戸倉峠の明治道と未成隧道 【3】(鳥取県八東郡若桜町落折) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【2】より続く。
 
 
 
 
見える前から、もう存在を感じた。ぐらいの。時刻は7時34分。
 
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ついに現れた、「戸倉の未成隧道」。
 
長年探訪を願っていた隧道との、念願の邂逅。いや~この登場はシビレた(死語)。手前の沼が、また雰囲気を盛り上げるやないの~。
 
 
 
これまでに記事にした中では、
 
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丸塚隧道柏嶺隧道菅原隧道あたりと肩を並べるファースト・インパクトかと。
 
 
 
いやはや…
 
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すげーオーラ…。
 
坑門工、いわゆるポータルは存在しない。地山に直接、ぽっかりと穴が穿たれている。
 
 
改めて、この未成隧道について知り得た情報を…。
 
この隧道は太平洋戦争末期、帝国陸軍によって掘り進められていた軍事輸送用トンネル。完成する前に終戦を迎えたために掘りかけのままで放棄され、現在に至っている、と。
つまり放棄されてから70年以上が経過している、という、いわば「筋金入りの未成隧道」である
 
 
坑口前には土砂が堆積してサイズを小さく見せているが、
 
 
それを乗り越えると
 
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おおぅ…。
 
未成というイメージとは裏腹に、コンクリートで巻かれた思いのほかデカイ穴であることが知れる。威圧感がのしかかってくるが…
 
 
それでもここは、
 
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まだ、入り口ですよ。
 
振り向けば、すぐに外界が。
 
 
思わずここで深呼吸。潜る前に新鮮な空気を「吸いだめ」しておきたい衝動か?(笑)。
 
 
 
ちょっとした決意を要求されるな、
 
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この穴は。
 
 
 
 
 
外界とはしばしの別れ。
 
 
未成隧道という名の
 
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閉塞空間へと滑り込む。
 
 
 
 
【4】に続く。