追憶の旧・高松橋 (京都市伏見区深草下高松町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
何度も記事候補に挙がっては見送ってきた物件が、すでに遅きに失したことに気づいてからも、すでに1年以上経ってしまった…。
 
 
2011年7月1日、伏見方面の琵琶湖疏水橋梁群訪問第2弾、その一発目。京阪の鳥羽街道駅から至近のこの橋を、ついにご紹介。この日のネタで記事にしているのは、ラストのススハキ橋
 
 
 
駅からは100mもない。最近のトレンドどおり(笑)、タメなし。
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琵琶湖疏水に架かる数ある橋梁の中でも、異彩を放つステキ橋…だった。
 
 
 
この橋はね~。個性あったなあ~。
 
 
ここからでも気づかれるだろうか、橋の途中でのアグレッシヴな勾配変化を。
 
 
 
引きでズームすると、その異形はより際立った。
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橋の真ん中で、ガクンと下がっているのが一目瞭然。
 
これは疏水の西側を走る師団街道が水面と同じくらいの高さなので、擦り付けのためにグッと下がっているため。向こうに見える黄信号が、師団街道との交差点になる。
 
 
そうそう、橋のお名前は、
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「高松橋」。
 
凝った意匠を施した、立派な親柱。疏水橋梁でも限られた橋のみに与えられる特徴である(例1例2)。
 
 
 
かなり斜めに架かっているのも、
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疏水関連橋梁では確かここだけのはず。
 
こうしてサイドぎみに見ても、橋の真ん中で下がっているのが一目瞭然。こういう橋、珍しい。
 
 
 
橋上にて。
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これは東(鳥羽街道駅側)を振り返りアングル。このシンプルな欄干がまたよかったなあ…。
 
ちなみに、この橋の北半分は東山区。橋の真ん中が伏見区との区境になっている。
 
 
 
西側より正対。
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イイねえ~実に。
 
主張が凄い(笑)。
 
 
 
疏水橋梁なので、当然ながら
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大正橋梁であります。
 
 
 
反対側の親柱は
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ひらがなのお名前。味あるなぁ、この字体。
 
 
 
 
欄干は、人造石製かなあ。
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今思えば、もっとよく観察しておけばよかったな…。
 
 
 
こういうトコとかね…。
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疏水橋梁、この部分にも意匠が施されているものが多いのだが、このパターンはここでしか見なかったなあ。
 
 
 
さて、記事の書きっぷりから、そしてタイトルからも想像つかれていると思うが…
 
 
ようやく確かめに行けたのは、2017年12月25日。
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極めてガッツリと、架け換えられてしまいました、高松橋。
 
 
いや~、仕事で時々乗る京阪電車、ある日高松橋に異変が起こりかけているのに気づいたが、ある時期にはもう仮設橋に換わっていて愕然とした。
 
そうこうしてる間に、
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道路ごと拡幅され、アグレッシヴだった勾配変化も不陸調整が行われ、なだらかになった。
 
そして…クソつまんない橋になった。
 
あの個性的な素晴らしい橋が…なんともったいない。誰も何とも思わないのだろうか?つまらん橋やな~って。…思わないんでしょうな、一般の方は(笑)。
 
まあこれも世の流れ。安全便利になったのは間違いない。
 
 
 
そんな悲しい気持ちのわたくし、立ち去ろうとして…
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目に留った、アレ。心のどこかではアレを探してたよ~。
 
 
 
 
間違いない。
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高欄一式が残されている!
 
コレはなんか、気持ち的に救われた。
 
 
 
新装成った橋を遠くから見守る、旧橋の忘れ形見たち。
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今現在どうなっているのか、またこの更地が何なのかもわからないが、こうやってきちんと整理された形で残されているということは、どこか近辺に保存してもらえるのかもしれない。
 
さすがに欄干までは無理かもだけど、せめて親柱だけでも、何とかお願いします。
 
 
 
以上、完結。