2018年1月3日に敢行した、年頭奈良遊撃。この日のネタで記事にしているのは、奈良県道28号日の森峠不通区間探索、伐田橋(仮)、島谷管理橋。
今宵ご紹介するのは、お昼ごろにたまたま通りすがって知った物件。そのファーストコンタクト写真はあえて最後に。
まずはこれ。
現在地はこちら。村道から日裏川に架かる人道橋を渡り、対岸へ。
橋の名は、
白髭橋。
その名のとおり、対岸にあった朱塗りの鳥居には、
「白髭大神」の扁額が。
いろんなものが主張してくるのだが、まずは気になるのが、
「紀功碑」と刻まれたこの石碑。青っぽい石が特徴的だ。
大きめの画像でどうぞ。
めんどくさいので、碑文は各自でお読みいただいて(久々
冒頭に「吉野水電株式会社」という名称とか、最後の方には「大正十一年」なんて年号も見えたので、これはいにしえの水力発電所にまつわるものだと思った。
一発でわかるでしょ~同業者なら、これ見りゃあ。まあファーストコンタクトでわかったから来たわけだが。
ただしこの真新しい建屋と水圧鉄管を見るに、ごく近年に再建されたもののようで。建屋は吉野杉を使ってるのかな?
建屋には立派な扁額(っていうのかなこういうのも)があり、「つくばね発電所」と。
三が日だったからちゃんとしめ飾りも。こういうのいいな。
調べてみるともともとこの「筑波峯発電所」は、1914(大正3)年に完成してから1963(昭和38)年までおよそ50年間稼働していた水力発電所で、その跡地に新たに小水力発電所を建設、2017年7月から発電を開始…したものらしい。つまりわたくしの訪問のタイミングは、発電開始から半年ほどしか経ってない頃だったわけだ。
もとより、この現代において発電所を再建する第一義的な目的は、発電そのものではない。では何のために?このあたり、東吉野村水力発電株式会社のホームページ及び各リンクを参照いただきたい。
たまたまわたくしこの少し前に「小水力発電」というものを知り、「へ~そんな揺り戻し的なムーブメントがあるんだ~」と思っていたタイミングだったので、ファーストコンタクトでピンと来たのだった。
真新しい水圧鉄管…って、
もはや鉄管じゃないな。ポリエチレン?のパイプか。
かつての鉄管路を踏襲したのだろうが、
おや?これは?まぎれもなくかつての鉄管の遺構だ。
たわむれに覗いた、鉄管内部。
うーん、リベット萌え~。やっぱポリ管よりこっちがいいな。
で、そう、実はこうなってたのだ。
つまりこれは、旧管路のサドルだ。
三枚上の写真で管路が曲がってるところ、
実はかつての管路はこうしてストレートに下まで降りていた、その遺構が残っていた。アツイな。
で、その旧管路は、
ここで建屋に接続されていたようだ。
そう、これがもとの発電所建屋で、
引いて見るとこんな感じになっていた。
こちらは現在は、東吉野キャンプ場の施設となっているようだった。
最後に、ファーストコンタクトたる日裏川対岸の村道からの景を。
つくばね発電所全景。なんだかほんのりジオラマちっくで、なかなか素敵だと思いません?ちなみに白髭神社は、初代発電所建設と同時に創建されたものらしい。
最新のストビュー(2023年4月撮影)を見る限りでは、わたくしが今回ご紹介したエリアには問題なく立ち入れるようだ。この近辺には他にもステキ物件があるので、お近くへお越しの際はぜひ。
以上。
しかしこれまたテーマ分けに困る記事…。「ダム、堰堤、樋門、樋管、分水工など」に「発電所」もブチこんじまおうか…。