【2】より続く。
見える前から、もう存在を感じた。ぐらいの。時刻は7時34分。
ついに現れた、「戸倉の未成隧道」。
長年探訪を願っていた隧道との、念願の邂逅。いや~この登場はシビレた(死語)。手前の沼が、また雰囲気を盛り上げるやないの~。
これまでに記事にした中では、
いやはや…
すげーオーラ…。
坑門工、いわゆるポータルは存在しない。地山に直接、ぽっかりと穴が穿たれている。
改めて、この未成隧道について知り得た情報を…。
この隧道は太平洋戦争末期、帝国陸軍によって掘り進められていた軍事輸送用トンネル。完成する前に終戦を迎えたために掘りかけのままで放棄され、現在に至っている、と。
つまり放棄されてから70年以上が経過している、という、いわば「筋金入りの未成隧道」である。
坑口前には土砂が堆積してサイズを小さく見せているが、
それを乗り越えると
おおぅ…。
未成というイメージとは裏腹に、コンクリートで巻かれた思いのほかデカイ穴であることが知れる。威圧感がのしかかってくるが…
それでもここは、
まだ、入り口ですよ。
振り向けば、すぐに外界が。
思わずここで深呼吸。潜る前に新鮮な空気を「吸いだめ」しておきたい衝動か?(笑)。
ちょっとした決意を要求されるな、
この穴は。
外界とはしばしの別れ。