2019年4月29日、平成最後の遊撃@紀伊半島3日目最終日。この日のネタで記事にしているのは、新和歌浦第二隧道、一軒屋橋横のワーレントラス管橋、犬鳴隧道。今宵紹介するのは、犬鳴隧道を目指しているときに見つけて急停止…しそうになった(笑)物件。
どうせ同じ道を戻ってくるので帰りにしよう、ということで
犬鳴隧道訪問後、この県道路肩に無理くり停車。場所はコチラ。
ここがどうした?って感じだと思うが、後ろのガードレールが切れているところに注目。
その奥に…
橋。明らかに「ある雰囲気」を醸してるやつ。マジか~。
そうなんです。
明らかな、未供用橋。
未成橋とは違い、
橋としては完成しているが、実際に供用されていない、というタイプ。けっこう立派なものだ。
これは当然、渡らなアカンやつ。
まず右側の親柱に、お名前があった。
「しんじんづうはし」。
反対側の親柱は…って、
ぐえ(笑)。
でも確かめずにはおれない。なんとも難儀な性格で…(笑)。
「平成8年3月竣工」。平成に入ってからの橋だろうとは思っていたが、やはり。
ってことは、探索時点でまる23年、放置されていたことになる。なんとも不憫な…。
橋上の様子。
センターラインが引かれるべき、十分な幅員。これは間違いなく、先ほど車を停めた現道である和歌山県道/大阪府道62号泉佐野打田線のバイパス(道路の一部)として架けられた橋だろうと思った。
橋上から、その現道方向を望む。
現道の上に、アヤシイ遺構があるな、と思いながらも、明らかに私有地くさかったので訪ねてはいない。
で、渡った先が…
まさに、お約束の展開(笑)。
バイパス道路なんて、ありゃあしない。
うぅ~ん。
ここはまだマシか。
漢字のお名前、
「新神通橋」。
で、反対側は…
うぅ~~ん(笑)。
これはもういいや。ここまでで欲しい情報はすべて得られてるし、あそこに潜り込む気にはちょっとなれなかった。
渡りきると、即座に
この状況。路盤さえも未整備のままか?
この先200mも進めば(進めれば)、大阪府との府県境だ。
深入りする気にもなれず、振り返り。
まさに、「ザ・未供用橋」な景。グッとくるね。
実はこの橋、現道からまる見え。ちなみにストビューではこんな感じ。
にもかかわらず、ネット上でこの橋のことを取り上げている同業者…はおろか、目ぼしい情報は見つけられなかった。
唯一、ウィキ先生でこの県道/府道を調べてみると、このような記述がある。
府県境付近の和歌山県側に採石場跡があるが、その手前から分岐する道路を拡張する計画があった。[要出典] 和歌山県側にはその橋が工事され、完成されているが供用開始には至っていない。[要出典] 大阪府側は着工せずに話が立ち消えになったので、和歌山県側に完成した橋だけが残った。[要出典]
[要出典]だらけの不確かな記述ではあるが、大まかな実態としてこのような経緯があったであろうことはやはり間違いなさそうだ。その結果として、平成8年に新神通橋が完成したものの、それでチョン、と。
なんでこんなことになっちゃったんだろうね?和歌山県だけが前のめりで、大阪府はつれなかった?だとしても、普通に考えればこういうのってある程度協議したうえで着工するものだと思うけど、こうも見事に「梯子を外された」のがあからさまな物件って、そう見ない。
それだけに、
この不憫な橋が愛おしい。
以上。