17) 二回目の滝遊び | BIG BLUE SKY -around the world-

17) 二回目の滝遊び

第十七話) 二回目の滝遊び


七日目の南タイツアー唯一の休養日に、DS 夫人一家と一緒に、滝遊びへ行くことにした。
ハジャイ郊外にある、トンガチャンの滝 (Ton Nga Chang Waterfall) を目指す。
DS 夫人・AI との滝遊びは、2011年にパトゥムターニー郊外の滝へ行って以来の 7年振り二回目。
トンガチャンの滝に行くのは、2015年以来の 3年振り二回目。
いずれにしても、二回目の滝遊びである。

Abang のハイラックスサーフの荷台に、AI と AI の友人たち三人,計四人を乗せて団地を出発した。
四人は、AI が持って来たギターに合わせて、およそ 30km の道中を歌い続ける。
その様子に気を惹かれた滝の入場ゲートの係員は、運転する私が外国人であることを見逃して、タイ人料金を請求した。
駐車場に車を止めると、食べ物と飲み物,ギターに遊び道具を持って、川辺に陣取った。



[滝へのピクニック/トンガチャンの滝,ハジャイ近郊] (2018)
Picnic to Ton Nga Chang Waterfall in the west side of Hat Yai


料理は食べ切れないほどかと思ったが、AI たち四人は食欲旺盛だ。
モスレム向けとそうではない料理は、どちらもあっと言う間に減って行く。
どこまでも澄み切った川の流れに足をつけると、南タイに来て一番の涼風が頬を通り過ぎて行く。
ギターを弾いて歌う AI は、3年前のバーン・セーン・ビーチの時より、歌もギターも上達していた。

3年前に一緒に来た友人が、 電話をしながら座り込んだ浅瀬は、少し下流の方だ。
彼女は能動的な行動を好み、受動的に動くのは好まない。
それ故に、今回の南タイツアーでは連絡を取っていない。
もしハジャイに居るのならば、いつものように、彼女の方から連絡が来るだろう。
バミーとアイスコーヒーのようなものだ。



[澄み切った川を泳ぐ鯉の群れ/トンガチャンの滝,ハジャイ近郊] (2018)
Carp in the clearest silent water, Ton Nga Chang Waterfall in the west side of Hat Yai


こんなに穏やかな休日を過ごすのは、いつ以来だろう。
走馬灯のように巡る数々の休日は、タイで過ごした休日ばかりだ。
母国の休日は、ここでの回想の対象領域からは外れてしまったようだ。

二人で Dream World へ行った時や、OI ちゃんたちと一緒に Suan Siam に行った時のように、楽しいですよ。

AI が私の考えていることを、見透かしたかのように笑う。
ラオスに帰った OI ちゃんは、思い出の中では小学生のままだ。
今日一緒に来た三人と、又会う日が来るのかは分からないけれども、思い出の中に存在し続けることは間違いない。
セルティックの 25番,中村俊輔のユニフォームを着た姿とともに。



[滝へのピクニック/トンガチャンの滝,ハジャイ近郊] (2018)
Picnic to Ton Nga Chang Waterfall in the west side of Hat Yai


中村俊輔だね。  はい ?
そのセルティックの 25番のユニフォームだよ。  え ?
そのユニフォームのシャツはどうしたの ?   リサイクルのマーケットで買いました、いいでしょう。
いいね、十年物のビンテージだ、中村のファンならば、きっと欲しがるよ。
タイを始めとする ASEAN 諸国では、世界各国から輸入された新古品・型落ち品が、リサイクルマーケットで販売されている。
そこでは、セルティックの中村俊輔のユニフォームのように、ビンテージ物の逸品が見つかることがある。


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