕉月待ちの湯 は大きな施設で、大中小の浴室、露天、サウナもある。さっぱり汗を流して、大広間で例によって、湯上りの生ビールで喉を潤す。お次は、玄関先に「古代米で作ったどぶろく」という表示を目ざとく見つけていたので、早速試してみる。

その土地ならではの酒を味わうのも、旅人のエチケット?!。


片口にたっぷり1合入った”どぶろく”は、古代米ということもあって、赤みを帯びた苺入りのヨーグルトのようにドロッとしたお酒。

火入れをしていない生酒なので、かなり冷たくて、あまり匂はない。

14・15度と日本酒と同じ度数だが、飲み口はさっぱり。味はともかく貴重な体験をした。

2時間の滞在時間もあっという間に過ぎ、バスに乗って富士急行赤坂駅まで10分ほど。

この駅で時刻表を見ると、30分も待ち時間がある。

しかたがない?ので、少し離れたところにある蕎麦屋で、熱燗1本を呑みながら、新蕎麦をたぐることにした。

駅に戻ると、今回の山旅で行きのバスから温泉まで偶然行動をともにした登山客6名が集まっている。

 

 

大月で富士急からJRに乗り継ぎ、帰路に着くが、これで酒盛りも終わりかと思いきや、相棒がどこで仕入れたか、ポケットビンのウイスキーが登場。テルモスのふたを取り出し、ここで山中で汲んだ仙人水のお出ましというわけ。道志の水で、サントリーレッドの水割りをば・・。

 

そういえば、何十年か前の大昔、道志川の清流で岩魚釣りをする、開高健のサントリーのコマーシャルがあったけ。

あれはサントリーレッドか、角ビンか?
途中で水を汲んだ仙人水

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