クサガメのマフラー ~赤耳のレイン~ -21ページ目

急すぎる別れ

7月9日、テレビを見ながら水槽掃除を待つマフラーの、前にまわって写真を撮っている飼い主に「テレビが見えない」と、文句を言うマフラー。これが元気な姿の最後の写真となった。

 

7月11日夜、帰宅すると、振り向いたマフラーは泡を吐いていた。

暑さにやられてしまったのかと思い、水をかけた。甲羅は熱くない。頭にもかけたら飲んでいるようにも見えたが、吐き出していた。しかも血。水と血の混ざったようなものを吐き出し、時折いびきのような呼吸音を出している。

 

水に入れようとすると、いやがって手をぎゅっと掴むのでタオルの上に置いた。持ち上げたときズズズっと大きな呼吸音の振動が手に伝わってきた。

動かすとよけいに口と鼻から血があふれる。だが力はあって、タオルの上から自分で歩いて動いてしまう。

 

夜中の12時、口をあけ目を見開き苦しそうにしている。呼ぶとガラガラ呼吸音をたて、口をパクパクしながらこっちを見るが、なにもしてやれず。

 

7月12日朝、すでに息はなく、目と口を開けたまま硬くなっていた。

 

すぐに埋葬できるような準備はないので、箱にタオルとホットクッキングシートを敷いてマフラーを入れ、ポリ袋で覆って輪ゴムで止めて冷蔵庫に入れて出勤した。

仕事中、考えないように、いま泣かないように、一生懸命鼻水すすった。

 

 

7月15日、朝からホームセンターに行って、黒土、腐葉土、荒木田土、それに大きな植木鉢を買ってきた。

冷蔵庫から出したら、口は閉じていて、穏やかかな顔になっていた。

 

マフラーは土に還ります。

 

手足のむくみ

ふっくらしすぎたマフラーの手。

そんなにたくさん食べてないのに。

指まで太くなって、水かきが広げられない。日光浴しているのに、お肌ボロボロ。体が重くて休み休みじゃないと、歩けない。

水泳でダイエットと、思ってもすぐに疲れて上がりたがる。

一緒に暮らして29年目。初めて病院に連れて行った。

レントゲン撮ったら、腎臓が肥大していた。

血液検査したら、尿酸値が高かった。

腎臓は29年間の積み重ねなので、治らないと、いわれた。

ここ一年くらい、カメフードよりも、人間用の煮魚の比重が多くなっていた。最近、甘やかしすぎになっていた。5月の連休には握りずしのネタを好きなだけ食べさせてしまった。

これ以上悪くならないように、食生活の改善に励んでいる。

尿酸をつくらせない薬も毎日きちんと飲んでいる。

 

お水を

ごくごく

ごくごく

飲んだよ

 

 

都会のオアシス

すずめの若鳥怖いもの知らず。

巣立ったばかりのころには、親鳥に連れられてきた。

親鳥は人間が投げたパンを拾って、鞄に荷物でもつめるように小雀の開いた口につっこむ。やがて小雀が一人餌になると、兄弟だけで餌もらいにくる。

 

すずめにかまっていると、足元はカメだらけ。

愛嬌ふりまく

もたもたしていると

乾燥エビ順番待っている。

まるで飼っているカメのように靴ひもひっぱる。

平泳ぎしているカエル。

ヒバカリが軽やかに通り過ぎた。

 

マフラーが大きくなった気がする。体重は毎日おとなしく量らせてくれるが、たまに寸法を測ろうとすると、いやがる。

甲長約160ミリ。甲幅約105ミリ。高さ64ミリ。ウエスト270ミリ。甲長そのままで厚みが増した。

定規やメジャーの他に、ノギスや外パスなど用意していると、マフラーはスタコラ逃げ出して、寝転がっていた妹に助けを求めていた。

 

花見の季節の公園は、人間がいっぱい出てきて居場所に困る。

人間が投げたパンを空中でキャッチして、高いところへ持って行って飲み込もうとしているヒヨドリ。

腹黒っぽいスズメ。

ふっくらぽん

マフラーのお手手はふっくらぽん。

ふっくらお手手で踏まれたり、ぎゅっとつかまれたり、ひっかかれたりしても癒される。

 

公園では、顔見知りのアカミミ4匹と再会。まだソーラー充電中。

葉っぱや羽毛のアクセサリー。桜の花びらのアクセサリーはまだ池に落ちてこないから。

 

寒さが戻ってきた日は、カメたちは二度寝。

そんな日は、スズメも着ぶくれ。空気をたくさん含んだダウンジャケット。

ふっくらぽん