今宵ご紹介するのは、阿蔵隧道から遡ること1時間10分、この日の中盤に出会った「予期せぬアレ」でございます。
タメなし!いきなりドーーン!
全くノーマークだった、煉瓦隧道!
下調べにおいて、掛川周辺エリアで何本かの土木遺産選定煉瓦隧道の存在を確認はしていた。が、こんな隧道聞いてねーーっす。
巻厚四層の煉瓦アーチだけじゃなく、パラペットも全て煉瓦。要石、帯石、笠石も完備ときたもんだ。
それにもちろん、
扁額も。
「黒立隧道」。
いや~ノーマーク。こんなステキ隧道の情報が、土木遺産的な切り口では全然見当たらなかった。だって、土木遺産選定もされてないようだし。
煉瓦造りなのはポータルだけでなく、
洞内も煉瓦。完全煉瓦隧道なのだった。
トンネルリスト(「平成16年度全国道路施設現況調査」/国土交通省)に掲載された黒立隧道の諸元は以下の通り。
明治36年建造 延長51m、道路部幅員3.0m、有効高3.8m
ただ「隧道データベース」では、なぜか諸元が異なる。
大正7年建造 延長51m、車道幅員3.2m、限界高.3.1m
どっちが正しいのかわからないが、なんにせよ見たところほぼオリジナルのままの無改修である(ように見えた)。
何故に土木学会は、このような素晴らしい隧道を黙殺しているのだろうか。謎すぎる、謎すぎすぎる(笑)。
で~。
パラペットを至近から。
はい、お察しの通り登りましたん(笑)。
なかなかこんなとこまで見ないかもだけど、
いや~、隅々までしっかり造られてるわ。完璧。
黒立隧道が穿たれたこの道。
今でこそ単なる市道(町道)だけど、これだけの隧道が建造されたってことは、重要な道だったに違いない。
改めて先に出した地図をご覧いただきたいが、1km強ほど南を走る県道40号の旧道に当たる道ではないかと思われるのだが、いかが?
その辺ちゃんと調べて記事にしろよ!って言われそうだが、わたくしがそんなことしないのはわかってるでしょ(爆)。
舐めるように見ても…
驚愕の状態の良さ!
煉瓦の品質も良かったのか?金かかってるぞこの隧道。もしかしたら、よく探せば周辺に隧道竣功碑の類いがあったんだったりして?
わたくしのアプローチは磐田市側からだったのだが、

上の写真左端から伸びる、旧道とおぼしき平場があった。
完全に廃道なようで、非常に気になりはしたんだが、辿らなかった(ゲバゲバさんに怒られるヤツや・笑)。
車で反対側へ。
マジに完全煉瓦だ。
ウソみたい。なんでこれで土木遺産指定されへんの?
抜けて、森町側坑口に正対。
けっこうイロイロ酷い写真だが、それでも隧道の素晴らしさは隠しようもない。
ホントこの隧道、
イッサイ綻びがないじゃないのよ!
先は急いでいたが、それでも18分かけて鑑賞した。いやいや、素晴らしいものを見せていただいた。さすがの遠州クオリティ。層の厚さに脱帽でございました。
以上、完結。