東の千葉(房総)、西の大分。隧道趣味においてはまさに東西の横綱であるこの二県。しかし、比較すれば量こそ少なめではあるものの、その質・多彩さにおいては両横綱に比肩しうるクオリティを誇るエリア、
それがこの静岡県西部、特に掛川市・袋井市を中心とした一帯である。
そんなパラダイスに恋い焦がれ、初めて訪れた2011年の冬。そして今回の物件に出会ったのは第二回の掛川遠征、2011年12月25日のことだった。
あ、コレじゃないですよ(笑)。これは単なるボックスカルバートだけど、村松一色トンネルという名称がある。ヤマハのテストコースの下をくぐっており、おりしもテスト走行中、エギゾースト・ノートを聞く限り、かなりの高速巡航中のようだ。
まあここがそんなに面白い穴でないだろうことは予想通り。さあ、次行こうか。…んん??
何アレ?
なんか立ってんスけど!?
ここでようやく現在地を。地図下より北上してきた。
こうして電子地図を見れば一目瞭然、背後の村松一色トンネルとは別の小さな穴表記が確認できるのだが、いかんせん、我が探索のお伴・県別マップルでの表記は超ォ~ちっさ(爆)。
事前の徘徊ルート選定時はもちろん、現地であの高さ制限標識を視認するまで、まっったく気付いていなかった…。すなわち、
こんな感じになっております。
ちっさ!穴ちっさ!
素晴らしい素掘り隧道がそこに。
いや~、いかなる時でも、予備知識なく発見した物件というのは、限りなくテンションが上がる!ましてやブツがこれですから!ダートなのもいいやね~!
完全素掘り。隧道前から続くなめらかな掘割、そして砂岩質というのか?この地質の風合い。いずれも、かの暴走…もとい房総の素掘り物件に通じるものがある。
帰宅後に、いつもお世話になっているトンネルリスト(平成16年度道路施設現況調査)で調べてみたところ、名称は一色隧道。なんと明治30年の竣工だった。しかしながらこの時点では名称などまったく不明。ただただ舞い上がるのみ(笑)。
洞内をまともに写した画像がないのが悔やまれるが、鑿跡だろうか?
短いからすぐに抜けてしまう。
抜けた先は左カーブ。実は隧道内からけっこうな下り勾配なのが伝わるだろうか?
あっ、険酷隧さんのパクリみたいになっちゃった(笑)
こんなん現地で見つけて、もう感激!
トンネルリストによるスペックは、延長11m、幅員2.1m、高さ2.3m。可愛い、という表現がぴったりの、それはそれは素敵な隧道でありました。
以上、完結。