一部で話題沸騰の、観音坂隧道問題(笑)。
その惜別記事に先立って紹介しておきたいのが、他でもない、平成28年3月26日土曜日より供用開始される新トンネルである。え?フライング?イイのよ、それくらい、せめてもの腹いせとして(大謎)。
わたくしとて隧道趣味人の端くれとして、観音坂隧道に取って代わる新トンネルが掘られていることは知っていた。そんな中、2014年5月4日、「煉瓦祭りソロ地獄篇」を敢行中、近くを通りかかったついでに、ちょいと視察(笑)した時の様子を。
いつものように米原側からアプローチ。特に事前情報も持たずに行ったが、一発でわかった。
めっちゃ出来てるやないの~。
改めて今回、報道されている内容など見てみると、この新トンネルが完成したのは平成26年7月だそうで、ということは、完成のおよそ2か月前の姿、ということになる。
なるほど道理で、と頷ける、
「ほぼ完成」状態のトンネル。
ある程度は旧隧道を意識したポータルデザインが採用されているよう。しかしまあ、比べてみたらなんと安っぽいことか。経年感を差し引いたとしても、あの重厚な意匠の足元にも及ばない。
あ、ちなみにこの日はGW中で休工日だったと見え、作業している様子も人の姿もなかった。こりゃラッキー、というわけでお邪魔したが、一応正面突破は避けて脇の田んぼからニュルっと(笑)。
扁額と銘板のスペースがきちんと取られてはいるものの、
まだ嵌ってはおらず。
そうそう、扁額といえば。今回新トンネルの写真をよく見て、改めてハッとさせられた。
この日の少しあとに掲げられたはずの扁額、そこに書かれた名称は…「観音坂トンネル」。
そう、わたくしとしては(そして想像するに、他の同好の士たちも)、新トンネルの名称は「新観音坂トンネル」だと思っていた。お隣の新横山トンネルのように。だが、そうではなかったのだ。
「新」が頭につかない、これすなわち、「旧」は殺される運命。
…であることが原則のこの業界。「旧」、つまり昭和8年から地域の交通を支えてきた、「俺たちの観音坂隧道」(笑)が殺されるのは、既定路線だったのだと、今更ながらに思い知った次第。
洞内照明などもまだっぽい。
さらに歩道用柵や非常用電話設置など各種設備を残すのみ、といったところか。
「その気になれば」歩いて長浜側まで抜けられただろう。だが簡易ながらも金網で封鎖され「立入禁止」と明記されてもいる。第一、それほど面白くもなかろう…というわけで、進入はしていない。
「新」トンネル・米原側坑口前から振り返り。
道路はまだまだこれから、って感じやな~。
…というのが、「視察」時の報告であります。そしてそれから約2年、晴れて供用の日を迎えることになった、と。
この「新」トンネル…いや、観音坂トンネルにはなにも罪はないのだ。地域交通の利便性が向上するのは素晴らしいことだし、伊吹高校の生徒たちも安全に、そして少しはチャリをこぐ苦労も軽減されるだろう(笑)。これまた喜ばしい。
「新入社員がオマエ以上の仕事してくれるからさあ、長いこと働いてくれたけど、3月26日をもってクビってことで。」
「クビだけじゃ後々面倒くさいし、殺して埋めちゃえよ。」
怖っ!!
…的なね。
問題は旧隧道の処遇、その一点に尽きる。
その恨み節は、また改めて(怖)。
以上。THE END.